キャデラック CT5(Cadillac シーティーファイブ)は、2008年~2019年まで販売されていた「CTS」の後継車モデルとなり、車名に関してもキャデラックの新戦略による一環として新しいネーミング方法を採用し「CT5」として生まれ変わりました。
CT5のプラットフォームには、軽量化と剛性の向上を実現した「アルファアーキテクチャー」を採用し、ボディサイズは全長4,925×全幅1,895×全高1,445mmと、既にフラッグシップモデルとしてラインアップされるCT6の全長5,230×全幅1,885×全高1,495mmなので、日本の道路状況における街中での扱いやすさなど大きすぎず小さすぎないボディサイズは魅力の一つとも言える。
GMジャパンによると、セダンのラインアップはこのCT5一本化する方針になっているので、今後キャデラックのセダンを検討している方には、注目するべき1台となるだろう。
それでは、今回はCT5について紹介します。
CT5の価格は
グレード | エンジン | 駆動方式 | 価格 |
Platinum(プラチナム) | 2.0L 直4 | 2WD(FR) | 560万0,000円 |
Sport(スポーツ) | 2.0L 直4 | AWD | 620万0,000円 |
ファストバックスタイルのボディにより、躍動感と洗練されたエクステリアデザイン
ラグジュアリーサルーンの文法を守りながら、エレガントかつ逞しいファストバックスタイルのボディは、美しく先鋭的なLEDバーチカルライトと大径ホイールによって精悍に引き締められ、ロングホイールベースと低く身構えた姿勢は秘められた強力なパワーを主張している。
CT5の大胆なフォルムのボディは、見えない部分のディテールに至るまで細心の注意を払って仕上げられている。
そのクルマの顔とも言えるCT5のライト類は、すべてきめ細やかで鮮明なLEDライトであり、ガラスとパネルの継ぎ目は滑らかに仕上げられています。
さらに小さなディフレクターやリアデッキスポイラーに至るまで、エアロダイナミクスの最適化が考え抜かれ、空気の流れを乱さぬように美しく成形されたリアアンダーフェイシアには台形型のツインエグゾーストが一体化されています。
CT5にはそれぞれに個性的な「プラチナム」と「スポーツ」の2モデルが設定されており、プラチナムには気品あるクロームトリムのフロントグリルを、スポーツには繊細かつ精悍なブラックメッシュのグリルを採用し、ユーザーの好みによって選択することができる。
さらに、それらのグリルの奥には、必要のない場合には閉じて空力特性をさらに改善するアクティブグリルシャッターが装備されている。
伝統的なシンプルで美しいインテリアデザインには、最先端テクノロジーによって利便性を追求
上質なプレミアムレザーや本物のウッドパネルなど高品質のインテリアトリムと、先進的なデジタル機器がエレガントに調和するように注意深く仕立てられている。
計器類は12インチのデジタルメーターディスプレイに映し出される他に、カラーヘッドアップディスプレイも装備されています。
ダッシュボード中央に設置された10インチの高精細大型タッチディスプレイはスマートフォンのように直感的に操作ができ、ロータリーコントローラーやステアリングホイールスイッチでも操作可能となっているので、シーンを選ばずお好みの操作ができる。
クライメートコントロールなど日常的に使用する機能については独立したハードスイッチを設けて、シンプルで確実な操作性に配慮しています。
スポーツにはリムの太い専用スポーツステアリングホイールとマグネシウム合金製パドルスイッチを装備し、スポーツマインドを高ぶらせます。
ラグジュアリーカーに相応しい快適装備
センターコンソールには15Wに高出力化されたワイヤレスチャージャーを装備、アコースティックラミネートガラスをはじめ徹底的な遮音対策が施されたキャビンには15スピーカーを持つBose Performance Seriesサラウンドサウンドシステムが備わり、アクティブノイズキャンセレーションの効果も加わって、艶やかで臨場感溢れる音響空間を作り出します。
また常に最新の地図情報をストリーミングできるナビゲーションシステムも搭載し、スマートなドライブをサポートします。
丹念なステッチで縫い上げられた電動パワーレザーシートは、身体をしっかりと支えるホールド性に優れ、フロントシートにはヒーターとベンチレーション、さらにはマッサージ機能も備わっています(スポーツ)。
またステアリングホイールとリアシートにもヒーターが装備されています。
ドライバーズシートにはキャデラックが特許を持つセーフティアラートシートであり、各種セーフティシステムからの警告、例えばサイドブラインドゾーンアラートが発する警報を、警告灯とともにシートクッションに内蔵されたバイブレーターによって瞬時に確実に運転者に伝えます。
リアシートバックレストは60:40の分割可倒式で、ラゲージスペースとつなげることで長い荷物でも搭載できるので便利だ。
最新技術によって、高性能で高効率を実現するCT5のパフォーマンス
CT5はパワフルさと高効率で定評のある2L 直列4気筒直噴ツインスクロールターボエンジンを搭載しています。
1,500rpmという低回転域から350Nmの強力な最大トルクを発揮、さらにツインスクロールターボによって低回転域からスロットル操作に即応する鋭いレスポンスを実現している。
アイドリングストップや熱エネルギーを緻密に制御する冷却系に加えて、CT5のターボエンジンにはクルージング時などの低負荷時に2気筒を休止するアクティブフューエルマネジメントが搭載されています。
これは運転スタイルと負荷に応じてカムシャフト上の3種類のカムを切り替えて、逞しいパワーと燃費効率を両立させています。
先進の10速オートマチックトランスミッション
CT5の4気筒直噴ターボエンジンにはワイドなレンジをカバーする先進の10速オートマチックトランスミッションが組み合わされ、そのパフォーマンスと効率はさらに向上している。
