スズキ アルトワークス(ALTO WORKS)が、5代目アルトを最後に「ワークス」グレードの復活を約15年ぶりに復活を遂げた。
5代目アルトワークスは、エンジンに可変バルブ機構、ドライブ・バイ・ワイヤを採用し軽自動車としては究極ともいえる高性能化を図ったモデルで、ファンを唸らせる仕様となっていた。
アルトワークスが復活した理由としては、現在の日本の自動車市場の現状にMT車のラインアップが極端に少ない事でユーザーの選択肢が限られていることから、アルトワークスの復活に繋がった。
それに加え、現行アルトの出来がとても良かった事から、ターボモデルを出し試乗したユーザーからのMTだったらすぐに買うという声が多数あったこともあり、ファンからの声が開発に至ったという。
2015年12月24日発売されたアルトワークスだが、当時すでに納期が2~3か月を要していたことから人気の高さが伺える。
今回は、ここまで人気の高いアルトワークスについてお伝えしていく。
アルトワークスの価格は
2WD | 5MT | 153万7,800円 |
2WD | 5AGS | 157万6,300円 |
4WD | 5MT | 164万7,800円 |
4WD | 5AGS | 168万6,300円 |
ワークス専用チューニングを施したエンジンとターボ、トランスミッションにより高い運動性能を実現させた
アルト ワークスに搭載されるエンジンは、吸排気システムやエキゾーストマニホールド一体型シリンダーヘッドの採用により軽量化を実現したR06A型ターボエンジン(VVT付)をベースに、よりスポーティーなエンジン制御プログラムを採用し、ターボラグを抑えることで加速時のレスポンスを向上し、また燃焼室温度を下げることで、燃料充填効率を向上させながらノッキングも回避し、力強いトルクと熱効率向上を実現させる、ワークス専用チューニングが施されている。
搭載されるターボチャージャーには、ターボラグを低減させ低速での高過給に対応し、高レスポンスな加速を実現する為のチューニングを施した。
また、排気経路の面積を最適化してタービン室内のガス流速を高めることで低速から力強いトルクの発生を可能にしている。
アルトワークスの燃費は
5MT | JC08モード23.0km/L(2WD) | JC08モード22.0km/L(4WD) |
5AGS | JC08モード23.6km/L(2WD) | JC08モード22.6km/L(4WD) |
クルマを操る愉しさを最優先して追求した5速MT
シフト操作の愉しさを追求し、ショートストローク化した5速マニュアルトランスミッションはギヤをクロスレシオにすることで、エンジン回転数を常に有効なパワーバンド内にキープしながら加速していくことが可能とし、シフトチェンジ時に気持ちのよい手応えをドライバーへフィードバックするためのチューニングも施している。
さらにクラッチペダルストロークに対して、トルク伝達がリニアに立ち上がるクラッチ荷重特性とすることで、スムーズでありながら力強い発進を実現し、運転者が意のままに操れるクルマを作りたいという走りへの理想を追求したトランスミッションとなっている。
MTとATの利点を融合させた5AGS&パドルシフト
5AGSは、トランスミッションとエンジンを協調制御することによりシフトチェンジのタイミングを最適化するシステムとなる。
変速制御プログラムにチューニングを施すことで変速スピードの短縮を実現し、さらにスポーティーな走りを味わうことが可能にしている。
また、ダイレクトなシフトフィールを愉しめるM(マニュアル)モードを選べば、パドルシフトを使ってカーブが続く道でもステアリング操作に集中しながら手元でスピーディーなシフトチェンジが行なえる。
足回りには、ショックアブソーバーの名門KYB製を専用チューニング
KYB製ショックアブソーバーの採用などによりサスペンション特性を最適化し、高い接地感と応答性を実現させ、高速コーナリング時のロールを抑え、高い操縦安定性を発揮する様にWORKS専用チューニングを施している。
高性能タイヤとアルミホイール、ベンチレーテッドディスクブレーキによるスポーティな走りを実現
高い操縦安定性と快適な乗り心地を両立する高性能タイヤ(POTENZA)に、リム幅を広げたブラック塗装のアルミホイールを組み合わせ、ハンドリングの応答性を向上させた。
またスポーティーなブレーキフィーリングを味わえるベンチレーテッドディスクブレーキ(フロント)を採用し、キャリパーにはレッドのカラーリングを施しアグレッシブな走りを予感させる。
参考URL:https://www.suzuki.co.jp/car/alto_works/performance_eco/
安心こそが運転の愉しみにつながる、スズキセーフティサポートを搭載
