日産の新型SUVキックスを2020年6月30日より新発売

新車レビュー

日産 キックス(KICKS)は以前、三菱自動車のパジェロミニをOEM供給で販売されていた軽SUVにキックスという名が付けられていたが、今回新登場するキックスはスペルが「KICKS」に対し、以前扱っていたキックスは「KIX」となり、別のクルマでありながらSUVとしての系譜が読み取れる1台だ。

新型キックスは、日本市場での発売を2020年6月30日より開始するが、現行型である2代目は既に2016年よりブラジルでの販売開始を皮切りに、北米・南米・アジア市場など将来的には世界80か国以上に投入する世界的戦略車のひとつでもある。

キックス e-powerロゴ

特徴のひとつとして日本市場でのキックスのラインアップは、「e-POWER」のみの専用車種となり、これは日本向けでの初の試みとなっている。

それでは、新型キックスについてお伝えします。

車名の由来は、興奮や熱中を意味する「KICKS」の他に英語圏のスラングで「靴」という意味もあり、地面などを蹴る(=kick)という意味からの派生もあり、スニーカーなどのラフな靴を指すことが多い。

キックスの価格は

X2WDe-POWER275万9,900円
X ツートーンインテリアエディション2WDe-POWER286万9,900円

e-POWER専用車となり、優れた燃費と電気を活かしたパワフルな走りを実現

キックスに搭載されるエンジンは、直列3気筒DOHC 1.2Lエンジンに、「EM57」と呼ばれるモーターの組み合わせにより構成されている。

こちらのパワーユニットは、既にe-POWER車として人気の高い同社のノートと同じものを使用しているが、エンジンの出力も3PS程出力が高く、モーターの出力もノートに比べ20PS程向上させたパワートレインを採用している。

e-POWERの特性を活かした「e-POWERドライブ」

日産のe-POWER車には、アクセルペダルの踏み戻しで車速を調整できる「e-POWERドライブ」を搭載しており、ワンペダル感覚での運転を可能としたほか、発電用エンジンの作動タイミングの制御を最適化することで、エンジンの作動頻度を減らし、高い静粛性を実現している。

キックスの燃費は
WLTCモード 21.6km/L

基礎となるプラットフォームとサスペンションにより、上質で安定した走りを実現

キックスには、上級小型車向けプラットフォームを採用し車体剛性を最適化することで、ふらつきにくい安定感のある走りを実現し、さらに、操縦性や乗り心地、静粛性の向上にも貢献している。

サスペンションには、キャスタートレールを延長したサスペンションジオメトリーを設定することで、タイヤからのフィードバックを着実に受けることができ、コーナリングでの安定した走りを叶える。

また、専用のダンパーや高性能バルブにより、段差でも快適な乗り心地を実現している。

日産の先進技術を満載し、危険を未然に防ぎ運転者の疲労軽減にもつながる機能

プロパイロット

キックス プロパイロット

プロパイロットは、車線の中央と車間距離をキープし高速道路における渋滞走行や長時間の巡航走行での大きな負担となる2大シーンで、アクセルやブレーキ、ステアリング操作をクルマがアシストするので、安全かつ運転者の疲労軽減に寄与する。

インテリジェントアラウンドビューモニター(移動物検知機能付)[メーカーオプション]

キックス インテリジェント アラウンドビューモニター

駐車中のクルマを、上空から見下ろしているかのような映像にして日産オリジナルナビゲーション画面(またはインテリジェントルームミラーのディスプレイ)に表示することで、ひと目で周囲の状況がわかるため、スムースに駐車できる。

さらに、人や自転車など周囲に動くものがいる場合には、表示とブザーで注意を促す。

インテリジェントエマージェンシーブレーキ

キックス インテリジェントエマージェンシーブレーキ

走行中に前方のクルマや人を検知し、ぶつかる可能性が高まると表示とブザーで運転者に回避操作を促す。

万一、運転者が安全に減速できなかった場合には、ブレーキを作動させて衝突回避をアシストする。

インテリジェントLI/LDW(車線逸脱警報)

キックス インテリジェントLILDW(車線逸脱警報)

LDW(車線逸脱警報)は、意図せず走行車線を逸脱しそうな場合、メーター内ディスプレイへの警報表示とステアリング振動で注意を喚起します。

さらに、インテリジェントLI(車線逸脱防止支援システム)が車線内に戻す方向に力を短時間発生させ、ドライバーがクルマを車線内に戻す操作を促す。

インテリジェントDA(ふらつき警報)

