三菱 デリカD:5(DELICA ディーファイブ)は、以前販売されていた1BOXミニバンの先駆けともなったデリカスペースギアの後継車である。
世界で唯一のオールラウンダーミニバンをコンセプトに開発されている、ミニバンにSUV要素を融合させたクルマとなっている。
2007年1月から販売を開始し、マイナーチェンジや一部改良を行ってきたが2019年モデルよりビッグマイナーチェンジという形で現行のようにフロントマスクやテールランプなどのデザインをを大幅に変更したモデルとなった。
エクステリアデザインは、鋭いヘッドライトやメッシュ状のグリルを持ち、これまでクロカン風なデザインから一変、都市部でも似合うデザインと生まれ変わり、今や三菱自動車の主力商品となりつつある。
今回は、新生デリカD:5について紹介します。
デリカD:5の車名の由来は、DELICAの頭文字のDと、5は5代目を意味する。
デリカD:5の価格は
M | 391万3,800円 | 8人乗り |
G | 401万5,000円 | 7/8人乗り |
G-Power Package | 423万5,000円 | 7/8人乗り |
P | 437万1,400円 | 7/8人乗り |
ALL BLACKS Edition(限定300台) | 460万1,300円~ | 8人乗り |
パワフルで環境にも優しいクリーンディーゼルと日常から悪路までこなす本格4WDシステム
三菱 デリカD:5には2.2L コモンレール式DI-D クリーンディーゼルターボエンジンが採用されており、圧倒的な走破性能を継承しつつ、走りの質感を磨き上げるために、フリクションの大幅低減、燃焼室の変更、次世代燃料インジェクターの搭載など主要機構を改良している。
エンジンを構成する部品の約5割を新規部品に変更したことで、主運動系の重量について約17%の軽量化を達成させた。
これらにより、最大トルクを380N・mへ高め、力強さとレスポンスを向上するとともに、滑らかで上質なディーゼルエンジンを実現した。
インジェクター
燃料噴射装置に、オートストップ中でも燃料がリークせず、燃料圧が低下しないインジェクターを採用することで、再始動時に燃料圧を高める必要がなく始動時間を短縮が可能となった。
これにより、再始動時の立ち上がりが素早く、よりスムーズなドライビングを実現した。
尿素SCRシステム
尿素SCRシステムは、尿素水溶液である「AdBlueR」を使ってディーゼルエンジンが排出する窒素酸化物(NOx)を浄化するシステムとなっており、有害物質である窒素酸化物(NOx)をAdBlueRから生成されたアンモニア(NH3)と化学反応させることで、窒素酸化物(NOx)を大気に無害な窒素と水に分解し排出することで、低燃費と高出力を両立し、クリーンな排出ガスを実現した。
ビッグトルクを思いのままに使いこなせる8速スポーツモードA/T
デリカD:5に搭載するクリーンディーゼルターボエンジンの魅力である、わずか2000回転で発揮される最大トルク(380N・m)を、あらゆる走行シーンで高効率に活かすために、8速スポーツモードA/Tを採用した。
多段化に伴い変速比幅を広げながらクロスレシオ化されたギヤは、1速で約8%ローギヤード化、トップギヤでは約18%ハイギヤード化を実現したことで、トータルで約27%のワイドレシオ化を達成している。
さらに制御プログラムも大きく進化し、常にに最適な回転域をキープできるので、発進はもちろん、登坂や追い越しまで、力強くゆとりのある加速を実感できるとともに、低燃費にも貢献している。
さらには、パドルシフトを装備しステアリングから手を離さずに素早く軽快なシフトチェンジが行え、8速スポーツモードのスポーティな走りが楽しめる。
低燃費や環境面を考えて、アイドリングストップ機能のオートストップ&ゴー(AS&G)を採用し、信号待ちや渋滞時に自動的にエンジンをストップさせ、余計な燃料消費を削減する。
デリカD:5の燃費は
WLTCモード | 12.6km/L |
三菱自動車独自のAWC(All Wheel Control)により、圧倒的な走破性能を生み出す
デリカD:5に搭載される4WDは、単に駆動力を4輪に伝えるだけの4WDではなく、すべてのタイヤのグリップ力を最大限に確保する、三菱自動車独自のAWC(All Wheel Control)思想に基づいた4WDシステムとなっている。
