こんにちは、SCPです。
今回は、元々存在するメーカーの車両をベースに外装やら内装、はたまたエンジン等のクルマの心臓部分をチューニングし、世に送り出している少し変わったクルマのメーカーについてお話していきます。
この様に、同じ車両をオリジナルメーカーが他メーカーに供給する事を「OEM」と呼ばれ、販売される事はありますが、今回は同じ車両でも全く違うテイストを持ち何らかの独自のチューニングを行うことで、全く違う車両となっているのでOEMとは違った観点で、お伝えしていきたいと思います。
アバルト(Abarth)
最近、街でも見かける機会が多くなってきた蠍(サソリ)のエンブレムでお馴染みのアバルト(Abarth)だが、元々1949年イタリアのトリノにて設立され、主にフィアット車を用いての自動車競技への参加、自動車部品や改造車の販売などを行っていた。
1971年にフィアット社に買収され、その後は同社の自動車競技部門としてフォーミュラカーやラリーカー、ツーリングカーの各マシンの開発に携わっていた。
1980年以降はフィアット傘下のフェラーリ、ランチア、アルファロメオなどの競技車両を開発し037ランチアラリー、グループA仕様のランチアデルタ・インテグラーレ、ドイツDTM参加マシンのアルファロメオ155 V6 TIなどを次々と開発した。
ラリーやツーリングカーレースにおけるイタリアンマシンの活躍を支える大きな存在となっていた。
その後、フィアットの自動車部門を統括するフィアットオートモービルグループ社のもと、アバルト&C.社(Abarth&C.S.p.A.)が再組織され、アバルト(Abarth)ブランドとして市販車の販売展開が開始された。
アバルトの日本進出の経緯
2009年2月に日本国内のオフィシャルディーラーネットワークが構築され当初、主要都市4拠点に店舗をオープンさせた。
2016年7月より、フィアット正規ディーラー網でも取り扱いを開始し、2020年現在では全国に71店舗と拡大し、全国ののアバルトファンに購入しやすい環境整備がされた。
ABARTHの現行車種一覧
1.ABARTH 595
フィアット社の「フィアット・500(2007年モデル)」をベースにアバルトがチューニングを施したクルマとなる。
2.ABARTH 595 TURISMO
キャリパー、KONI製のFSDショックアブソーバーを標準装備している(通常モデルはリアサスのみ)
さらに出力もABARTH 595が145psに比べ、ギャレット製のターボチャージャーを備え20psアップの165psとなっている。
3.ABARTH 595C TURISMO
ABARTH 595 TURISMOをベースに、電動開閉式ソフトトップが装備されたオープンモデル。
4.ABARTH 595 COMPETIZIONE(コンペティツィオーネ)
ABARTH 595 TURISMOをベースに、エキゾースト・システム「レコードモンツァ」やヘッドレスト一体型Sabelt製スポーツシート(前席)などを採用し、エンジン出力は180psまでパワーアップしたモデルとなる。
5.ABARTH 124 spider
マツダとの技術協力協定によって同社のND型ロードスターをベースとして作られた2ドアオープンカーとなる。
元はフィアットの車であるが、それをチューンアップしてアバルトのブランドで販売している。
RUF Automobile(ルーフ オートモービル)
ルーフオートモービルは、ドイツを拠点にし同国のポルシェをベースに独自の車造りを行うドイツの自動車メーカーである。
一般のチューニングメーカーとは異なり、独自性の高い車造りを行いそして排気ガスや耐久性等の社会的責任を持つことからドイツ自動車工業会(Verband der Automobilindustrie)に所属が認められている。
RUFの日本正規店について
RUFの日本唯一である正規輸入元として、京都府にある株式会社RTC(アール・ティー・シー)が存在する。
RUFのコンプリートカーやRUFコンバージョンキットの輸入/販売から、整備、修理はもとより、RUFパーツの装着からスペアパーツにいたるまで、RUF社とのダイレクトなバックアップ体制を築き上げている。
RUFの現行車種一覧
1.CTR Anniversary
CTRのベースとなる車両は、「ポルシェ911」となり、初代モデルは1987年に発表している。
それから30年を経て、「CTR2017」を製作しそれをベースとした車両がこの「CTR Anniversary」となります。
主な改造点は、カーボンモノコックシャシとカーボンボディを採用し、総重量1200kgという超軽量ボディを持つことと、911と同様にリアに搭載されるエンジンは710馬力を誇る3.6リッターツインターボ水平対向6気筒で、オリジナルの空冷から水冷エンジンとなっており、最高速度は360kmh以上を誇る。
2.SCR
「スポーツ・カレラ・ルーフ」を意味するSCRの基本的なシルエットは、タイプ964の911を意識したものとなっている。
主な改造点は、ボディには軽量なカーボン素材を用いり総重量1,250kgと超軽量に仕上げ、リアに搭載されるエンジンは最高出力510psを誇る4リッターの水平対向6気筒自然吸気ユニットを採用し、最高速度は320km/hを誇る。
3.RUF GT
