こんにちは!SCPです。
今回は、タイトル通り各メーカーが所有する、「テストコース」についてお話していきます。
普段では、一般人はおろかマスコミ記者すら中々お目にかかることのできない程の、極秘が詰まっているテストコースは誰もがどのようになっているの?と気になる場所だ。
これから発売されていく車両が日々走行を繰り返したり、将来の先進技術を試すためなど、一概にテストコースと言っても、世間にリークされないように外界から遮断されているテストコースは、各メーカーの心臓部といっても過言ではないだろう。
極秘とされている各メーカーのテストコースについて、お伝えします。
トヨタ自動車 トヨタテクニカルセンター下山(Toyota Technical Center Shimoyama)
クルマ業界のみならず、日本を代表する大企業トヨタ自動車が所有するテストコースは、トヨタ本社から約30分の立地に構える。
愛知県豊田市と岡崎市にまたがる山間部に建設を進めてきた新たな研究開発施設内に、「西工区」「中工区」「東工区」と3つのエリアに分かれている。
その中から、カントリー路を中心とした「中工区」の工事が完了し、2019年4月25日からトヨタテクニカルセンター下山として施設の一部運用を開始している。
同施設は、2023年度の本格稼働を目指しており、総額約3,000億円を投資し、現在、用地取得や施設建設を進めていて、完成時には約3,300人の従業員が同施設で勤務する予定となっている。
今回運用を開始した全長約5.3kmのカントリー路は、世界屈指の過酷なコースとして知られるニュルブルクリンク(ドイツ)を長年走りこんできた経験を基に、自然の地形を活かした約75メートルの高低差と多数のカーブが入り組んだ、厳しい走行環境を持つテストコースとして設計されている。
トヨタテクニカルセンター下山の建設に対し、社長の豊田章男氏は、これまで5大陸走破プロジェクトやニュルブルクリンク24時間耐久レース、世界中での様々なテスト走行などの場などを通じ、道と語り、クルマと語ることで『もっといいクルマづくり』を目指してきました。
今回、それらの経験を元に、世界中の多種多様な『道』を新たなテストコースに再現しました。
世界中でのテスト走行に加えて、新たなテストコースが再現する厳しい走行環境のもとで、全てのクルマを徹底的に鍛え上げ、クルマ本来の走る喜びを持ったクルマづくりに挑戦してまいります。
CASEによるモビリティのあり方が大きく変化する時代だからこそ、現地現物でのリアルなクルマづくり、感性性能には徹底的にこだわり、お客様に笑顔をお届けできるよう努力してまいります。
と、以上のように話している。
今後の施設内の整備については、「東工区」には高速評価路や世界各地の特殊な路面を再現した特性路を、「西工区」には車両開発施設を設置し、緑に囲まれたオープンな環境を目指している。
環境保全の取り組みとして、敷地面積(約650ha)の約7割で、その土地本来の森林を残し、保全を行うことに加え、緑地を新たに造成するなどし、自然環境の適切な維持・管理に努めているとしている。
日産自動車 日産グランドライブ
日産のテストコースは、神奈川県横須賀市に位置する追浜工場敷地内に日産グランドライブという名称のテストコースが存在する。
この日産追浜工場は、1961年創業開始で敷地面積は1,699,000cm2となり、じつに東京ドーム36個分もあり、2,600人の従業員が働き、リーフやノートなどの主力モデルを生産している場所でもある。
その追浜工場内にある日産グランドライブは他メーカー同様、極秘の場所でもあり極秘車両が走る工場や研究施設から隔絶させるために、高い塀で囲まれている。
しかし、駐車場からテストコースまでは、コースを横断する歩道橋を越えなければならならず、その高い位置からは工場内が丸見えという構造になっている。
極秘として厳重に管理されているであろうテストコース並びに工場内を垣間見える状況は、来訪者を驚かせる構造だ。
日産グランドライブは、一般開放こそしていないが、日産関係者の市場のために活用しており、発売前のモデルを販売店の方々に披露したり、マスコミ関係者を招待し公開する場所として使われている。
参考URL:https://driver-web.jp/articles/detail/37140
本田技研工業株式会社 鷹栖プルービンググラウンド
ホンダのテストコースは、北海道旭川市に隣接する「鷹栖プルービンググラウンド」と呼ばれるホンダにおける日本最大の総合テストコースが存在する。
豊かな自然に抱かれた上川郡鷹栖町に位置しており、788万m2という広大な敷地は東京ドーム167個分に相当し、敷地の東西で天気が違うことさえあるほどである。
ここに、総延長61.1kmに及ぶ50種類のテストコースがレイアウトされており、年間延べ2万人近い開発スタッフが訪れ、開発段階の製品を持ち込んで日々走行テストや耐久テストを重ねているのだ。
1980年代末、新テストコースの建設計画がスタートし、理想のテストコースを求めて、150もの候補地を入念に調査した結果、鷹栖町が建設地に選ばれた。
1990年にコースのレイアウトが決定し、工事を開始し1993年には、ニュルブルクリンクをモデルとしたワインディングコースが完成した。
さらに、「世界中どこでも通用する理想のクルマづくり」をとことん追求するため、世界中のありとあらゆる道路を鷹栖に再現していく。
東名高速道路やドイツのアウトバーンを想定した高速周回路に、整備されていない荒れた路面や石畳の道に加え、標識や景観もヨーロッパ郊外地に似せたEU郊外路、2015年春には、米国ロサンゼルスのクレンショウの登降坂を想定した片側2車線のコースがオープンしている。
ユーザーの使われ方に最も近いリアルワールドを鷹栖プルービンググラウンド内に作り上げることで、世界のさまざまな路面や環境下でも、快適に運転できるモビリティを鍛え上げていく場所として最適な施設となっている。
参考URL:https://www.honda.co.jp/environment/face/case40/episode/episode01.html
さいごに
各メーカーのテストコースはいかがだったでしょうか?
どのメーカーも、目指す場所はニュルブルクリンクにあり、国産メーカーも最終段階ではニュルブルクリンクにてテストが行われているケースが多いです。
それだけ、ニュルブルクリンクは様々な状況を持つサーキットとなっており、開発されたクルマを走らせるには絶好の場所なのである。
このように、テストコースの存在や作りにもこだわりが見えるし、新型車が世に出るまでに何度も何度もトライ&エラーを繰り返しクルマづくりをしているメーカーには脱帽ものであると感じます。
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