日本のみならず、世界中でみても圧倒的なSUVブームが衰えることを知りません。
実際に街中を走っていても、SUVが多く走っているイメージで、コンパクトカーや軽自動車にもSUVテイストが入ったモデルも多く走っている印象です。
しかし、SUVと言うのはここ最近出たものではなく、当然、SUVブームになる以前にも、SUVは販売されていました。
但し、その当時ではSUVという名称は浸透しておらず、「クロカン」や「RV車」などと呼ばれていました。
そんな、一昔前のSUVが現代に登場したら流行するのではないかというSUVについて紹介します。
トヨタ
ヴォルツ
ヴォルツは、2002年~2004年まで販売されていた、クロスオーバーSUVになります。
トヨタとGMによる共同開発車となっており、生産はアメリカ合衆国カリフォルニア州にある両社の合弁会社であるNUMMI(NEW UNITED MOTOR MANUFACTURING,INC.)で行われていて、日本へ正規輸入されていた唯一のNUMMI製の車種(実質OEM扱い)となっている。
トヨタ ヴォルツ以外にも、GMではポンティアック・ヴァイブとして販売され、北米トヨタではマトリックスとして販売されていました。
日本における、トヨタ ヴォルツは2002年7月から販売が開始され、キャッチコピーは「ストリート、アソビート」となっており、まさに現代のSUVブームにピッタリなキャッチコピーとなっている。
パワートレインには、1.8Lの1ZZ-FE型エンジンと1.8Lの2ZZ-GE型エンジンに、駆動方式はFFと4WDが用意され、1.8Lの2ZZ-GE型エンジン搭載の「Z」グレードには、6速マニュアルミッションを組み合わせたスポーティー版もありました。
ボディサイズは、全長4,365mm?全幅1,775mm?全高1,605~1,615mmとなっており、扱いやすいボディサイズも現代にハマるパッケージングだ。
スタイリングも、GMとの共同開発によって日本車離れしたデザインとなっているので、街なかで走っていたら注目を浴びること間違いないだろう。
ヴォルツの中古価格は、44.8万円~79.9万円(2022年4月14日現在)
クルーガー・クルーガーハイブリッド
クルーガーは、2000年~2007年まで販売されていたSUVになります。
日本国内での販売は2007年をもって終了したが、海外では現在もハイランダー(HIGHLANDER)の名称で販売されており、2019年には4代目となるモデルが販売されています。
2000年11月にクルーガーVとして発売され、取り扱いはトヨタビスタ店(現・ネッツ店)]およびトヨタカローラ沖縄になっており、2003年にマイナーチェンジに合わせて、トヨタカローラ店向けのクルーガーLの販売を開始しました。
パワートレインには、2.4Lの直列4気筒と3.0LのV型6気筒に、4速ATが組み合わされ、2003年のマイナーチェンジ後は3.0LのV型6気筒に5速ATとの組み合わせになり、駆動方式はFFまたは4WDとなっている。
乗車定員は、5人乗りだがマイナーチェンジで、3列7人乗りが追加されより利便性を高めたものになっている。
2005年には、クルーガーハイブリッドが販売され、3.3LのV6ガソリンエンジンを搭載しており、ガソリンエンジンと電気モーターで前輪を駆動し、後輪には四輪駆動システムE-Fourによって駆動します。
搭載されるハイブリッドシステム用のバッテリーは従来の物より小型化、三分割されて2列目シート下に設置され、シートアレンジはハイブリッドシステムを搭載しないクルーガーと同等となっているので、利便性を損なわない工夫がされている。
このハイブリッドモデルでは、システム最高出力272PSと余裕のパワーを持ちながら、10・15モードで17.8km/Lという低燃費を達成しているのも魅力的だ。
海外で販売され続けている、クルーガーは現代でも引けを取らないSUVといえる。
クルーガーの中古価格は、47.8万円~84.9万円(2022年4月14日現在)
クルーガーハイブリッドの中古価格は、97.9万円(2022年4月14日現在)
ホンダ
エレメント
エレメントは、2003年~2005年までホンダベルノ店で輸入販売されていた、SUVとミニバンの折衷のようなクロスオーバービークルです。
本田技研工業のアメリカ合衆国現地法人であるHonda R&D Americas, Inc.(HRA,所在地:カリフォルニア州)でデザインされ、Honda of America Mfg., Inc.(HAM)のイーストリバティ工場(所在地:オハイオ州)にて生産されていました。
デザインはビーチにあるライフセーバーが詰めるライフガード・ステーションをキーコンセプトとしており、車の全長は10フィートのサーフボードを積めることを条件として決定されるなど、こだわりが見える。
ドアには、観音開きスタイルを特徴としており、後席のドアは「サイドアクセスゲート」「サイドカーゴドア」と呼ばれ、法律の制約から前席のドアを先に開かないと開かないようになっている工夫がされている。
衝突安全面では、ドアがピラー並みに強化され、後席ドアのヒンジは前部ドアの3倍の大きさの鋳造品が採用されていたり、側面衝突時にドアが移動しないようサイドシルに引っかかるフックが設けていたりなど衝突安全性を確保している。
パワートレインには、2.4Lの直列4気筒エンジンを搭載され、駆動方式はFFと4WDになっており、トランスミッションには5速MT、4速AT、5速ATが設定されています。(日本仕様は4WDに4速ATのみの設定)
北米ではそこそこの人気が出ていましたが、日本市場では観音開きドアと、安っぽく見えるデザインがあまり支持を得られず、2年少々で輸入販売は打ち切られてしまった。
現代では、マツダのMX-30では観音開きだし、樹脂パーツを多く使っているSUVが多いことから、エレメントは登場するのが早かったと言えるだろう。
エレメントの中古価格は、39.9万円~228.8万円(2022年4月14日現在)
日産
ラシーン
ラシーンは、1994年~2000年まで販売されていた、クロスオーバーSUVです。
筆者もこのラシーンについては、イメージキャラクターにドラえもんを起用したテレビCMが印象的で、「どーこへー行ったんだろう~♪」という歌のフレーズが、今でも忘れていないほどのインパクトでした。
全グレードがビスカスカップリングを用いたフルオートフルタイム4WDシステムを採用していて、エクステリアデザインもSUV風だが、ラシーンは雰囲気を楽しむためのクルマとなっており、開発時に激しい不整地走行は想定されていないのも面白い点だ。
パワートレインには、1.5Lの直列4気筒エンジン、1.8Lの直列4気筒エンジン、2.0Lの直列4気筒エンジンの3種類があり、トランスミッションには4速AT、5速MTが設定されています。
キャンプアニメの「ゆるキャン△」にも、ラシーンと思われる愛車が度々登場し、実写ドラマでは青色のラシーンが登場していて、このブルーカラーは「ドラえもんブルー」と称され、中古市場で高い支持を集める大きな理由となっている。
まさに、悪路走行などを走らずオンロードに特化したラシーンは、現代で出ていれば流行間違いなかったと言える。
ラシーンの中古価格は、23.0万円~350.8万円(2022年4月14日現在)
さいごに
お気に入りのクルマは見つかったでしょうか?
懐かしさを感じた方もいらっしゃったのではないでしょうか?
筆者の個人的には、ホンダのエレメントが今でもカッコいいスタイリングを持っており、現代でも通用するデザインだと思います。
その当時では不人気でも、今見るとかっこよく利便性や意外性も見せてくれる一昔前のSUVが流行ってくるだろう。
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