ホンダを代表する、FFスポーツといえば「シビックタイプR」だが、2020年10月9日にマイナーチェンジ版の販売とと2020年11月30日には、国内200台限定の「Limited Edition」の販売開始がアナウンスされた。
シビックタイプR(CIVIC TYPE R)は、1997年に初代モデルが登場し、ハッチバック型の形状を持っていたが、3代目のフルモデルチェンジした車両から4ドアセダン(欧州仕様のシビックタイプRユーロはハッチバック)となり、それ以降5ドアのモデルへと変化していった。
現行である5代目は2017年に登場し、4代目の販売終了(完売)以来、約1年半ぶりの投入となり今回5代目のマイナーチェンジモデルを販売する事となった。
2017年4月、4代目に引き続きドイツ・ニュルブルクリンク北コースにおいてタイムアタックを敢行し、当時FF市販車最速であったフォルクスワーゲン社のゴルフGTIクラブスポーツSの7分47秒19を破り、7分43秒80を記録しFF市販車世界最速の座を奪還した、リアルスポーツカーとして世界を驚かした。
今回のマイナーチェンジによって、様々な箇所に改良を施しさらなるスポーツの高みへと変貌している。
それでは、シビックタイプRについてお伝えしていきます。
シビックタイプRの価格は
グレード | 価格 |
TYPE R | 475万2,000円 |
TYPE R Limited Edition | 550万0,000円 |
- 見るものを圧倒するエクステリアは空気抵抗やマイナスリフトを追求したエアロフォルム
- 乗り込んだ瞬間に心昂ぶるインテリア空間
- タイプRの名に恥じない優れた走行性能の数々
- レーダーとカメラで危険を検知する、先進の安全運転支援システム Honda SENSING
- 自車の安全はもちろん、他車や歩行者傷害軽減を促す衝突安全性能
- ゆとりのあるラゲッジスペースで利便性も向上
- Limited Editionの専用装備
- さいごに
見るものを圧倒するエクステリアは空気抵抗やマイナスリフトを追求したエアロフォルム
見る者全てに鮮烈な印象を与えるエクステリアには、先進のエアロダイナミクスに裏打ちされている。
超高速域まで強力なダウンフォースを得るために、CFD(流体解析)や風洞実験を繰り返し、さらにニュルブルクリンクやアウトバーンなどの実地走行を幾度となく行いながらエアロパーツを吟味・検証した。
優れたCD(空気抵抗)値を実現しながらCL(揚力)のマイナスリフト化を達成している。
乗り込んだ瞬間に心昂ぶるインテリア空間
赤を効かせたエネルギッシュな空間は、走りに没頭するオーナーを高揚感で包み込むために設計されました。
強力なコーナリングGやブレーキGまで運転者の操縦姿勢をしっかり保持するTYPE R専用シートを設け、操舵感にこだわったDカットタイプのTYPE R専用ステアリングホイールを採用。
ストップウォッチやレブインジケーターなど独自のコンテンツを盛り込んだ専用メーターに、カーボン調パネルとメタリックな赤の輝きも、コクピットをスポーティーに演出します。
スポーティなドライビングポジション
操る悦びを思う存分、堪能するために、フロントシート位置を低く設定し、車両と一体感のあるスポーティーなドライビングポジションを実現しました。
さらにフロントフードを下げ、爽快な視界も確保しているのも特長だ。
TYPE R専用シート
専用設計のHonda TYPE Rシートは、胸郭や大腿部をサポートするワイヤを設け、大きな「面」を作り出すことで高速旋回時の横Gや制動時の前Gから運転者を効果的にサポートします。
さまざまな体格の方がスポーティーな姿勢で運転できるホールド性能を実現し、また、座面には高密度ウレタンを使用し、疲れにつながる底づきを低減しています。
TYPE R専用ステアリングホイール
優れたグリップ感をもたらすアルカンターラを使用したTYPE R専用設計のステアリングホイールはDカットタイプを採用しています。
さらにスポーティーな操舵感にフォーカスし、形状や断面、ステッチの位置など細部までこだわり抜き、低・中速でのダイレクトなレスポンスと高速スタビリティーを両立しつつ、ロックtoロックをクイックな2.1に設定しています。
タイプRの名に恥じない優れた走行性能の数々
全域高性能TYPE R専用2.0L VTEC TURBOエンジン
運転者を駆り立てるTYPE R最高の動力性能を目指して搭載したのは、高出力かつ高レスポンスの2.0L VTEC TURBOエンジン。
