メルセデスベンツ EQA(Mercedes-Benz イーキューエー)は、2021年に発表されたEQCに次ぐEV車のコンパクトSUVとなっている。
2020年に登場した新型GLAクラスがベースとなっており、GLAの優れた機能をすべて取り入れた上で、高効率の電動パワートレインを享受したモデルとなっている。
EQCを皮切りに今回紹介するEQA、さらには現時点でフラッグシップモデルとなるEQSが発表されたばかりで、メルセデスベンツのEV車のリリースが急速に広がっている。
現状のラインアップでは、EQAがエントリーモデルとなっておりボディサイズもGLAと比べると全幅は変わらないものの、全長が50mm長いので、居住性の快適性などにつながり都市部において扱いやすいボディも魅力的である。
それでは、今回はメルセデスベンツEQAについて紹介します。
EQAの価格は
グレード | バッテリー容量 | 駆動方式 | WLTCモード一充電走行距離 | 価格 |
EQA250 | 66.5kWh | FF | 422km | 640万0,000円 |
EVらしい先進的でラグジュアリーを演出するエクステリアデザイン
全体的なフォルムには、角のないなめらかな曲面によって構成されるダイナミック感と先進性が融合している。
フロントフェイスには、EV車であることを主張する大面積のブラックパネルを配し、ヘッドライトには両端から横長につながるDRL(デイタイムランニングランプ)が、メルセデスEVの共通デザインとなっている。
テールランプにも同様、横長につながるLEDによってワイド感と先進性をイメージさせる。
ホイールデザインにも、専用のデザインが採用され電気自動車らしい独特なデザインがされている。
ドライバーの感性を揺さぶる近未来的なインテリアデザイン
乗り込んですぐに目に入るコックピットディスプレイには、車速や出力&回生レベル、バッテリー残量などの走行状況がひと目で分かるので、実用性に優れている。
エアコン吹出口には、ジェットエンジンのタービンを連想させるスポーティなデザインとなっており、助手席側のインテリアトリムにはエアコン吹出口同様、アンビエントライトに連動するバックライトによって新世代のメルセデスを演出する。
シートには、EQA専用デザインとなるローズゴールドとチタニウムグレーパールのツートンによるレザーシートによって、最先端のeモビリティを感じさせるデザインになっている。
電気自動車ならではのスムーズで爽快感を味わえる走行性能
高性能パワートレイン
EQAの駆動方式はFFとなっているので、フロントに最高出力190PS、最大トルク37.7kgf・mを発生する非同期式高性能モーターを搭載。
走り出した瞬間から反応するレスポンスと力強さを感じるトルクによって、運転者の思いのままのスムーズで爽快感を感じる加速を実現した。
大容量高電圧バッテリー
EQAに搭載されるバッテリーは、66.5kwhの容量を持つリチウムバッテリーを搭載。
さらにバッテリー温度を常に適正にするため、水冷システムを採用し安定したパフォーマンスを発揮するのに役立っている。
薄型のバッテリーを前後アクスル間のフロア中央に配置することで、車両の低重心化にもつながっている。
航続距離については422kmとなっており、ロングドライブ時でも安心して乗ることができる。
回生ブレーキ
運動エネルギーを電気エネルギーとしてバッテリーに蓄える回生ブレーキ機能を搭載しています。
回生ブレーキの強さは、パドルシフトにより4段階での切り替えを可能とし、最も強い「D–」の状態では、アクセルオフによって十分な制動力が得られるので、ブレーキを踏むことなくアクセルペダルのみで自在に速度調整ができる。
これは筆者もホンダの「Honda e」に試乗したときに、ワンペダル走行も試してみたが、アクセル/ブレーキの踏み変えをしなくても慣れてしまうと従来の方式では煩わしいと感じてしまうほどだ。
※ワンペダル走行時、アクセルオフのみでは完全に停止できません。
サスペンション
思いのままのハンドリングを実現し、長距離走行時でも高度な快適性によって疲労軽減につながる、コンフォートサスペンションを標準装備しています。
AMGラインを装着すると、アダプティブダンピングシステムを設定することが可能で、走行状況に応じて各輪のダンピングを最適に連続可変制御を行うので、さらなる快適性の向上と、ダイナミック感を両立している。
普通充電、急速充電のどちらにも対応した充電システム
自宅などの普通充電(AC200V)はもちろん、高速道路のサービスエリアや商業施設などに設置されてる、急速充電(CHAdeMO)に対応した充電システムを搭載している。
例えば、90kWタイプの急速充電の場合、約45分の充電でフル充電が可能となっているため、高速道路での休憩中や買い物ついでに充電をすることが可能。
また、自宅などでは、メルセデスベンツの提供する充電用ウォールユニット(30A)であれば、約11時間でフル充電が可能となっている。
