交換しなくてはいけないオイルはエンジンオイルだけではない。交換しないといけないクルマに使われるオイル類とは?

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オイル交換」と言われると真っ先に思い浮かぶのが、「エンジンオイル」が一般的であると思います。

確かにエンジンオイルの交換は、頻度も高く重要な交換部品の一つであることは間違いありません。

筆者の友人である整備士も、「エンジンオイルを交換しとけば、間違いない」と言っているほど、クルマの交換部品としては重要だということが伺えます。

しかし、クルマはエンジンオイル以外にも、様々な部品の構成でできているため、交換する時期が来れば交換しなくてはならない油脂類があります。

今回は、エンジンオイル以外にも交換しなくてはならないオイル類について紹介します。

クルマを調子良く、長く乗るためには定期的な油脂類の交換が必要です。

交換しなくてはならないオイル類とは?

ブレーキオイル(ブレーキフルード)

交換しなくてはならない油脂類 ブレーキフルード

ブレーキオイルは、その名の通りブレーキを正常に動かすために必要なオイルです。

ブレーキオイルは、ブレーキのシステム内にあり、減速のためにドライバーがブレーキペダルを踏み込んだときの力をオイルの圧力に変換することで、オイルの圧力が四輪についたブレーキに作用し、ディスクブレーキならキャリパーピストン、ドラムブレーキならホイールシリンダピストンをオイルの圧力で押し出す結果、制動力が得られるという機構になっています。

ブレーキオイルの交換を怠っていると、ブレーキシステム内のゴムブーツの早期劣化やピストンの錆の発生などにつながり、最終的にはブレーキオイル漏れやブレーキの固着を引き起こすといった危険な状態に結びつきやすくなります。

一般的なブレーキオイルの交換時期は、使用期間2年毎または走行距離2万km前後のいずれか早い方での交換が推奨されます。

ただし、サーキット走行で激しいブレーキングが行われていたり、年間の走行距離が5万キロを超えるようであれば、1年毎での交換するのをおすすめします。

デフオイル(ディファレンシャルギヤオイル)

交換しなくてはならない油脂類 デフオイル

デフオイルとは、デファレンシャル(デフ)と呼ばれる車両の駆動系統の一部で使用されるオイルになります。

デフは、クルマがカーブなどを曲がる時に、スムーズに曲がるためにカーブに対して外側のタイヤが内側のタイヤよりも早く回転する性質を持っていますが、その回転差を調整するのが役割となっています。

デフ内の構造は、多くのギヤが使われている為、デフオイルはそれらのギヤをスムーズに動かすために必要なオイルです。

デフオイルを交換せずに使用し続けると、摩耗や損傷の発生につながり、走行中に異音が発生したり、燃費が悪くなったりし最終的には、カーブをスムーズに曲がれなくなります。

デフオイルの交換時期は、使用期間2~4年間毎または走行距離5万キロ前後のいずれか早い方での交換が推奨されています。

クルマの使用環境によって異なりますが、カーブの多い山道などをメインに走行している場合は、通常よりもディファレンシャルギアに負荷がかかっているので、交換時期を早めにするのをおすすめします。

ATフルード・CVTフルード

交換しなくてはならない油脂類 ATフルード・CVTフルード

ATフルード・CVTフルードは、オートマチック車(またCVT)専用のミッションオイルになります。

ATフルードは、動力の伝達・シフト制御・部品の潤滑・AT(オートマチックトランスミッション)の冷却、洗浄など重要な役割を果たすオイルで、ミッション内部を循環しクラッチ操作やギアチェンジを円滑に行う役割を持ちます。

CVTフルードは、CVT(2種類の滑車とベルトを利用した無段変速機)の滑車(プーリー)の溝幅を油圧動作で調整し、潤滑させるためのオイルになります。

ATフルードやCVTフルードを無交換のままでいると、熱による酸化や摩耗粉の混入などにより時間の経過とともに劣化していき、燃費が悪化したり、ギアが入りにくくなったり、変速ショックが大きくなるなどの症状があらわれます。

ATフルードの交換時期は、走行距離3万キロ毎、CVTフルードは走行距離4万キロ毎の交換を推奨しています。

ただし、車種によっては無交換で大丈夫なものもありますので、ご自身のクルマの取扱説明書や、ディーラー等に問い合わせてみてみてください。

冷却水(LLC)

交換しなくてはならない油脂類 冷却水

冷却水は、クルマの心臓部であるエンジンの温度を下げてオーバーヒートを防ぐという、非常に大事な役割があります。

また、冷却水には防サビや不凍の効果もあり、これらの効果によって、エンジン内部の金属製部品の腐食を防ぎ、寒さが厳しい季節でも冷却水は凍ることなくエンジンを冷やすことが可能になっています。

冷却水のメンテナンスには、「補充」や「交換」が必要になり、少なくなっている場合は補充します。

ただし、補充する場合は、すでに入っている冷却水と同じ色のものを補充するようにしましょう。

一方、冷却水が濁っていたり、極端に減っていたりすれば冷却水の交換が必要になります。

交換時期については、赤や緑色の冷却水であれば2年毎、青やピンク色の冷却水であれば、7~10年毎に交換が必要になります。

さいごに

クルマは、紹介した部品のとおり、消耗品のかたまりと言っても過言ではありません。

今回紹介した油脂類は、エンジンオイル交換程、頻繁に交換するものではありませんが、必ず交換しなくてはならないものばかりです。

頻繁に交換する必要がないからこそ、交換のし忘れが起きやすいのも事実です。

交換しないことによって、重大な故障の原因にもなりかねないので、少しでも異常が感じられたり、調子が悪いと感じたら専門業者に相談するのが良いでしょう。

しっかりとメンテナンスをして、愛車をいつまでも良好な状況にしましょう!

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