「ピー(電子音)!ETCカードが残っております!」と、ETC車載器にETCカードを差し込んだままクルマのエンジンを切ると、アナウンスしてくれるETC車載器はポピュラーなものになっています。
※他にも、電子音を発しETCカードが残っていることをお知らせするETC車載器もあります。
いつも聞き慣れたアナウンスをよそに、抜き忘れてしまったり、そもそも抜くのが面倒でETCカードを差し込んだままという方も多くいらっしゃると思います。(筆者は、以前は後者の差し込んだままにしていました)
実は、こういったETCカードを差し込んだままですと、様々な弊害が起こりうることがあるのです。
今回は、ETCカードを毎回抜いたほうが良い理由についてお話します。
楽天で1位を獲得したLEDヘッドライトはこちらETCカードは熱に弱く、高温となる夏場では特に注意が必要
ETCカードの抜き忘れアナウンスは、意外にも重要なアナウンスだった。
ETCカードは、一般的なクレジットカードと同様、素材にはプラスチックで出来ていることがほとんどで高温環境での保管を想定して作られていません。
プラスチックは、熱に弱く約50度を超えるとETCカード自体が変形してしまう恐れがあり、変形したETCカードをETC車載器に入れっぱなしにすることで、「読み取り不良」、「無線能力の低下」、「出力パワーの低下」が引き起こり、アンテナ通信ができなくなってしまいます。
また、カード内に埋め込まれている「ICチップ」部分はとくに熱に弱く、動作保証温度は45度から50度前後とされているのです。
もし、これ以上の高温になってしまうと、熱収縮によりICチップと電極の接合部が壊れてしまうことがあり、ETCカードを車載器に入れても読み込むことができずに、正しい動作ができなくなる恐れがあります。
一方で、ETC車載器は車内の設置を想定して設計されているため、ある程度の高温でも耐えられるようになっていますが、猛暑日が普通となってしまった現代では、いくら高温でも耐えられる設計になっていたとしても、故障や劣化に繋がる恐れも考えられます。
JAF(日本自動車連盟)のテストによると、白色ボディからのミニバンにおいて車内平均気温47度、車内最高温度52度、ダッシュボード最高温度79度という結果が出ており、黒色ボディになるとさらに5度~6度高くなるという結果になっています。
よって、ダッシュボードに設置するタイプや、フロントガラスに貼り付けるタイプの車載器は、夏場であるとすぐに高温になり、すぐにETCカードのICチップの動作保証温度となる45度前後を軽々超えてしまうので、車載器にETCカードを差し込んだままですと、故障の原因になることが容易に分かります。
夏場でのETCカード、ETC車載器の故障を防ぐ方法とは?
夏場のETCカードの故障を防ぐ方法は、ずばり『毎回忘れずにETCカードを車載器から抜き取ること』に尽きます。
これまで、以前の筆者のように面倒で差し込んだままの方は、今すぐに毎回抜き取る習慣を意識していくことが大切でしょう。
ETC車載器を猛暑による故障から守るためには、『設置場所を考慮すること』が大切です。
高温になりがちな、フロントガラスやダッシュボードに設置するのではなく、「運転席の足元」や「コンソールボックス内」、「グローブボックス内」などが望ましいと言えます。
フロントガラスや、ダッシュボードに設置すると直射日光をまともにくらってしまうのと、人目に付きやすく車上荒らしをされる原因にもなりやすいからです。
この様な背景もあり、新車の純正ETC車載器の取り付け位置は、直射日光を浴びにくく且つ人目に付きづらい場所に設置しているのです。
劣化や故障以外にも、車上荒らしによる盗難被害の軽減にも
一般財団法人ITSサービス高度化機構が運営する「ETC総合情報ポータブルサイト」では、「ETCカードはクルマを降りる際に必ず抜き取ってください」と明記されていることから、ETCカードを車内に置いておくことは推奨されていません。
これまで話してきた、故障や劣化以外にも「盗難」のリスクを考えていかなければなりません。
某クレジットカード会社の担当者によると、「ETCカードを車内に置くことが習慣化しているなかで、盗難被害にあった場合には利用者側の『重大な過失』にあたる可能性もあり、補填対象外と扱われる可能性もあります」と話しています。
もし、盗難にあったとしても自分の過失じゃないと思っていると痛い目に合うかもしれません。
どっちにしろ、盗難にあった場合には各所に連絡をして対応しなければならないので、余計な手間がかかり効率的ではなさそうです。
ETCカードの盗難による紛失や、故障した場合に再発行をしなければならないし、場合によっては発行手数料がかかってしまうこともあるので、特に夏場は注意が必要なのと冬場でも盗難の観点からETCカードは必ず抜き取ることを推奨したい。
さいごに
ETCカードはクレジットカード同様、ICチップなども搭載していることから熱に弱いことが分かりました。
ついつい、面倒で差し込んだまましている気持ちも分かりますが、ここまで話したことを鑑みれば、ETCカードは必ず抜いたほうが良いでしょう。
どんどん劣化していき、いざ使いたい時に故障で使えなくなってしまうと、困ってしまいます。
特に、現代では異常気象が多く、猛暑日が継続した日数を更新するなど暑い日が続くこともあることから、故障リスクは高まっていくと思われます。
故障だけではなく盗難リスクも大いに考えられるので、ETCカードは抜き取る習慣をつけるようにしましょう。
筆者のように、これまで差し込んだままにしていた方は、使う時に差し込み忘れも考えられるので、クルマの鍵と同じ場所にETCカードも保管していると差し込み忘れを回避することが出来るでしょう。
他にも、財布にしまっておくなど、常に携帯しているようにするのも1つのやり方でしょう。
安心にクルマを運用していくためにもETCカードの取扱に注意しましょう。
この記事の参考URL:https://kuruma-news.jp/post/533792
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