今乗っているクルマの走行距離は何キロになりますか?
一昔前では、「クルマの寿命は10万キロ」というのが、1つの目安になっていましたが、現代のクルマの寿命は年々延びていて、自動車検査登録情報協会によると、2022年の乗用車の平均使用年数は「13.84年」となっており、10年前に比べて1.68年も延びているのだ。
平均使用年数を基に、例えば1年に1万キロ走れば、10万キロを超える計算になり、平均使用年数で13.84年なので、20年30年と現役で走っているクルマも少なくないわけだが、このようにクルマを長く使い、多く走るためには、10万キロを節目に交換しておきたい消耗品があります。
この消耗品を交換することで、愛車はリフレッシュし、さらにあなたの相棒として活躍するでしょう。
今回は、10万キロを節目に交換しておきたい消耗品についてお話します。
10万キロを迎えた(迎える)クルマに交換する消耗品について
インジェクター
インジェクターとは、エンジンに接続されていて、空気にガソリンを混ぜて効率よく燃料を供給する装置になります。
このインジェクターを、長く使用することで内部に汚れが発生し、目詰まりを起こして、エンジンのかかりが悪くなったり、エンジンのフケが悪くなるなどの要因になります。
自動車の燃料供給にかかわる重要な部品の1つになりますので、愛車の調子を見ながら、交換するのが望ましいです。
タイミングベルト
タイミングベルトとは、エンジン内部にあり、クランクシャフトとカムシャフトを結んでいる部品になっていて、エンジンが規則的な回転運動を続けるためにはなくてはならない重要な部品になっています。
エンジンの動力をクランクシャフトからカムシャフトに伝え、カムシャフトを回転させて弁であるバルブなどを規則的に動かし、スムーズに連動させるための重要な役割を担っています。
タイミングベルトは、ゴムでできているため、使用していれば劣化やひび割れ、さらには伸びなどが発生します。
もし、ひび割れまたは伸びきっている状態で運転を続けているとタイミングベルトのギザギザした「歯」と呼ばれる部分が欠けたり、最悪のケースではタイミングベルト自体が切れたりしてしまいます。
こうなってしまうと、クランクシャフトの回転とカムシャフトの回転のタイミングがずれてしまいますので、エンジンの不調につながり、さらにカムシャフトに回転が伝わらなくなればバルブが動かなくなってしまうので、エンジンが止まってしまいます。
しかも、タイミングベルトの寿命が来るときは、前触れもなく突然来るときが多いため、走行中に突然切れてエンジンが停止し、追突事故の原因にもなりかねません。
そのため、交換時期は明確に定まってはいないため、10万キロ程度の走行距離が目安となるだろう。
マフラー
マフラーは、クルマの排気音を小さくする消音器としての役割があります。
問題のないマフラーであれば、比較的静かに走行することができますが、異常があれば、すぐに気づくほどの大きな排気音を出すようになってしまいます。
原因としては、マフラーの経年劣化などにより、錆でマフラーに穴が空いてしまい、排気音が大きくなってしまったり、排気漏れが起きてしまいます。
排気漏れ(マフラーに穴が開いている)や、排気音が大きくなってしまい、車検に通らなくなってしまうので、10万キロを目安にマフラーの点検を行い、劣化が進んでいれば交換したほうがいいだろう。
ウォーターポンプ
ウォーターポンプとは、エンジンを適正温度にまで冷やすための冷却水を循環させ、エンジンのオーバーヒートなどを防ぐ部品になります。
ウォーターポンプはエンジン側面にあり、プーリーを通じてタイミングベルトやファンベルトで稼働させられ、冷却水を強制的に循環させる役割になっています。
ウォーターポンプが故障によって正常な動作ができなくなると、冷却水を循環させることができなくなるため、エンジンがすぐに高温になり、オーバーヒートやエンジンストップ、最悪の場合には炎上や爆発などの大きなトラブルになりかねません。
ウォーターポンプを交換する時期としても、10万キロを目安にとなっていますが、実はウォーターポンプの側にあるタイミングベルトの交換目安と連動しています。
