2020年が始まり早くも2月に入ったが、前々から登場の噂があった、トヨタの新型ヤリス(TOYOTA Yaris)が2月10日から発売が開始する。
トヨタ ヤリスは、元々1999年から発売されている、「ヴィッツ」からの正統後継車であり、国内でのラインアップではヴィッツの車名が使われていて、海外諸国にも輸出モデルとして、欧州・北米・オセアニア・中国などでは「ヤリス」名でラインアップしているグローバルなモデルの一つである。
今回の新型から、国内・国外ともに「ヤリス」名で統一された。
新たに、トヨタの新プラットフォーム「TNGA」を採用し、エンジンからボディシャシー等刷新した新型ヤリスの進化について、述べてみる。
新型ヤリスの価格は、139万5,000円~249万3,000円
【GOM Mix】初心者でも簡単な動画編集ソフトコンパクトカー用TNGAの採用で、走りのすべてに磨きがかかった
コンパクトカー用の、TNGAに基づくプラットフォームの刷新で、エンジン・ボディ・トランスミッション等、全てを刷新したモデルになっている。
エンジンには、新型の1.5Lエンジン(1.5Lダイナミックフォースエンジン)を組み合わせ、1.5Lハイブリッドエンジン搭載車では、電気系・機械系損失を大幅に低減させ、世界トップレベルの優れた低燃費を実現させている。
更に、システム出力向上とアクセル操作によるレスポンスを向上させ、爽快な走りを実現させた。
また、新型の1.5Lガソリン車モデルには、高速燃焼によって熱効率の向上を実現し、最大熱効率は40%以上。低速域からのトルクフルな加速フィーリングにより実用域での軽快感と大幅な燃費向上と、高次元で両立させている。
トランスミッションには、1.5L用Direct Shift-CVTがトヨタ初で採用しており、従来のCVTのプーリーとベルトに発進用ギアを追加し、低速域から高速域まですべての走行シーンでパワフルでダイレクトな走りを実現することができた。
新型ヤリスの燃費は(WLTCモード)
1.5Lハイブリッドモデル:35.4km/L~36.0km/L
1.5Lガソリン車モデル :19.2km/L~21.6km/L
1.0Lガソリン車モデル :20.2km/L
Toyota Safty Senseによる、安全性能の進化。トヨタ初のパノラミックビューモニター採用
新型ヤリスにも、トヨタセーフティセンスは備わっており、日常での危険回避や運転者の疲労軽減につながるシステムが豊富に使っている。
駐車時では、トヨタ初の「トヨタ チームメイト(パノラミックビューモニター付き)」を採用し、開始スイッチで作動させ、カメラとソナーによって周囲を監視しながら、ステアリング・アクセル・ブレーキ操作を制御し、駐車操作をアシストする。
更に、事前に駐車位置を登録することで、区画線のない駐車場や、隣接車両がない環境下でも駐車操作をアシストしてくれる、世界初のシステムも組み込んだ。
単眼カメラと、ミリ波レーダーによるクルマや歩行者に対する衝突被害軽減する機能も充実しトヨタ初が満載だ。
進化したプリクラッシュセーフティでは、自車の直前にいる歩行者や自転車、車両を単眼カメラとミリ波レーダーによって認識する。
前方に対象物がある状態で、停車または徐行状態からアクセルペダルを強く踏み込まれた場合、エンジンの出力を抑制または弱いブレーキをかけることにより加速を抑制し、衝突回避や被害軽減のサポートを行う。
交差点の右左折時にも、対向直進車及び対向方向から来る横断歩行者検知機能をトヨタ初で搭載している。
こちらも、単眼カメラとミリ波レーダーでブザーと表示で衝突の可能性を知らせて、その後、プリクラッシュブレーキを作動させ、危険を回避する。
また、昼夜問わず前方の車両や歩行者、自転車運転者(昼)を単眼カメラとミリ波レーダーで検出し、プリクラッシュブレーキによって未然に事故を防ぐ。
高速道路を走行している際にも、レーントレーシングアシストによる車線の逸脱防止機能や、レーダークルーズコントロールによる追従走行をサポートし、運転者の軽減をはかる。
コネクティッドサービスによる利便性と、もしもの場合のサポートで安心感をユーザーに与える
