2023年のゴールデンウィークは、新型コロナウイルスの感染に関しても落ち着きを取り戻し、約3年ぶりの平時に近い状態となったこともあり、お出かけする人の数が増えて各地では賑わいをみせました。
ゴールデンウィーク中は、クルマでお出かけする人が過半数以上だったので、渋滞に巻き込まれたり遠出をした方は、本当にお疲れさまでした。
しかし、ゴールデンウィークが終わり、次に待ち受けているのが「令和5年春の全国交通安全運動」です。
5月11日(木)~20日(土)の期間で実施され、交通ルールの遵守や正しい交通マナーの実践を習慣づけることで、国民自身による道路交通環境の改善に向けた取組を推進することにより、交通事故防止の徹底を図ることを目的とします。
今回は、春の全国交通安全運動と、移動オービスによる最新の取締り事情についてお話します。
令和5年春の全国交通安全運動とは
春の全国交通安全運動は、日本における毎年の交通安全キャンペーンの一つで、4月1日から5月末までの期間中に行われる運動となっていて、令和5年(2023年)は5月11日(木)~20日(土)の10日間が実施されます。
この期間中、警察、自治体、教育機関、企業などが協力して、交通安全に関する啓発活動や取り組みを行います。
具体的には、交通安全に関する啓発ポスターやビラの配布、交通安全教室の開催、交通ルールを守ったドライバーや歩行者に対する表彰、交通事故の現場での遺族や被害者に対する追悼式典などが行われます。
春の交通安全運動は、新年度が始まる時期であり、学校や企業などの新入生や新入社員が増える時期でもあるため、交通事故を予防するための啓発活動が特に重視されています。
全国における、交通安全運動の重点とは
春の全国交通安全運動を行うにあたり、重点的に行う項目が設定されているので、期間中は以下の3点を重点的に行うので、自動車など運転する際には意識を向けて行動するのが良いでしょう。
子供をはじめとする歩行者の安全の確保
交通事故死者数全体のうち、歩行中の割合が最も高く、歩行者側にも走行車両の直前・直後横断や横断歩道外横断、信号無視等の法令違反が認められる。
また、次代を担うこどものかけがえのない命を社会全体で交通事故から守ることが重要であるにもかかわらず、幼児・児童の死者・重傷者は歩行中の割合が高く、特に、5月から6月にかけて歩行中児童の死者・重傷者が増加する傾向にあり、歩行中児童の死者・重傷者の通行目的では登下校が約3分の1を占めるなど、依然として道路においてこどもが危険にさらされている。
このため、こどもを始めとする歩行者の安全の確保を図る必要がある。
横断歩行者事故等の防止と安全運転意識の向上
交通死亡事故の第1当事者の多くは自動車で、歩行中の死亡事故の多くが道路横断中に発生し、横断歩道横断中の歩行者の死亡事故における車両等側の多くに横断歩行者妨害等の法令違反が認められる。
また、飲酒運転、妨害運転(いわゆる「あおり運転」。以下同じ。)等の悪質・危険な運転による交通事故や電動キックボードによる交通事故が発生している。
さらに、75歳以上の運転者については、75歳未満の運転者と比較して免許人口当たりの死亡事故件数が多く、その要因としてハンドルやブレーキの操作不適が多くなっている。
加えて、自動車乗車中における後部座席シートベルトの着用率やチャイルドシートの適正使用率がいまだ低調である。
このため、横断歩行者事故等の防止と安全運転意識の向上が必要である。
自転車のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底
自転車は、身近な交通手段であるが、自転車乗用中の交通事故死者数が減少傾向にある一方で、交通事故死者数全体に占める割合はほぼ横ばいで推移しており、自転車乗用中の交通事故死傷者数を年齢層別にみると、10歳から25歳未満の若年層の割合が高い。
また、自転車乗用中におけるヘルメット非着用時の致死率は、着用時と比較して高く、ヘルメット非着用の自転車乗用中死者の人身損傷主部位は、頭部が約6割となっている。
さらに、自転車関連の死亡・重傷事故は、自転車側の多くに法令違反が認められる。
このため、自転車のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底が必要である。
以上の3点を重点的に行うのが、今回の春の全国交通安全運動の要点であります。
児童登下校中の時間帯や、横断歩道における横断歩行者、自転車を利用する際のヘルメット着用と交通ルールの遵守。と、重点的に行うので期間中は特に意識して行動しましょう。
こういった事故が起きないように気をつけるのも1つですが、交通違反についても気をつけなければなりません。
次では、速度超過(スピード違反)を取締まる、移動式オービスの最新の運用方法についてお話します。
移動オービスの運用方法が変わり、高速道路にも登場!?
