こんにちはSCPです。
今回は、タイトルでもある通りトヨタ車のエンブレムについてお伝えしていきます。
皆さん、クルマのエンブレムって大体メーカーのエンブレムに、車種名、グレード等が貼りつけてあるのは見たことがあると思いますが、トヨタ車だけトヨタ車なのに見慣れたエンブレムが付いておらず、何のクルマなんだ?と思ったことがありませんか?
私が、前職で海外のお客様(中国人)を送迎する際にトヨタのアルファードを使用していたのですが、高速道路のPAに入って休憩をしていた時に、そのお客様から「なんで、あのクルマはトヨタだけどエンブレムがトヨタじゃないんだ?」と質問されたことがあります。
海外のお客様から、そのような質問があるという事は車種別で専用のエンブレムを使うのは珍しい事なのでしょう。
今回は、車種別に専用のエンブレムを使っている車について紹介します。
車種別にエンブレムを変える理由
エンブレムを車種別に設定した理由は、戦後の日本が自動車産業に力を入れ始めた時代になり当時、トヨタを始めとする国産者メーカーが参考にしたのがアメリカのGM(ゼネラル・モータース)で、GMは自社内にシボレー、キャデラック、ビュイックといったブランドを揃えていました。
GMのように、同メーカー内でブランド戦略をしていることをヒントと得て、トヨタはエンブレムで車種別で差別化を図っているということになります。
他メーカーとのエンブレムに対する考え方の違い
トヨタの考え方とは全く逆をいく考え方が、メーカーブランド戦略です。
高度経済成長期からは日本も自動車を多く輸出するようになり、世界で勝負するメーカーに成長していきます。
そこで、重要になるのがブランドの知名度であり、国内では名が知れているメーカーも、世界に出ればメルセデスベンツといった大ブランドがいました。
日本の自動車メーカーはエンブレムを刷新し、統一していくことで世界にアピールしてメーカーの認知度を上げる必要があったのです。
しかし、トヨタの規模が大きくなりトヨタ車と一概に言っても大衆車からセンチュリーなどの超高級車まで様々な車種がある中で、トヨタのエンブレムだけでは車種としての差別化が図れなくなり、むしろ車種別に専用のエンブレムを与えることで、トヨタ内の車種別による差別化が図れるといった意味合いもあり、トヨタは車種別での専用エンブレムを採用したのです。
トヨタの車種別専用エンブレムを採用しているクルマ
それでは、これからトヨタの中で車種別で専用エンブレムを採用しているクルマについてお伝えします。
カローラシリーズ
トヨタの代表的、歴史の長い「カローラ」です。
カローラシリーズには、現行で「カローラスポーツ」、「カローラ」、「カローラ ツーリング」、「カローラ アクシオ」、「カローラ フィールダー」がラインアップされており、専用のエンブレムがあります。
「カローラスポーツ」、「カローラ」、「カローラ ツーリング」と、「カローラ アクシオ」、「カローラ フィールダー」で少し違いがありますが、カローラの頭文字の「C」からとっていることが分かりますね。
アルファード
トヨタの大人気ミニバンの「アルファード」
この車種も絶大な人気を誇る車種で、確かに専用エンブレムの方がアルファードらしさが出る感じがしますね。
エンブレムの意味は、アルファードという車名の由来から、ギリシャ語の「α(アルファ)」から来ています。
意味は、「星座の中で最も明るい星」ということであり、エンブレムは「α」をモチーフにしたデザインとなっている。
エスクァイア
エスクァイアは、元々「ノア」と「ヴォクシー」がラインアップされている状態で、その2車種のワンランク上のミニバンとして発売されたクルマです。
ノアとヴォクシーとの差別化により、専用のエンブレムを与えられたのかと考えます。
エンブレムの意味は、エスクァイアという車名の由来は、語源である中世ヨーロッパの従騎士という意味から、従騎士の盾と矛、さらに紳士のスーツ姿の襟元をモチーフとされています。
ノア
ノアも、トヨタの中で人気ミニバンになります。
ヴォクシーと兄弟車であるノアですが、以前はヴォクシーにも専用エンブレムが与えられていたが、今ではトヨタのエンブレムを使用している。
ノアは、ローマ字の「N」をかたどっていて車名の頭文字の「N」をモチーフにしています。
アリオン
5ナンバーサイズセダンながら、高級感を持ったエクステリアが印象的なアリオン。
こちらのエンブレムは、「ALL in ONE」というキャッチフレーズと車名の頭文字から「A」をモチーフにしています。
プレミオ
プレミオは、アリオンの姉妹車ではあるが、かつて販売されていた「コロナ」の正統後継車にあたるクルマだ。
プレミオのエンブレムは、車名の頭文字を表す「P」がモチーフとなっている。
クラウン
トヨタの代表的セダンと言えば「クラウン」
クラウンは、国内専用車ということもあり、いかなる理由にもトヨタのエンブレムを付ける事は皆無ですよね。
クラウンのエンブレムの意味は、車名の通り「王冠」となりエンブレムにも採用されています。
ちなみに、1955年発売の初代クラウンから変わらず王冠エンブレムを採用しています。
センチュリー
センチュリーはトヨタ、いや日本を代表するショーファードリブンでありますが、センチュリーには一切トヨタのエンブレムは使用されていません。
エンブレムには、鳳凰が描かれておりアジアを代表する伝説の鳥である事から、日本でも古くから大切に扱われてきました。
その神々しい鳳凰をセンチュリーのエンブレムに起用したのは、日本を象徴する車であるという意味が込められているとのことです。
ハリアー
トヨタの高級SUVとして人気の高いハリアーだが、エンブレムも初代から変わらず装着している専用エンブレムが採用されています。
ハリアーのエンブレムの意味は、英語で鳥類チュウヒ属タカ科の鳥「チュウヒ(宙飛)」という低空飛行を得意とする鳥をイメージとして採用されています。
ところが、残念なことに2020年6月に発売される新型ハリアーでは、専用のエンブレムが廃止となってしまいました。
ハリアーも歴史が長いので、このエンブレムが好きという方も多くいると思うので、発売後アフターパーツで伝統的な、チュウヒ(宙飛)をイメージしたエンブレムに交換してくるオーナーが沢山出てきそうです。
トヨタ汎用カーボン調エンブレムステッカーです
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さいごに
トヨタ車の専用エンブレムが採用されているクルマは、トヨタの思いが深く込められている様に感じますね。
クラウンをはじめ、カローラやアルファードはトヨタの中でも絶大な人気を誇る車種だし、センチュリーに至っては長い歴史の中でフラッグシップとしての存在感が高いクルマですからね。
過去を振り返ると、もっとトヨタ車は専用エンブレムが採用されているクルマは多かったと思います。
筆者が乗っていたヴィッツも、「V」をかたどったエンブレムが付いていましたし、絶版となってしまったエスティマやマークXにも専用のエンブレムが付いていました。
2020年6月に発売されるハリアーでは専用エンブレムが廃止されているので、冒頭でお伝えしたメーカーブランド戦略にトヨタもシフトしてきたのかもしれません。
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