ホンダ N-ONE(エヌワン)は、2012年にホンダの軽自動車シリーズである、「Nシリーズ」の第3弾として、初代モデルが登場し、2020年11月に初のフルモデルチェンジを発表した。
ホンダ初の市販軽乗用車であるN360をモチーフに「人のためのスペースは最大に、メカニズムは最小に」の基本思想であるM・M(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)思想を受け継ぎ、新しいベーシックカーの創造を目指して開発された車両になっており、ホンダの基本的な思想を受け継いでいるのが、このN-ONEである。
2代目となったN-ONEには、スポーツグレードである「RS」に6速MTを採用し、同社のオープンスポーツカーのS660と同様にギアレシオをクロスレシオ化されており、クラッチにはS660同様に大トルク対応型を採用しているが、操作荷重を変更するなどのチューニングがされたほか、クラッチペダルの急操作の際にクラッチ継合速度を低下させてエンジントルクの急激な伝達を回避するピークトルクリミッターやダンパー機構によりクラッチペダルに伝わる振動を軽減するクラッチダンパーが採用され、本格的スポーツ走行も可能としている。
今回は、N-ONEについてお伝えしていきます。
車名の由来は、N-BOXと同様に「N」はホンダ初の本格的量産4輪モデルである「N360」の「N」をモチーフにしている。
また、「New」「Next」「Nippon」「Norimono([乗り物)」のそれぞれの頭文字も含め、「これからの新しい日本の乗り物を創造する」という意味合いも込められている。
N-ONEの価格は
グレード | 駆動方式 | トランスミッション | 価格 |
Original | 2WD(FF) | CVT | 159万9,400円 |
Original | 4WD | CVT | 173万2,500円 |
Premium | 2WD(FF) | CVT | 177万9,800円 |
Premium | 4WD | CVT | 191万2,900円 |
Premium Tourer | 2WD(FF) | CVT | 188万9,800円 |
Premium Tourer | 4WD | CVT | 202万2,900円 |
RS | 2WD(FF) | CVT | 199万9,800円 |
RS | 2WD(FF) | 6MT | 199万9,800円 |
時代を選ばず飽きのこないシンプルデザイン
N-ONEのスタイリングには、前からも後ろからもひと目で、N-ONEだと認識できるデザインが特徴だ。
前モデルから大幅なデザイン変更はないものの、ヘッドライトには、昼間も発光し対向車などに存在をアピールする、デイタイムランニングランプを新たに搭載し、存在感と被視認性の向上を図り、ウインカー使用時はリングがターンランプとして点灯します。
リアコンビネーションランプには、四角いダブルリングが特徴的なフルLEDランプを採用し現代的なデザインと安全面についても考え抜かれているデザインとなっている。
台形フォルムによる安定した走行性能への高まり
台形フォルムを進化させたふんばりスタンスによって、前進する勢いと走りの安定感をもたらします。
一般的な立体駐車場にも対応する使いやすい全高
全高を1,545mmの一般的な立体駐車場に入庫可能なサイズとし、街なかでの駐車場の選択肢が広がり、ショッピングの際など、より便利にクルマを使えます。
毎日の運転をアシストする便利機能と、操る楽しさを存分に満喫できる6MT
毎日の運転には、様々な状況があり疲れやストレスを感じることも少なくありません。
そんな、毎日の運転をラクにする機能をN-ONEに搭載しました。
オートブレーキホールド機能
停車中にブレーキペダルから足を離しても、停車状態とアイドリングストップが続きます。
アクセルを踏めば自動解除し、再発進します。
駐車券を取る時などに安心で、渋滞の際には疲労軽減に繋がります。
電子制御パーキングブレーキ
スイッチを引くだけで作動し、アクセルを踏めば自動的に解除されます。
力も手間もいらず、かんたんに操作が可能となっている。
