日本市場でのEVメーカーと言えば、2014年に本格参入した「テスラ」や、2022年に本格参入した「BYD」が挙げられ、街中でも見かける頻度が徐々に多くなってきました。
テスラにおいては、国産メーカーのEV(日産アリア、トヨタbZ4Xなど)を上回る販売実績を記録しつつあり、国産のEVよりも需要が多い現状になっています。
また、BYDにおいては、2025年6月報道で、2026年後半に、日本独自の軽自動車規格(kei-car)のEVを投入する計画が明らかになり、激戦区への参入を狙っており、自国設計ではなく日本市場独自設計で勝負する初めての海外専用モデルとなる見込みで、販売店は100拠点へ拡大予定とのことです。
このように、日本市場ではこの2社のEVメーカーが頭角を現していますが、世界に目を向けると日本では見聞きしない、EVメーカーがあります。
今回は、日本市場に存在しないEVメーカーを紹介します。
MuuMuu Domain!
日本市場には存在しないEVメーカー
Lucid Motors(ルーシッド モーターズ)

Lucid Motors(ルーシッド モーターズ)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州に本社を構えるEVメーカーです。
2007年に設立され、当初はバッテリー技術や電動パワートレインの開発を中心に行っていましたが、2016年以降は自社ブランドの高級EVの開発・販売に注力しています。

同社が世界的に注目を集めたのは、フラッグシップモデル「Lucid Air」の登場です。
Lucid Airは高級セダンとして設計され、航続距離・性能・快適性のすべてを高次元で融合させたEVとして評価されています。
特に航続距離は最大約830km(EPA基準)に達し、量産EVの中でもトップクラスを誇ります。
さらに、最大1,000馬力を超える高出力モデルや、超高速充電に対応する先進的なバッテリー技術を備えている点も特徴です。
デザイン面では、広々とした室内空間と洗練されたインテリアを重視しており、航空機やラグジュアリーホテルから着想を得たプレミアムな仕上がりが魅力です。
また、ソフトウェアや自動運転技術の開発にも力を入れており、OTA(Over The Air)による機能アップデートや高度な運転支援機能を搭載しています。
Lucid Motorsは、「持続可能なモビリティの未来を切り拓く」という理念のもと、テスラに代表される既存のEVメーカーと競合しながらも、より高級志向で長距離走行性能に優れた製品を展開することで独自の地位を築こうとしています。
近年は中東やヨーロッパ市場への展開も進めており、将来的にはSUVモデル「Lucid Gravity」など、ラインアップの拡充も予定されています。
Rivian(リビアン)

Rivian(リビアン)は、アメリカ合衆国ミシガン州で2009年に設立された新興のEVメーカーで、本社は現在カリフォルニア州にあります。
同社は「冒険を再定義する」をコンセプトに掲げ、特にアウトドアやアクティブライフスタイルに焦点を当てたEVを開発している点が大きな特徴です。

フラッグシップモデルには、電動ピックアップトラック「R1T」と、SUVタイプの「R1S」があり、いずれも高いオフロード性能と長距離航続能力を備えています。
R1Tは世界初の量産電動ピックアップとして注目を集め、最大約640km(EPA基準)の航続距離や、約800馬力を超える高出力を実現。
さらに、車両ごとに独立した4つのモーターを搭載する「クワッドモーターシステム」により、路面状況を問わない優れた走破性を発揮します。
また、Rivianは「冒険用EV」としての独自性を重視し、キャンプやアウトドア活動をサポートするオプション装備を用意している点もユニークです。
例えば、R1Tには荷台に収納できるキャンプ用キッチンや、豊富な収納スペースを備えた「ギアトンネル」と呼ばれる独自構造が搭載され、ユーザーのライフスタイルに合わせた使い勝手を提供しています。
企業戦略面では、Amazonやフォードからの出資を受けて急成長しており、特にAmazonとは配送用電動バン(EDV)の大規模供給契約を結んでいます。
このバンはすでに北米の物流現場で導入が進んでおり、商用EV分野においても存在感を高めています。
Rivianは「持続可能な未来のために冒険をより楽しく、環境に優しいものにする」という理念を掲げ、電動化による新しい移動体験を提案しています。
高級感と実用性を両立した製品づくりにより、テスラやLucid Motorsなどとは異なるアウトドア志向のブランドイメージを確立しつつあります。
NIO(蔚来汽車 ニーオ)

NIO(蔚来汽車、ニーオ)は、中国を拠点とする新興のEVメーカーで、2014年に設立されました。
ハイテク志向とプレミアム志向を融合させたブランド戦略を展開し、短期間で世界的な注目を集めています。
特にSUVやセダンといった高級EV市場にフォーカスし、洗練されたデザイン、最新のコネクティビティ技術、先進運転支援システム(ADAS)を組み合わせることで、テスラの強力な競合と、注目されています。
NIOの大きな特徴は「バッテリー交換システム」で、通常のEVは充電に時間がかかるという課題がありますが、NIOは専用ステーションで数分以内にバッテリーパックを丸ごと交換できる仕組みを実用化しています。
このサービスは中国国内で急速に拡大しており、ユーザーにとって利便性の高いソリューションとなっています。
さらに、独自のソフトウェアアップデート(OTA)により、購入後も車両性能や機能を進化させられるのも強みです。

