キャデラック XT5(Cadillac XT5)は、2017年より販売されるクロスオーバーSUVである。
XT5という車名は、刷新され命名されたもので、以前は「SRX」という車名で販売されていた。
2017年上半期でのキャデラック社の販売台数は約3万台となり、前年同期比にすると約34%の増加となり、その販売台数の内訳を見てみると、約44%が今回紹介するXT5が占めたのだ。
おおよそ4割以上が、XT5ということなので、今やキャデラックの顔とも言える確固たる地位を獲得した人気車種になっている。
今回は、キャデラック XT5について紹介します。
車名の由来は、キャデラックの中で「XT」というのは、SUVを示し、その後ろにつく数字は車格を表す。
XT5の価格は
Premium(プレミアム) | 650万0,000円 |
Platinum Sport(プラチナム スポーツ) | 785万0,000円 |
XT5の兄貴分となるXT6の記事はこちらから
グレード別で2つの顔を持つエクステリアデザイン
Premium(プレミアム)
プレミアムには、フロントグリルに特徴的で繊細なメッシュパターンにしっとりと輝くガルバノクロームのフィニッシュが施されており、ラグジュアリーな雰囲気が漂う洗練されたフロントデザインが印象的だ。
前後のコンビネーションランプには、視認性・被視認性を高めるきめ細やかなLEDを採用し、デイタイムランニングライトにはひと目でキャデラックと分かるデザインとなっている。
力強さと、引き締まった端正なスタイルにはキャデラックの真髄が表現されている。
Platinum Sport(プラチナム スポーツ)
プラチナムスポーツのフロントデザインには、プレミアムとは異なるブラックアウトされたメッシュタイプを採用し、スポーティさを感じさせるデザインとなっている。
サイドウィンドーモールとルーフレールも同様に精悍なブラック仕上げとなり、リアのコンビネーションランプにはクリアレンズを装着している。
また、専用の20インチホイールを採用し、よりスポーティな運転を楽しむユーザーの要求に応えている。
強力なパワーとトルクを持つエンジンに、トランスミッションやパワートレインにより洗練されたドライブを提供
定評のある、3.6L V6直噴エンジンは最大出力314psと、最大トルク368Nmを発生し、その強力なパワーと逞しいトルクのおかげで、様々な交通環境でも余裕のパフォーマンスを発揮するだけでなく、自然吸気ユニットならではの自然なレスポンスとスムーズな回転フィーリングを備えている。
なお、搭載する6気筒エンジンの、2気筒を休止するモードを備えており燃費向上にも貢献している。
新開発の9速オートマチックトランスミッション
2019年1月の一部改良に伴い、新開発の9速オートマチックトランスミッションを搭載している。(改良前は8速オートマチックトランスミッション)
ワイドレシオ化によって、より俊敏な発進加速に加え、巡航時の回転数を抑えることで燃費向上も実現し、多段化によって変速もより滑らかで洗練されたものとなっている。
次世代電子シフターは直線的に確実な操作が可能な電子制御式を採用しています。
路面状況を常に監視し、状況に応じ適切な走行を与える駆動システム
XT5の優れた運動性能を支えるのが、最新のモードセレクト機能付きインテリジェントAWD(4WD)システムが搭載されている。
走行状況や路面変化に応じて、あらゆるロードコンディションで安定した走行を可能にします。
4種類のドライブモード(ツーリング/AWD/スポーツ/オフロード)を切り替えることによって、最適な設定を選択が可能で、ツーリングモードを選択するとプロペラシャフトから後ろを切り離して燃費の向上にも貢献する。
プラチナムスポーツでは、スポーツチューンドAWDシステムを採用していることで、左右後輪へ伝達される駆動力を制御することで、よりシャープで安定したコーナリングを実現している。
さらに、リアルタイムダンピングサスペンションによって、卓越したコントロール性能と快適な乗り心地を実現している。
あらゆる視点から安全性を高める、先進セーフティシステム
