トヨタの伝統的スポーツカーが帰ってきた。GRスープラ

GRスープラアイキャッチ 新車レビュー

2019年5月トヨタが代表するスポーツカー、GRスープラ(GR SUPRA)が帰ってきた。

先代モデルは2002年に生産を終了しており、17年の時を経て誕生したGRスープラは、トヨタが2011年から技術提携を結ぶBMW社との共同開発車となっている。車両構成の基礎となるプラットフォームをBMW Z4と共有していることが特徴であるが、トヨタとBMWはそれぞれ完全に別々で開発を行っている。

同じプラットフォームを共有しているが、中身の味付けは全くの別物になっている。

GRスープラ 80
人気を博した先代モデル

新型スープラは、トヨタのスポーツモデル専用ブランドの「GR」初の専売車種になり、車名にGRが冠されていて、他社種にもGRと称されるものがあるが、「車名+GR」となっているが、スープラはGRの専売であるために「GR+車名」のネーミングが用いられ差別化している。

GRスープラロゴ

新たに生まれ変わった、GRスープラについて紹介する。

GRスープラの価格は、499万0,741円~702万7,778円

【GOM Mix】初心者でも簡単な動画編集ソフト

伝統的な直6エンジンと、チューニングの異なる2種類の直4エンジン

トヨタ GRスープラには、歴代のスープラに搭載される直6エンジンの採用を継承しながら、極めて優れた回転バランスを誇り、直6ならではのフィーリングをさらに研ぎ澄ませ、ツインスクロールターボを組み合わせた。

GRスープラ3Lエンジン
3Lエンジン

総排気量は3Lで340PS(5,000rpm)を絞り出し、500N・m(1,600-4,500rpm)とパワフルな最大トルクを発揮する。

ツインスクロールターボチャージャーは、気筒間の排気干渉を減少させ、低回転域から高回転まで全域に圧倒的なパワーと即座に反応するダイレクトなレスポンスを発揮する。

このようにハイスペックなエンジンには、燃費性能向上に対するメカニズムの進化も抜かりなく、高圧の燃料を燃焼室内に直接噴射する高精度ダイレクトインジェクションシステムに、無段階可変バルブリフト、吸排気無段階可変バルブタイミング機構、アイドリングストップ機能を組み合わせることで、高効率で優れた燃費性能を実現した。

GRスープラRZ(3Lモデル)の燃費は、WLTCモード12.2km/L

GRスープラ2Lエンジン
2Lエンジン

GRスープラには、2L直列4気筒エンジンモデルもラインアップされ、それぞれチューニングの異なるスペックを用意しており、SZ-Rグレードでは直4ながら258PS(5,000rpm)、400N・m(1,550-4,400rpm)と、ハイパフォーマンスを発揮する。

SZグレードには197PS(4,500rpm)、320N・m(1,450-4,200rpm)をもたらし、街中から高速道路まで爽快なドライビングを味わえる。

直4ならではの、コンパクトで軽量なエンジンの恩恵で、前後重量配分のさらなる最適化を実現し、軽快なスポーツ走行が可能となっている。

GRスープラSZ(2Lモデル)の燃費は、WLTCモード13.1km/L
GRスープラSZ-R(2Lモデル)の燃費は、WLTCモード12.7km/L

走り抜くためのボディ、空力性能、電子制御の最適化でハイパフォーマンスを魅せる

GRスープラボディ
ボディ骨格

トヨタ GRスープラには、軽量かつ高剛性ボディを目指すために、アルミとスチールを用いた骨格構造、異素材同士の接合強度を追求することで、軽量化とボディ剛性の強化を同時に達成している。

走行性能の土台となるボディのねじれや微細な変動を抑え込み、常に正確な動きで路面を捉える足回りや、ダイレクト感のあるパワーフィーリングなど、サスペンションやドライブトレーンの性能を最大限に引き出す。

GRスープラアンダーボディ
床下の空気の流れを最適化

ボディ形状は、車両の浮き上がりの発生を抑えることに特化したデザインに加え、アンダーパネル等による床下の空気の流れを最適化し、空気抵抗の低減を行うことはもちろん、前後タイヤ付近の車両の浮き上がりを抑えて、路面に吸い付くような接地性の高い走りを実現させる。

GRスープラドライブモードスイッチ
ドライブモードスイッチにより簡単に切り替え

これらに加え、電子制御の「SPORT MODE」の設定により、エンジンのレスポンス、トランスミッション、ステアリング操作の応答性を高め、スポーティな走りを演出します。

