日本自動車販売協会連合会が、2020年4月の新車販売台数(軽を除く)を発表し、新型コロナウイルス感染拡大による需要低迷などもあり、前年同月比25.5%減の17万2138台と大幅な減少となった。
この結果により、新車販売台数はこれで7か月連続のマイナスとなり、3月は10.2%減と新型コロナウイルスによる影響はまだ数字に現れていなかったが、4月に入り販売に大きな影響を与えていることが明らかとなった。
3月の時点でも、新型コロナウイルスの流行が始まっていて各メーカーが生産工場の停止なども報道されたが、今後も厳しい状況が続くのは必至か・・・。
車種別や貨物車の販売状況
車種別では、乗用車が同27.5%減の14万4674台で7か月連続マイナスとなった。
このうち、普通乗用車が同37.7%減の6万6771台で7か月連続マイナスで、小型乗用車は同15.7%減(同0.2%増)の7万7903台で2か月ぶりのマイナスとなった。
貨物車は同12.1%減の2万6691台で7か月連続マイナスとなり、このうち普通貨物車が同12.1%減の1万0438台で8か月連続マイナス、小型貨物車が同12.2%減の1万6253台で7か月連続のマイナス。
バスは同21.6%減の773台で2か月連続のマイナスとなった。
乗用車に限らず、貨物車やバスに至ってもマイナスが続いている状態だ。
新車登録台数ブランド別ランキング
1位 | トヨタ | 9万1721台 | 19.8%減 | 7か月連続減 |
2位 | ホンダ | 2万2346台 | 14.2%減 | 7か月連続減 |
3位 | 日産 | 1万2475台 | 44.7%減 | 17か月連続減 |
4位 | マツダ | 6339台 | 24.4%減 | 2か月連続減 |
5位 | スズキ | 6065台 | 47.0%減 | 7か月連続減 |
6位 | いすゞ | 4023台 | 21.5%減 | 8か月連続減 |
7位 | 日野 | 3778台 | 6.5%減 | 8か月連続減 |
8位 | スバル | 3587台 | 56.0%減 | 3か月連続減 |
9位 | ダイハツ | 3354台 | 26.0%増 | 6か月連続増 |
10位 | レクサス | 3203台 | 23.3%減 | 5か月連続減 |
11位 | 三菱ふそう | 2480台 | 9.7%減 | 4か月ぶり減 |
12位 | 三菱 | 972台 | 65.4%減 | 7か月連続減 |
13位 | UDトラックス | 602台 | 13.8%減 | 4か月連続減 |
その他 | 輸入車など | 1万1193台 | 36.8%減 | 7か月連続減 |
上記のランキングを見ると三菱の65.4%減が最も減少率が高く、そのあとにスバルの56.0%減、スズキの47.0%減、日産の44.7%と続いている。
トヨタや、ホンダなどは20%以下の減少率にとどめた。
各販売店の現状について
4月7日に政府は東京都など7都府県を対象とした緊急事態宣言を発表し、同月16日には全都道府県に拡大したが、車の修理やメンテナンスを行う自動車販売店は、「社会生活を維持する上で必要な施設」として休業要請の対象外となっている。
しかしながら、店舗を開けて営業をしても今回の新型コロナの影響で、クルマを購入しに訪れるお客さんもまばらとなっている。
日産自動車は、「お客さんの来店が大幅に減っているだけじゃなく、積極的なセールスは控えるよう(販売会社の)本部から指示されている。こんな状況下で無理して営業をかけると、逆に反感を買うことにもなりかねないですから。」と首都圏にある日産ディーラーの店長は、こう打ち明けた。
ホンダは、2月中旬にフルモデルチェンジした主力車種「フィット」の引き渡し台数が多く、全体の販売を下支えしたが、販売店からは厳しい実情が聞こえる。
「とにかくお客さんが店に来てくれない。4月の商談件数は例年の半分以下。とても新車を売るような雰囲気じゃない」と、神奈川県内のホンダ系販売店店長は語る。
それでも、少しでも販売台数を増やそうと、営業担当者が既存客に電話で新車への買い換えを打診しているが、「こんな時に新車の提案なんてしてこないでくれ」と叱られることも多いという。
国内シェア3割を有するトヨタ自動車も4月の新車販売台数は2割減の結果だったので、相対的に見れば業界の中では健闘と言えるが、それでも2割減れば販売店の経営は厳しい。
首都圏のトヨタ系販売会社の社長によると、コロナ問題で景気悪化が深刻化する中で、「お客さんも今後の収入に不安を感じていて、契約のキャンセルや納車先延ばしの依頼が出始めている」という。
各メーカーが、ほとんど減少傾向にあり、どこも厳しい状態が長く続きそうです。
さいごに
新型コロナウイルスの影響は、この様に車メーカーや販売店に限らずどこの業種も経済的に厳しい状況が続きます。
上述である通り、新型コロナウイルスにより景気の衰退が見込まれ、車の契約もキャンセルが出ているなど終わりが見えない分、消費者も一歩踏み出す決断力が削られていく部分がありますよね。
ただ、これは序章に過ぎず非常事態宣言も延長する流れとなっているので、5月の販売状況にも大きな影響が見える。
難しい事ではあるが、1日も早く通常を取り戻し車業界に限らず全業種の景気回復を、切実に祈るばかりだ。
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