6月に入り、2022年が始まり半分が経つことになります。
この間も、友人と話していて時が経つことの早さについて話題になりました。
一度、時の早さを実感してみると、年々その感覚は進行していきますよね。
誰もが時間は平等なのに、使い方次第で早くも遅くも感じるのかもしれません。
それでは、前置きはこのくらいにして、今回は2022年5月分のリコール情報についてお伝えします。
2022年5月のリコール届出情報(国産車)
三菱 デリカ 計4型式 計1車種を対象(12日)
・不具合の部位(部品名)
乗降口(スライドドア開閉用スイッチ)
・状況及びその原因
電動スライドドアの車外開閉用スイッチにおいて、製造不良によりゴムキャップに亀裂が入っているものがあり、亀裂部からスイッチ内部に浸入した水分により通電することがある。
そのため、停車時や極低速走行時等の特定条件下で、意図せずスライドドアが開閉するおそれがある。
・改善措置の内容
全車両、スライドドア開閉用スイッチを良品と交換する。
三菱 デリカ 他 計2型式 計2車種を対象(12日)
・不具合の部位(部品名)
原動機(エンジンECU)
・状況及びその原因
エンジンECUにおいて、制御プログラムが不適切なため、EGR(排気ガス再循環装置)経路内にデポジットが多く堆積することがある。
そのため、堆積したデポジットにより、EGR経路内の排気ガスの流量が低下し、エンジン警告灯が点灯してアイドリングストップ機能が停止するおそれがある。
または、堆積し硬質化したデポジットが剥がれ落ち、吸気バルブに噛み込むことにより、エンストし再始動できなくなるおそれがある。
・改善措置の内容
全車両、エンジンECUの制御プログラムを対策仕様に書き替える。また、EGRクーラーなどのEGR関連部品を新品と交換し、関連個所を清掃する。
いすゞ エルフ 他 計103型式 計5車種を対象(16日)
・不具合の部位(部品名)
灯火器(後退灯)
・状況及びその原因
塵芥車等において、装着した後退灯(LED式)の耐久性が不適切なため、使用過程において、後退灯内部の配線が断線することがある。
そのため、後退灯が早期に不灯になり、車両後退時の安全が確保できないおそれがある。
・改善措置の内容
全車両、後退灯を対策品に交換する。
いすゞ エルフ 他 計103型式 計5車種のリコール届出一覧表
三菱 ふそうファイター 計18型式 計1車種を対象(19日)
・不具合の部位(部品名)
制動装置(制動灯)
・状況及びその原因
中型トラックにおいて、ABS ECUのソフトウェアが不適切なため、エンジン始動時にキーを素早く回すと、ブレーキペダル電源短絡エラーを検知してブレ-キペダルへの電源供給を停止するものがある。
そのため、制動灯が不灯になりABS、ESP(横滑り防止装置)、衝突被害軽減ブレーキシステム、EZGO(坂道発進補助装置)が機能しなくなってブレーキシステム異常の警告灯が点灯し、制動装置の保安基準に不適合状態となると共にブレーキペダルを踏んでもオートクルーズが解除できなくなる。
・改善措置の内容
全車両、ABS ECUのソフトウェアを対策品に書き換える。
三菱 ふそうファイター 計18型式 計1車種のリコール届出一覧表
三菱 ふそうファイター 計18型式 計1車種の改善箇所説明図
スズキ ワゴンR 計2型式 計1車種を対象(19日)
・不具合の部位(部品名)
乗車装置(ドアラッチ、ストライカ)
・状況及びその原因
前席ドアにおいて、ドアラッチ及びストライカの設定が不適切なため、側面衝突時にサイドエアバッグが展開するとドアラッチが変形するものがあり、最悪の場合、ドアラッチとストライカの噛合いが解除され、前席ドアが開くおそれがある。
・改善措置の内容
全車両、前席ドアのドアラッチ及びストライカを対策品に交換する。
ニッセキ HTR306 他 計4型式 計4車種を対象(23日)
・不具合の部位(部品名)
走行装置(ハブボルト)
・状況及びその原因
