スズキ スペーシア(Spacia)は、2013年まで販売されていたパレットに代わる後継車として発表され、両側スライドドアや副変速機構付CVTなどパレットの大きな特徴であった部分も継承されている。
2017年より、2代目スペーシアシリーズなる現行型を発表し、初代モデルでも設定のあった「スペーシア」と「スペーシア カスタム」に加え、新たにSUV調の「スペーシアギア」を追加ラインアップさえ、それぞれ変わったエクステリアデザインを持たせることで、ユーザーの好みや使用用途によって、選べるデザインとなっている。
今回、紹介するスペーシアは、2020年8月20日よりスペーシアシリーズを一斉に一部仕様変更がなされ、主に安全装備の強化が施され、これまで以上に事故を予防するシステムや、SRSカーテンエアバッグの装着グレードの拡大などによって、より乗員がスペーシアで楽しむことができます。
それでは、スペーシアについてお伝えしていきます。
車名の由来は、英語で空間を表す「Space」からきており、広さがネーミングから連想出来るようになればという意見が多かった為、広いスペースを名前からも分かる様にと、スペーシアとなった。
スペーシアの価格は
グレード | トランスミッション | 価格(2WD) | 価格(4WD) |
HYBRID G(スズキセーフティサポート非装着車) | CVT | 129万8,000円 | 142万1,200円 |
HYBRID G | CVT | 138万0,500円 | 150万3,700円 |
HYBRID X | CVT | 152万4,600円 | 164万7,800円 |
モーターによる、低燃費はもちろん静粛性にも寄与するマイルドハイブリッド
いつも通りの運転をするだけで、いつのまにか電気が貯まり、モーターによるアシストでガソリン消費を抑え、なおかつパワフルでかしこいハイブリッドが、毎日のドライブを後押しします。
スペーシアの燃費消費率は、軽ハイトワゴン(全高1,700mm以上のハイト型2BOX軽自動車)の中で、ナンバーワン(2020年8月現在、スズキ調べ)となる、WLTCモード22.2km/Lを誇ります。
モーターによるクリープ走行
アイドリングストップからの再発進時は、ガソリンを使わずにモーターの力だけでクリープ走行し、渋滞時などのガソリン節約に貢献します。
また、エンジン再始動時は、ISGのスターターモーター機能により、静かでスムーズな再始動を実現しているので、セルモーターのキュルキュル音がすること無く走り出すことが出来ます。
モーターアシスト/パワーモード
加速時にはモーターの力でエンジンの出力をアシストします。
さらにステアリングのパワーモードスイッチを押せば、エンジンとCVTの制御変更に加えて、ISGによるモーターアシストをトルクアップさせることで、坂道や高速道路などへの合流時に力強い加速力を発揮する。
新アイドリングストップシステム
減速時、ブレーキペダルを踏んで約10km/h以下になると自動でエンジンを停止します。
エンジン再始動までのガソリン消費をカットし、さらにモーターによるクリープ走行時もモーターのみの力で走行するのでガソリン消費が無く、低燃費に貢献します。
一部仕様変更により、さらに強化された予防安全機能で安心や疲労軽減にもつながる、先進機能を搭載
前方・後方の視界をしっかり確保するための大きな窓ガラスや視認性の高いディスプレイ、操作しやすいスイッチ類など、誰もが安心して乗れる運転のしやすさを考えた基本安全を原則的に考え、ヒヤリとする一瞬までも最小限に抑え、事故そのものを未然に防ぐ予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」をはじめ、衝撃吸収ボディーなどで、万一の衝突被害を軽減する衝突安全にも対応します。
全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)[HYBRID Xアップグレードパッケージ装着車]
ステアリングのACCスイッチを操作すると、ステレオカメラで先行車との距離を測定し、設定した車間距離を適切に保ちながら加速・減速、さらに停止まで自動追従する。
高速道路での長距離運転や渋滞走行時の発進・停止を頻繁に繰り返す状況などで、運転操作の負担を軽減します。
車線逸脱警報機能
走行中に左右の区画線を検知して進路を予測し、前方不注意などで車線をはみ出しそうになると、ブザー音などの警報によって運転者に注意を促す。
ふらつき警報機能
走行中に左右の区画線を検知して、自車の走行パターンを計測し車両が蛇行するなど、システムが「ふらつき」と判断した場合、ブザー音などの警報によって運転者に注意を促す。
標識認識機能[全方位モニター用カメラパッケージ装着車]
走行中に、ステレオカメラが認識した最高速度、はみ出し通行禁止の標識を標識通過後にヘッドアップディスプレイ内に表示し、運転者にお知らせします。
その他にも、認識する標識はこのようになっている。
先行車発進お知らせ機能
停車中、前のクルマが発進して約4m以上離れても停車し続けた場合、ブザー音やメーター内の表示によって、運転者に先行車の発進をお知らせします。
ハイビームアシスト
