去年、成立した改正道路交通法では自転車の交通違反に対して車やオートバイと同様に反則金の納付を通告し、納めれば刑事罰が科されない、いわゆる「青切符」による取締りが導入されることになりました。
2025年6月17日、政府は閣議で、自転車の交通違反に対して反則金の納付を通告するいわゆる「青切符」による取締りについて、反則金の額を決定し、来年4月1日から取締りが行われることになりました。
今回は、2026年4月1日から始まる、自転車の主な違反に対する反則金額についてお話します。
ムームードメイン
自転車の違反に対する反則金額は?
携帯電話及びスマートフォンやタブレットを使用しながら運転する「ながら運転」 12,000円

自転車の「ながら運転」とは、自転車を運転しながらスマートフォンや携帯電話、タブレットなどを操作しながら運転する行為です。
走行中にメッセージアプリやゲーム、地図アプリなどの操作をする、わずか1秒の注意をそらすだけで、歩行者との衝突、交差点での出会い頭事故など重大事故に繋がる恐れがあります。
自転車も立派な車両となるので、「ちょっとだけ」「すぐ終わる」と、その油断が事故の引き金になります。
運転中は運転に集中することが、自分と周囲の命を守る第一歩です。
遮断機が下がっている踏切に進入すること 7,000円

遮断機が下りている踏切に自転車で立ち入ることは、重大な交通違反であり非常に危険です。
これは鉄道との接触事故を引き起こすおそれが極めて高く、法的にも厳しく禁止されています。
列車は、非常に長くて重く、速度にもよるが、ブレーキをかけても数百メートル進んでしまうため、すぐに止まれません。
また、踏切内は段差や線路で転倒する危険も高く、軽い気持ちで入った結果、逃げ遅れて命を落とすケースも実在します。
踏切では「ちょっとぐらい大丈夫」は通用しないので、遮断機が下りていたら、絶対に踏切に立ち入らない。
これは命を守る最も基本的なルールです。
信号無視 6,000円

自転車の信号無視は、道路交通法違反にあたり、重大な事故を引き起こす危険な行為です。
自転車は軽車両として扱われるため、信号の遵守は法律で義務付けられており、違反すると罰則の対象になります。
信号無視とは、赤信号・黄信号を無視して交差点や横断歩道などを通過する行為を指し以下のようなケースが典型的です。
・赤信号を見ていながら止まらず交差点に進入
・歩行者用信号しか見ず、車道側の信号を無視して進行
・青信号になる直前に無理やり通過
自転車が信号無視をすることで、自動車やバイクに比べて視認性が低く、相手から見落とされやすく、左右からの直進車に衝突される可能性が高いです。
さらに、歩行者に接触すれば、自身も他人も重大なけがに繋がりかねません。
逆走や歩道通行などの通行区分違反 6,000円

逆走とは、一方通行や車道の左側通行義務に反して、右側を走る行為を指し、重大な交通違反です。
逆走は対向車(自動車や自転車)との正面衝突事故を引き起こす危険性が非常に高く、法律でも明確に禁止されています。
自転車は左側通行が義務となっています。
「歩道通行」に関して、警察庁が青切符による反則金の額を設定するにあたって、ことし4月から1か月間行ったパブリックコメントには5,926件の意見が寄せられました。
このうち、多くを占めていたのは自転車で歩道を通行した場合についての意見で、具体的には「自転車で車道を走行するのは危険なので、歩道を走行しているのに、歩道通行を禁止するのはおかしい」といった意見や、「歩道通行しただけで反則金の対象になるのか」といった疑問の声が寄せられたということです。
このため警察庁は、自転車の歩道通行について、現在の交通ルールと取締りの基本的な考え方を整理し公表しました。
それによりますと、交通ルールでは「自転車は車道通行が原則」とされている一方で、歩道通行が認められるケースとして、道路標識や道路標示で歩道を通行することができるとされている場合、13歳未満や70歳以上の人、それに一定程度の身体障害がある人が運転する場合、車道の自動車の交通量が著しく多かったり、車道の幅が狭かったりするなど自転車で車道を通行するとかえって事故の危険があり、自転車が歩道を通行することがやむを得ないと認められる場合が挙げられています。
ただし、歩道を通行する場合でも、歩道の中央から車道寄りを、すぐに停止できる「徐行」の速度で進行すること、自転車の進行が歩行者の通行を妨げるような場合は一時停止すること、歩道に自転車が通行できる「自転車通行指定部分」が設けられている場合であっても「徐行」での通行を原則とすることを守らなければなりません。
そのうえで、青切符による取締りについては交通ルールを守って歩道を通行している場合には対象とせず、交通事故に直結するような危険な行為をした場合や警察官の警告に従わずに違反行為を続けた場合など、「悪質・危険な行為」に限って対象にするとしています。
そして「悪質・危険な行為」だとして取締りの対象となる可能性のある具体的なケースについては、スピードを出して歩道を通行し、歩行者を驚かせて立ち止まらせた場合や警察官の警告に従わずに歩道通行を続けた場合などが考えられるということです。
やむを得ず歩道通行する場合は、以上の点に注意し、また警察官の警告にはかならず従うようにしましょう。
一時不停止 5,000円