XT5には、車両各部に多くのレーダー、カメラ、超音波センサーなどの先進のセーフティデバイスを搭載し、クルマの周囲に危険を感知する機能を張り巡らせ、安全なドライブをアシストする。
セーフティアラートドライバーシート
センサーが危険を感知すると、シートクッションの左右に内蔵したバイブレーターが振動して運転者に警告する、キャデラックが特許を持つ革新的なセーフティシステムです。
状況に応じてシートの左右それぞれまたは両方同時に振動するので、危険が迫る方向を感覚的に認識できるのが特徴的だ。
フォワードコリジョンアラート
前方の交通状況をモニターし、衝突の危険性を察知すると警告を発する。
また、フォワードディスタンスインジケーターは、先行車との車間距離を算出して、DIC(ドライバーインフォメーションセンター)に秒数で表示する。
一定の速度で走行中、差し迫った衝突の危険性を感知すると、自動的にブレーキをかけて衝撃の軽減を図る。
サイドブラインドゾーンアラート
走行中、運転者の死角となるエリアに他の車が入ったり、急速に接近してくる車を検知すると、検知した側のドアミラーに警告アイコンを点灯します。
なお、その状況で運転者がウインカーを出した場合、警告アイコンを点滅して注意を促す。
リアクロストラフィックアラート
駐車スペースなどから、バックで車を出す際に、後方を横切る車の存在をレーダーで感知し、DIC(ドライバーインフォメーションセンター)およびセーフティアラートドライバーシートで警告を行い、注意喚起します。
エマージェンシーブレーキシステム
前進時と後進時に、一定の速度で走行中に前後の衝突の危険性を感知し、自動的にブレーキをかけて衝撃の回避を図る。
レーンキープアシスト
運転者がウインカーを出さずに走行車線を逸脱しそうになると、ステアリングをゆるやかに制御して本来の車線内に戻します。
また、レーンディパーチャーウォーニングは、走行車線からの逸脱を検知すると、DIC(ドライバーインフォメーションセンター)に警告を表示するとともに、セーフティアラートドライバーシートを振動させます。
アダプティブクルーズコントロール[プラチナムスポーツに標準装備]
前方レーダーを駆使して先行車を継続的にモニターし、必要に応じて加速・減速・完全停止を自動で行う。
設定した車間距離を維持するので、ロングドライブや渋滞で運転者の負担を軽減します。
リアビューカメラ
高解像度リアビューカメラによって、自動的に車両後方のライブ画像をキャデラックユーザーエクスペリエンスに映し、画像上のガイドラインによって適切な進路を示し、進行方向にいる人や障害物が確認できる。
オートマチックパーキングアシスト
駐車可能なスペースをスキャンし、対応し自動で縦列駐車に加えて、並列駐車に適切なステアリング操作を行うので、運転者はシフト操作のみで駐車できます。
新世代サラウンドビジョン
低速での前進や後退時に、自車とその周囲を真上から見下ろしたような360度の映像をキャデラックユーザーエクスペリエンスのディスプレイに表示することで、安全な駐車をアシストします。
フロント歩行者対応ブレーキ+リアペデストリアンディテクションアラート
カメラを用いて前後方の道路状況を確認し、歩行者を発見すると運転者に警告します。
また、必要に応じてブレーキをかけて前方の衝突回避および被害の軽減を図ります。
レインセンスワイパー
降雨を検知するとワイパーが自動的に作動し、雨の強さに合わせて速度を調整します。
また、オートドライブレーキ機能がワイパーの作動に合わせてブレーキパッドをローターに近づけ、水分を効果的に除去して制動力を高める。
利便性と先進技術を兼ね備えたインテリア
キャデラックの伝統である、先進技術を積極的に導入することと、本物の素材を使用して入念に仕上げるといった2つのルールを基に、インテリアデザインやテクノロジーをXT5にも採用しています。
使いやすさを念頭においたコクピット
クラスター内のメーターには、8インチのフルデジタルメーター、ダッシュ中央のディスプレイにも8インチタッチスクリーンを採用し、最新のデジタルデバイスを導入しているが、実際の使いやすさとシンプルで視認性の高い整然としたインストルメントパネルのデザインにも細心の注意を払って設計されている。
