クルマを所有していると、必ず受けなくてはいけないのが「車検」です。
車検時期を確認するには、車検証に記載されているのと、乗用車であればフロントガラスの上部に貼られている、いわゆる「車検シール」によって車検時期が分かるようになっています。
車検証を見なくても、クルマのフロントガラスに貼られているシールを見るだけで、次の車検時期が分かる便利なものですが、その中でも車検の受け忘れによって、車検が切れている状態で走っているクルマが少なからず存在しています。
このような事例を防止する為に、国土交通省は車検シールの貼付位置について変更することを明らかにしました。
どのように変更されるのか、詳しくお話します。
車検シールとは?これまでのルールについて
車検シールの正式名称は、「検査標章」と言い、クルマの新規登録(初回の車検)時や、乗用車であれば2年毎(登録状況によっては毎年)に行う車検(自動車検査登録制度)に通ったクルマに交付され、車検シールには車検満了の「年号」と「月」が数字で表されており、確認することができます。
現状の車検シール貼付位置には、道路運送車両法施行規則第37条の3では「検査標章は、自動車の前面ガラスの内側に前方から見易いように貼り付けることによつて表示するものとする」と定められています。
さらに、より具体的な貼付位置については、車検業務の実施要領を定めた通達によると、「車室内後写鏡(ルームミラー)を有する自動車はその前方の前面ガラスの上部」、もしくは前面ガラスの上部が着色されている場合「下方にずらした位置」と提示されていることから、一般的にルームミラーの裏側に貼り付けられているケースが多いと言えます。
しかし、このルームミラーの裏側に貼り付けられていることで、運転席や助手席からは体を傾けないとシールが見えないことも車種によってはあり得るので、この状態だと車検シールが身近なものとは言いづらいかもしれません。
ちなみに、筆者の愛車フォレスターをはじめSUBARU車では、助手席側上部の車両中心から一番遠い場所(角の部分)に貼付されており、あくまでも筆者の予想だが、ルームミラー上部に運転支援システムのアイサイトの2眼カメラが搭載されていることから、システムの異常が起きないように敢えてカメラ周りには貼付しない。という意図があるのだろうと思います。
変更される車検シールの貼付位置の検討について
今回、車検シールの貼付位置の変更に関しては、現状ですとルームミラーの裏側に貼付されていることで、確認しづらいこともあり、そのまま無車検のまま運行するのを防ぐために改正を検討していて、意見を徴している段階になっています。
変更する位置については、「前方かつ運転席から見やすい位置として、前面ガラスの運転席側上部で、車両中心から可能な限り遠い位置」で検討が進められていることから、「見やすく」かつ「視界を妨げない位置」ということを重点的に考えているようだ。
具体的な法改正のスケジュールは、2022年8月に改正し、2023年1月に施工が予定されている。
なお、現在は6月22日から7月22日の1か月間には国土交通省のホームページにて検査標章の貼付位置の見直しに関する意見の募集が行われているので、参加したい方は国土交通省のHPにアクセスし意見を述べれば、あなたの考えが反映されるかもしれません。
さいごに
今まで当たり前のように行われていたものが、このように改正されることで、少しでも無車検運行をなくすことが出来るので、良い改正になると思います。
特に、最近の新型車では運転支援システム搭載者が増えていることもあり、運転支援システムのカメラ周りに異物を置く(貼る)ことで、カメラの誤作動を減少させる意味合いにも大きく寄与するのではないかと考えております。
これから、運転支援システムがどんどん進化していく事は間違いないので、今からこのような取り組みが行われているのは、運転支援システムの向上にもつながると思います。
上述したように、愛車のフォレスターはすでに納車されたときから助手席側に貼られていたので、助手席側の見やすい場所に貼ることで運転席側には一切遮るものが無くなるので個人的には助手席側に貼付するのが最適だと思いました。
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