最大出力は、235kW(320PS)/6,500rpm、最大トルク400N・m(40.8kgf・m)/2,500rpm-4,500rpmと圧倒的なパワーを絞り出す。
アクセルを踏んだ瞬間、シートに背中を押しつけられるような加速Gが立ち上がり、低回転からピークまで胸のすく吹け上がりが続きます。
低慣性モノスクロール・ターボチャージャーに加えて、多段噴射インジェクターによる直噴システム、フレキシブルな過給圧制御が可能な電動ウェイストゲートを採用し、過給レスポンスを高めるとともに燃費性能も追求しています。
シビックタイプRの燃費は、WLTCモード13.0km/L。
出力とレスポンスを高次元で高めるVTC&VTECテクノロジー
出力とレスポンスを押し上げるため、排気側にVTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)を、吸排気双方にVTC(連続可変バルブタイミング・コントロール機構)を採用することで、バルブオーバーラップ量を広範囲かつ緻密に制御することで、低回転域での高トルクでハイレスポンス、全開領域での高出力化を達成しています。
機関系には徹底した軽量化を図り、鋭いレスポンスと吹け上がりを享受する
回転・往復運動部品では、超軽量クランクトレーンの採用など徹底した軽量化を実施しました。
コンロッドの棹部は熱間鍛造と冷間鍛造を組み合わせるHondaの特許技術によって高強度化を施し、また、軽量アルミ製ピストンを採用し、カウンターウェイトを軽量化することで鋭いレスポンスで吹け上がる高回転エンジンを実現しています。
限界領域での安定した走りに、冷却性能にも抜かりなく技術を投入
高負荷、高回転時においても安定したパフォーマンスを発揮するためには、高度な冷却技術も欠かせません。
新採用した大開口グリル、放熱効果に優れた細かいフィンピッチのラジエターが効率的にエンジンを冷却します。
内部に環状の冷却油路を設け高負荷時のピストン温度を下げるクーリングチャンネル付ピストン、ナトリウム封入エキゾーストバルブ、水冷エキゾーストマニホールドなどにより、効果的にエンジン各所を冷却し、燃焼効率と耐ノッキング性能を高めています。
動力性能を最大限引き出す6速マニュアルトランスミッション
エンジンのポテンシャルを余すことなく活かし切るために、6速マニュアルトランスミッションを採用し、1~6速で専用クロスレシオを設定しています。
ファイナルギア比をローレシオ化し、全域で圧倒的な加速性能を引き出し、また、軽量シングルマス・フライホイールの採用により、抜群のアクセルレスポンスを獲得しています。
アルミ削り出しのシフトノブは握りやすいティアドロップ形状に変更し、中央に内蔵したスチール製のカウンターウェイトを含め、シフトノブに90gのウェイトを付加することで抜群のシフトフィールを誇ります。
シフトストロークは40mmとし、シフトチェンジが小気味よく決まる滑らかな操作感を実現している。
回転数を自動シンクロするレブマッチシステム
変速操作に合わせて、まるでヒール&トゥを決めたかのようにエンジン回転数を自動でシンクロさせるレブマッチシステムをHonda車として初めて採用しました。
MT初心者でも操る歓びを満喫でき、熟練者にはより精緻なハンドル操作やブレーキングに注力したドライビングが可能となります。
シーンに合わせたドライブが愉しめる、3つのドライブモード
COMFORT(コンフォート)
街中や、ロングドライブなどの日常シーンでスポーティな走りを満喫できるモードで、リラックスして運転できる滑らかな操縦感覚と、一緒にドライブを楽しむ同乗者にも快適な乗り心地を実現しています。
SPORT(スポーツ)
レッドを効かせたスポーティなメーター演出とともに、街中からワインディングロードまで、フラットな乗り味とリニアなハンドリングで、心高ぶる走りを堪能できます。
+R(プラスアール)
レスポンシブな変速とダイレクトなハンドリング、そして卓越したロードホールディング性を発揮します。
高揚感と集中力をさらに高めるレーシーなメーターデザインが印象的で、タイムを競うサーキットで極限の走りに集中できるモードとなっている。
強力なエンジンパワーを受け止めドライバーの意志に応えるボディコントロール性
強固なインナー骨格をもつ新開発高剛性プラットフォームに軽量アルミ製フロントフードを組み合わせ、ヒップポイントを低く設定するなど徹底的に低重心化を図っています。
