プジョー e208(PEUGEOT e208)は、2020年度日本カー・オブ・ザ・イヤーの輸入車部門で大賞を受賞したことは、まだ記憶に新しいことであると思うが、前回はガソリンモデルを中心にお伝えしたが、今回はEVモデルであるe-208についてメインでお話します。
プジョーが本拠地を置くフランスでは、2040年までに二酸化炭素の排出削減のため、国内におけるガソリン車およびディーゼル車の販売を禁止すると発表したこともあり、いち早くEV車の開発やリリースを行わなければならない状況となっている。
まだまだ、月日はあるだろうと思いがちだが、そのXデーに向けて予めEV車の発展を今のうちから始め、然るべき日が来たときに、しっかりと世の中に順応できるように、活動しているに違いないと思う。
今後、EV車にせざるを得ない状況だからこそ、今から開発に力を入れ始めたフレンチEV車のポテンシャルはどうなのか?
今回は、プジョー e-208について紹介します。
e-208の価格は
グレード名 | エンジンタイプ | 価格 |
e-208 Allure | フルEV | 396万1,000円~ |
e-208 GT | フルEV | 432万8,000円~ |
コンパクトカーとは思えない圧倒的な存在感と、EVであることをディティールに主張するエクステリアデザイン
プジョーe-208は、コンパクトカーでありながらロングノーズ且つワイド&ローなフォルムによって圧倒的な存在感を街中で主張します。
フロントフェイスには、ライオンの牙を思わせるLEDデイライトと、EV車であることさり気なくアピールするボディ同色にされた大型グリルがダイナミックな印象と、近未来のイメージを醸し出している。
GTにはかぎ爪のような3本のLEDライトを内蔵したフルLEDヘッドライトを採用し、先進性と実用性を兼ね備えている。
全幅にわたりブラックバンドによってワイド感を強調し、テールランプには、3本のかぎ爪が浮かび上がるLEDリアコンビネーションランプによってデザイン性と視認性の向上に繋がっている。
ルーフエンドには、空力性能と美しい造形を兼ね備えたリアスポイラーを装着し、スポーティな印象を与える。
GTにはクローム仕上げのエキゾーストパイプによりよりスポーティな印象を高めている。
GTにオプション設定の、パノラミックガラスルーフは後席の頭上まで伸びることで、全ての乗員に開放感をもたらします。
コンパクトカーで、こういった装備は贅沢で、是非つけてほしいオプションだ。
シートには、ホールド性や座り心地にこだわり、アクセントカラーのステッチによってデザイン性を高め、GTのシート表皮には上質なアルカンタラを採用しており、質感の高さをアピールします。
プジョーのEVであることを主張する、e-208専用デザインがディティールに散りばめられている。
ツートーンに塗り分けられている事により、見る角度によって色を変化させるライオンエンブレムに、「e」のモノグラム、ボディ同色のフロントグリル、空力性能を高めるルーフスポイラーやアロイホイールの、特徴的な専用デザインの集合体によって、e-208の個性を出している。
最新世代へと進化した、e-208専用3D i-Cockpitと利便性にこだわったインテリア装備
プジョーのコックピットには、「i-Cockpit」と呼ばれる技術、インテリアデザインが採用されていたが、今回の208には最新世代へと進化した「3D i-Cockpit」が採用されている。
これまでのノウハウが凝縮され、さらに先進さを増していて次世代のプジョー車であることを演出している。
エレクトリックドライブ
e-208に採用されている、3Dデジタルヘッドアップインストルメントパネルには、ドライブモード・バッテリー残量・回生ブレーキ作動状況などEVならではのドライブ情報をグラフィカルに表示し、シンプルで直感的に表示されるので、運転者のサポートに繋がっている。
7インチタッチスクリーン
エアコンやオーディオをはじめ、ハンズフリー通話、ADAS(先進運転支援システム)などを直感的に操作できる7インチタッチスクリーンを搭載しており、さらに、Apple CarPlay、Android Autoに対応するPEUGEOTミラースクリーンを採用しているので、スマートフォンを接続すれば、タッチスクリーンからアプリを起動・操作でき普段使い慣れているデバイスでドライブをもっと楽しくする。
ミラースクリーン機能が、続々と各メーカーも採用している機能なので、もちろんe-208も対応している。
スマートフォンホルダー&USBソケット
センターコンソールにはスマートフォンの画面を確認しやすい角度で固定できるホルダーを装備し、またキャビンの前後にはUSBソケットを2ヶ所ずつ装備することで、複数のスマホやタブレットなどを同時に充電できるのは、今のご時世ありがたい機能である。
EVならではの静粛性、俊敏でスムーズな走りを実現するEVテクノロジーが新感覚のドライビングを提案する
電動モーター
プジョーのEVに採用された高効率電動モーターは、最高出力100kW(136ps)、最大トルク260Nmのパフォーマンスを発揮します。
低振動で静か、ゼロエミッションを実現しながら、発進時から最大のトルクを発生するモーターの特性により、俊敏なレスポンスでスムーズな加速を楽しむことができます
駆動用リチウムイオンバッテリー
e-208には、50kWhの大容量リチウムイオンバッテリーを、キャビンやラゲッジスペースを損なうことなく車両のフロア下に搭載することで、従来どおりの居住空間を確保しています。
e-208の場合は、フル充電状態で403km(JC08モード)の航続距離を達成している。
これは、東京から愛知県名古屋市まで行けて、さらに名古屋市内を周回できるほどの余力もあるので、十分すぎる航続距離を実現しているのではないだろうか?