ヘッドランプをハイビームにして走行中、前方に対向車や先行車がいたり、明るい場所を走行すると自動でロービームに切り替えし対向車や先行車がいなくなったり、周囲が暗くなると自動でハイビームに戻ります。
全方位モニター用カメラ(全方位モニター用カメラパッケージ装着車)
メーカーオプションの「全方位モニター用カメラパッケージ装着車」には、クルマの前後左右に4つのカメラを設置し、別売の対応ナビゲーション(販売会社装着アクセサリー)を装着すれば、クルマを真上から見たような映像などを映し出す「全方位モニター」となります。
見通しの悪い場所で人などが近づいてくるとお知らせする「左右確認サポート機能」も前後に装備し、運転席から見えにくい周辺状況の確認をサポートする。
フロントガラス投影式のヘッドアップディスプレイ(全方位モニター用カメラパッケージ装着車)
運転に必要な情報をフロントガラスにカラーで映し出す、フロントガラス投影式のヘッドアップディスプレイによって、車速やシフト位置、デュアルセンサーブレーキサポートの警告などが、視線の先に焦点を合わせやすいように表示され、メーターパネルを見なくても確認可能となるので、運転者の視線移動や焦点の調節を減らし、安全運転に貢献する。
エマージェンシーストップシグナル
約55km/h以上で走行中に急ブレーキを検知すると、ハザードランプが自動で高速点滅することで、後続車に急ブレーキを知らせ、注意を促す。
ヒルホールドコントロール
坂道での発進時には、クルマが後ろに下がらないように、ブレーキペダルからアクセルペダルに踏み替える瞬間、一時的にブレーキが作動(最長約2秒間)し、保持するのでいつも通り落ち着いて発進ができる。
ESP(車両走行安定補助システム)
さまざまなセンサーによって走りを監視し、必要に応じてエンジンとブレーキをコンピューター制御しカーブでのタイヤのスリップや横滑り、急ブレーキ時のタイヤロックなどを抑え、車両の安定走行に貢献する。
デュアルカメラブレーキサポート
フロントガラスに設置した「ステレオカメラ」が、前方のクルマや人を検知。夜間の検知にも優れ、万一の危険を察知し、自動(衝突被害軽減)ブレーキなどで衝突回避をサポートする。
システムが衝突のおそれがあると判断すると、警報音(ブザー)やヘッドアップディスプレイなどの表示によって運転者に警告します。
衝突の可能性が高まると、自動で弱いブレーキを作動し、その間ブレーキペダルを踏むとブレーキ踏力をアシスト。
さらに衝突の可能性が高まると、自動で強いブレーキをかけ、衝突の回避または衝突時の被害軽減を図ります。
誤発進抑制機能
駐車場などで、前方に壁などがあるにも関わらずシフトをD・M・L(前進)の位置でアクセルペダルを強く踏み込むと、最長約5秒間、エンジン出力を自動的に抑制し急発進・急加速を抑えて、踏みまちがいなどによる衝突回避に貢献する。
後退時ブレーキサポート
リヤバンパーに4つの超音波センサーを内蔵し、車両後方にある障害物を検知します。
透明なガラスなども検知でき、コンビニの駐車場などでの衝突回避をサポートする。
センサーで後方の障害物との距離を測り、4段階のブザー音で障害物への接近をお知らせする「リヤパーキングセンサー」を搭載。
さらに、後方の障害物との衝突の可能性が高まると自動でブレーキが作動し、衝突の回避または衝突時の被害軽減を図る。
後方誤発進抑制機能
後方に障害物があるにも関わらずシフトをR(後退)位置の状態でアクセルペダルを強く踏み込むと、エンジン出力を自動的に抑制して急な後退を防止するので、うっかり誤操作による衝突回避に貢献します。
万が一の衝突被害を軽減し乗員や歩行者を守る技術
軽量衝撃ボディーTECT(テクト)
ボディーの広範囲に「高張力鋼板」を使用して、強度を高めながら軽量化も実現しています。
さらに、より強度の高い「超高張力鋼板」も採用し、安全性を高め、ボディー構造には衝突時の衝撃を吸収するクラッシャブル構造や、衝撃を効果的に分散する骨格構造、さらに高強度なキャビン構造など数々の安全技術を投入し、高い衝突安全性能を実現している。
SRSエアバッグ
運転席・助手席SRSエアバッグに加えて、フロントシートSRSサイドエアバッグ、SRSカーテンエアバッグを標準装備。
6つのエアバッグで衝撃に備える。
高性能シートベルト
前席のシートベルトには、ベルトを瞬時に引き込むプリテンショナー機構や、胸部への衝撃をやわらげる可変フォースリミッター機構を装備することで、万一の際の安全性を高めている。
歩行者障害軽減ボディー
フロントボディー周辺に衝撃吸収構造を採用し、万一の衝突時に歩行者の頭部だけでなく脚部へのダメージ軽減を図る。
頚部衝撃緩和フロントシート
後方から低速で追突された際に、シートバックとヘッドレストがカラダ全体を包み込むように受け止め、頚部への衝撃を緩和する。
チャイルドシート固定用アンカー/テザーアンカー
小さな子供を安心して乗せられるよう、ISOFIX対応チャイルドシート固定用アンカーに加え、チャイルドシート上端を固定するテザーアンカーを標準装備しているので、若いファミリー層にもうれしい装備だ(リヤ左右2名分)。
スペーシア専用設計PVCレザーのシートカバーになります。
全5色展開とカラーバリエーションも豊富!
