【ゲリラ豪雨】誰にも起こりうる、「ハイドロプレーニング現象」について、対処法や予防策について解説します【雨の日の運転】

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ハイドロプレーニング現象」という言葉は、教習所でも必ず出てくる用語であり、なんとなく聞いたことがあるという方は多いのではないでしょうか?

ハイドロプレーニング現象は、主に「雨天時」に起きる現象であり、これまで経験したことない方も多くいらっしゃると思います。

実は筆者は、このハイドロプレーニング現象は経験したことがあり、初めて経験したときは、軽いパニックになるほど、「恐怖」を感じ、どのようにしていいか分からなくなる程でした。

しかし、ハイドロプレーニング現象がどのようなことか、具体的に理解出来ている方も多くはないかと思いますし、ハイドロプレーニング現象を理解していたとしても、もし起きた時に、どのように対処していいか分からない方もいらっしゃるかと思います。

今回は、誰にでも起こりうる「ハイドロプレーニング現象」や、起きたときの対処法や起こさないための予防策についてお話します。

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ハイドロプレーニング現象とは?

ハイドロプレーニング現象 メカニズム

ハイドロプレーニング現象とは、クルマが雨や水たまりの上を走行する際に発生する現象で、タイヤと道路の間に水が挟まることによって、タイヤが道路との接地を失い、ステアリング(ハンドル)操作はもちろん、アクセルやブレーキ制御が効かなくなる状態を指します。

ハイドロプレーニング現象が発生する主なメカニズムは、水の厚い層がタイヤと道路の間に挟まり、この水の層によってタイヤが浮き上がることです。

浮上したタイヤは、道路との摩擦が減少し、制動力や操縦力が急激に低下し、これにより、運転者は車両をコントロールしにくくなり、ステアリングやブレーキを操作しても、予測不能な動きをする可能性が高まります。

実際に、筆者がハイドロプレーニング現象が起きた際の感覚でいうと、直前まではしっかりと路面を走っている感覚から、急に「ツルーン」と氷の上を走るかのように、全くタイヤが路面に接地感がないような感覚になりました。

発生する直前まで、全く違和感がなく、「突然」起きるというのも、ハイドロプレーニング現象の特徴と言えます。

ハイドロプレーニング現象が起きた際の対処法とは?

この様に突然起きる、ハイドロプレーニング現象ですが、実際に起きたときは、どの様に対処すればよいのか?

対処法は、実はものすごく簡単で、「クルマの操作を全てやめる」ことです。

クルマが突然、操作が不能になると、筆者も経験したように「恐怖心」から、とっさに急ハンドルや急ブレーキをしたくなりますが、実はこのような行動は「逆効果」になってしまい、制御がしきれていない状態で無理やり操作することで、大きな事故を引き起こしてしまう可能性もあります。

対処法の、「クルマの操作を全てやめる」ことで、クルマは空気抵抗によって少しずつ減速していき、スピードが遅くなればタイヤの排水効果が回復していくので、次第に制御ができるようになるのです。

スリップ状態が収まるまで、操作をやめ、速度が下がることで制御できるようになるので、決して慌てずに待ち、制御可能となったら、慎重にゆっくりと操作をすることを心がけましょう。

ハイドロプレーニング現象が起こりやすい原因と、対処法について

1.タイヤの摩耗

ハイドロプレーニング現象 タイヤの摩耗

タイヤには排水性が備わっており、ある程度は地面とタイヤの間の水を排出する様にできています。

タイヤの排水性能はタイヤの溝があることによって保たれているのですが、長くタイヤを使用していると、タイヤは摩耗していき溝は浅くなっていくことで、タイヤのグリップ力はもちろん、排水性能が落ちていくのも事実です。

タイヤの溝は走行距離約5,000㎞で1㎜すり減ると言われていることから、目安として新品のタイヤに交換してから20,000~30,000㎞以上走行した場合は、雨天時はハイドロプレーニング現象が起こりやすくなるということを覚えておきましょう。

タイヤは使用状況や道路状況によって、部分的にすり減ってしまうことがあり、この状態を「偏摩耗」といい、そのまま走行を続けてしまうと、一定の部分だけゴムがすり減ってしまいタイヤの寿命が短くなってしまいますし、排水性などの性能を悪化させてしまいます。

偏摩耗を避けるためにも、走行距離5,000㎞を経過するごとに「タイヤローテーション」をするようにしましょう。

偏摩耗による、排水性能の低下はもちろん、タイヤ自体の長寿命にも繋がるので、安全で経済的な効果もあります。

2.速度の出しすぎ

ハイドロプレーニング現象 速度の出しすぎ

一般道よりもスピードの出る高速道路で起きやすくなるハイドロプレーニング現象ですが、雨の日に約80km/hを超えたスピードで走行すると起きやすくなることが分かっています。

速度が上がるほどタイヤは回転数が増え、地面との接地時間が短くなり、これによりタイヤの排水性がさらに低くなってしまいます。

速度が速くなるほど、タイヤと地面の間の水は排出されにくくなり、ハイドロプレーニング現象は発生しやすくなります。

雨天時の高速道路で、「80km/h制限」になるのを見かけることが多いですが、これはハイドロプレーニング現象が起きやすくなることが原因なため、このような制限になるのです。

雨天時の特に高速道路では、しっかりと制限を守り、未然に防ぎましょう。

3.タイヤの空気圧不足

ハイドロプレーニング現象 タイヤの空気圧

空気圧が規定よりも不足していると、地面とタイヤの接地面が広くなるため、水がタイヤの溝から外へ排出されるまでの時間が通常よりも長くなることが原因で、ハイドロプレーニング現象が起きやすくなってしまう状態にあります。

タイヤのゴムは空気を通す素材のため、穴が空いてなくても自然に空気が外に漏れ出てしまい、1ヶ月に5~10%程度は空気圧は低下していきます。

定期的に空気圧を補充していない場合は、知らない間に空気圧不足になってしまっている可能性が高いため、できれば1ヶ月毎に空気圧のチェック、補充をし、最低でも高速道路を利用する前に空気圧のチェックを行うことで、ハイドロプレーニング現象を起こすリスクを減らすことができるでしょう。

さいごに

ここ最近、全国的に台風の影響や、大気の不安定によるゲリラ豪雨、線状降水帯の発生による激しい雨になることが多発しております。

このような激しい雨は、一瞬で道路に大量の水が溜まるため、運転を気をつけなければいけません。

ハイドロプレーニング現象が、起きてしまうことは不可抗力な部分もありますが、未然にリスクを減らすことは上述してきたことを意識して行動すれば、抑えることが出来ます。

そして、もしご自身にハイドロプレーニング現象が起きた際は、慌てずに行動することが大切です。

特に雨の日のクルマの運転が、晴天時に比べ危険な状態であることを認識し、さらに安全運転をすることが大切です。

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