大きく確保したホイールベース/トレッドをベースに、エンジンやバッテリーをより後方に搭載させ、フロントサス各部のアルミ化など最適な重量配分を追求し、足回りを中心に専用設計を惜しみなく投入することで、4輪が路面に吸い付くような確かなボディーコントロール性を獲得しています。
TYPE R専用デュアルアクシス・ストラット・フロントサスペンション
フロントサスには、転舵軸(ナックル)と路面からの入力軸(ストラット)という機能の異なる2つの軸を持つデュアルアクシス・ストラット式を採用しています。
トルクステアを大幅に低減し、キレのある正確なハンドリングを実現し、さらにアーム部をアルミ製とするなど徹底的に軽量化を図っています。
TYPE R専用マルチリンク・リアサスペンション
リアサスには、複数のアームをもつマルチリンク式を採用し、サブフレームを介しボディーに結合させています。
様々な入力に対しタイヤの設置状態を最適に保つ高い剛性とジオメトリー特性を有しています。
さらに、スタビライザーバネレートをベース車比2.4倍としたほか、すべてのアームやブッシュ類もTYPE R専用で剛性アップを施し、圧倒的なスタビリティーを実現してます。
アダプティブ・ダンパー・システム
運転者の操作やsy料状態を検知し、各ダンパーの減衰力を独立して電子制御するアダプティブダンパーシステムを採用しています。
伸び、縮みともに広い可変幅を有し、四輪の減衰力を1/500秒単位で制御します。
バネ上制振制御、四輪の荷重変動を抑制する制御に加え、ロール/ピッチをきめ細かくコントロールし、優れた旋回応答性と吸い付くようなライントレース性を実現します。
デュアルピニオンアシストEPS
ステアリングホイールの回転を直線方向の動きに変換するピニオンを2ヵ所に設置し、また、可変ステアリングギアレシオをTYPE R専用とし、高速走行での安定感や、限界走行時のダイレクト感やリニアリティーを最適化しています。
ドライブモードごとにアシスト特性を変更し、COMFORTモードではスムーズな、+Rモードではダイレクトなステアフィールを実現しています。
アジャイルハンドリングアシスト
アジャイルハンドリングアシストとは、四輪のブレーキを独立して制御することで車両挙動をコントロールするシステムとなっており、高G領域まで制御を行うことでライントレース性を高め、運転者の意思に忠実なハンドリング性能を追求しています。
また、コーナーの立ち上がりにおいても、内輪のスリップ量を抑えることでLSDの作用を適正化し、トラクション性能を向上させています。
ブレーキシステム
限界領域でも高い制動力を目指し、フロントにはBrembo社製モノブロックアルミ対向4ポットキャリパー+φ350mm大容量2ピースディスク、リアにはφ305mmディスクブレーキを搭載しています。
日常走行ではダイレクトでリニアなコントロール性をもたらし、高速領域では熱によるディスクの傾きを大幅に抑制し、ヘアピンやシケインでも強大なストッピングパワーを発揮します。
高剛性タイヤ&20インチアルミホイール
TYPE Rとしてのさらなる運動性能進化を目指し、大径化および低扁平化した20インチタイヤと軽量・高剛性アルミホイールを採用している。
路面に食いつくようなグリップ性能とダイレクトな操縦性能を発揮する専用開発の高剛性ハイパフォーマンスタイヤは、内側と外側のトレッドパターンにより、ドライ・ウェットいずれのシーンでも最適な接地性能を実現しています。
トリプルエキゾーストシステム
高出力に対応する2本の大流量メインパイプに加え、エキゾーストノートを演出するセンターテールパイプを装備しています。
アクセルを踏むほどに湧き上がる気持ちの良いスポーツサウンドを実現しています。
ホンダシビックタイプR FK8用 無限パフォーマンスダンパーになります。
レーダーとカメラで危険を検知する、先進の安全運転支援システム Honda SENSING
衝突軽減ブレーキ(CMBS):車両や歩行者との衝突回避を支援
歩行者事故低減ステアリング:歩行者との衝突回避を支援
路外逸脱抑制機能:車線を検知し、はみ出さない様に支援
アダプティブクルーズコントロール(ACC):適切な車間距離を保ち、運転負荷を軽減
車線維持支援システム(LKAS):車線名を走行できるようにステアリング操作を支援する
先行車発進お知らせ機能:停車時に、先行車が発進したことをお知らせ
オートハイビーム:対向車や先行車を検知し、ハイ・ロービームを自動で切り替えます
標識認識機能:標識の見落とし防止を図り、安全運転を支援