広々とした室内スペースと、大容量のラゲッジスペース
リアシートには、スライドとリクライニング調整がかのうとなっており、乗車人数や荷物の量に応じて細かく調整することが出来る。
ラゲッジルームは、標準状態で850Lの広大なスペースを持ち、60:40の分割可倒式のリアシートをすべて倒すことにより、1,784Lもの広大でなおかつフラットなラゲッジスペースを生み出す。
ドライブをより楽しむオーディオシステム
XT5には、14個のスピーカーを備えたBose Performance Seriesサラウンドサウンドシステムが備わり、臨場感のある音楽空間が広がります。
さらに逆位相の音波を発生して不快なノイズを打ち消すBoseアクティブノイズキャンセレーションシステムも標準装備されており、静粛性にも優れている。
デジタル技術によって、視界の良さを確保
ルームミラーには、一般的な鏡面ミラーよりもはるかに視界が広いリアカメラミラーを採用している。
このカメラミラーは、角度調整やズームも可能となっており一段と後方視界を見やすいものとなっている。
なお、一般的なミラーにもワンタッチで切り替えられる。
標準装備されている、ヘッドアップディスプレイによって視線の移動を少なくし、より安全に運転するサポートも欠かさない。
進化したインフォメイトシステム(キャデラックユーザーエクスペリエンス)
キャデラック独自のドライバーインターフェースであるキャデラックユーザーエクスペリエンスは、オーディオシステムや電話、空調などの機能を直感的に操作できる高精細8インチタッチスクリーンに加え、ステアリングホイール上のスイッチと、前後左右のジョグ操作もできるロータリーコントローラーも装備し、状況に応じて使い分けることが可能となっている。
また、キャデラックユーザーエクスペリエンスはスマートフォンに対応しているのはもちろん、ワイヤレスチャージングも備わっている。
アダプティプリモートスタートを使えば遠隔操作でのエンジン始動や、予めシートヒーターを作動させておけるので、乗り込んだ瞬間から快適に出発することが可能だ。
さいごに
キャデラック XT5はいかがだったでしょうか?
SUV人気が高まり続けている昨今、これからSUVを検討している方は、このXT5に是非目を向けてほしい。
それが、筆者の素直な意見だ。
正直、日本市場ではアメリカ車は欧州車に比べてしまうと人気が少ない現状である。
昔からのアメリカ車へのイメージで、「壊れやすい」や「燃費が悪い」、「作り込みが大味なんじゃないか」などとイメージされている方が多いのではないかと感じる。
しかし、そんなイメージはとっくに昔のことで、現代のキャデラックはデザインも細かく、なおかつ高級感がものすごく溢れており、走りに関しても非常に洗練された乗り味になっている事を、伝えたい。
これまで、お伝えしてきたが最新のテクノロジーが満載となっており、日本市場における輸入車の中で、人気の高い欧州車に引けを取らない、いや、もしかしたら欧州車を凌駕するところまでレベルアップしている。
ただXT5は、キャデラックの中でもエントリーモデルとなっているが、その割には車体サイズが大きいこと(全長:4,825mm全幅:1,915mm全高:1,700mm)で、日本の道路状況では気を使うシーンは否めないし、ハンドル位置も左のみとなっているのも支持されにくいところではあると、筆者は感じる。
しかし、こういったネガティブな部分はお伝えしてきたとおり、最新のテクノロジーによって払拭できると思う。
最先端のテクノロジーも相まって、エクステリアデザインやインテリアデザインには、一昔前のアメリカ車とはかけ離れた、ラグジュアリーそのものだし、走りにも上質な乗り心地を提供するXT5は街を駆け抜ければ、他者の目を引くこと間違いないクルマだと言えるだろう。
キャデラックのフラッグシップSUVのエスカレードが2020年後半に米国にて販売開始。
エスカレードの記事はこちらから
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