2023年11月17日、スバルオブアメリカ(SUBARU社の子会社であるアメリカ合衆国を拠点に置く代理店)が、6代目となる新型「フォレスター」を世界初公開しました。
約2週間ほど遡った2023年11月2日には、11月16日から11月26日まで開催される「ロザンゼルスオートショー2023」にて、新型車を世界初公開すると発表したと同時に、タフ感の感じられるホイールやサイドロッカーパネルが映し出されたティザー画像を公開し、この時点ではフルモデルチェンジの可能性がある「フォレスター」か、北米スバルで販売されている3列シートSUVの「アセント」のいずれかではないかと、話題になりました。
そして、11月9日にSNSにて新たなティザー画像として、フロントシートからサンルーフを写した画像を投稿したことにより、車内のリアシートとリアクオーターガラスの位置関係から、シートは2列であるように見えたことから、新型の「フォレスター」であることが濃厚だと予想されていました。
やはり、その予想は当たりであり、新型の「フォレスター」の全貌が明らかになりました。
今回は、6代目へフルモデルチェンジした新型「フォレスター」についてお話します。
6代目フォレスターの概要
今現在、公開されている情報を元に、分かる限りお伝えします。
今回紹介する情報は、北米市場モデルの情報になり、日本市場モデルとは異なる部分もありますのでご注意ください。
尚、ここで言う「日本仕様」とは、5代目フォレスター(SK系)のことを指します。
グレード構成
新型フォレスターで発表されているグレード構成は、エントリーモデルとなる「ベース」に加え、「ツーリング」、「リミテッド」、「スポーツ」、「プレミアム」となっています。
日本仕様と同様、複数のグレード構成によりユーザーの使用用途や好みに合わせたスタイリングが選ぶことが可能となっている。
ボディサイズ
新型フォレスターのボディサイズは、全長4,655mm×全幅1,830mm×全高1,729mm。ホイールベースは2,669mm、最低地上高220mmとなっています。
日本仕様では、全長4,640mm×全幅1,815mm×全高1,730mm(ルーフレール非装着車は1,715mm)。ホイールベースは2,670mmとなっており、全長で15mm、全幅で15mm長くなり、全高は1mm、ホイールベースも1mm短くなっています。
尚、最低地上高は5代目同様、本格派の悪路走破性を発揮することができます。
5代目と比較しても、そこまで大幅に変更はないので、5代目ユーザーの方や新しく6代目フォレスターのオーナーになる方も、取り回しやすく運転しやすいボディサイズと言えます。
エクステリア
エクステリアデザインには、これまでのフォレスターらしい逞しいイメージを継承しつつ、モダンで洗練されたデザインとなりました。
大型のフロントグリルにオートハイビーム機能付きのLEDヘッドライトが一体感を生み出します。
高めのショルダーラインに、ヘキサゴンにクラッティングされたホイールアーチにより4駆であることを主張したイメージとなり、フロント・サイド・リアのアンダーガードなどで、SUVらしさを表現しています。
フロントフェンダー後方には、同社のWRX S4でも採用されている、エアアウトレットが施されており、これにより走行中にホイールハウス内の空気を排出し、フロントタイヤの浮き上がりを抑え、安定性を高める、空力特性も強化されています。
リアガラスは垂直に近いデザインとなり、荷室容量アップや積込みの際に容易にできる配慮がされています。
アルミホイールはベースグレードで17インチ、トップグレードでは19インチが組まれ、タイヤの空気圧監視システムも装備されます。
インテリア
インテリアでは、中級グレード以上に限られるが、レヴォーグなどにも採用されている11.6インチ・インフォテインメント用タッチモニターが配されており、エアコンやラジオなどを操作できるほか、スマートフォンにインストールされているアプリを使用できるApple CarPlayとAndroid Autoにも対応しています。
ダッシュボード自体のデザインや、幾何学模様にテクスチャが施された化粧トリムなどは、普段使いでの傷つきを軽減する設計が施されています。
ドアの下部のハードプラ部分には、模様がされており、足跡の模様などがアウトドア感を高めています。
センターコンソールには、USB-typeCとUSB-typeAに加えAUXが備わり、その下には置くだけ充電ができる充電パッドがセットされています。
これまで同様、シートヒーターはもちろんのこと、上級グレードではフロントシートにベンチレーション機能も内蔵され、高級感を両立しています。
