オービスの運用方法が、変わっている?神出鬼没な移動式オービスは回避不可能!?

オービスアイキャッチ 車の情報

皆さん、車を運転していて一般道や高速道路上などで「自動速度取締機設置区間」や「自動速度取締機設置路線」などと書かれた看板を見たことはあるのではないでしょうか?

オービス自動速度取締機設置路線
オービスがある旨を伝える看板

ご存知の通り、あの看板があった時はその数百メートル~数キロ先に、いわゆる「オービス」と言われる自動速度取締装置があることは、知っていることであろう。

この、オービスの運用方法が現在劇的に変わりつつあり、「移動式オービス」を使用するケースが増えている。

3月現在では、各都道府県警の8割近くが導入済み、または導入予定となっている。

今現在、存在するオービスの種類や何キロ以上でオービスが違反と判定し、取り締まりを行うのか等、疑問に思う部分を紹介していきます。

そもそも、オービスって何キロ以上で光る?

オービスが反応する速度違反って、何キロくらいだろう?そこの制限速度や法定速度の+〇〇キロ以上の時に光るじゃない?等と、ドライブ中などに話題になったことはあるのではないでしょうか?

実際に、オービスが光る(違反と認定)時は、一発免停となる6点以上のスピード違反が対象になり、一般道路の場合は、30km/h以上、高速道路の場合は40km/h以上の速度超過となります。

オービス赤切符

実際には警察当局は公式に発表はしていませんが、この速度超過以上でオービスが光るとされています。

この速度超過基準は、警察が交通違反者を検挙するには、警察官が目視でその違反を確認しなければならないという大前提と、警察といえどもむやむやたらに人の撮影がすることができない法があります。

ただ、市民の安全への脅威となるような悪質な違反に関しては、その限りではないという法もあります。

この点が、スピード違反をした車をオービスが撮影するかどうかの基準となり、オービスが光る超過速度を設定、とされているのです。

この様に見ると、速度超過と一概に言ってもオービスが反応する速度は悪質的なもののみとなるのが分かる。

オービスの種類は6種類、その中でも最新鋭のオービスが普及しつつある

オービスには、今現在6種類ある。

実際こんなにあるの?と筆者も思いましたが、見たことがあると言えるものとこんなの見たことあるかも?と、うろ覚えな物まであります。

皆さんもどうですか?そもそも6種類もあることに驚きませんでしたか?

1.レーダー式オービス
最も旧式のオービスがレーダー式オービスで、レーダーを発射して車の速度を測ります。
撮影できるフィルム枚数が限られており、メンテナンス性も低いです。

オービスレーダー式
見ることが無くなったレーダー式

このタイプは、最近ほとんど見かけることはないでしょう。

2.ループコイル式オービス
ループコイル式オービスは、道路内に埋め込まれたループコイルを利用して測定します。
レーダー式オービス同様、フィルム枚数に限りが有ります。

オービスループコイル式
ループコイル式オービス

レーダー式オービスと同様、フィルムを使うタイプはもうほぼ絶滅と言っていいと思います。

3.Hシステムオービス
今最も多く設置されているオービスが、Hシステムオービスです。
測定方法はレーダー式のものと同じですが、カメラがフィルム式ではなく、警察署と通信回線で常時接続されています。

オービスHシステム
ポピュラーなHシステム

確かに、このタイプは一番見るかもしれません。

4.移動式(車載型)オービス
これまでの固定式のオービスとは打って変わって、移動式オービスはどこにあるか予想できません。
主に有人の車両(トヨタ ハイエースが多い)に積まれていて、レーダーを利用して測定します。

オービス移動車載式
車載型の稼働イメージ

5.LHシステムオービス
LHシステムオービスは、ループコイル式とHシステムを組み合わせたオービスです。

ループコイルによって速度を測定し、デジタルカメラで写真撮影、データ通信で警察担当部署へ送信される。

オービスLHシステムオービス
LHシステム

設置箇所が増加傾向にある新型オービス「LHシステム」は、旧来からある「Lシステム」と「Hシステム」の機能を統合したもので、「Lシステム」の「L」は「Loop coil(ループコイル)」、正式名称を「ループコイル式高速走行抑止システム」といい、道路のアスファルトに埋め込まれた磁気センサーにより速度を計測します。

環境や気象条件に影響を受けやすいレーダー波よりも、高い計測精度が可能でメリットになります。

「Hシステム」が登場したのは1992年で、常にレーダー波を照射する旧来からのオービスでは、レーダー探知機等で事前に察知されやすいため、断続的なパルスレーダー波を発振することで性能向上を狙ったオービスが「Hシステム」になります。

同時に、旧来までのフィルム写真ではなく、デジタルカメラで撮影した画像データを通信回線により送信できるようにした、現在もっとも多く設置されている速度取締装置です。

つまり「LHシステム」とは、レーダー探知機で探知できず、フィルム式のように1日あたりの撮影枚数に上限がない最新のオービスとなります。

新型とはいえ、登場したのは1994年で特別目新しい装置ではありませんが、レーダー式のオービスに比べて計測精度が高い代わりに、高価な設置費用がかかるため、一部の主要箇所のみの運用とされていました。