滑りやすい路面や急ハンドル時に起こる横滑りを制御するVSA
ブレーキ時の車輪ロックを防ぐEBD付ABS、加速時などでの車輪空転を抑えるTCS、旋回時の横すべり抑制する3つの機能を制御し、クルマの姿勢の安定化を図ります。
ヒルスタートアシスト機能
坂道発進時、ブレーキからアクセルへ、ペダルを踏み替える瞬間のクルマの後退を約1秒間抑制し、スムーズで安心して発進することができます。
自車の安全はもちろん、他車や歩行者傷害軽減を促す衝突安全性能
すべての基本となるボディー骨格は、各所に軽量かつ強度に優れた素材を配置することで、優れた衝突安全性能に貢献します。
また、相手車両や歩行者の安全まで視野に入れ、相手車両に与えるダメージも軽減する「コンパティビリティー対応ボディー」とともに「歩行者傷害軽減ボディー」を採用している。
ポップアップフードシステム
歩行者との衝突を感知すると、ボンネットフードの後部を持ち上げ、歩行者の頭部への衝撃を低減します。
前席用i-サイドエアバッグシステム+サイドカーテンエアバッグシステム
胸部へのダメージを低減するサイドエアバッグと、頭部や頚部を保護するサイドカーテンエアバッグを搭載し、万一の側面衝突に備えて安全性を高めます。
汎用型ISOFIXチャイルドシート下部取付金具+トップテザー取付金具
万一の衝突時、チャイルドシートの前方への移動を効果的に抑制するために、汎用型ISOFIXチャイルドシートを確実・容易に装着できる固定金具をリア左右席に設けています。
ゆとりのあるラゲッジスペースで利便性も向上
ベース車となるハッチバックのユーティリティーはそのままに、大開口とゆとりの荷室を確保しています。
リアには6:4分割可倒式シートを備え、簡単な操作でラゲッジスペースを拡大できます。
横引きカーゴエリアカバー
取り外し可能なカーゴエリアカバーを装備し、使い方に合わせて左右どちらにも取り付けることができます。
収納式のため、リアシートを倒した際、空間をさえぎられることなくラゲッジスペースを利用可能となります。
Limited Editionの専用装備
ボディーカラー[サンライトイエローⅡ]
操る気分を高揚させる、TYPE Rのヘリテージカラー「サンライトイエロー」が現代によみがえります。
さらに、ルーフ、ドアミラー、エアインテークにブラックの専用塗装を施しさらにスポーティに。
専用ホイール&タイヤ
BBS社との共同開発により、圧倒的なリムの薄さと強靱さを実現する専用20インチ鍛造アルミホイールを採用しています。
さらに、サーキットで優れたパフォーマンスを発揮するハイグリップタイヤ「ミシュラン パイロットスポーツCup2」を採用。
専用エンブレム
シリアルナンバー入りアルミ製エンブレムとCIVICエンブレムを、Limited Edition専用のダーククローム仕上げにしています。
※日本仕様のシリアルナンバーは「JPN-001~JPN-200」と刻印される。
軽量化
鍛造アルミホイールに加えて、防音材などを中心に徹底的に軽量化し、軽さと速さを削り出します。
主な軽量化項目
・ルーフライニング防音材
・リアインサイドパネル防音材
・ダッシュボードアウター防音材
・フロントフェンダーエンクロージャー
ホンダシビックタイプR FK8用 スプーンマフラー
さいごに
シビックタイプRはいかがだったでしょうか?
これまでのモデルの時系列を追ってくと、これまでにエンジンやボディ形状を変化していき初代モデルから比べると重量も重くなってきていますが、エンジンにはターボを搭載するなどパワーアップし、シビックタイプRは速く、そして安定的な部分も強化し現代に存在し続けております。
筆者はホンダのクルマ、特にTYPE Rシリーズには特別な思い入れがあり、いつまでも憧れの存在です。
現代ではAT車の普及により、乗用車の販売総数の中でも98%がAT車というデータも出ており、MT車が少ない中でこのような本格派スポーツカーとしてMTにこだわり続けるシビックタイプRは、貴重なクルマと言えるだろう。
200台限定となる、Limited Editionは、シリアルナンバー入りや専用装備も多く採用していることからプレミアが付くのは間違いないだろう。
ホンダのホームページにて商談権の申込みがあるので、手に入れたい方は要チェックしてほしい。
ホンダの軽オープンS660。RRレイアウトによる旋回性と、オープンにして風を感じた走りが魅力的
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