ロータリ除雪車の走行装置において、ホイール取付用ハブボルトの強度が不適切なため、ハブボルトが折損するものがある。
そのためブレーキドラム内にハブボルトとハブナットが脱落し、そのまま使用を続けると、ブレーキドラムとブレーキシューの間にハブボルトとハブナットが噛み込み、最悪の場合、タイヤの回転が停止して走行出来なくなり、他の交通を妨げるおそれがある。
・改善措置の内容
全車両、ハブボルトの全数を対策品に交換する。またハブナットの全数を新品に交換する。
ニッセキ HTR306 他 計4型式 計4車種のリコール届出一覧表
ニッセキ HTR306 他 計4型式 計4車種の改善箇所説明図
ニッセキ HTR308A 他 計6型式 計6車種を対象(23日)
・不具合の部位(部品名)
操縦装置(前後進変速レバー)
・状況及びその原因
ロータリ除雪車の操縦装置において、前後進変速レバーの強度が不適切なため、そのまま使用を続けると、接触部が摩耗し、最悪の場合、前後進変速レバーが折損し、前後進操作が出来なくなるおそれがある。
・改善措置の内容
全車両、前後進変速レバーを対策品に交換する。
なお、ガイド板を点検し、損傷している場合は新品に交換する。
ニッセキ HTR308A 他 計6型式 計6車種のリコール届出一覧表
ニッセキ HTR308A 他 計6型式 計6車種の改善箇所説明図
ニッセキ HTR308A 計1型式 計1車種を対象(23日)
・不具合の部位(部品名)
電気装置(電気配線)
・状況及びその原因
ロータリ除雪車の電気装置において、配線の固定方法が不適切なため、走行振動によりオルタネータ配線及びアース配線が配線クランプとこすれ、被覆が損傷するものがある。
そのため、そのまま使用を続けると、損傷部とクランプ間でショートし、最悪の場合火災に至るおそれがある。
・改善措置の内容
全車両、保護材付のオルタネータ配線及びアース配線に交換する。
また配線固定ブラケットを追加し、対策品クランプで固定する。
ニッセキ HTR308A 計1型式 計1車種のリコール届出一覧表
ニッセキ HTR308A 計1型式 計1車種の改善箇所説明図
スバル レヴォーグ 他 計3型式 計3車種を対象(26日)
・不具合の部位(部品名)
排気ガス再循環装置(EGR圧力センサ)
・状況及びその原因
排気ガス再循環装置(EGR)に搭載したEGR圧力センサにおいて、排気ガスに対する耐力が不足していたため、排気ガスによる腐食からセンサ出力異常を起こし、警告灯点灯、加速不良に至ることがあり、最悪の場合、エンジンが始動できないおそれがある。
・改善措置の内容
全車両、EGR 圧力センサを対策品に交換し、エンジンコントロールユニットの制御プログラムを書き換える。
スバル レヴォーグ 他 計3型式 計3車種のリコール届出一覧表
いすゞ ギガ 計162型式 計1車種を対象(26日)
・不具合の部位(部品名)
電気装置(リレー)
・状況及びその原因
大型トラックにおいて、キーONリレー及びECMリレーの耐久性が不十分なため、リレー内部の樹脂製ボビンが熱により収縮し、コイルとの間に隙間が生じるものがある。
そのため、そのままの状態で使用を続けると、走行時の振動等によりコイル線が断線し、エンジンストールに至るおそれがある。
・改善措置の内容
全車両、当該リレーを対策品に交換する。
2022年5月のリコール届出情報(輸入車)
アウディ Q5 40TDIq 他 計12型式 計6車種を対象(10日)
・不具合の部位(部品名)
電気装置(データバスダイアグノシスインターフェース)
・状況及びその原因
リヤシートの下に取り付けられているデータバスダイアグノシスインターフェースにおいて、リヤシートにこぼした液体の水分や、車体底部のシーリングが不十分なため、大雨時や深い水たまりを走行した際に浸入した水分により、データバスダイアグノシスインターフェース内で短絡が発生することがある。
そのため、警告灯が点灯するとともに、エンジンが出力を抑える緊急走行モードに入ったり、パワーステアリングのアシスト力が減少したりするおそれがある。