リアゲートには、スバル初となる「キックセンサー式ハンズフリーパワーリアゲート」が採用され、利便性の向上となりました。
パワーユニット・パフォーマンス
新型フォレスターに組み合わされるパワーユニットは、全モデル共通で水平対向4気筒2.5リッターエンジンを搭載、最高出力180PS、最大トルク24.6kgf・mとなっています。
トランスミッションはCVT、駆動方式はAWDが採用されています。
さらに、株式会社SUBARUの代表取締役社長CEOの大崎氏は、次世代ハイブリッドを搭載したフォレスターが約1年後に追加され、フォレスター初のハイブリッド(ストロングハイブリッド)です。と明言されており、これはTHS(トヨタハイブリッドシステム)が組み合わされるのではないかと予想されます。
これまでのe-BOXERモデルとは異なる、燃費と走りを両立したモデルとなりそうです。
進化したオフロード性能
全車共通のシンメトリカルAWDは改良を受け、より高速なレスポンスと、機敏な操縦性、オンロードとオフロードでの優れた能力を実現しています。
これまで同様、ヒルディセント・コントロール付きのドライブモード、Xモードも標準で装備される他、北米仕様の場合、スポーツグレード以上では、デュアルファンクションXモードへアップグレードしたことにより、悪条件での能力が高まるとのことです。
プラットフォーム
6代目フォレスターでは、先代モデルで採用されたスバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)を改良し、溶接技術と構造用接着剤で組み上げられるインナーフレーム構造により剛性を10%高められたことにより、高剛性化と軽量化に貢献しました。
この改良により、動的能力が改善され、滑らかな乗り心地と、走行中の静かな車内を実現されています。
安全面(アイサイト)
スバルの十八番である、運転支援システムである「アイサイト」には、最新世代となる3眼タイプを標準装備しています。
従来のシステムからソフトウエアを更新し、カメラの視野が広がり、広範囲の条件でより高速な稼働を実現しました。
交差点では、自転車や歩行者を早期に識別し、ドライバーへ警告するとともに、衝突回避のためブレーキが作動するプリクラッシュブレーキや、バックの時の衝突回避をサポートする後退時ブレーキアシストは、これまで通り備わっている他、新たに車線変更支援機能が付いたブラインドスポットモニターや、リヤクロストラフィックアラートなどにより、さらなる安全性に磨きがかかっています。
さらに、ツーリングアシストでは、アダプティブクルーズコントロールが作動中、ドライバーが警告へ反応しない場合、緊急停止アシストも動作します。
車両を安全に停止させ、ハザードランプを点灯させ、ドアロックを解除し、「SUBARU STARLINK Connected Services」へ通報が入るシステムを、スバルとしては初採用となります。
グレードによって、オートマティックエマージェンシーステアリングの導入や、サラウンドビューモニターにより駐車時のアシストを高めています。
さいごに
5代目フォレスターオーナーの筆者は、この新型フォレスター(6代目)の発表を見て、これまでのフォレスターを正常進化させ、オフロードシーンはもちろんオンロードシーンでも全く違和感がないモデルになったことを嬉しく思います。
個人的に良いなと思ったことは、エクステリアではフロントフェンダー後方に備わったエアアウトレットの採用により、スポーティーなイメージと、走行安定性の向上という実用性の高さが得られた事と、インテリアでは11.6インチ・インフォテインメント用タッチモニターを採用したことにより、今まで以上に使い勝手が良くなった事、そして何よりも最新世代のアイサイトを採用したことにより、これまで以上の安全が担保されたことが、高く評価できます。
それに加え、ハイブリッドモデルが新たに加わるとのことで、スバル車で懸念されることの多い「燃費」部分が大幅に改善されるのは、既存のユーザーはもちろん、新たなユーザーにも受け入れやすくなるのではないかと予想します。
新型フォレスターは、スバル社のスローガンである、「走りの愉しさ」と「安全性」をさらに高めることができるモデルになるのではないかと期待を込めています。
日本仕様については、また異なると思いますので、情報が入り次第追ってレポートしたいと思います。
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