GRスープラアクティブディファレンシャル

RZ、SZ-Rグレードには、「AVS」、アクティブディファレンシャルの制御特性も変化し、さらにダイナミックな走りを実現させる。

他にも、「トラクションモード」による、コーナー限界まで攻めるような走りができたり、「ローンチコントロール」機能によって、スタート時の最大限の発進加速を可能としている。

走る楽しさを支える、基本に迫り安全性能を大幅向上

トヨタ GRスープラには、走る楽しさを追求する上で安全性能の向上に寄与する機能が多彩だ。

GRスープラプリクラッシュ
プリクラッシュブレーキ作動イメージ

装備されている、単眼カメラとミリ波レーダによる、プリクラッシュセーフティで前方の車両、歩行者、自転車運転者を検出し警報ブザーとディスプレイ表示で衝突の可能性を知らせ、万一ブレーキが踏めなかった場合でもプリクラッシュブレーキを作動させ衝突回避または被害軽減をサポートする。

GRスープラBSM
ブラインドスポットモニター

他に、ブラインドスポットモニターによる隣の車線の後方から接近してくる車両をレーダーで感知し、ドアミラー内のインジケーター点灯により、いち早くドライバーに車両の存在を注意喚起する。

GRスープラレーダークルーズ
レーダークルーズコントロール作動イメージ

高速道路上などでは、全車速追従機能付きのレーダークルーズコントロールにより、設定した車速で走り続けたり、前方車両を認識して車間距離を保ちながら追従走行をするなど、ドライバーの疲労軽減に活躍する。

うっかり、車線から逸脱する可能性がある場合では、ステアリングの振動で運転者に注意喚起し、さらに電動パワーステアリングを制御し、ステアリング操作のサポートも行う。

日頃の運転を支える、使いやすいコクピット周り

トヨタ GRスープラのコクピットには、日常やスポーツ走行をする際に運転に集中できるような機能が、多く装備されている。

GRスープラシート
GRスープラのシート

運転席及び助手席のシートには、8ウェイパワー+電動ランバーサポート+サイドサポート幅調整スポーツシート(運転席メモリー機能付き)が装備され、運転者の最適なシートポジションを電動で行える。

GRスープラステアリング

ステアリングには、レーダークルーズコントロール、オーディオ、ハンズフリー通話、音声認識などステアリングスイッチに集約されている為、ステアリングから手を離さず運転に集中しながら操作することが可能となっている。

GRスープラヘッドアップディスプレイ
カラーヘッドアップディスプレイ

さらに、カラーヘッドアップディスプレイにより、運転席の前方ガラスに情報を投影し、車速やナビと連携したルート案内を視点の移り変わりを抑えながら確認することが可能となる。

GRスープラナビ
ナビゲーションシステム

8.8インチのHDDナビゲーションシステムによる、文字情報などを鮮明に表示する高精細ナビ表示に加え、Apple CarPlayによりiPhoneのアプリ連動が可能。

GRスープラjbl

JBLプレミアムサウンドシステムによって、2シーターの室内空間に12スピーカー・最大出力425Wのパワフルで臨場感あふれるサウンド空間を実現する。

GRスープラの走りへの本気さが見えた

トヨタ GRスープラには走りに対しての本気度が垣間見える。

スープラの走行テストの9割には一般道が使われ、ニュルブルクリンクでの走り込みは当然のこと、欧州のカントリーロードやアウトバーン、アメリカのハイウェイから日本の市街地、北欧の氷雪路までも、世界中のあらゆる道でも車を操る楽しさを感じられるチューニングを練り上げた。

欧州では、あえて路面のうねりが複雑な道で、テストを実施し悪条件の道でも攻められるような路面に吸い付くような接地感や安定感を手に入れたり、グローバルに展開するための走行テストで造られた。

採用されている、ブレーキにやタイヤにも走りを追求していく為にブレンボ社のものを採用したり、タイヤにはミシュランのパイロットスーパースポーツを標準装備させ、GRスープラのポテンシャルを引き上げるための努力も惜しまない。

GRスープラ純正タイヤ

普段使いでの取り回しの良さとスポーツカーとしてのバランスも高い次元で融合させ、どんなシーンでも楽しめるし、前後重量配分は理想とされている50:50とし、俊敏かつゆるぎないパフォーマンスを発揮できる部分も凄いの一言。

スポーツカーとしてのパフォーマンスを最大限発揮するための装備が、全てと言っていいほどこのGRスープラには詰まっているので、今後の進化にも注目していきたい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました