日本市場のみならず、海外市場でも人気を誇るのがトヨタ自動車の高級ミニバンである「アルファード」だが、2023年6月より販売された4代目アルファード(40系)も例に習い、納期が最大で「5年待ち」となるほど、人気の陰り知らずの状態です。
一般ユーザーはもちろん、ここ数年前から政治家をはじめ芸能人や会社役員の社用車としても、快適な車内空間を誇るアルファードの人気が高まっている中、タレントのダレノガレ明美さんは、10月に納車されたばかりのアルファードが盗難されたとSNSに投稿されたり、テレビニュースでもアルファードの盗難が横行されている報道が多くされているのは、見たことがある方も多いでしょう。
現行型である4代目アルファードの盗難被害が出ている最中、特に旧型である3代目アルファードの盗難被害が急増しているのです。
その背景には、現行型である4代目アルファードの納期が長期化していることから、現物が出回っておらず、そこでタマ数の多い3代目アルファードに目をつける「窃盗集団」による盗難が急増しているのです。
大切な愛車を守るためにできることは、「盗難対策」を強化するしかありません。
今回は、大人気であるアルファードの盗難対策アイテムをご紹介します。
アルファードの盗難対策アイテム4選
ここでは、旧型(30系)に適したものだけではなく、現行型(40系)でも効果の高いアイテムについてご紹介します。
リレーアタック防止ケース
「リレーアタック」とは、アルファードにはもちろん、近年多くの車で採用されている「スマートキー」の仕組みを悪用してクルマを盗難する手口となっています。
スマートキーは、従来のようにクルマのキーを鍵穴にさして回して解錠する必要がなく、クルマのキーを持ってドアノブに触れることでロックが解除できる優れた機能を持ちます。
また、スマートキーを身につけた状態でエンジン(パワー)スタートボタンを押すことで、エンジンをかけることが可能です。(ドアロックの解錠方法やエンジンの始動方法はメーカーや車種によって異なります)
スマートキーとクルマ本体には、お互いの電波を認識するための送信機・受信機が設置されていて、スマートキーがクルマから半径1メートル~1.5メートル程度の範囲に近づくことで、これらの機器が自動的に電波を識別し、ドアロックの解除などが可能になります。
また、エンジン始動の際には、車両ごとに暗号化された固有のものが設定されており、盗難対策として「イモビライザー」というセキュリティシステムとも連携しています。
スマートキーが常に発している電波は微弱なもので、本来なら車に近づかなければ認識されることはありませんが、特殊な機器を使うと微弱な電波をキャッチして増幅させることができ、この電波を車両まで中継することで、ドアロックの解除やエンジンの始動を可能にしてしまいます。
これが、リレーアタックの手口になります。
このように、スマートキーは常に微弱の電波が出ているため、「リレーアタック防止ケース」に、使わないときはスマートキーを入れておくことで、リレーアタックを未然に防止することができます。
リレーアタックは、屋内にいても屋外にいても関係なく、被害に遭うケースもあるので注意してください。
CANインベーダー対策
最近、盗難被害でも主流となりつつあるのが、「CANインベーダー」という盗難方法です。
CANインベーダーとは車内に張り巡らされたコンピュータネットワークに専用の機械をつなぎ、クルマを制御しているコンピューターに侵入して鍵の解除やエンジンの始動を行うという盗難方法です。
最近のクルマはエンジンやモーター、バッテリーなどの各部品を制御するコンピューター(電子制御ユニット)が多く搭載されており、これら自動車内部のコンピューター同士をつないだネットワークのひとつがCANというもので、このCANにバンパー部分などの外部から不正接続してクルマを自由に操ります。
まるでパソコンをハッキングして、パソコンを他人が乗っとるのと同様、他人が侵略することから、インベーダーと名がつけられています。
こういった、CANインベーダー対策には「強力なセキュリティシステム」を導入することで、CANインベーダーによる盗難を防止することができるでしょう。
セキュリティシステムについては、各セキュリティメーカーによって特性がありますので、ご自身にあったセキュリティを選択するのがいいでしょう。
ステリングロック
ステリングロックは、物理的にハンドルが動かせなくなるよう固定するためのものになっており、仮に上述したリレーアタックやCANインベーダーによってドアを解錠されて車内に侵入されても、ハンドルを動かせないため、容易にクルマを運転して持ち去ることはできなくなるでしょう。
また、ステアリングロックは大きく目立つ商品が多いため、車外から車内を見た際に、窃盗行為自体を諦めさせる抑止行為になるでしょう。
ステアリングロックを選ぶ際には、使用していない時の収納サイズも、重要なポイントになります。
グローブボックスに収納できるほどコンパクトなものや、後部座席やトランクでなければ保管できないサイズのものなど、商品によって大きく異なります。
ただ、収納性ばかりを重視しても、ステアリングロックの性能が不十分だと本末転倒になってしまうので、収納性については、求める機能とトータルで判断するのが良いでしょう。
ブレーキペダルロック
「ブレーキペダルロック」は、クルマのブレーキペダルの裏を厚みのある鉄板によって強力に固定し、ブレーキを物理的に踏み込めなくしてしまう盗難防止装置になります。
エンジンを始動するためには、ブレーキを踏み込みながらイグニッションボタンを押す必要があるので、ブレーキペダルが踏み込めなくなることで、もしイモビライザーが解除されてしまったとしてもエンジンの始動そのものができなくなります。
また、もし万が一エンジンが始動してしまったとしても、ブレーキが効かないクルマを動かすことになるので、持ち去ることは不可能に等しいでしょう。
上述で紹介した、ハンドルロック同様、もしこの様な装置を破壊しようとすれば、大きな音が出てしまうのは必至なうえ、持ち去るまでに大幅に時間が掛かってしまいます。
こういった物理的な盗難防止装置を取り付けるだけでも、最低でも未遂に終わり車両自体を持ち去られるリスクを軽減することができます。
さいごに
3年のコロナ禍により、流通などの制限によりクルマの生産、また部品供給の遅延により、これまでにないほどアルファードのような人気車種の納期が遅くなっていおり、正常化には程遠い現状になっております。
長い納期を我慢して待ち、納車されたと思ったらすぐ盗まれたなんて、心のダメージは計り知れません。
しかも、アルファードは540万円~872万円と、とても高価な車両になるのでお財布的にも大きなダメージを被ってしまいます。
盗む方が一番悪いことは確かですが、このように人気車種を自分のは大丈夫と思いこむのも良くないことは事実です。
少しでも、盗まれないように今回紹介した対策を行うのも、盗まれなくなることの第一歩に繋がります。
アルファードオーナーの方はぜひ検討してください。
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