デリカD:5は、ドライバーのハンドル操作に対して、エンジントルク、ヨーレートセンサーからの情報をもとに車両の走行状況を的確に判断し、緻密でレスポンスの高い電子制御4WDを搭載している。
いちだんとリニアリティの高い安定した走りへと進化し舗装路、ダート、雪道など路面状況を問わず優れた走行安定性を発揮し、アウトドアに挑む人たちの行動力を頼もしくサポートする。
3つのドライブモードを駆使し日常の街中では低燃費、雪道や悪路などは本格的4WD走行が可能
3つのドライブモードで、路面や運転状況に応じて切り替えが行える。
2WDモード | 前輪のみで走行し信号が多い街中や、乾燥した舗装路を比較的低速で走る際に燃費を優先して走ることができる。 |
4WDオートモード | 前後輪への駆動力を最適配分するモードで、横風の強い高速道路や濡れた路面、雪道でも、優れた走行安定性を発揮する。 |
4WDロックモード | 悪路走行や雪道、登坂路などの滑りやすい路面状況において、4WDオートより高めに後輪へ駆動力を配分して強力な直進性、優れた走破性を発揮する。 |
思いのままの走りと疲労感の軽減に寄与するサスペンション
思いのままに走る楽しさや長距離を走っても疲れにくい走行安定性を実現するために、デリカD:5はミニバンの領域を超えるハンドリング性能を目指している。
フロントサスペンションは、ステアリングを切った時のスムーズな応答性と滑らかな動きを追求しており、コーナリング時に高い追従性能とハンドリング性能を発揮する。
リヤサスペンションは、ダンパーサイズを大径化した上で、ダンパーとスプリングの特性を最適化し、車体の上下動を最小限に抑えつつも、小さなショックは吸収することで、悪路走破性と乗り心地を高いレベルで両立している。
堅牢ボディにより、操縦安定性と快適さをもたらす
デリカD:5のボディフレームには「リブボーンフレーム」と名付けられた、ほ乳類の肋骨のような環状骨格構造を採用している。
A・B・Cピラーとルーフの結合やテールゲート開口部全周を閉断面骨格とし、さらに大型のクロスメンバーを配置して優れたボディ剛性を確保している。
これにより、荒れた路面や高速のコーナリングでも車体がねじれず、安心感のある操縦安定性を実現するとともに、衝突時の安全性も高めている。
さらにフロント周りのボディを強化することで一段とボディ剛性を向上し、ドライバーのステアリング操作にリニアに応答する、気持ちの良いハンドリング性能を実感できる。
デリカ D:5専用設計、テールランプフィルムになります。
15色のカラーバリエーションから選べます!
事故の危険を検知し、さらに被害を予防・回避・軽減する三菱e-Assist
デリカD:5は、走行性能や運転のしやすさといったクルマの基本性能とともに、万一の時だけでなく、安全な運転を支える先進のテクノロジーを搭載している。
衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM)
レーザーレーダーとカメラ、電波式レーダーを用いて前方の車両や歩行者との距離や相対速度を監視し、衝突する危険性があると判断した時に、警報ブザーやインフォメーション画面表示で注意を促し、ブレーキ制御を自動的に作動させて衝突回避または衝突被害の軽減をアシストする。
誤発進抑制機能(前進時)
レーザーレーダーにより前方に車両や壁等の障害物を検知している状態で、踏み間違いなどの操作ミスによってアクセルペダルを素早く、強く踏み込んだ場合、警報ブザーとメーター表示で注意を促す。
さらにエンジン出力を抑制し発進をゆるやかにすることで、衝突被害の軽減をアシストする。
車線逸脱警報システム(LDW)
フロントガラス上方に装着したカメラにより、前方の車線位置を監視し車線を外れそうになると、警報ブザーとインフォメーション画面表示で運転者に注意を促す。
レーダークルーズコントロールシステム(ACC)
電波式レーダーで認識した先行車の加速・減速・停止に対応して追従走行を支援します。
4段階から任意に設定した車間距離を保ちながら、任意に設定した速度を上限に走行する。