見切りがよく、狭い道でも安心なヘッドライトデザイン
N-ONEの特徴的なヘッドライトはコーナーの目印としても活躍します。
ヘッドライトの出っ張りが運転席から見えるので、車両感覚がつかみやすく狭い路地や駐車場などでもラクに取り回しできます。
アジャイルハンドリングアシスト
車速やステアリング操作量からクルマの動きを予測し、ブレーキを左右独立して制御することで、少ないステアリング操作でスムーズなコーナリングをサポートする。
軽量にもこだわった強靭なボディーに、乗り心地を良くする足回り
高速道路でも、きついカーブでも、しっかり走りを支えてくれる強靭なボディーは、軽量化にも強化し、軽快・快適・安定したドライブが楽しめます。
足回りには、カーブでの車体の傾きを抑えるスタビライザーをフロントとリアに搭載。
また、ステアリング操作時のクルマの動きがつかみやすく、乗り心地もよくする横力キャンセルスプリングなども採用している。
不安な道もしっかり走破する4WDシステム(Original・Premium・Premium Tourerに設定)
安定感があり、パワフルに走る4WD車を採用。
雪の多い地域やすべりやすい道での運転に、大きな安心を届けます。
軽自動車初となるFFターボ+6MTを搭載(RSに設定)
RSには6速マニュアルトランスミッションも設定しました。
小排気量でパワーとトルクを出しきるため、ギアレシオをS660と同じくクロスレシオ化することでワインディングでは小気味よく軽快に、高速クルージングも快適に楽しめます。
爽快なシフトフィールによって操る楽しさを意のままに
2速にダブルコーンシンクロ、3速にはカーボンシンクロを採用することで、1速から2速、2速から3速へのシフトアップ操作力を低減させ、ショートストローク化との両立に寄与している。
操作のしやすさを追求したインパネシフトノブは、スポーティーさにあふれたS2000ベースの専用デザインとなっておりスポーツマインドを高める。
操作性と快適性を兼ね備えるクラッチフィーリング
S660の大トルク対応クラッチを専用チューニングし、ピークトルクリミッターを採用したことにより、クラッチペダルを急に操作した際、クラッチ継合速度を低下させ、エンジントルクの急激な伝達を回避します。
トランスミッションの保護と快適なクラッチフィールを両立させている。
大トルク対応クラッチに加え、ダンパー機構によりクラッチペダルに伝わる振動を軽減するクラッチダンパーを採用し、シフトを切り替えるたびに、しっかり感があり、かつスムーズなクラッチフィールを実現している。
キビキビした走りだけではなく低燃費にも寄与する機能
アイドリングストップシステム
信号待ちなどの停車時にエンジンをストップさせ、燃料消費と排出ガスを抑えます。
ECONスイッチ(ECONモード)
エンジンやエアコンといった、クルマ全体の動きを燃費優先で自動制御するECONモードです。
空調など快適性を優先したい時は、スイッチを押してオフにできます。
N-ONEの燃費は
グレード | 駆動方式 | トランスミッション | モード | 数値 |
Original | FF | CVT | WLTCモード | 23.0km/L |
Original | 4WD | CVT | WLTCモード | 21.0km/L |
Premium | FF | CVT | WLTCモード | 23.0km/L |
Premium | 4WD | CVT | WLTCモード | 21.0km/L |
Premium Tourer | FF | CVT | WLTCモード | 21.8km/L |
Premium Tourer | 4WD | CVT | WLTCモード | 20.2km/L |
RS | FF | CVT | WLTCモード | 21.8km/L |
RS | FF | 6MT | WLTCモード | 21.6km/L |
常に周囲の状況を認識するHonda SENSINGによる最新の予防安全技術
今やホンダの定番となる安全技術Honda SENSINGを大きく進化したものをN-ONEにも搭載。
身近に起きる危険な状況を、安心サポートします。
Honda SENSINGの主な内容