さらに、合わせて搭載される7.4kWオンボードチャージャーやヒートポンプにより、効率的な充電を実現し日頃のドライブをサポートし、使用しているリチウムイオンバッテリーは、8年間16万kmの保証付きとなっているため、安心して長い付き合いができる。
充電について(普通充電と急速充電に対応)
e-208には、普通充電と急速充電2つの充電方法に対応しており、どちらもボディ左側後方に充電口が設置されている。
普通充電(自宅や勤務先などでの充電)
e-208にはコンセントタイプの3kW普通充電器で利用できる専用の充電ケーブルが付属されており、所要充電時間はe-208の場合、50km走行分であれば約3時間、満充電では約18時間となっている。
ウォールボックスタイプの6kW普通充電器を使用すれば、より速く充電することが可能になり、所要時間はe-208の場合、50km走行分であれば約1.5時間、満充電では約9時間と、単純に3kWの2分の1の所要時間で充電ができる。
インフラ整備の関係で、気軽に充電できないのでは?といった不安から開放されますね。
急速充電(公共の充電スタンドでの充電)
e-208は、チャデモ(CHAdeMO)規格の急速充電器にも対応しており、e-208の場合約50分でバッテリー容量の80%まで充電することが可能となっている。
高速道路のサービスエリアや、各メーカーのディーラーなどを始め、今では百貨店や時間貸しパーキングなどでも充電スタンドが普及しているので、お買い物ついでや休憩の際に、気軽に急速充電できるので利便性が高くなっていますよね。
E-CMPプラットフォーム
EVモデル専用に新たに開発されたe-CMPプラットフォームは、剛性の強化や軽量化など基本性能を向上させながら、スペース効率を犠牲にすることなく電動化に対応した構造となっている。
e-208をはじめ、今後他車種のラインアップにもEV車が出てくることは間違いないので、基本的なプラットフォームとして今後も活躍していくだろう。
フルエレクトリックドライブ
e-208には、3つのドライブモードと、2つのブレーキモードが状況に応じて任意に選択ができる。
ドライブモードでは、日常使用でのバランスと快適性を重視したノーマルモードと、航続距離を重視するエコモード、最大出力、最大トルクを発揮するスポーティな走りを楽しめるスポーツモードを選択することができる。
スポーツモードでは、走り出しから圧倒的な加速感が生まれ、新感覚の走り出しを体感できるだろう。
ブレーキモードでは、ガソリン車と同等なフィーリング、減速感が得られるノーマルモードと、アクセルペダルオフでより強いブレーキングがかかる回生重視のBモードの2つから選択することができます。
Bモードでは、EV車ならではのフィーリングが味わえる。
より安全でドライブを楽しむ、先進運転支援システム
e-208には、クラスの水準を超えた充実のADAS(先進運転支援システム)を搭載している。
各所のCCDカメラ、レーダー、超音波ソナーなどのセンサーが、車両周辺の情報をいち早く検出し、安全運転を支援している。
アクティブクルーズコントロール&レーンポジショニングアシスト
前方車両の速度と自車との距離を検知し、一定の車間距離を保つアクティブクルーズコントロールは停止・発進機能を搭載しています。
前方車両が停止すると車間距離を保ちながら自動で停車し、その後前方車両が再発進した場合、停止後3秒以内であれば自動的に再発進、3秒以上経過した場合はワンタッチで設定速度まで回復する。
※アクティブクルーズコントロールは、約0~180km/hの速度域で作動する。
レーンポジショニングアシストは、アクティブクルーズコントロールの作動中ほぼ全速度域でステアリング補正を行い、車線内の一定の位置を保ったまま走行できるシステムとなっているので、ステアリングに手を添えているだけでステアリング操作をアシストするので、疲労軽減に繋がります。
アクティブセーフティブレーキ
前方の車両や障害物を検知し、運転者が回避操作を行わない場合に自動的にブレーキを作動させる機能です。
作動範囲は約5~140km/hと幅広い領域となっており、約80km/h以下では停止車両を、約60km/h以下では歩行者も検知して追突事故などの危険を回避し、あるいは衝突の被害を軽減し、安心で快適なドライブをサポートする。
検知するカメラの精度を上げることで、二輪車や夜間走行の検知能力を高めています。
レーンキープアシスト
走行中に車載カメラが車線を検知し、ウインカー操作をせずに車線からはみ出しそうになると、自動的にステアリングに反力を生じさせ、元の車線へと戻します。
思わぬ事故を未然に防ぎます。
アクティブブラインドスポットモニターシステム
斜め後方のブラインドスポット(死角)に存在する後続車両を超音波センサーが感知し、ドアミラー内にオレンジ色の警告灯を点灯させ、後続車の存在を知らせる。
見えない部分をサポートしてくれるので、非常に便利で安全性の高い機能となっている。
さいごに
プジョー e-208はいかがだったでしょうか?
ガソリン車の208と、ほとんど変わらないスタイリングの中に、EV車専用であるデザインがディティールに表れていて、あくまでも「208」というクルマである事を主張している部分が、硬派なイメージをもてた。
インテリアや装備に関しても、先進性を感じさせるメーターや、3D i-Cockpitによって視認性や情報が分かりやすいのも次世代らしい工夫がされている。
充電環境についても、自宅や勤務先などコンセントがあるところなら充電ができるので、利便性も高く外出した際などでも、少しづつEV充電のインフラも整いつつあるため、余程のことがない限り充電で困ることもないだろう。
208自体、日本の道路状況にも合っているボディサイズなので、静かさが売りのEV車で街中を走っていたら目立つこと間違いなしですね!
それでは、今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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