ハンドル操作から運転者の注意力が低下していると判断したときに、メーター内のディスプレイ表示とブザーにより運転者に休憩を促す。

踏み間違いによる衝突回避をアシスト

キックス 踏み間違いによる衝突回避をアシスト

ブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏み込んだ場合に、エンジン出力を抑制しブレーキを制御するので、壁やコンビニなどのガラス、人との衝突回避をアシストする。

フロント&バックソナー

車速約10km/h以下で前進中にソナーが障害物を検知した場合は、ソナー表示とブザーで運転者に注意を促す。

SOSコール

キックス SOSコール

交通事故や急病などの緊急時に、位置情報、センサー情報とともに、専門のオペレーターが消防指令センターや警察へ迅速に連絡し、緊急車両の手配サポートをします。

また、あおり運転に遭遇した場合などでも手動で通報できます。

ヒルスタートアシスト

キックス ヒルスタートアシスト

上り坂での発進時、ブレーキペダルからアクセルペダルへと足を踏み替える間は、クルマがブレーキ力を2秒間維持するので、ゆっくり落ちついて、ペダルを踏み替えられる。

ハイビームアシスト

先行車や対向車のライト、道路周辺の明るさに合わせて、ハイビームとロービームを自動で切り替える。

手動で切り替えるわずらわしさと、切り替え忘れによる先行車や対向車へのうっかりハイビームがなくなります。

インテリジェントトレースコントロール(コーナリング安定性向上システム)

キックス インテリジェントトレースコントロール(コーナリング安定性向上システム)

山道や高速出入口のカーブで、ステアリング操作やアクセル、ブレーキ操作の状況に基づき、4輪それぞれのブレーキを制御することで、車両の動きを滑らかにし、安心感の高いコーナリングを可能にします。

オートブレーキホールド

信号待ちなどの停車時に、ブレーキペダルを踏み続けていなくても自動的にブレーキ力を保持するので、ペダルを踏み続けることによる足の疲れを緩和します。

インテリジェントルームミラー[メーカーオプション]

キックス インテリジェントルームミラー[メーカーオプション]

2列目に乗っている人やヘッドレスト、荷室に積んだ大きな荷物などが写り込んで見にくくなりがちなルームミラーの後方視界をインテリジェントルームミラーを装着することで、車両後方のカメラ映像をミラー面に映し出すので、車内の状況や、天候などに影響されずいつでもクリアな後方視界が得られる。

大人でもゆったりくつろげる広い室内空間に、クラストップのラゲージルーム

運転席・助手席のシート背面形状を最適化し、ニールームを拡大することで、大人でもゆったりと座ることができる広さを実現している。

キックス ゼログラビティシート

また、シートにはマットスプリングタイプのゼログラビティシートを採用し、座り心地がよく乗員の疲労度を軽減します。

キックス ラゲージルーム

ラゲージルームには、荷室容量クラストップのラゲージルームが備わり、毎日の買い物からレジャー、旅行まで幅広く対応できる。

大型のスーツケースなら2つ、9インチのゴルフバッグも3つまで積載でき、また後席可倒シートにより、シーンに合わせてシートアレンジができるので、長尺物も無理なく載せられます。

キックス トノボード

さらに、ラゲージルームをさらに有効活用できる、トノボードも備わり荷物を隠すことができるのでプライバシー保護にも貢献する。

キックス 可倒レバー

後席を倒す際にも、ラゲージ側からでも操作可能な可倒レバーを採用しているので、引っ張るだけの簡単操作で後席を倒せるのが便利だ。

キックス専用設計のルームランプ一式になります。

LEDによる鮮やかな光が照らします。調光機能付きでお好きな光量に設定できます。

さいごに

日産キックスはいかがだったでしょうか?

未だ、人気の衰えないSUV人気の中、SUVと言ったらこれまでミドルサイズやフルサイズのSUVが人気の中心となってきたが、日本の道路状況や環境問題がある中、キックスのような小型SUVが主流となりつつある。

メーカー側も、このサイズのSUVには各社力を入れているのは事実で、キックスも例外ではないと言える。

使いやすいサイズ感に、安全技術も申し分なく与えられており、普段使いから趣味などにも使えるちょうどいい車格であることから、人気が出るのだろう。

今回のキックスは、SUVだが前輪駆動(FF)のみのラインアップということが、筆者の気になる点ではあるが、4WDの設定がないことから街中での使用がメインとなってくるユーザーを取り入れたい気持ちが伝わるが、フォルムは山道などのワインディングでも似合うクルマだと思うだけに、4WDの未設定は少し残念だと感じる。

しかし、冒頭でもお伝えした通りキックスは将来的には80か国にラインアップされる予定となっているので、マイナーチェンジなどで4WDの設定が出てくることも否めないので、期待して待っていたい。

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