衝突軽減ブレーキ(CMBS):車両や歩行者との衝突回避を支援
誤発進抑制機能:不注意による急発進を防止し注意喚起する
歩行者事故低減ステアリング:歩行者との衝突回避を支援
先行車発進お知らせ機能:停車時に、先行車が発進したことをお知らせ
標識認識機能:標識の見落とし防止を図り、安全運転を支援
路外逸脱抑制機能:車線を検知し、はみ出さない様に支援
渋滞追従機能付アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC):適切な車間距離を保ち、運転負荷を軽減
車線維持支援システム(LKAS):車線名を走行できるようにステアリング操作を支援する
後方誤発進抑制機能:不注意による急な交代を防止し注意を喚起
オートハイビーム:先行車や、対向車を検知し、ハイ/ロービームを自動で切り替えします。
衝突軽減ブレーキ(CMBS)
車両や歩行者、人が乗車して移動する自転車を検知し、衝突の危険がある場合に音とマルチインフォメーション・ディスプレーの表示で警告します。
衝突の危険が継続しているとシステムが判断した時は、強いブレーキをかけて、停止または減速することにより衝突回避・被害軽減を支援します。
アダプティブクルーズコントロール(ACC)・車線維持支援システム(LKAS)
先行車との適切な車間距離を維持しながら加減速を行うアダプティブクルーズコントロール(ACC)と、車線の中央付近を維持するようステアリング操作を支援する車線維持支援システム(LKAS)をMT軽自動車で初めて採用している。
パーキングセンサーシステム
駐車時や出庫時などに、自車の後ろの障害物を検知し、運転者へ音と表示で注意を促します。
駐車スペースが狭かったり、出入りが多い場合などでも落ち着いて駐車できます。
タイヤ角度モニター(タイプ別設定)
ハンドルの回転量とタイヤの角度に合わせ、タイヤの向きをマルチインフォメーション・ディスプレイに7段階で表示してくれます。
駐車時の切り返しで、タイヤの向きがわからなくなった時などに重宝します。
VSA(ABS+TCS+横すべり抑制)
ブレーキ時の車輪ロックを防ぐEBD付ABS、加速時などの車輪空転を抑えるTCS、旋回時の横すべり抑制を行います。
これら3つの機能を制御し、クルマの姿勢の安定化を図るVSAを全タイプに標準装備としています。
エマージェンシーストップシグナル
走行中に急ブレーキと判断すると、ブレーキランプの点灯に加えて、ハザードランプが自動で高速点滅し後続車に注意を促す。
ヒルスタートアシスト機能
坂道発進時、ペダルを踏み替える瞬間のクルマの後退を約1秒間抑制し、安心感のある発進をサポートします。
万が一の衝突の際にも確かな備えによって安心の衝突安全性能
前席用i-サイドエアバッグシステム+サイドカーテンエアバッグシステム〈前席/後席対応〉運転席用&助手席用i-SRSエアバッグシステム
側面衝突時、センサーが衝撃を感知するとスピーディーに展開し、乗員保護性能を高めるエアバッグを全タイプ標準装備している。
運転席用&助手席用i-SRSエアバッグシステムとともに、万が一の際の安心を高めました。
衝突安全設計ボディー
衝突時の衝撃(G)をコントロールする独自の衝突安全技術「G-CON」をさらに進化させ、自らはもちろん、相手車両に与えるダメージも軽減する「コンパティビリティー対応ボディー」とともに「歩行者傷害軽減ボディー」も採用している。
頚部衝撃緩和フロントシート
後方から低速で追突された際に、首への負担を軽減する頚部衝撃緩和シートを運転席/助手席に採用しています。
フロント3点式ロードリミッター付プリテンショナーELRシートベルト
フロントシートベルトには、衝突の際に瞬時に肩ベルトを引き込み、身体を拘束するプリテンショナー機構を採用しています。
後席シートベルト締め忘れ警告灯(シートベルトリマインダー付)
後席からも見やすいルームミラー上部のランプでお知らせし、シートベルトの着用を促します。
ISOFIX/i-Sizeチャイルドシート下部取付金具(リア左右席)+トップテザー取付金具
汎用型ISOFIXチャイルドシートをかんたん・確実に装着できる取付金具をリア左右席に用意しています。