自転車の一時不停止とは、「止まれ」の標識や交差点などで一時停止せずにそのまま進行する行為を指し、道路交通法違反になります。
特に住宅街や信号のない交差点などでは、重大な事故の原因にもなる非常に危険な行為です。
一時不停止をすることで、車やバイクの優先通行を妨げるリスク、歩行者や子どもの飛び出しに対応できない、「止まるはず」と信じて渡った人とぶつかる、見通しが悪いT字路や十字路での事故が多発などの危険があります。
正しい一時停止の仕方として、
1.「止まれ」標識や停止線の直前で完全に停止
2.左右・前後をしっかり確認(車・人・バイクなど)
3.安全が確認できたら徐行で進行
4.歩行者優先を守る
以上のように、一時停止をするようにしましょう。


制動装置(ブレーキ)の不良 5,000円

自転車の制動装置(ブレーキ)の不良は、重大な交通事故を引き起こすリスクが高い危険行為であり、法令でも整備不良車両の運転は禁止されています。
制動装置が正常に働かない自転車は、公道を走ることが法律上も明確に禁止されており、違反すれば罰則の対象となります。
ブレーキ不良によるリスクとして、下り坂や交差点で止まれない、急ブレーキ時に効かない/片方しか効かず転倒、夜間や雨天では制動距離がさらに延びて危険などがあります。
ブレーキの効きは、安全の要となりますので、異常を感じたら、すぐに使用をやめて点検・修理をするようにしましょう。
故障したまま乗ることで、自分だけでなく他人の命も危険にさらしてしまいます。
傘差し、イヤホンで音楽を聴くなど都道府県の公安委員会で定められた順守事項に違反する行為 5,000円

傘差しや、イヤホンで音楽を聴きながら運転するなどは、都道府県の公安委員会で定められた順守事項に違反する行為となります。
東京都、神奈川県、大阪府など多くの自治体で「周囲の音が聞こえない状態での使用禁止」と明記されています。
実際の東京都の場合の条例文例によると、「安全な運転に支障を及ぼすおそれのある方法により自転車を運転しないこと」となっており、傘差しやイヤホンは、この条例に違反することになります。
傘やイヤホンは便利でも、「ながら運転」は命取りとなり、規則違反は処罰されるだけでなく、他人を傷つける可能性もあります。
「両手運転+周囲の音が聞こえる状態」が鉄則です。
無灯火 5,000円

自転車の無灯火運転は、夜間に前照灯(ライト)を点灯せずに走行する行為で、道路交通法に違反する危険な行動です。
歩行者や他の車両に気づかれにくくなるため、重大事故の原因になりかねません。
無灯火とは、日没から日の出までの間(またはトンネル内など暗い場所)に、前照灯・尾灯・反射板を点けずに走行する行為です。
無灯火で走行することにより、クルマから見えず、接触・巻き込みの危険増大したり、暗闇でのすれ違いや横断者への衝突の危険性、また路面の段差や障害物に気づかず転倒のおそれがあります。
無灯火は「うっかり」で済まされない危険行為です。
自転車は見せることが安全につながるので、夜道ではライトONが、あなたと周囲を守る最初の一歩となります。
並進禁止違反(並んで走行する行為) 3,000円

自転車の並進禁止違反とは、2台以上の自転車が並んで同時に道路を走行することで、法律で原則禁止されている危険行為です。
並んで走ることで、他の車両や歩行者の通行を妨げたり、車と接触したり、すれ違い時に転倒の危険や、事故の原因となるため、明確に規制されています。
並走は、マナー違反ではなく明確な「交通違反」で自転車も「車両」です
1台1台が独立して安全運転を意識し、仲間と一緒でも、安全は横ではなく後ろに並んで守ることにしましょう。
2人乗り 3,000円

自転車の2人乗りは、原則として道路交通法で禁止されている違反行為です。
自転車は1人で運転することを前提に設計された車両であり、2人で乗ることで操作性が著しく悪化し、事故のリスクが非常に高くなります。
2人乗りをすることで、ハンドル・ブレーキ・バランスが取りにくい、重量増加で制動距離が延びる、小さな段差でも2人分の重さで転倒しやすく、非常に危険なリスクが潜んでいます。
さいごに
以上が、自転車による交通違反に対する主な反則金の額になります。
これまでは、厳重注意や青切符の発行などの措置にとどまっていましたが、2026年4月1日からはこれらにプラス、違反金が科せられます。
自転車も、軽車両と立派な車両の仲間となってることを自覚し、安全運転することを心がけましょう。
ロリポップの契約者特典を利用する
コメント