こんにちは、SCPです。
突然ですが、皆様「霊柩車」と聞くとどのようなクルマの事をイメージしますか?
黒塗りの高級車に荷台部分が派手な装飾を加えたものだったり、高級外車をシックにまとめた形のものだったりと、現代ではお葬式のカタチが多様化している事で、様々な霊柩車の姿をイメージされる方が多いのではないでしょうか?
1980年代生まれの筆者としては、霊柩車といえば荷台が派手な装飾がされたタイプ(後述します)をイメージしますが、今の現代ではこのタイプを見ることも稀になっていると思います。
それでは、今回は霊柩車についてお話します。
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ここでは霊柩車の基本情報や、霊柩車と同じくご遺体を運ぶ際の寝台車についてお話します。
霊柩車とは
霊柩車とは、葬儀場から火葬場まで、ご遺体が納められた棺を運ぶクルマのことを言います。
自宅で通夜や葬儀及び告別式がおこなわれるケースが多かった時代では、遺族が霊柩車まで棺を運ぶこともありましたが、現在は葬儀社のスタッフが運ぶことがほとんどとされています。
※もちろん、ご遺族の希望があれば遺族と参列者によって、霊柩車へ棺を運ぶことも出来ます。
霊柩車のメインの目的は、棺を乗せて運ぶこととなっているので、車内には2~5人程度しか乗れないので、通例では霊柩車の助手席に位牌や遺影を抱えて乗る、その他にも故人ときわめて近しい人が乗車するのが一般的となっています。
霊柩車に関する豆知識
日本では、霊柩車にまつわる数々の言い伝えや習わしがあり、特に有名なのは「霊柩車を見たら親指を隠す」というもので、筆者も子供の頃、言い伝えを信じて両手の親指を手のひらに収まるように握りしめて親指を隠していました。
これは、「死者は穢れていて、周囲に災いをもたらす」と考えられていたことが由来となっており、指を家族に見立て、「親」を象徴する「親指」を隠すことで「親を亡くす」のを避けるという意味で、根付いていったと考えられます。
親指を「隠す」は、「守る」といった意味も含まれているのですね。
その他にも、「霊柩車は行きと帰りは必ず違う道を通る」といったもので、昔の日本では現代のような「火葬」ではなく「土葬」がメインであった時代の習わしが、現代にも通じている部分になります。
土葬をする際には、葬列を組んで墓地まで向かい、墓穴を掘り埋葬をしていて、この埋葬方法を「野辺送り」と呼ばれていました。
※野辺とは、「埋葬」のことを指します。
そして、野辺送りが終わった後には、「故人には仏門に専念してほしい」との考えによって、敢えて道を迷わせる意味や、穢れを自宅に持ち帰らないように順路を変えて帰宅するなど、地域によって様々な考え方があります。
現代では、火葬場まで霊柩車をはじめ寺院の車両や遺族、親族車両、マイクロバスなどで葬列をなして向かう姿を昔の「野辺送り」として表現しているのです。
寝台車とは
霊柩車の他にも、寝台車というクルマが存在します。
主な目的としては、お亡くなりになった方を病院から自宅や葬儀場まで運ぶこととなっているため、葬儀社では病院などへお迎えにあがるのが「寝台車」で、火葬場までお送りするのは「霊柩車」と呼び分けているのが一般的となっています。
霊柩車と比べ、全長の違いはあれど一般車とほぼ同じ見た目をしているのも特徴的である。
霊柩車の種類は
霊柩車と一概に言っても様々なタイプがあり、時代の変化とともに、選ばれる霊柩車のタイプに変化が表れています。
ここではどのようなタイプがあるのか紹介します。
宮型(輿型)
冒頭でもお話した、荷台部分に「輿」と呼ばれる祭壇が乗っているタイプが「宮型霊柩車」です。
車内は、後部座席に棺が乗せられ、助手席に喪主だけが乗るのが一般的となっています。
霊柩車と聞いて、多くの方がイメージするのがこの宮型ですが、平成移行減少傾向にあり、その理由には親族のみで行う家族葬で宮型が避けられるケースが多いことや、近隣住民に配慮して火葬場が宮型を禁止している傾向にあるのも、理由となっております。
宮型の霊柩車が減少しているので、「最近は霊柩車を見なくなった」と感じる方も増えているようです。
洋型(リムジンタイプ)
宮型の減少に反比例して、現代では一般的となってきているのが、リムジンタイプの洋型霊柩車となります。
特徴は、メルセデスベンツやキャデラック、トヨタ クラウンなどといった高級セダンや大型のワゴン車を改造したタイプです。
宮型よりもシンプルなデザインによって、霊柩車と分かりづらいのが洋型の特徴となっており、車内も運転手と助手席に座る喪主の他にも、2人ほど乗れる車がほとんどですが、大きいものなら4人乗れるケースもあります。
バン型
車内にストレッチャーを装備できるように、ミニバンやステーションワゴンを改造したものがバン型霊柩車となります。
霊柩車としてはもちろん、寝台車としても使うことができ、洋型よりもコスト面でメリットがあるため、多くの葬儀社が保有しています。
一般車と見た目がほぼ変わらないことから、自宅や病院付近に停まっていても、不自然でないことも特長的だ。
バス型
マイクロバスを改造し、後部座席に棺を乗せられるものが、バス型霊柩車となります。
乗車できる人数が、宮型や洋型に比べると多くなり、サイズにもよりますが14~20人ほどが目安となっています。
バス型が使われるケースは、火葬場までの距離が遠い地域や、移動が困難な雪国で多く使用されることが多いが、雪国であってもバス型を保有していなかったり、手配ができない葬儀社もあるので、希望があれば確認することが大切だろう。
霊柩車も多様化の時代に
昔では一般的であった宮型霊柩車の減少以外にも、霊柩車の置かれている環境が変化しています。
昨今の、霊柩車事情についてお話します。
カラーバリエーションの増加
霊柩車といえば、黒色が一般的でしたが時代の変化とともに、白や赤といった明るい色の霊柩車が登場しています。
なかには、キャラクターがペイントで施されたものまであります。
黒色以外の霊柩車を使用する場合では、故人が生前好んでいた色を選ぶケースが多いと言われています。
ただし、黒色以外を快く思わない人も多いため、利用の際にはご家族でよく話し合って決定することが大切だろう。
出棺時のクラクションについて
通例では、葬儀場や自宅前で棺を霊柩車に乗せ、出発するときにクラクションを鳴らすこととされていました。
このクラクションを鳴らす意味としては、葬儀に参列してくれた人への感謝の気持ちと、故人へのさようならの気持ちを表現したものなのです。
しかし、最近ではクラクションの音がうるさいと問題になることがあり、控える人が増えています。
クラクションを鳴らすことに対しての決定権は、基本的に遺族の意向となっているので、周囲の環境などに配慮しつつ、クラクションの有無を決定すると良いでしょう。
さいごに
霊柩車についてお話してきましたが、いかがだったでしょうか?
様々な形をした霊柩車があることはもちろん、地域や習わしなどによっても使う霊柩車が異なることも分かりました。
ただし、時代の変化によって霊柩車の種類や見た目は変わっても、「火葬場まで故人を送る」という役割は変わりません。
故人が最後に乗る乗り物になりますので、故人ファーストで霊柩車を決定してあげるのが、最後の故人との思い出つくりになるかもしれません。
それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました。
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