さらに、i-Sizeチャイルドシートにも対応しています。
ゆったりくつろげ、ドライブをより快適にする室内空間
開放感あふれる爽快な視界にくつろぎを感じる、すっきり伸びやかな空間。
さらに、フロントは腰回りのホールド性を高めたセパレートシートを採用し、ゆったり快適にドライブが楽しめる快適空間を提供します。
セパレートシート
セパレートシートのメリットは、一人ひとりがゆったりと座れること、さらにしっかりと身体を支えるかたちにすることで、運転者が運転に集中できる空間を追求しました。
アームレスト(ディーラーオプション)
純正ならではのフィット感のあるアームレストもディーラーオプションで選択が可能となっている。
シートの質感に合わせて、合皮とラックススェードの素材をラインアップしています。
助手席の足元スペースもゆったり
インストルメントパネル下部を大胆に削り、ゆったりと座れる足元スペースを実現しました。
助手席へやさしく人を迎え入れ、心地よいくつろぎを提供します。
室内の静粛性にもこだわる、素材の数々
防音材の効果的な配置や、エンジンからの音・振動を元から低減するなどの工夫を凝らしました。
さらにPremium/Premium Tourer/RSには、遮音機能付フロントウインドウガラスを採用し、街なかでの加速や高速道路でもエンジン音を遮断することで静かな空間を追求しています。
①ルーフライニングインシュレーター
②遮音機能付フロントウインドウガラス(タイプ別)
③ダッシュボードインシュレーター
④ダッシュボードアウターインシュレーター
⑤エンクロージャー
⑥ドアライニングインシュレーター
⑦リアサイドライニングインシュレーター
⑧フロアカーペット(遮音フィルム入り)
360°スーパーUV・IRカットパッケージ
紫外線(UV)の大幅カットにより、お肌のシミやシワなど、太陽光線の目に見えないリスクを軽減します。さらに赤外線(IR)カットにより、室内の不快な暑さを軽減し、冷房効果を高めます。
プラズマクラスター技術搭載フルオート・エアコンディショナー
空気の浄化や脱臭だけでなく、お肌にもうれしい効果のあるプラズマクラスター技術を搭載したエアコンを採用しています。
PM2.5対応高性能集塵フィルター
高性能集塵フィルターが、塵やホコリを効果的に除去し、車内の空気を清潔に保ちます。
人体への影響が懸念されるPM2.5にも対応しています。
アレルクリーンシート(タイプ別)
シート表皮にダニやスギ花粉などのアレルゲン物質が付着した際、その活動をほぼ完全に抑制します。
運転席&助手席シートヒーター(タイプ別)
雨の日や早朝などの冷えた車内でも、シートの座面を温め、快適な運転をサポートします。
温度は2段階で調節ができます。
N-ONEに適合する、アルミペダルカバーになります。
工具不要で取り付ける事ができるので、専門的な知識がなくても問題なく取り付けられることができます。
さいごに
ホンダ N-ONEはいかがだったでしょうか?
ホンダはNシリーズの軽自動車の発展に大きく寄与し、一時代はホンダの軽自動車しか走ってないのではないかと大袈裟だが、そんなブームもあり今でも牽引している。
その中でも、このN-ONEは全高もそこまで高くなく、現代の軽自動車に多く採用されているスライドドアじゃない部分など、走りはもちろん利便性を高めるシンプルなパッケージングがうけているとも言える。
街中を走っていても、N-ONEユーザーは様々な方が乗っており、老若男女が安心して愉しめるクルマになっている。
なお、フルモデルチェンジ版を2020年11月20日より発売しているが、約1ヶ月後の12月20日時点で累計受注台数が8,000台を超え、ホンダの計画台数が月に2,000台と予想していただけに4倍を超える受注で、その人気があることを証明している。
その他にも、FFターボ+6MTを軽自動車初採用しており、スポーティ志向のユーザーからも、N-ONEに顔をそむけることができないだろう。
そんな、誰もが愉しめるN-ONEが今後、頭角を表してくるかもしれない。
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