ラインナップには、フラッグシップSUV「ES8」、ミドルサイズSUV「ES6」、スポーティなクロスオーバー「EC6」、高級セダン「ET7」などがあり、いずれもハイクラスの装備と航続距離を誇ります。
また、インテリアには人工知能を活用した音声アシスタント「NOMI」を搭載し、ドライバーと対話しながら操作や車内環境を調整するユニークな体験を提供しています。
近年では中国国内市場で大きなシェアを築くだけでなく、ノルウェーをはじめとする欧州市場への進出も進めており、グローバルブランドとしての存在感を強めています。
持続可能なモビリティとユーザー体験の革新を両立させるNIOは、次世代EV市場において重要なプレーヤーとして注目されています。
XPeng(小鵬汽車 シアオペン)

XPeng(小鵬汽車、シアオペン)は、中国広東省に本社を置く新興のEVメーカーで、2014年に設立されました。
中国国内のEV市場で急速に存在感を高めており、テスラやNIOと並ぶ先進的EVブランドとして知られています。
XPengは特にスマート化と自動運転技術に注力しており、単なる移動手段としてのEVではなく、高度なコネクティビティと快適なドライビング体験を提供することを目指しています。

同社の主力モデルには、セダンの「P7」、コンパクトSUVの「G3」、大型SUVの「G9」などがあります。
P7は航続距離が最大700km(中国CLTC基準)に達し、高性能モデルでは0-100km/h加速3.9秒を実現するなど、電動車としての走行性能にも優れています。
また、XPengは独自の自動運転支援システム「XPILOT」を開発しており、都市部でのナビゲーション、車線維持、渋滞追従などをサポート。
OTA(Over The Air)によるソフトウェアアップデートで、新機能や改善が常に提供される点も特徴です。
デザイン面では、モダンでシャープな外観と高級感のあるインテリアを両立しており、タッチパネルや音声操作による直感的な操作性を重視しています。
さらに、AIやIoT技術を駆使したスマートコックピットにより、車内でのユーザー体験を拡張しています。
XPengは中国国内市場を中心に急速にシェアを拡大しており、2023年以降は欧州市場への進出も本格化。
持続可能なモビリティとスマートな運転体験の両立を掲げ、グローバルEV市場で存在感を強める新興ブランドとして注目されています。
VinFast(ヴィンファスト)

VinFast(ヴィンファスト)は、ベトナムに本拠を置く自動車メーカーで、2017年に設立されました。
ベトナム最大のコングロマリット「Vingroup」の一部門として創業され、短期間で国内外における自動車市場での存在感を高めています。
VinFastは当初、内燃機関車(ガソリン車)を中心に展開していましたが、近年は完全電気自動車へのシフトを加速させ、グローバル市場への進出を目指しています。
同社のEVラインナップには、SUVやセダン、コンパクトモデルが含まれ、北米や欧州市場向けにも設計されています。

代表的なモデルには、電動SUV「VF8」「VF9」があり、航続距離は約480~550km程度で、テスラやBYDと競合する仕様を備えています。
また、北米市場向けには高性能仕様やADAS(先進運転支援システム)搭載モデルも用意し、現地市場のニーズに対応しています。
VinFastの特徴は、グローバル市場を視野に入れたスピード感ある展開です。
わずか数年で設立から国際市場への進出を果たし、アメリカでは販売拠点の設置やサービスネットワークの拡充を進めています。
さらに、充電インフラ整備やバッテリー技術への投資にも注力し、長距離走行や利便性の面で既存EVメーカーと競争できる体制を整えています。
ブランド戦略としては、「持続可能で高性能なEVで世界に挑む」を掲げ、デザイン性、性能、安全性のバランスを重視。
ベトナム国内ではすでに高い認知度を持ち、海外展開を通じてグローバルEVメーカーとしての地位確立を目指しています。
さいごに
すでに、日本市場でも展開されているテスラやBYDのように、アメリカと中国を本拠地とするEVメーカーが多いのが分かりました。
これだけあると、いずれ日本市場に参入してくる日が、遠い未来ではないように感じます。
しかしながら、日本はインフラ整備などを加速させないと、EVが一般的とは言えないのも現状でしょう。
今回紹介したEVメーカー以外にも、まだまだ日本じゃ見聞きしないEVメーカーもありますので、そちらはまた次回に紹介したいと思います。
ロリポップの契約者特典を利用する
コメント