RUF GTは、「ポルシェ991」をベースに、最高出力522psを絞り出す3.0Lの水平対向6気筒エンジンとなっている。
総重量は1,450kgとし、最高速度は320km/hとなっている。
4.CTR3 Clubsport
CTR3 Clubsportのベース車は997型の911となるが、CTR3はミッドシップエンジンとする為に、車体の後ろ側を大きく作り変え全長が28センチと延長されるボディを持つ。
エンジンには、ポルシェの3.8L水平対向6気筒エンジンをRUFのチューニングにより777psを誇り、最高速度は370km/hとなります。
5.Turbo Florio
ベース車両には「911タルガ」とし、エンジンは3.8L水平対向6気筒エンジンをRUFによるチューニングを行い、最高出力を645psとし、最高速度は338km/hとなる。
これは、911タルガに搭載されるエンジンの420psを200ps以上も出力アップさせている。
6.RtR
991型911カレラをベースとなるRtRのエンジンは、3.8L水平対向6気筒エンジンで802psを誇る、現時点でRUFの中で最強のパワーを絞り出しています。
強力なエンジンパワーを手なずける要素として、リアにレイアウトされたエンジンに後輪駆動を組み合わせたRR(リアエンジン・リアドライブ)に、世界一と評されるポルシェのセラミックコンポジットブレーキを採用し、強力なパワーを受け止めスマートなコーナリングを実現させる。
7.RGT4.2
歴代ポルシェのNAエンジン搭載モデルで最強とされている、911 GT3 RSをベースに4.2L水平対向6気筒エンジンを搭載し、最高出力525psを出す。
ベースとなる911 GT3 RSでは、ATのみのライアンアップだが、RGT4.2はスポーツ走行の愉しさをユーザーに供給するために6MTが採用されている。
光岡自動車
光岡自動車は、富山県富山市に本社を置く自動車メーカーである。
創業は1968年2月で、当初は市内の馬小屋を借り受けて板金塗装・整備を生業としていたが、「中古車を価格の安価な他地域から仕入れてきて販売する」現在の中古車販売業の先駆けとなるビジネスモデルを展開し、BUBU(ブブ)という店舗名称を用い全国展開するまでに事業を成長させていった。
光岡自動車は、各メーカーから販売されている車両をベースに受注生産の形を取り、手作りによってクルマを造り上げる。
光岡自動車の現行車種一覧
1.ビュート(Viewt)
ビュートは、日産のマーチがベース車両となっていてマーチがベースとは思えない、流麗でしなやかな出で立ちでハッチバックのマーチを感じさせないセダンタイプの形状が特徴だ。
2.ビュートなでしこ(Viewt nadeshiko)
ビュートなでしこは、ビュートのハッチバックモデルで、ハッチバック部分はマーチのデザインを踏襲しつつもリアバンパーにメッキの加飾がされクラシックな見た目が特徴だ。
3.ロックスター(Rock Ster)
ロックスターは、マツダ ロードスターがベースとなるクルマだが、その外観はロードスターとは全く異なる60年代のアメリカ車のようなスタイリングがクラシックでクールな印象だ。
4.ヒミコ(Himiko)
ヒミコもロックスター同様、マツダロードスターがベースとなるがロックスターとは180°異なるロングノーズ、ショートデッキの異彩を放つフォルムだ。
ヘッドライトやテールランプはクラシカルなイメージのデザインで、独創的なエクステリアデザインだ。
5.リューギ(Ryugi)
リューギは、トヨタ カローラアクシオがベースとなるクルマだが、水平基調で端正な面持ちは格式が漂い、フロントフェイスにはクラシカルなイメージで落ち着いたエクステリアが特徴だ。
6.リューギワゴン(Ryugi WAGON)
リューギワゴンは、トヨタ カローラフィールダーがベースとなりリューギのステーションワゴン版だ。
リューギワゴンにも他メーカーにはない、クラシカルスタイルが特徴だ。
7.ガリュー(Galue)
ガリューは、日産 ティアナがベースとなるクルマで、そびえ立つフロントグリルに、丸く大きなヘッドライト。
ゴシック建築のような整然としたフロントマスクとボンネットは至高の威厳を放つ。
ティアナベースという事もあり、落ち着いた高級車のような出で立ちである。
さいごに
3社についてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?
それぞれ、特徴のある自動車メーカーですが、今回紹介したアバルトとRUFについては方向性としてはよりスポーツ要素を高めるためのメーカーで、特にRUFが手掛けるカスタムは中々、コアな内容で最早RUFの車両でレースに出れるんじゃないかというカスタムっぷりでしたね。
アバルトは、595のようなフィアット500をベースに作ってるだけあり、かわいいからスパルタンなフィアット500に変貌しているといったカスタムでした。
光岡自動車は、ベース車両とは全くかけ離れたエクステリアデザインにしている点が前述の2社とは異なるところで、オリジナリティがすごいなと感じました。
他とは違ったクルマが欲しいという方には、この3社のクルマを検討してみてはいかがだろうか?
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