目的地に向かうまでや、目的地に着いてからも快適に過ごせる装備
スリムサーキュレーター[HYBRID X]
夏場、後席まで涼しくしようとすると前席が寒くなったり、冬は後席まで暖かくなりにくかったりと、そんな前席と後席の「温度差問題」を、スリムサーキュレーターが解決する。
室内の空気を効率よく循環させて、冷たい空気や温かい空気の偏りを解消します。
しかもコンパクトな設計だから室内の広さを損なうことなく、大きな荷物を載せるときにも邪魔にならない設計です。
シートヒーター&リヤヒーターダクト
運転席と助手席には、座面が温かくなるシートヒーターを採用しています。
さらに、後席の足元に温風を送り込むリヤヒーターダクトも装備して、寒い日でも室内全体を暖かくキープします。
エアコンルーバー(風量調整機能付)
前席中央のエアコン吹き出し口には、つまみを回すだけで風を拡散させたり、風量を調節できるルーバーを採用している。
カンタン操作で、顔や体に直接風があたるのを防ぎ、不快感や目の乾きを抑えます。
プレミアムUV&IRカットガラス[HYBRID X]
フロントドアガラスは、日焼けの原因となる紫外線(UV)を約99%カットし、さらに、ジリジリとした暑さのもとである赤外線(IR)もカットする特殊なガラスを採用し、強い日射しからお肌を守ります。
ロールサンシェード[HYBRID X]
リヤドアには、引き出してガラスを覆うロールサンシェードを内蔵しており、直射日光を防いで車内を快適に保つほか、お子さまの着替えの際など、プライバシーの保護にも役立つ。
かしこいパワースライドドアによって円滑な行動を可能とする
後席の両側には、大きなパワースライドドアを装備し両手がふさがっていても、ボタンひとつで開け閉めできるパワースライドドアを後採用しドアがワイドに開くので、荷物を持ったままでも、乗り降りが楽に行える。
なお、「予約ロック機能」を搭載することで、パワースライドドアが閉まりきる前にドアロックを「予約」できるので、降りたらすぐに次の行動ができる。
さらに、「パワースライドドア一時停止機能」も搭載し、好きな位置で開閉を止められるのでちょっとした荷物の出し入れや雨の吹き込みを避けたい時などに活躍する。
スペーシアの広大な室内空間は、乗員の寛ぎとレジャーを楽しむ多彩なシートアレンジで使い勝手を良くする
幅をたっぷりと確保したフロントシートに、大きな背もたれでゆったりできるリヤシートは、まるで座り心地の良いソファがあるような車内空間になります。
いそがしい毎日にくつろぎの時間が生まれる。
天井も両サイドも真っ直ぐなボディーのBOX型なので、頭上も肩まわりも余裕たっぷりで開放感のあるリラックス空間で、運転中の動作もラクラクです。
高い天井に、低いフロアの構造を活かして、前後にも開放感が広がるゆとりの設計が広がります。
すべてのシートに、前後の位置を別々に調節できる独立型のシートスライドを採用しているので、体格に合わせて足元まで広々としたスペースを確保できる。
積み込みやすいラゲージルームと多彩なシートアレンジ
低床&大開口で積み下ろしがしやすい荷室開口部となっており、リヤシートは荷室側からもワンタッチで折りたためる左右独立式を採用している。
ワンタッチダブルフォールディング式リヤシート
スライドドア側と荷室側、どちらからもワンタッチで折りたためるリヤシートを採用し、軽い力で操作でき、ほぼフラットな荷室が広がります。
左右独立リヤシートスライド
リヤシートは、荷室側からもスライド操作が可能となっており、わざわざスライドドアを開けなくても操作できるので、大きな荷物もバックドアを開けるだけでスムーズに載せられます。
シートアレンジ
2人+大きな荷物
2人+長い荷物
フルフラット
さいごに
スペーシアはいかがだったでしょうか?
スペーシアは、2020年8月の軽四輪自動車の販売ランキングでも2位を獲得している人気車種だ。
それもそのはず、ここまで記載してきたが走行性能や環境性能はもちろん、快適装備もかゆいところに手が届くと言ったあったら便利が詰まっていて、さらには今回の一部仕様変により、安全技術にウエイトを重くしたのは、大成功と言っていいだろう。
このような軽ハイトワゴンは室内空間で、圧迫感のない寛げることや荷物の形状を問わず、なんでも積み込めてしまうことも大きなメリットと言える。
子供がいるファミリー層や、アウトドアレジャーを楽しむ人たちなど、みんなが楽しく使いやすい部分が叶えられる、夢のようなクルマだろう。
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