令和元年度、自動車アセスメントの評価結果発表

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こんにちは、SCPです。

自動車アセスメントとあまり聞かないワードですが、意味は「自動車の安全性能評価」のことで、実車を使用して、衝突試験などを行い実際のデータを計測し個々の車種別にその衝突安全性を評価するものになっています。

現代では、各メーカーが予防安全機能を充実させたり、衝突に対する安全性能を高める事がひとつのクルマに対する指標となっていると考えます。

今回は、タイトルにある通り令和元年度における自動車アセスメントの評価結果発表と、自動車アセスメントについてお伝えしていきたいと思います。

日本と世界各国の自動車アセスメントの概要

日本での、自動車アセスメントは国土交通省が実施しており、1995年から運輸省の主導で、自動車アセスメント(Japan New Car Assessment Program:JNCAP)が開始され、自動車事故対策センターが評価実施を行った。

実施機関はのち、独立行政法人自動車事故対策機構に組み替えられ、車種別安全性評価が行われている。

評価対象となる項目

日本で行われている試験の内容は、前面衝突安全性能、ブレーキ性能、側面衝突試験から始まり2000年度からはオフセット前面衝突安全性能、2003年度からは歩行者頭部保護性能試験を追加、2014年度には予防安全アセスメントが追加されている。

その後、2018年度には被害軽減ブレーキ(対歩行者)の昼間における評価を開始し、2019年度には夜間での評価も開始し、街灯ありでの評価から始まり、翌年には街灯なしでの条件下での評価項目として追加されている。

アメリカでの自動車アセスメントの概要

アメリカでは、日本よりもだいぶ前の1979年からNCAP(New Car Assessment Programme)として実施されている。

JNCAP NHTSA

実施団体には、米国運輸省の道路交通安全局(NHTSA)がおこなっており、一般には、政府5つ星評価(government 5-star ratings)として知られている。

評価対象となる項目と各管轄の役割

前方衝突安全性から始まり、1996年(1997年モデルイヤー)から側面衝突安全性、2000年(2001年モデルイヤー)からは転倒時安全性も加えられた。

その目的は、車両購入時の意思決定に正確な安全性データを提供することにあり星マーク1個から5個で評価され5個が最高点となる。

また、保険業界の非営利団体米国道路安全保険協会(IIHS)では、自動車の衝突事故における人、車両、道路環境の3要素すべてを視野に入れた事故防止策、および事故発生前、事故発生時、事故発生後のそれぞれの損傷の軽減に焦点を置いた調査研究を行っている。

業界を代表して乗用車に対する衝突安全試験を実施しており、結果も公開され専門家や車両ユーザーに利用される。

よって、自動車購入者は双方の情報を比較することができる。

オーストラリアでの自動車アセスメントの概要

JNCAP ANCAP

オーストラリアでは、オーストラレイシアン自動車アセスメント(ANCAP:Australasian New Car Assessment Program)と、1924年設立のオーストラリア自動車連盟(Australian Automobile Association (AAA))が、オーストラリアとニュージーランドの自動車クラブ、オーストラリア連邦を構成する各州の道路安全局(ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、、サウス・オーストラリア、クイーンズランド、タスマニアおよび西部オーストラリア)、ニュージーランド政府およびFIA(国際自動車連盟)の下部機関「FIAファウンデーション」の支援を得て実施している。

欧州での自動車アセスメントの概要

JNCAP EURONCAP

1997年に設置され、独立した消費者団体により実施されており、ヨーロッパ圏内で販売されている自動車の安全性を衝突実験と衝突予防性能試験により検証し、その結果を公表することで、ユーザーに市場で販売される自動車の安全性の目安となる情報として提供し、自動車メーカーに対してより安全な自動車開発を促す目的で行われている。

世界各国で実施されている同様の調査の中ではもっとも知名度が高く権威があるものとされている。

テストを受ける車種は、年とともに増加傾向にあり、この傾向はヨーロッパの大手自動車会社の量産車種だけでなく、ヨーロッパで発売される日本車も同様に行われる。

アジアにおける自動車アセスメントの概要

中国では、中国自動車技術研究センター(CATARC)が行っている、

韓国では、建設交通部(KMOCT)でも事業が開始された。

インドでは国立自動車試験・研究開発基盤プロジェクト(NATRIP)などでも検討されている。

やはり、車大国であるアメリカと欧州ではより細かい項目で自動車の安全性を検証している事が分かる。

令和元年度、自動車アセスメント評価結果

今回の性能評価は、「予防安全性能評価」と「衝突安全性能評価」の2項目での結果が公表されたので、お伝えします。

予防安全性能評価

対象となる車両は、乗用車(12車種)・軽自動車(4車種)の計16車種になります。

JNCAP 予防安全性能評価1
NCAP 予防安全性能評価2
NCAP 予防安全性能評価3

結果を見ると、トヨタ(アルファード/ヴェルファイア)、日産(セレナ)・スズキ(ランディ)、レクサス(NX)、(UX)が満点を獲得し、これまでの最高得点を超えたため、予防安全性能評価大賞を受賞しました。

以上で挙げた満点を獲得した車種以外にも、スバル(フォレスター)、トヨタ(RAV4)、日産(デイズ/デイズハイウェイスター)、三菱(ekワゴン/ekクロス)、フォルクスワーゲン(ポロ)、ホンダ(アコード)、ホンダ(N-BOX/N-BOXカスタム)、ホンダ(N-WGN/N-WGNカスタム)、メルセデスベンツ(Cクラス)、レクサス(ES)と計13車種が最高評価の「ASV+++」を獲得している。

衝突安全性能評価

対象となる車両は、乗用車(9車種)・軽自動車(3車種)の計12車種になります。

JNCAP 衝突安全性能評価1
JNCAP 衝突安全性能評価2

結果を見ると、トヨタ(RAV4)が最高得点の88.9点を獲得しファイブスター賞を獲得しました。

RAV4以外にも、ホンダ(N-BOX/N-BOXカスタム))、ホンダ(アコード)、ホンダ(インサイト)、レクサス(NX)、(UX)、日産(デイズ/デイズハイウェイスター)、三菱(ekワゴン/ekクロス)、ダイハツ(ロッキー)、トヨタ(ライズ)の8車種が最高評価のファイブスター賞を獲得している。

さいごに

JNCAP 実測

自動車アセスメントについて、お話してきましたが日本に限らず他国でもこのような取り組みを行い、車の性能を計測して評価する事は、ユーザー(購入者)に対しての有利なデータになるし、結果次第ではメーカー側も改善や、更に安全面の強化を考えてける環境にあると思います。

車を供給するメーカー側と、ユーザーの需要側のどちらも不利にすることが無い取り組みなので、今後もさらに項目も増えていくと考えられるので、メーカー側は、安全に徹したクルマを作って頂きたいと思う。

ユーザー側からだと、この様な結果を参考に購入するクルマを検討するのも役立てれるものとなっています。

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