こんにちは、SCPです。
物流大手の佐川急便が、宅配業務専用の電気自動車(EV)を、EVの企画・開発を手がけるASF株式会社との共同により、導入することとなりました。
このプロジェクトは、2020年6月より企画及び開発に着手し、2021年3月には走行性能や機能を検証するための実証実験が行われた。
8月中には内外装の仕様を決定し、早ければ9月より量産開始を予定している。
そこから、約1年の製造期間を経て、2022年9月から順次、首都圏などの都市部を中心とした佐川急便の営業所へ納車される予定となっている。
現状、すでに8月に入っていることから走行性能や機能面の実証実験はクリアしていることから、順調に進んでいると言える。
その後、2030年までに計7,200台を導入する計画となっており、佐川急便は車両を購入し運用するのではなく、メンテナンスや充電設備、電気代をワンパッケージ化したリース契約により運用することとなっています。
車体のメンテナンスには、グループ内のSGモータースのほか、全国に9,600ヶ所の拠点を持つ、日本ロードサービス(JRS)が協力する。
今から約1年後、街中に佐川急便の電気自動車が走る光景を見ることを想像すると、かなり近未来的になることが予想できます。
今回は、佐川急便とAFS株式会社の共同開発による、EV車についてお話します。
佐川急便の現役軽自動車ドライバーに実施したアンケートが反映されたプロ仕様の中身は
開発される車両には、佐川急便の軽自動車ドライバー7,200人に実施したアンケートの結果を反映させた、ドライバーの使いやすさを追求した、様々な仕組みが搭載されている。
ドライバーファーストの乗車スペース
コックピットである、乗車スペースにはドライバーの1日を支える様々な便利な仕様になっている。
運転席と助手席には、使用頻度の少ない助手席を狭くすることで、運転席には通常より「10cm」幅広に設計し、スペースにゆとりを持たせることで、快適に運転することができるようになっている。
助手席のダッシュボードには、テーブル代わりになるプレート板を設置し、PCを置いて作業したり、弁当や飲料を置けるようになっており、PC作業の使いやすさや、休憩時の快適さなどを追求した。
運転席と助手席の間にあるセンターボックスにはUSB端子とコンセントを設け、スマホやタブレット、PCなどの業務で使用する端末を充電できるようにしている。
ドリンクホルダーには、ドライバーの利用者が多い1リットルの紙パック飲料が入る仕様となっており、正しくドライバーのリアルな意見が取り入れられている。
インパネ中央部には専用のタブレットを配置し、バッテリー使用量などの車両データやGPS情報、運行管理データ、ナビ情報等をクラウドで管理できるようになっている。
上記の機能に加えて、デジタルタコグラフやAIドライブレコーダー、AI危機検知システム、ウェアラブル機器と連動した体温や心拍数等の健康管理機能などの導入を検討中である。
健康管理機能は、このご時世にマッチしておりぜひ導入してほしい機能である。
運送車の要である荷室にも使いやすさと安全性を両立
荷室には、夜間作業時に使用する照明が暗いという意見が多かったことから、4本のLED照明を採用し、最大限の照度を確保している。
荷台には、荷物を積み下ろす際の作業負荷を軽減するため、少し高めに設定したほか、タイヤハウスの凹凸をなくしたことで、フラットな床となっており、作業のしやすい設計となっている。
さらに荷台下には、台車と伝票を収納するスペースとなっており、効率化を図った。
電気自動車ならではのギミックが屋根に搭載
車両の屋根には、ソーラーパネルを設置しています。
ソーラーパネルによって発電した電力は走行用に供給するほか、有事の際にスマホなどの必要なききの電源を確保できるようになっている。
先進運転支援システムも充実させ、事故を未然に防ぐ
ここまで、使いやすさや現代に合わせた装備などの充実に合わせ、運転支援システムにも力を入れていることが分かる。
システムの内容には、衝突被害軽減ブレーキ、後退時被害軽減ブレーキ、バックソナー、バックアイカメラ、自走事故防止装置を装備させ、あらゆる場所を走ることに適した安全装備も抜かり無く搭載させている。
冬場の敵である、静電気を除去します。
キーホルダー型になっているので、取り付ける場所を選ばず、携帯するのに最適です。
さいごに
佐川急便のEV車について紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
全世界でカーボンニュートラルが進む中、諸外国では将来を見据えて、今後ガソリン車やディーゼル車の販売を禁止していく流れになっていますが、我が国日本でも2050年にカーボンニュートラルの目標達成に向けて、このようなEV車は大きく貢献するだろう。
宅配業務に使用している軽自動車の7,200台すべてを2030年までにEVへ切り替えることで、保有車両全体の1割に相当する年間2万8000トンのCO2排出量を削減することができるとしている。
佐川急便の社長、本村氏は「2022年9月から年間1000台ペースで導入し、軽自動車の集配車両すべてをEVに置き換えることで、2030年に集配車両によるCO2排出量ゼロを達成する。以前から宅配に特化した車両を作りたかったが、少ない台数ではメーカーが製造に対応できないため開発を見送ってきた。今回、ASFの協力を得たことで7200台という規模でも開発が可能になった。車両にはドライバーの声を反映させている。使い勝手がとても良いし、荷台があんなに明るい配送車は今まで無かった。乗車するドライバーには、誇らしい気持ちで日々の業務に取り組んで欲しいと思っている」とコメントしている。
ドライバーの使いやすさを極める一方で、環境問題にも対応し、まさに次世代の宅配スタイルになっていく。
コロナ禍の昨今、通販などの人気によって運送会社は多忙を極めている中、佐川急便のEV車によって環境やドライバーの効率化を向上させ、これからも消費者のニーズに応えられる事を期待します。
それでは、最後まで読んで頂きありがとうございます。
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