タイミングベルトやウォーターポンプを交換する際には、片方だけを交換するとしても、両方の部品を外さないと交換ができないため、タイミングベルトの交換と同時にウォーターポンプの交換をすることにより、作業の工賃を安く抑えられるメリットがあるからです。
エアコン
エアコンは、どんな季節でも車内の温度を快適にする、便利な装備の1つです。
エアコンの内部には、エバポレーター、高圧ホース、コンプレッサーで構成されていて、どれかが故障してしまうと、その他の部品も順次故障になることが多いです。
エアコンガスの充填や、冷却水の交換などの対処療法で修理していくのも一つの手であるが、経年劣化が進んでいるエアコンを使い続けるよりも、エアコン一式を直してしまったほうが、より快適なカーライフを送れることになるだろう。
ラジエーター・ラジエーターホース
ラジエーターとは、エンジンの温度を調節し、一定に保つための冷却装置になります。
ラジエーターは、水冷エンジンの装置の中で、きわめて重要な部品です。
ラジエーターの役割は、エンジンを一定の温度以上に上昇させないよう、冷却水を循環させる必要がありますが、その冷却水を冷やすために装備されているのが、ラジエーターになります。
10万キロを目安に、劣化が進んでいるようであれば、故障して自走できなくなる前に、ラジエーター及びラジエータホースの交換を勧めたい。
オルタネーター
オルタネーターとは、クルマの発電機の役割を担っており、エンジン始動、窓の開閉、ナビ、ライト等、様々なパーツに電力を供給しているのがバッテリーになりますが、そのバッテリーに充電してくれるのが、オルタネーターの役割になっています。
オルタネーターが故障してしまうと発電がされず、バッテリーに充電ができなくなってしまい、いわゆる「バッテリー上がり」が発生します。
このような状況から、一見バッテリーに異常があり、バッテリーを交換しても、またすぐにバッテリーが上がってしまったりした場合は、オルタネーターの異常によって起きていることが、ほとんどになります。
発電ができなくなると、エンジンの始動さえも行えなくなってしまいますので、10万キロを目安に交換が必要になってきます。
イグニッションコイル
イグニッションコイルとは高電圧を発生させる装置で、ガソリンを燃焼するために必要なスパークプラグを作動させるための役割を果たします。
イグニッションコイルは内燃機関(ガソリン車などの、吸気された空気とガソリンを圧縮した混合気体を燃やして動力を生み出し、車を動かすエンジン)において欠かせない部品となっています。
イグニッションコイルが故障すると、燃焼前の点火工程で不具合が発生し、内燃機関が正常に作動出来なくなってしまいます。
アクセルを踏んでも加速力が感じなかったり、エンジンのかかりが悪かったり、アイドリングの不安定、エンジンのチェックランプが点灯する等で、イグニッションコイルの故障が疑えるので、点検を行いましょう。
ブッシュ
ブッシュとは、主にサスペンションアームの可動部に付いているゴム製のパーツになります。
ブッシュの役割は、サスペンションのスプリングとダンパーによって路面から伝わる振動を吸収する部品になりますが、サスペンションアームやスタビライザー、ダンパーの取付部に使用されていることから、ブッシュにも路面からの振動を吸収する部品となっています。
ブッシュは、ゴム製でできているため、使用し続けると劣化によってヒビが入ってしまったり、へたりによって車高が下がってしまうこともあります。
交換することによって、足回りがリフレッシュされ、走りがシャキっとすることだろう。
さいごに
筆者も、過去に新車から16万キロまで乗り続けたクルマがありましたが、手放すまで特に大きな部品の交換をすることはありませんでした。
しかし、運が良かったのか今回紹介したパーツ類を交換することはありませんでした。
ただ、直さなくても大丈夫だっただけで、本来は今回紹介した消耗品を交換し、リフレッシュさせれば、さらに快適に乗ることができたでしょう。
クルマの使い方は、それぞれありますが、長く乗るためにはこういった消耗品の交換を検討し、交換することでクルマの寿命は長くなりますので、少しでも異常があれば交換を行うのが良いでしょう。
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