・改善措置の内容
全車両、データバスダイアグノシスインターフェースに保護カバーを取り付ける。
また、一部車両においては、防水性を高めるためシーリングを塗布する。
データバスダイアグノシスインターフェースに短絡が認められた場合は交換する。
アウディ Q5 40TDIq 他 計12型式 計6車種のリコール届出一覧表
アウディ Q5 40TDIq 他 計12型式 計6車種の改善箇所説明図
プジョー e-208 他 計3型式 計3車種を対象(17日)
・不具合の部位(部品名)
原動機(オンボードチャージャー及びEVCU)
・状況及びその原因
オンボードチャージャー及びEVCU(エレクトリックドライブトレーンスーパーバイザーECU)において、オンボードチャージャーの基板の接続及びEVCUのソフトウエアが不適切なため、オンボードチャージャーに一時的な電圧変動が発生し、EVシステムの故障と判断してしまい、警告灯点灯、警告メッセージの表示、及びモーターの作動停止が発生するおそれがある。
このため、車両が走行中に停止し、停止後すぐに再始動できなくなるおそれがある。
・改善措置の内容
全車両、デジタルディーゼルエレクトロニクス(DDE)のプログラムを対策プログラムに書き換える。
プジョー e-208 他 計3型式 計3車種のリコール届出一覧表
プジョー e-208 他 計3型式 計3車種の改善箇所説明図
ベントレー ベンテイガ V8 他 計3型式 計3車種を対象(19日)
・不具合の部位(部品名)
座席(ベースフレーム)
・状況及びその原因
後席のスライド式シートレールにおいて、レールのアライメントが不整合な状態で取付けられ、座席固定溝の位置が僅かにずれているため、座席が確実に固定されていないものがある。
そのため、衝突時に座席が動き、最悪の場合、乗員が負傷するおそれがある。
また、当該レール後端にストッパーが取付けられていないものがあり、座席を最後位置に移動した場合、カーペットを傷付けることがある。
・改善措置の内容
全車両、後席シートレールの取付けを修正しアライメントを整え、座席固定溝を適切な位置に修正する。
また、当該レール後端のストッパーを点検し、取付けられていない場合は取付け、カーペットに傷が付いている場合は修理を行う。
ベントレー ベンテイガ V8 他 計3型式 計3車種のリコール届出一覧表
ベントレー ベンテイガ V8 他 計3型式 計3車種の改善箇所説明図
アルファロメオ ステルヴィオ 他 計5型式 計2車種を対象(25日)
・不具合の部位(部品名)
灯火装置(ヘッドライトコントロールユニット)
・状況及びその原因
アダプティブヘッドライトを制御するヘッドライトコントロールユニットにおいて、製造管理が不適切なため、ヘッドライトセンサーのキャリブレーションが適正に実施されていないものがある。
そのため、車両の積載状態により、光軸が適正に修正されず、前照灯に係る保安基準第32条に適合しないおそれがある。
・改善措置の内容
全車両、ヘッドライトコントロールユニットに、ヘッドライトセンサーに関わるキャリブレーションを実施する。
アルファロメオ ステルヴィオ 他 計5型式 計2車種のリコール届出一覧表
アルファロメオ ステルヴィオ 他 計5型式 計2車種の改善箇所説明図
メルセデス・ベンツ ML350 他 計17型式 計10車種を対象(25日)
・不具合の部位(部品名)
制動装置(ブレーキ倍力装置)
・状況及びその原因
ブレーキ倍力装置に装着されているラバースリーブにおいて、設計が不適切なためブレーキ倍力装置のハウジングとの隙間に浸入した水分が長期間排出されず、ハウジングが腐食することがある。
そのため、腐食が進むとハウジングに穴が開くことで装置の機能が低下し、必要なブレーキ踏力が増加したり、制動距離が延びたりする。更に腐食が進むとブレーキ倍力装置が破損することで、最悪の場合、ブレーキペダルでの制動が不能に至るおそれがある。
・改善措置の内容
全車両、ラバースリーブを取り外す。
