こんなに有名だった車も?2019年に生産終了して絶版車となったクルマ達

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絶版車という言葉を聞いた機会があると思いますが、言わばなんかしらの理由でメーカーがその車種の生産を終了し、今後はラインナップにも入らないクルマのことだ。

毎年、生産終了となるクルマは少なからずあるが、2019年に姿を消したクルマはこれまで人気もあり、知名度もあるクルマが多く存在した。

今回は、2019年に惜しくも生産終了となってしまったクルマ達を紹介する。

トヨタ エスティマ

エスティマといえば、1990年に初代モデルが誕生し当時のキャッチコピーに「天才タマゴ」というキャッチコピーで、外観には丸みを帯びた形状を強調するプロモーションの中、鮮烈なデビューを果たした。

絶版車TCR10
初代エスティマ

初代及び2代目ではミッドシップレイアウトを持つ、従来のミニバンにはない変わった機構をしていたが、2006年に登場した現行型(3代目)のエスティマは、FFベースのラージミニバンへと変わっていき2014年までは月販2,000台以上と、十分に売れているモデルだった。

絶版車ACR30W
2代目エスティマ

しかし、2015年に入り今やトヨタのミニバンのアイコンとなっているアルファード&ヴェルファイアが現行型となる3代目にフルモデルチェンジされると、全体的な新しさ、押し出しのあるスタイルや全高の高さといった「分かりやすい高級ミニバンらしさ」を強く持つアルファード&ヴェルファイアを選ぶユーザーが増加し、エスティマの販売は明確に落ち始めてしまったのだ。

その後、2016年にビッグマイナーチェンジをしたエスティマは一時的に販売は上向きとなったものの、年を追うごとに販売台数は低下した。

絶版車AHR20W
3代目エスティマ

その背景には、やはりアルファードとヴェルファイアが好調に売れていて、この2台と同サイズのエスティマをフルモデルチェンジしてもその投資に対する効果が期待できないと判断された事と、国内需要が先細りになっている状況も踏まえ、2019年に生産を終えることとなった。

筆者が、車の運転免許を取得した際にも友人が初代のエスティマを乗っていて、運転させてもらったり同乗させてもらったり、なんといってもその時代のミニバンとしては大変人気があったので、エスティマの名前が消えてしまうのは悲しい。

しかし、2020年になり早くもエスティマが復活との情報も入っている。

やはり、トヨタとしても功績のあるエスティマに対する気持ちが捨てきれないのではないだろうか?

トヨタ マークX

マークXは2004年に初代モデルが登場し、かつて販売されていたミドルサイズセダンのマークⅡ兄弟(マークⅡ・チェイサー・クレスタ・ヴェロッサ)の後継車種として登場した。

絶版車GRX120マークⅡ初代
初代マークX

このマークⅡ兄弟から脱却する目的で、12代目クラウン(通称:ゼロ・クラウン)で大幅に刷新されたプラットフォームの採用を契機に名称を含めた大胆な改革を実施した車がマークXである。

絶版車マークⅡ
マークⅡ

マークⅡ現象と言われるほど、人気が高かったマークⅡの後継車として注目を浴びたマークXだが、21世紀に入りミニバンやSUVの台頭により販売が減少したものの、マークXとしては2代目となる2009年登場の現行モデルは高級感あるクルマの割に価格がリーズナブルなこともあり、2013年までは月間1500台程度と堅調に売れていた。

絶版車GRX130マークX2代目
2代目マークX

ただし、マークXの場合は同じトヨタのクラウンとは違ってハイブリッド車や2リッターターボエンジン搭載車をラインアップさせることはなく、2010年代に入るとエコカー減税に対するユーザーの関心が高まり、減税適合がクルマを好調に売るための必須条件になったが、マークXにはそれに適合するグレードがなくクラウンに比べるとパワートレインが旧態依然とした設定になっていた。

一方で、トヨタは「キャラクターは違えど、車格は同じ」となるカムリを2017年のフルモデルチェンジの際にマークXを扱うトヨペット店でも売るなど、現行カムリをマークXの後継車に考えていた面があったのだった。

絶版車カムリ
カムリ

現行カムリはハイブリッド専用車ということもあり、現在でも月1500台以上が売れている背景があり、マークX生産終了のトドメとなってしまったのだ。

しかし、マークXは2019年に350台限定のスポーツ系のスペシャルモデルとなるMTのGRMNと、カタログモデルの内外装に手を加えたファイナルエディションが設定されるという、まさに先代のマークⅡ兄弟の「ツアラーV」を彷彿させるモデルが誕生したことで、マークⅡシリーズのスポーティモデルがあったことから、今後も根強いファン層が一定存在し続けるであろうクルマだ。