6.新型移動式小型オービス
そして、冒頭で触れた最新型のオービスが「新型移動式小型オービス」になります。

これまでの固定型オービスの設置・撤去が難しいという弱点を、小型化で対策したオービスになり2016年から運用が開始され、今後はどこにでも出現する可能性があります。

こちらのオービスは、他にも別名で「新固定式」や「移動式」と呼ばれる最新式のオービスで、従来に比べて非常に小型、軽量で設置時間は2時間以内とされているものです。

オービス新固定式
新固定式

スウェーデンの「Sensys」社が開発した新型移動式中型オービス(iM)で、速度違反の取締り以外に、違反車に対するライトによる警告機能や、歩行者への音声警告機能を有しているようだ。

新型の小型移動式オービス(3種類)は2020年から全国配置し、青切符クラスの違反でも光る

新型小型移動式オービスは3種類構成で、警察庁は2019年春から埼玉県、岐阜県で運用を開始し順次全国で新型小型移動式オービスの運用をすると発表しています。

小型移動式オービスは、持ち運びしやすく設置も容易なので、警察官の意のままに、どこでも設置し取り締まることができる神出鬼没の新兵器となった。

さらに、小型移動式オービスは、違反車両のナンバープレートと運転者の両方の撮影を自動で行い、後でまとめて処理される(これまでのオービスの事務処理と同じ)ため、現地で違反車両を止めてキップを切るという作業が不要です。

このため、一日単位での大量検挙も可能となりました。

さらに、警察官が小型移動式オービスの近くに立ち違反車両の取締りを立ち会っていることから、固定式オービスのように取締り場所の手前で「自動速度違反取締路線」の看板はなく、一発免停とならない青キップレベルの速度違反でも取締りができるようになりました。

これでは、ドライバーが事前に知る手段がありません。

新型の小型オービスはレーダー探知機で発見できるのかという点は、レーダー探知機も一部対応機種が販売されていますが、実際の性能がどうのなのか定かではないのが現状です。

今回から導入される、新型の小型移動式オービスについて紹介します。

1.Sensys MSSS
2019年に埼玉県と岐阜県に最初に導入されたのが、Sensys Gatso Group社製の小型移動式オービスです。

オービスSensys MSSS
Sensys MSSS

非常に小型軽量で1人で持ち運び、設置が可能です。

違反車両の速度計測はレーダー式ではなくレーザー式。(市販されているレーダー探知機のほんとんどがレーダー式にのみ対応)

こちらの機械には既存のレーダー探知機では、検知できませんね。

2.LSM-300
東京航空計器株式会社製の新型小型移動式オービスで前述の「Sensys MSSS」と同様に1人で設置可能の小型軽量タイプで三脚の上にオービスがあるのが特徴となる。

オービスLSM-300
LSM-300

速度計測はレーザー式で、多数の県で導入が進んでいます。

3.中型移動式オービス「LSM-300HK」
こちらは中型の移動式オービスとなり、トラックでの運送が必要なクラスとなります。

オービスLSM-300HK
LSM-300HK

前述2種と比較すると機動力に劣りますがレーザー式の速度計測を採用し、交通違反の取締り効率を大幅に向上させている。

新型の小型移動式オービスが急速に採用された理由

「生活道路」と言われる道幅の狭い道での事故を減らすために、警察庁は埼玉県と岐阜県で小型の速度違反自動取り締まり装置(オービス)の運用をいち早く始めた。

のちには、効果や課題を検証し全国へ普及していくと考えている。

重量約8キロの1人で持ち運び可能のもの、およそ500kgの車で運ぶもの、およそ50kgの道路標識のように支柱を地中に埋め固定するものの3種類の小型オービスがあります。

価格はおよそ1,000万円で、3月末に警察庁が各種類1台ずつ計6台を埼玉、岐阜県警に配備した。

生活道路は違反車両を止める場所がないので警察官による取り締まりが難しかったのですが、小型オービスなら狭い道広い道にこだわらず車を止める必要がありません。

取り締まりは幹線道路や高速道路のオービスと同じ仕組みで、超過した車の運転席やナンバーを自動撮影し、警察が後日運転者を呼び出して違反切符を切る仕組みです。

持ち運びできるオービスと車で運ぶオービスは事故の発生状況などに応じて設置場所を変えられる。

新型オービスは、どこでも簡単に短時間で設置できることから、神出鬼没のスピード違反取締りとなってしまいます。

「昨日までなかったのにいきなり今日現れた!」というケースが続々と出てくると予測される。

警察側としては、特に一般道でスピード違反者が多い場所であるにも関わらず、オービスの設置スペースが無い場所や、ネズミ捕りをしようにもパトカーや違反者の車を止めるスペースがない場所で取り締まりようがなかったところで今後はできるようになる。

そのような場所は運転者側にしてみれば、心理的にスピードが出しやすい場所となりやすいものです。

スピード違反を取り締まる場所は、往々にして比較的事故のない安全な道路であることが多くなっています。

オービス速度取締注意喚起

今後、新型オービスは一般道への設置の普及が進むこととなり、これに従いスピード違反で一発免停となる運転者が続出するのではないかと推測されています。

そもそも、速度超過は大変危険な行為となります。

法定速度や制限速度が定められている道路は、その速度を超過して走行するには危険な速度だという事を、しっかり肝に銘じて速度超過を無くして、安全な道路状況になればと思います。

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