事故を未然に防ぎ、お客様の万一のときの安全を確保するために、運転をサポートする様々な技術で、ヒヤリとする場面も限りなくゼロに近づけていくスズキの予防安全技術をアルトワークスにも採用している。
車線逸脱警報機能(5AGS車)
前方不注意などで車線をはみ出しそうになると、ブザー音などの警報によってドライバーに注意を促し車線のはみ出しを予防する。
ふらつき警報機能(5AGS車)
車両が蛇行するなど、システムが「ふらつき」と判断した場合、ブザー音などの警報によってドライバーに注意を促す。
先行車発進お知らせ機能(5AGS車)
停車中、前のクルマが発進して約5m以上離れても停車し続けた場合、ブザー音やメーター内の表示によって、運転者に先行車の発進をお知らせする。
ハイビームアシスト(5AGS車)
ヘッドランプをハイビームにして走行中、前方に対向車や先行車がいたり、明るい場所を走行すると自動でロービームに切り替え、対向車や先行車がいなくなったり、周囲が暗くなると自動でハイビームに戻す。
デュアルセンサーブレーキサポート(5AGS車)
前方の車両や歩行者を検知し、衝突のおそれがあると判断すると、ブザー音やメーター内の表示によってドライバーに警告する。
ブレーキペダルを踏むと、ブレーキ踏力をアシスト。
衝突の可能性が高まると、自動で強いブレーキをかけ、衝突の回避または衝突時の被害軽減を図る。
誤発進抑制機能(5AGS車)
駐車場などで、前方に壁などがあるにも関わらずシフトをD・M(前進)の位置でアクセルペダルを強く踏み込むと、最長約5秒間、エンジン出力を自動的に抑制し急発進・急加速を抑えて、踏みまちがいなどによる衝突回避に貢献する。
後退時ブレーキサポート(5AGS車)
リヤバンパーに内蔵した4つの超音波センサーで後方の障害物との距離を測り、4段階のブザー音で障害物の接近をお知らせする「リヤパーキングセンサー」を搭載している。
さらに、後方の障害物との衝突の可能性が高まると自動でブレーキが作動し、衝突の回避または衝突時の被害軽減を図ります。
後方誤発進抑制機能(5AGS車)
後方に障害物があるにも関わらずシフトをR(後退)の位置でアクセルペダルを強く踏み込むと、エンジン出力を自動的に抑制して急な後退を防止し、誤操作による衝突回避に貢献する。
参考URL:https://www.suzuki.co.jp/car/alto_works/safety/
走りへのイメージを感じさせるインテリア
アルト ワークスには前席2脚、人間工学に基づいて設計された専用開発のRECAROシートを採用し、スポーツドライビングでの高いホールド性と、ロングドライブ時の快適性を兼ね備えている。
更に、シート・ステアリング・シフトブーツに赤色のステッチを施し走りへのイメージを運転者に感じさせる。
メーター内には、ターボ過給圧が高くなると色が白から赤に変化するブーストインジケーターを採用し、加速時の視覚的な愉しさを高めている。
参考URL:https://www.suzuki.co.jp/car/alto_works/interior/
ファン待望のアルト ワークスは大きな進化を遂げて現代に蘇った
冒頭でもお伝えした通り、ファンの声から復活を遂げたアルト ワークスについてお伝えしてきたが、正にファンが求めていたアルト ワークスを実現できただろう。
走りに特化したモデルらしく、純正でブリジストンのポテンザやレカロシート、足回りにはKYB製のショックアブソーバーを備えるなど、言い方は悪くなるが軽自動車にここまでの架装はやりすぎじゃないのか?と思う程だ。
逆に言えば、アルト ワークスが走りに対する気持ちが強いという事の表れでもある。
MT車を乗りたいというユーザーの声が反響していることもあり、アルト ワークスを購入するユーザーの9割がMTを選択しているという。
しかしながら、AT限定免許が当たり前となった昨今に合わせて5AGSを準備するスズキにも称賛したい。
老若男女問わず、手軽にスポーツを味わえるアルト ワークスのような軽自動車は今の時代には貴重な存在ですね。
余談だが筆者がある日、首都高を走っていたら後ろから、「プシャシャシャー」と大きなウエストゲート音を出しながら近づいてくるクルマを見たら、このアルト ワークスだった。
道を譲り、後ろから傍観していたが芝公園あたりのキツめのコーナーを恐ろしいスピードで抜けていったのである。
そのような早いコーナリングをこなせるのも670kg(5MT 2WD)という軽量ボディによる利点でもあり、驚かされた事がある。
アルト ワークスは、ピュアな軽スポーツカーだと認識した夜でした。
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