Electric Intelligence ナビゲーション
Electric Intelligence ナビゲーションとは、EQAの充電状況及び気温情報をはじめ、勾配情報や充電ステーションの位置情報を総合的に判断し、走行中にどこで充電すべきかも含めた、適切なルートをオンラインで探索します。
MBUXまたはMercedes meアプリで利用することができるので、いつでも確認できるのが魅力的である。
充電ステーション情報
充電ステーションの位置や詳細、空き情報などのリアルタイム情報をMBUXまたはMercedes meアプリの地図上に表示します。
Mercedes meアプリから、目的地をMBUXに送信することができるので、休憩時などでもスマートに検索できます。
徹底した事故調査から生み出される安全技術
万一の衝突時でも、高電圧バッテリーをしっかり守る構造を採用しています。
事故のダメージが大きい場合でも、高電圧システムを自動でシャットダウンするので、二次被害を抑える事ができます。
高電圧バッテリーの安全性
高電圧システムの損傷防止構造
バッテリー周囲を強固なフレームで囲み、フレームとバッテリーの間には側面衝突時の衝撃を効果的に吸収する衝撃吸収素材を配置している。
さらにバッテリー前部のプロテクションシールドが、衝突時の他の車両や部品などの侵入による損傷を防止し、高電圧システムの損傷によるショート等の二次災害を防ぎます。
事故の際の高電圧システム停止機能
メルセデスベンツならではのマルチステージの安全コンセプトを採用しており、高電圧システムは事故の際に自動的に停止して、乗員及び救助員を感電の危険から守ります。
さらに、救助員が手動で高電圧システムを停止できるようにシャットダウンポイントも設定し、また、バッテリーの急速充電中に衝撃を検知した際には、自動的に充電プロセス及び高電圧システムを停止するシステムとなっている。
バッテリーの安全機能
日々安心して使っていただけるよう、バッテリー自体にもマルチステージの安全コンセプトが適用されており、温度、電圧、絶縁の状態を常に監視し、万一問題が発生した場合はバッテリーを回路から遮断するので、危険な過熱や過電流を防止する。
7個のSRSエアバッグ
運転席と助手席には衝撃の大きさに応じて展開を2段階に制御するデュアルステージ式SRSエアバッグとSRSサイドバッグを装備しています。
さらにSRSウインドウバッグが側面衝突時における乗員へのダメージを軽減し、運転席には、運転者の前方への移動を防ぎシートベルトの効果を最大限に高めるSRSニーバッグも装備しているため、被害を最小限に抑える。
車両接近通報装置
低速走行時に、歩行者や自転車に対して車両の接近を知らせる電子音を発生させ、車両の接近を音で知らせることで安全性を高めます。
加速時とブレーキング時で音が変化するので、後方から車両が接近する場合でも、歩行者や自転車は音だけで走行状況がわかるように工夫されている。
インテリジェントドライブ
EQAには、前方約250m、側方約40m、後方約80mを検知するレーダー、約90mの3D視を含む約500m前方をカバーするステレオカメラという最先端のセンサーシステムを搭載している。
周囲の状況をより早い段階でより詳細に検知し、事故の回避や被害軽減などを図ることで、メルセデスの最高峰Sクラスと同等の、世界最高水準の安全性能を実現する。
アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(自動再発進機能付)&アクティブステアリングアシスト[全車標準装備]
高速走行から渋滞時まで、ステアリングに手を添えているだけで、自動加減速とステアリングアシストで、前走車との最適な距離を維持しながら、車線もキープするので運転者の疲労を大幅に軽減し、安全性向上に貢献している。
※作動速度範囲:0~約200km/h
※設定可能速度範囲:約20~200km/h
※ アクティブステアリングアシスト作動速度範囲:0~約210km/h(車線が不明瞭な場合:0~約130km/h)
アクティブレーンチェンジングアシスト[全車標準装備]
移動したい車線側の方向へウインカーを点滅させるだけで、自動で車線変更するため高速道路での追い越しなどが簡単に行える。
※作動速度範囲:約80~180km/h(一般道では利用不可)
※アクティブステアリングアシストがONのときに作動します。
※車両が高速道路上と認識している場合のみ作動します。
※車線情報はMBUXのナビゲーション機能によって提供されます。
アクティブエマージェンシーストップアシスト[全車標準装備]
一定時間以上両手がステアリングから離れているのをシステムが検知すると、警告音が鳴り、運転者が反応しない場合は、さらに警告音を鳴らしながら、緩やかに減速して完全に停止する。
※アクティブステアリングアシストがONのときに作動します。
