2020年10月30日、行政改革担当大臣の河野太郎氏が、救急車の高速道路利用を無料化するとの発表がありました。
その背景には、患者搬送後に消防署に早く戻れるようにして、次の出動までの時間を短くする狙いとなり、これにより「人命救助に資することになる」と河野氏が述べた。
これまでの救急車や消防車の出動時における高速道路利用について
内閣府によると、現在の救急車の出動に関しては、患者のいる場所や医療機関に向かう時は緊急車両として、高速道を無料で使えていたが、帰り道に関しては、地域によって判断が分かれ、料金がかかることもあり、統一した基準がなく地域によってばらつきがあった。
消防車に関しては、国土交通省の告示で帰り道も無料で高速道を利用できている。
救急車の消防署へ戻る際の高速道路無料化になった背景
河野太郎行政改革相によると、9月の行革相就任後、群馬県の山本一太知事から「消防車と同じ扱いにしてほしい」と問題提起があり、同県から河野氏の直轄チームに派遣された職員らが国土交通省と総務省消防庁と折衝し、全国無料で統一することで合意にこぎ着ける運びとなった。
なお、令和元年中の救急出動件数は、搬送人員とも過去最多にあがり、663万9,751件(対前年比3万4,538件増、0.5%増)、搬送人員は597万7,912人(対前年比1万7,617人増、0.3%増)で救急出動件数、搬送人員ともに過去最多を記録し、上昇傾向にあることから今回の無料化によって効率化が図れるだろう。
さいごに
暮らしの中で、いつ自分や家族、知人などが救急車を要する事態になるのかは誰もが予想できないことであろう。
近年では、高齢化が進み、一人暮らしのお年寄りが増えていることが原因で緊急性が伴わない不適正な119番が目立っているなどのニュースを見るのは、皆さんの記憶の中に新しいであろう。
高齢者だけではなく、中には、「胸が苦しい」と119番をし、救急隊員が駆けつけると、「夜に一人になって寂しくなった」と話した女性や、「病院に行きたいが、酒を飲んでしまった」と救急車をタクシーのように使おうとする人も前例にある。
このような事では、本当に緊急性が必要としている命に関わる患者を救うことも出来なくなってしまうケースも出てくるだろう。
無理をしすぎるのも問題ではあるが、119番通報をする時にはその時の状況をしっかりと判断し、適正な119番通報を心がけたい。
コメント