クラスで最も進んだこのトランスミッションによって、高速巡航時の燃費だけでなく、シームレスで俊敏な加速性能や静粛性も引き上げられている。
ATセレクターは軽く確実に操作できる電子制御式や、ステアリングコラムのパドルスイッチで操作することもできます。
ドライブモード
強固なボディと重心高や重量バランスに配慮したシャシーを持つCT5は、ダイナミックで安定した操縦性能を可能にする優れた素質を備えている。
さらに、よりアクティブなパフォーマンスを求めるドライバーのために、走行環境やドライバーの意図に応じて予め選択できるドライブモードが設定されています。
標準モードの「ツアー」、より俊敏な走行性能を可能にする「スポーツ」、滑りやすい路面に対応する「アイス&スノー」の3モードに加えて、スロットルやシフトプログラム、ステアリング、そしてエグゾーストサウンドを個別に設定可能な「マイモード」も選択可能となっている。
AWD駆動システムを持つ「スポーツ」モデルでは、選択した各モードに応じて最適な前後駆動力配分が設定され、ツアーモードでは前後40:60、スポーツでは20:80となり俊敏なハンドリングを実現、アイス&スノーではスタビリティ重視の50:50の割合で駆動力が配分されます。
一瞬の油断もなくドライバーをアシストする先進的なセーフティシステム
新型CT5にはキャデラックが誇る先進的安全運転支援システムが標準装備されています。
無数のHDカメラやレーダーおよび超音波センサーが車両の全周に目を配り、危険を検知した場合には各種ウォーニングシステムを通じて瞬時に運転者に注意を促し、さらに必要な場合には自動的に対処します。
ハイ/ロービームを自動的に切り替えるLEDインテリビームや第二世代に進化し、角度やズーム、明るさを調整可能なリアカメラミラー、車両全周のクリアな画像を映し出すHDサラウンドビジョン、視線を動かすことなく運転情報を確認できるカラーヘッドアップディスプレイなど、安全で快適な走行のための装備も完備しているので、大きな安心感を与えます
フロント歩行者対応ブレーキ+リアペデストリアンディテクションアラート
カメラを用いて前後方の道路状況を確認し、歩行者を発見すると運転者に警告します。
また、必要に応じてブレーキをかけて前方の衝突回避および被害の軽減を図ります。
フォワードコリジョンアラート
前方の交通状況をモニターし、衝突の危険性を察知すると警告を発する。
また、フォワードディスタンスインジケーターは、先行車との車間距離を算出して、DIC(ドライバーインフォメーションセンター)に秒数で表示する。
一定の速度で走行中、差し迫った衝突の危険性を感知すると、自動的にブレーキをかけて衝撃の軽減を図ります。
アダプティブクルーズコントロール
前方レーダーを駆使して先行車を継続的にモニターし、必要に応じて加速・減速・完全停止を自動で行う。
設定した車間距離を維持するので、ロングドライブや渋滞で運転者の負担を軽減します。
さらに、通常のレギュラークルーズコントロールにも切り替えが可能となっているので、シーンに合わせた設定ができる。
セーフティアラートドライバーシート
キャデラックが特許を持つ革新的なセーフティシステムのセーフティアラートドライバーシートは、センサーが危険を感知すると、シートクッションの左右に内蔵したバイブレーターが振動して運転者に警告し、状況に応じてシートの左右それぞれまたは両方同時に振動するので、危険が迫る方向を感覚的に認識できます。
リアクロストラフィックアラート
駐車スペースなどから、バックで車を出す際に、後方を横切る車の存在をレーダーで感知し、DIC(ドライバーインフォメーションセンター)およびセーフティアラートドライバーシートで警告を行い、注意喚起します。
エマージェンシーブレーキシステム
前進時と後進時に、一定の速度で走行中に前後の衝突の危険性を感知し、自動的にブレーキをかけて衝撃の回避を図ります。
新世代サラウンドビジョン
低速での前進や後退時に、自車とその周囲を真上から見下ろしたような360度の映像をキャデラックユーザーエクスペリエンスのディスプレイに表示することで、安全な駐車をアシストします。
リアビューカメラ
高解像度リアビューカメラによって、自動的に車両後方のライブ画像をキャデラックユーザーエクスペリエンスに映し、画像上のガイドラインによって適切な進路を示し、進行方向にいる人や障害物が確認できる。
オートマチックパーキングアシスト
駐車可能なスペースをスキャンし、対応し自動で縦列駐車に加えて、並列駐車に適切なステアリング操作を行うので、運転者はシフト操作のみで駐車できます。
さいごに
キャデラック CT5はいかがだったでしょうか?
これまで、日本市場ではフラッグシップモデルのCT6しかセダンでのラインアップがされていなかったが、このCT5がラインアップされたことで、車格や価格についても抑えられているのでキャデラックのセダンが欲しいがフラッグシップモデルしかなかっただけに、CT5のようなミドルサイズセダンはファン待望のクルマとなるだろう。
CT5の競合となる車種は、メルセデスベンツEクラス、BMW5シリーズなどが挙げられるが、価格に至ってはEクラスは769万円から(E200スポーツ)、5シリーズでは678万円から(523i)となっているので、ドイツ製のセダンより100万円以上安く手に入れられるのは、大きなアドバンテージを持つことになるだろう。
これまで、キャデラックはセダンに限らずSUVなどもフルサイズの車種が有名で昔から馴染みはあるが、時代の変化もあり、車格やエンジンの排気量などはどんどんコンパクトになっているのが分かる。
しかし、時代が変われどその時代に、ちゃんと順応してくるキャデラックには脱帽する勢いである。
ドイツ車やイギリス車には、もう飽きてきたよという方にも、是非最新の「アメリカ車」であるキャデラックXT5を検討に入れてもらいたい。
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