トヨタ ヤリスにはコネクティッドサービスによる、走行中に知りたい行先や、レストランなどの、目的地をオペレーターに伝えることで目的地とルート案内を素早く対応し、自車のナビゲーションに情報を送信する。
クルマから離れる際にも、ドアのこじ開けなどでクルマに異常があった場合は、「MyTOYOTA for T-Connect」にすみやかに通知する。
さらに乗員の要望により車両の位置追跡や警備員の派遣も行う。
スマホと連動して、ドアやラゲージの開閉状態やハザードランプの点灯状態を「MyTOYOTA for T-Connect」から確認でき、ドアロックの閉め忘れやハザードランプの消し忘れをスマートフォンより操作できる。
ヘルプネットといった、突発的な事故や急病時には、専門オペレーターによる警察や消防に取り次ぎ、迅速な緊急車両の手配を行います。また、この機能にはエアバッグと連動しており、自動でオペレーターに接続し、ドクターヘリなどの早期出動判断にも対応している。ここ最近で社会問題とされている、あおり運転などのトラブルにも警察へ状況に応して通報する。
収納の使い勝手を向上し、日常での便利な機能を搭載
ラゲージルームは、荷物の出し入れをスムーズに行える設計で、コンパクトボディながらも収納力に余裕を持たせている。6:4の分割可倒式リヤシートになっているので、後席のアレンジで長尺物の積載や、収納容量のアップに貢献する。
運転席や助手席にも、トヨタ初の機能を設けてある。ひとつは、「運転席イージーリターン機能」を搭載し、好みのシートポジションを記憶させ、降車時はシートを後ろにスライドさせ簡単に降りることができ、乗車時には、シート横にあるレバーを引きながら前にスライドさせることにより、記憶させていた位置までスライドします。シートポジションを調整する際に煩わしさがなくなる。
更に、運転席・助手席ともにシートが回転し乗り降りをサポートしてくれる、「ターンチルトシート」を採用し、乗降時シートが外側に傾き足腰への負担軽減に貢献する。チルト後のシートは、背もたれを軽く押すことで簡単に車内に戻せる機構で、誰でも簡単に操作できるのもうれしい点だ。
なお、ヤリスにはディスプレイオーディオが用意されており、Apple Carplay、Andoroid Autoが使用可能で、スマートフォンのアプリとナビが連携し、地図アプリの使用や音楽アプリなどで車内のスピーカーと連動し、自分の好きな音楽がかけられる。
スマートフォンがなくても、ディーラーオプションでナビキットを選ぶとオーソドックスなナビゲーションシステムの使用が可能になっている。
定番カスタム、ルームランプのLED化をして夜間でも明るい車内で快適性を向上させます。
ヤリス名で出す、トヨタのグローバル戦略
ここまでヤリスについて考察してきたが、TNGAからToyota Safty Senseまで全てが搭載しているモデルになり、高級感や安全性が増した。
ヤリスという車名を全世界で統一したトヨタは、このヤリスを国内のみならず海外にも、更に浸透させたい思惑が見える。
ずば抜けて良いのが燃費性能だが、これは単純に購買層には大きくメリットを持った部分であろう。TNGAプラットフォームが採用され刷新したヤリスは、オールシーンでその便利さを享受することが出来る。安心安全はもちろんすべてのヒトに快適な空間を生み出すトヨタの技術の進歩があったからだろう。
ヤリスは、このヴィッツ型のコンパクトとは別にその国での専用モデルを出している。
セダン型やクロスオーバーモデルのヤリスから派生しているモデルがあり、今回のフルモデルチェンジによって、派生したモデルにも新しい技術を搭載することができるであろう。
このように、ヴィッツ時代から国内のみならず海外でも人気があったが、新型になりヤリスは世界各国で愛されるクルマになったのではないか? コンパクトカーブームの火付け役として生まれたヴィッツだが、長年培ってきた技術により新しいヤリスになり国内での人気も衰えることはないだろう。
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