日産 キューブ

キューブは、1998年に初代モデルが登場し、その当時「アソブ、ハコブ、キューブ。つまり、コンパクトでハイトなワゴン。」というキャッチフレーズの如く、スペース重視のコンセプトを持った車であった。

絶版車Z10キューブ初代
初代キューブ

初代型の初期はコンスタントに月10,000台以上を販売しており、登録台数1位を記録したこともあり、そのため当時は生産工場では休日出勤も毎週行っていたほどの売れ行きを出していた。

絶版車Z11キューブ2代目
2代目キューブ

2008年登場の現行型となる3代目モデルも2014年までは和やかなキャラクターが支持され堅調に売れたものの、2014年から徐々に販売台数が低下し2019年10月までの販売台数は3,863台と、コンパクトカーに対する期待値の10分の1程度しか売れなかった。

絶版車Z12キューブ3代目
3代目キューブ

その背景には、ライトバンで商用車として使用される機会の多いNV150ADにすら、単眼カメラ式の自動ブレーキが付いているのに、それすら装備させてあげなかったという、あまりにもひどい扱いをされた部分が挙げられる。

さらに、各日本車メーカーは世界生産台数の80%以上を海外で売っているので、多かれ少なかれ日本市場を軽く見てしまうが、日産はこの傾向が特に強く生産台数の約90%を海外で販売している背景もある。

そこに、日産が国内販売で大きな力を注ぐノートと軽自動車の台頭もあり、ほぼ何もしてもらえなかったキューブは売れず、生産終了となってしまった。

筆者にとってキューブも思い入れのあるクルマで、友人が初代モデルを乗っていて当時その車で出かけたりすることが多かったので、いい思い出になっています。

日産 ジューク

ジュークは、2010年に初代モデルが登場し、クーペルックを持つスペシャリティなコンパクトSUVとして登場した。

絶版車F15ジューク
初代ジューク

ジュークはその個性的なスタイルに対する批判の声もあったが、2012年までは月に3000台近くが売れていた。

2014年以降はホンダヴェゼルなどのコンパクトSUVの登場に加え、キューブほどではないにせよテコ入れが行われなかったこともあり、年々販売台数は落ち込み、2019年は10月までで2839台しか売れなかった。

この販売台数では日本でジュークが絶版車なるのも仕方ないが、ジュークファンとしてはそれ以上にヨーロッパでは販売される次期ジュークが日本に導入されないことが納得できないだろう。

絶版車F16ジューク海外専売モデル
2代目ジューク(海外専売モデル)

ジュークは、街中で見かけるとどの角度から見ても独創的なスタイリングで、インパクトがあるクルマでしたね。

日本導入の予定がない2代目ジュークですが、マニア的に好きな人は並行輸入してでも手に入れそうだ。

三菱 パジェロ

パジェロは、三菱を代表するフラッグシップSUVで初代モデルの後半と2代目モデルが「乗用車的にも使える本格SUV」として、人気のあるクルマであった。

絶版車パジェロ2代目
2代目パジェロ

2006年登場の4代目モデルとなる現行型は2010年に2008年に追加されたディーゼル車の改良以来大きな改良は行われず、年間販売台数は2018年には747台までと低迷した。

絶版車パジェロ4代目
4代目パジェロ

そして、なんといっても大きな理由は日本での歩行者保護の法規が強化され、SUVで継続販売車となるパジェロはこの対応が2019年中まで猶予されていたが、対応するには莫大な開発費がかかるので、販売台数を考慮して、日本向けは生産終了となった。

しかし、海外ではいまだに販売されているので、多くのパジェロファンの為に日本へ戻ってきてほしい。

絶版車パジェロ最新型
パジェロ(海外専売モデル)

さいごに

2019年に、生産終了したクルマはそんなにマイナーではない、むしろメジャーなクルマが去っていったわけだがエスティマやパジェロは歴史が長いだけに、個人的には寂しいものだ。

免許の取りたてで、車に興味があった私の中でもその当時よく見たクルマばっかりだし、やはり有名車だからだ。

メーカーからしても、苦渋の決断なのかもしれないが、ここまでの有名な車を日本で生産終了しているのならば、海外専売モデルを日本市場にも投入するなどの代替策を講じてもいいのではないかと感じた。

個人的に、国内メーカーの海外専売モデルはスタイリングが日本とは違う感じで好きなのもあるが(笑)

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