車のバッテリーは、自動車の電源を供給し、エンジンを始動させるために必要な電力を提供する重要な部品です。
主にエンジンを始動させるための電力を供給することから、始動用バッテリーとも呼ばれます。
始動時以外にも、エンジンが停止しているときや、エンジンが低回転数で動いているときに電力を供給し、また、エンジンが停止しているときにはライトやエアコンなどの電子機器を使う場合にも、電力を供給します。
クルマの中の部品でも重要な役割を果たすバッテリーですが、消耗品のため、いずれ寿命を迎え、最終的にはエンジンの始動ができなくなり、乗りたいときに乗れなくなってしまうなど、不便になってしまいます。
そこで、今回はクルマの重要部品であるバッテリーの寿命や、バッテリーの交換時期を示す症状についてお話します。
【超快適】カーシェア「EARTHCAR」クルマのバッテリーの寿命はどのくらい?
クルマのバッテリーの寿命は、使用条件やメンテナンスの程度によって異なりますが、一般的には約3年~5年と言われています。
クルマに乗る頻度や環境により劣化具合が異なるため、場合によっては目安より長くなるケースや、また短くなってしまうケースがあります。
また、アイドリングストップ車の場合は、専用のバッテリーを搭載していて、アイドリングストップからエンジンを再始動するとき、バッテリーに負担がかかることから、寿命が短くなる傾向にあります。
バッテリーの寿命に影響を与える主な原因とは
気温
夏場の高温や、冬場の低温がバッテリーの寿命に影響します。
夏場の高温環境では、バッテリーに含まれている液体(バッテリー液)が蒸発しやすくなり、冬場の低温環境では充電効率が低下することがあります。
そのため、バッテリーの不具合が起きやすいのは夏場と冬場になります。
使用頻度と走行距離
クルマを長時間使用しないと、バッテリーは自然放電しているため、十分なバッテリーの充電が行えなくなります。
また、短距離ばかり走行する場合でも、十分なバッテリー充電が行えず、負担がかかります。
バッテリーは、走行させることにより充電されるため、できれば1週間に1回、最低でも2週間に1回程度はクルマを走行させましょう。
なお、エンジン回転数2,000回転(時速50km程度のスピード)を目安に20分以上走ると、効率よく充電ができると言われています。
充電システムの故障
車の充電システムに問題があると、バッテリーが十分に充電されず、寿命が短くなります。
充電システムのトラブルを解消するため、定期的な点検が必要です。
メンテナンス
バッテリーのメンテナンスによっても、寿命に影響を与えてしまいます。
バッテリー端子やターミナルの清掃、液体の補充(通常タイプの場合)、充電システムの点検などが寿命を延ばす手段になります。
製品品質
バッテリーの製造品質も寿命に大きな影響を与えるため、信頼性の高いメーカーからのバッテリーを選ぶことが重要です。
バッテリーの交換時期を示す症状とは?
バッテリーの電圧が低下している
電圧とは、電気が流れる勢いのことで、数値が大きいほど勢いが増します。
現在販売されている車のバッテリーの電圧は、12.5~14Vが正常値となります。
走行中はオルタネーターと呼ばれる発電機が作動しているため、13.5~14.5Vに上昇し、エンジンが停止しているときの電圧は12.5~13Vとなっています。
これらの数値を下回っていると、電圧が低く寿命が近い可能性があります。
エンジンが始動しにくくなる
エンジンを始動するには、エンジンスタートボタンやキーを回すことにより、バッテリーからセルモーターへ電気が流れることにより、エンジンがかかります。
この時に、1回でかからなかったり、セルモーターの音が弱くなっている状況になると、バッテリーの寿命が近い可能性があります。
但し、冬場の寒い環境下では、バッテリーの電力が弱くなっているため、バッテリーが正常だとしていても、一時的にエンジンがかかりにくくなることがあるので、バッテリーの仕様が浅かったり、交換したばかりであれば、季節が影響している可能性があります。
アクセサリーが動作しない場合
バッテリーで動作している、オーディオやパワーウィンドウ、エアコンなどのアクセサリーが動作しなかったり、また弱い動作をすることがあれば、バッテリー寿命が近いサインです。
バッテリーケースの膨らみや、液漏れなどの不具合
バッテリーが寿命を迎えると、バッテリーケースが膨らむなどの変形が起こったり、また液漏れが発生することがあります。
確認するには、ボンネットなど開ける必要があるので、クルマに詳しくない人にはハードルが高いかもしれませんので、デイーラーや自動車整備工場、カー用品店などに依頼すると良いでしょう。
バッテリーが上がってしまったときの対処法
バッテリーが上がってしまう原因には、エンジンを切った状態でヘッドライトやハザードランプなどのライトをつけっぱなしにしたり、長期間クルマに乗らないことによる自然放電、寒い環境によるバッテリーの性能低下や、バッテリーの劣化等が挙げられます。
このようにバッテリーが上がってしまったときの対処法についてお話します。
他のクルマから電力をもらう
バッテリーが正常なクルマと、バッテリーあがりを起こしたクルマをブースターケーブルでつなぎ、バッテリーを充電する方法があります。
ただし、電気の仕組みが異なることから、ハイブリッド車・電気自動車から、ガソリン車・ディーゼル車への電気供給ができなかったり、使い方を誤るとショートする可能性があるため、注意が必要になります。
ジャンピングスターターを使用する
ジャンピングスターターとは、クルマのエンジンをかけられる携帯型バッテリーになり、バッテリーあがりだけではなく、スマホの充電にも利用することのできる便利アイテムです。
サイズも手のひらに乗る大きさになっており、クルマに収納する際にも場所を取らずに置いておくことができます。
ロードサービスを依頼する
バッテリー上がりを、ご自身で対処することができない場合は、JAFや任意保険に付帯しているロードサービスに依頼し、対処してもらいます。
クルマを救護するプロなので、バッテリー上がりの対処においてもショートなどのトラブルもなく、確実に対処してくれる安心感があります。
さいごに
自動車のバッテリーは、エンジン始動を主に重要な部品の1つであり、かつ消耗品であるため、日頃の使い方やメンテナンスをしっかりとやらなければなりません。
ただし、いくらバッテリーに負担のかからない使い方をしていても、消耗品であるため、いずれ交換しなくてはなりません。
エンジンが始動できなくなってしまっては、使いたい時に困ってしまいますので、上述したバッテリー交換時期を示す症状が感じられましたら、早めにバッテリーの状態を確認したり、交換をしましょう。
また、クルマを降りる際にライトの付け忘れ、ハザードのつけっぱなし、ルームランプの付け忘れなどにも気をつけましょう。
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