※作動条件及び減速力は、道路状況や運転速度の状況により左右されます。
緊急回避補助システム[全車標準装備]
前方にいる車道横断中の歩行者との衝突の危険があるときなどに、回避しながら走行車線にスムーズに戻れるよう運転者のステアリング操作をアシストするので、とっさの回避操作が安心して確実に行える。
※作動速度範囲:約20~70km/h
※緊急回避補助システムはドライバーがステアリングの緊急操作を行うことで作動する機能です。自動的には作動しませんのでご注意ください。
アテンションアシスト[全車標準装備]
高速道路で長時間にわたる運転を行っているときなどに、疲労レベルを知らせます。さらに運転者の疲労や注意力の低下を検知すると、警告音とともに休憩を促すメッセージをマルチファンクションディスプレイに表示します。
※作動速度範囲:約60~200km/h
アクティブブラインドスポットアシスト(降車時警告機能付)[全車標準装備]
斜め後方の死角にいるクルマや自転車に気づかずに車線変更しようとすると警告や自動補正ブレーキが作動し危険回避をサポートします。
さらに停車時に、後方から接近するクルマに気づかずにドアを開けようとすると、インジケーターと音で警告します。
※作動速度範囲:約12〜200km/h(降車時警告機能は停止時)
※自動コース修正作動減速範囲:約30~200km/h
MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス)
従来のMBUXの機能に加え、自然対話式音声認識機能では、「あとどれくらい走れる?」「近くの充電ステーションを探して」といった、電気自動車ならではの質問にも対応している。
さらに、前席乗員のジェスチャーを読み取る機能も搭載しているため、直感的に操作することができる。
MBUXインテリアアシスタント
前席乗員がメディアディスプレイに手を伸ばすと、どちらの乗員が手を伸ばしたのかを認識して、事前に登録したお気に入り機能を呼び出すことなどができます。
自然対話式音声認識機能
「ハイ、メルセデス」とクルマに話しかけるだけで起動し、「少し暑い」「カフェに行きたい」など、普段の会話のように話しかけるだけで、車両設定やインフォテインメント機能が簡単に操作できる。
無料で利用いただける期間:3年(オンラインでの音声認識機能のみ)
タッチインターフェース
センターディスプレイのタッチスクリーンとセンターコンソールのタッチパッドでは、指先でセレクト、スワイプ、拡大などが可能なので、インフォテインメントのすべての機能がスマートフォンのように素早く簡単に操作ができる。
インターネット情報表示地図機能
ナビゲーションの地図上に、料金情報付のガソリンスタンド、天気情報などを表示する。
※無料で利用できる期間は3年
パーソナライゼーション機能
普段乗るクルマ(MBUX搭載車)の車両設定やナビゲーション設定をサーバーに保存することで、他のクルマ(MBUX搭載車)を運転する際などに、普段乗っているクルマの情報をダウンロードして、普段と同じドライビング環境を簡単に設定することができる。
また、同じクルマで家族のプロフィールを複数保存することが可能となっている。
※無料で利用できる期間は3年
予測提案機能
勤務先やよく立ち寄るお店など、普段の行動を学習し、目的地の候補として自動で提案し、ナビゲーションしてくれます。
さらに、いつも聴いているラジオ局なども提案する。
革新のハードウエア
高精細なディスプレイと高速演算テクノロジーを採用する事で、すべての動作が素早く快適に行われる革新のハードウエアを搭載している。
EQAに対応したピレリ製のスタッドレスタイヤ、ホイールセットになります。
さいごに
EQAはいかがだったでしょうか?
メルセデスベンツEQシリーズのエントリーモデルにあたるEQAですが、価格帯も600万円台となっており既存のガソリン車やディーゼル車と大幅な価格差がないため、検討している方にとっては手の出しやすい価格帯が魅力だと感じた。
最高出力や最大トルクも申し分なく、航続距離や急速充電による充電時間の早さは、実用性を最大限に活かされているので、初めての電気自動車としては、不便を感じず乗ることができるだろう。
日本を含む世界情勢的に今後、電気自動車がメインとなってくるのが予想されるため、いち早く時代にのるにはEQAから始めてみるのはいかがだろうか?
それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました。
参考URL:https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/mercedes-benz-cars/models/eqa/eqa/explore.html
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