従来の「固定式オービス」や「半固定式オービス」は、場所さえ分かっていれば回避することができますが、移動式オービスの名前の通り、設置の移動が出来るため、いつ、どの場所に設置されているのか分からないのが、移動式オービスの特徴です。
これまで、通学路や生活道路での運用がメインであった「移動式オービス」が、今や各地の高速道路でも運用されるケースが増えてきています。
高速道路上での設置ポイントや、移動式オービスを察知するには?
神出鬼没の移動式オービスですが、高速道路上での設置ポイントに傾向があります。
主な設置ポイントは、「サービスエリアやパーキングエリア付近」、「インターチェンジ付近」、「道路管理施設付近」、「非常駐車帯」など、様々な場所がありますが、要点を抑えておけば事前に注意することが出来るでしょう。
そして、通学路や生活道路ではいつ設置しているか分からない移動式オービスですが、高速道路上にて運用する際には、手前に予告看板が設置されていることが多いので、路肩や中央分離帯にも注意を払って運転していれば事前に把握することが可能です。
移動式オービスの進化は著しい?
移動式オービスには、東京航空計器社のレーザータイプと、センシス社(スウェーデン)のレーダータイプの2社の製品が使われてきましたが、そこに今年から新たに「日本無線」のレーザー式の製品が加わりました。
日本無線製の移動式オービスは3月より新潟県で運用されはじめ、最近では岡山県内でも目撃情報がありました。
こういったレーザーやレーダーを探知し知らせてくれる車載型の探知機は、2社のメーカーからセンシス社製に対応する製品が発売されていますが、新しく登場した日本無線社製の移動式オービスに対応しているかは不明の状態です。
都道府県により運用している移動式オービスの種類は異なりますので、もしレーザー&レーダー探知器の購入を検討している方は、ご自身の活動するエリア内でどのタイプの移動式オービスが運用されているのか調べてから購入することをオススメします。
移動式オービスは、固定式オービスと異なり、青キップレベルの厳しい基準でも撮影・取締りされることがあるので、より制限速度を意識して走ることが大切です。
さいごに
2022年(年間)の交通違反摘発件数は(放置違反金納付命令を含む)は、全国で614万1535件で前年より63万4285件減少していますが、検挙件数の中でも2位にランクインしているのが「速度違反」になっていて、検挙される数の大きな割合になっています。
速度違反は、重大な事故に繋がりやすい重要な違反となっているので、これまで行えなかった通学路や生活道路などでの取締りが増えているのです。
クルマを運転する際には、どのようにしたら取締りされないかというマインドよりも、「なぜそこで取締りが行われているのか?」を考えて運転することにより、自ずと違反を起こさずに無事故無違反のグッドドライバーに繋がることだと思います。
筆者の経験上、交通違反をする時には時間に余裕がなかったり、気持ちに余裕がなかったりしている時に違反をしてしまうので、常に余裕を持った行動をすることでも、無事故無違反につながると思います。
以上を踏まえて、5月11日~20日の春の全国交通安全運動の期間中も、安全運転でお願いします。
この記事の参考URL:https://www8.cao.go.jp/koutu/keihatsu/undou/r05_haru/youkou.html
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