また、ブレーキ倍力装置のハウジングの腐食状態を点検し、腐食が基準を超えるものは全車両、装置の機能点検を行う。
点検の結果、負圧漏れが生じて機能が低下している場合はブレーキ倍力装置を対策品に交換し、機能低下が生じていない場合は、部品の準備ができしだい、再度点検を実施した上で、腐食の状態に応じてブレーキ倍力装置を対策品に交換する。
なお、ブレーキに違和感がある場合は、対策が実施されるまで運転しないよう使用者に要請する。
メルセデス・ベンツ ML350 他 計17型式 計10車種のリコール届出一覧表
メルセデス・ベンツ ML350 他 計17型式 計10車種の改善箇所説明図
メルセデス・ベンツ E220d 他 計7型式 計5車種を対象(25日)
・不具合の部位(部品名)
原動機(クーラントポンプ)
・状況及びその原因
ディーゼルエンジンに搭載されているクーラントポンプにおいて、軸受けシールの設計が不適切なため、作動の制御が行われている負圧回路へ冷却水が浸入し、負圧回路の関連部品が作動不良を起こすことがある。
そのため、エンジン警告灯(MIL)が点灯する、出力が低下する、ブレーキ倍力装置の機能が低下する等の不具合が発生し、排気ガスの再循環装置(EGR)制御用の電磁バルブに作動不良が発生した場合においては、MIL点灯と共に排ガスが悪化し、更に短絡が発生すると発熱して周囲を溶損させることで、最悪の場合、火災に至るおそれがある。
・改善措置の内容
全車両、EGR制御用の電磁バルブを新品に交換し、エンジンコントロールユニットの制御プログラムを対策プログラムに書き換える。
また、負圧回路の点検を行い、冷却水やエンジンオイルが浸入している関連部品は、新品に交換する。
メルセデス・ベンツ E220d 他 計7型式 計5車種のリコール届出一覧表
メルセデス・ベンツ E220d 他 計7型式 計5車種の改善箇所説明図
2022年5月の改善対策届出情報
ヤマハ TRICITY 300 計1型式 計1車種を対象(23日)
・不具合の部位(部品名)
スタンディングアシスト
・状況及びその原因
スタンディングアシストにおいて、改善対策届出番号640による措置を実施しても、措置前と同様に、スタンディングアシストの解除操作をしてもキャリパーのパッドがディスクから離れず、自立の補助が維持される場合がある。
そのため、最悪の場合、カーブ等で車両を傾けられず転倒するおそれがある。
・改善措置の内容
暫定対策として、使用者にスタンディングアシストの使用停止を要請する。
また、恒久対策が決定し次第、改めて措置を実施する。
ヤマハ TRICITY 300 計1型式 計1車種の改善対策届出一覧表
ヤマハ TRICITY 300 計1型式 計1車種の改善箇所説明図
日野 日野デュトロ 他 計12型式 計5車種を対象(27日)
・不具合の部位(部品名)
その他(高所作業装置用油圧ホース、配線)
・状況及びその原因
高所作業車のアウトリガ装置において、配策構造が不適切なため、配線、油圧ホースのカバーが装置内部で引っ掛かることがある。そのため、カバー内を通る配線、油圧ホースが屈曲して損傷に至り、高所作業装置の作動不良や油漏れが発生するおそれがある。
・改善措置の内容
全車両、カバーを削除してクランプを追加する。また、配線、油圧ホースを新品に交換する。
日野 日野デュトロ 他 計12型式 計5車種の改善対策届出一覧表
日野 日野デュトロ 他 計12型式 計5車種の改善箇所説明図
さいごに
以上が、2022年5月分のリコール及び改善対策届出情報についてまとめたものとなります。
リコール対象車を所有されている方は、早めの対応をおすすめします!
リコール対象車をそのままほっておくと、いざとなった時にトラブルになりかねませんので、必ず行うようにしましょう。
参考URL:https://www.mlit.go.jp/jidosha/news.html
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