先行車が停止した時は自車も停止して一定時間停止状態を保持、先行車が発進した時はドライバーによるアクセル操作またはスイッチ操作により発進し、追従走行を再開するので発進・停止を繰り返す状況で運転者の負担を軽減する。
オートマチックハイビーム(AHB)
周囲の明るさや対向車を検知し、状況に合わせて、自動的にハイビームとロービームを切り替えることにより、遠方視認性を高めるとともに、切り替え忘れや手動操作の煩わしさを軽減する。
後側方車両検知警報システム(レーンチェンジアシスト機能付)BSW/LCA
リヤの電波式レーダーが、死角になりやすい斜め後方・隣レーン後方からの接近車両を検知し、ドアミラーインジケーターの点灯で存在を告知する。
その状態で車両のいる方向にウインカーを出すと警報ブザーとドアミラーインジケーターの点滅でより強く注意を促す。
後退時車両検知警報システム(RCTA)
リヤの電波式レーダーにより、死角になりやすい斜め後方の車両を検知し、駐車場などで後退して出庫する際に接近車両を検知すると、警報ブザー、インフォメーション画面表示、ドアミラーインジケーターの点滅で注意を促す。
7/8人乗り、それぞれの個性にあわせて使いこなすシートアレンジ
2つのフラットモードに対応する、6:4分割ベンチシート(8人乗り)
8人乗りのセカンドシートは、6:4分割ベンチシートを採用しており、リクライニング&リラックスモード、センターアームレスト、運転席側・助手席側ウォークイン機構、チップアップ機構を装備。
さらにフロントシート+セカンドシートによるフラットモード、セカンドシート+サードシートによるフラットモードを活用して車中泊など長時間ゆったりと過ごせます。
上質な寛ぎを堪能できるキャプテンシート(7人乗り)
7人乗りのセカンドシートは、独立した2名乗車とし、それぞれにアームレストも備え、左右のシート間隔にも余裕をもたせている。
リクライニング&リラックスモード、アームレスト、運転席側・助手席側ウォークイン機構、チップアップ機構を装備しシートの心地よさと空間のゆとりが、上質な時間をもたらす。
5名乗車+ラゲッジスペース(8人乗り)
サードシートを跳ね上げて、ラゲッジスペースを拡大。5名乗車でも、荷物をしっかり積むことができる。
2名乗車+最大ラゲッジスペース
セカンドシートをチップアップ&スライドし、サードシートを跳ね上げて、ラゲッジスペースとして最大限に活用できる。
セカンドシート+サードシートフラットモード
セカンドシート、サードシートを倒して、のびのび寛げるフラットモードになるので車中泊などに便利だ。
フロントシート+セカンドシートフラットモード
フロントシートを倒して、寛ぎのフラットモードに。休憩などに便利です。
4名乗車+長尺ラゲッジスペース
セカンドシート片側をチップアップ&スライドし、サードシート片側を跳ね上げると、長尺物も積むことが可能だ。
5名乗車+長尺ラゲッジスペース(7人乗り)
7人乗りの場合、左右のセカンドシート(キャプテンシート)の間にあるスペースを有効利用して、長尺物を積むことも可能です。
デリカD:5専用設計ヘッドライトガーニッシュになります。
鏡面メッキとオレンジの2色展開!イメージチェンジに!
さいごに
デリカD:5についてお伝えしてきたが、いかがだったでしょうか?
三菱自動車の中でも、フラッグシップモデルとなるだけあってメーカーの力の入れ方が違うと感じた。
それに加え、ファンの期待に応えるためにディーゼルエンジンの一本化などファンに寄り添っている部分もユーザーの心を掴んでいるに違いない。
冒頭でもお伝えした通り、ビッグマイナーチェンジによってフロントマスクを大幅に変更したのも、他メーカーの同クラスのミニバンに追従するべく鋭い顔つきにしたのもユーザー目線をしっかりと理解している事が伺える。
ミニバンでありながら、本格的な4WD走行が可能となっているデリカD:5は正にオールラウンダーミニバンに相応しいパッケージングでユーザーの使用用途を制限しない部分は強いと感じる。
この記事の参考URL:https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/delica_d5/
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