スズキ スイフト(SWIFT)は、2000年に初代モデルが販売開始され、現行型となる4代目は2016年より販売されている、スズキを代表するコンパクトカーである。
初代モデルでは、同社で以前販売されていたワゴンRプラスと共有するプラットフォームを採用しており、当時はクロスオーバーSUV風の小型車として登場した。
しかし、2004年登場の2代目モデルからはスズキの世界戦略車として開発され、走行性能は格段に高くなり、国内のみならずオセアニア、ハンガリーを含むヨーロッパ諸国、インド、中国、台湾など広域にわたる海外でも販売されるモデルとなった。
4代目となる現行モデルでは、ガソリンエンジン、マイルドハイブリッド、ハイブリッドと3種類のモデルをラインアップさせ、新プラットフォームである「HEARTECT(ハーテクト)」を採用し、軽量化と高剛性を両立させた。
なお、初代から一貫してMT車を継続設定しているので、一部のファンの期待にも応えている希少で貴重な存在である。
今回は、スズキ スイフトについてお伝えしていく。
車名の由来は、英語で「軽快・快速」を意味する。
スイフトの価格は
XG(スズキセーフティサポート非装着車[受注生産]) | 137万7,200円(2WD 5MT) | 137万7,200円(2WD CVT) | 153万4,500円(4WD CVT) |
XG | 153万5,600円(2WD 5MT) | 154万0,000円(2WD CVT) | 169万7,300円(4WD CVT) |
XG(全方位モニター用カメラパッケージ装着車) | 158万8,400円(2WD 5MT) | 159万2,800円(2WD CVT) | 175万0,100円(4WD CVT) |
HYBRID MG | 163万3,500円(2WD CVT) | 179万0,800円(4WD CVT) |
HYBRID MG(全方位モニター用カメラパッケージ装着車) | 168万6,300円(2WD CVT) | 184万3,600円(4WD CVT) |
RS | 178万2,000円(2WD 5MT) | 178万6,400円(2WD CVT) | 194万3,700円(4WD CVT) |
RS(全方位モニター用カメラパッケージ装着車) | 183万4,800円(2WD 5MT) | 183万9,200円(2WD CVT) | 199万6,500円(4WD CVT) |
HYBRID RS | 187万9,900円(2WD CVT) | 203万7,200円(4WD CVT) |
HYBRID RS(全方位モニター用カメラパッケージ装着車) | 193万2,700円(2WD CVT) | 209万0,000円(4WD CVT) |
HYBRID SZ | 208万7,800円(2WD 5AGS) |
HYBRID SZ(全方位モニター用カメラパッケージ装着車) | 214万0,600円(2WD 5AGS) |
優れた燃費と力強さを両立したエンジンを中心に各グレードにあった特長を持ち合わす
スイフトには、ガソリンエンジン、マイルドハイブリッド、ハイブリッドと3種類のラインアップに加え、それぞれに合った3つのトランスミッションを設定し、それぞれの個性を表現させた。
熱効率を向上させるデュアルインジェクションシステム
1気筒あたり2つのインジェクターで燃料を微粒化して噴射することで、燃焼を安定させ、熱効率を高めて、エンジン本来のポテンシャルを引き出します。
また機械的な摩擦を低減し、燃焼室などの形状最適化でさらに熱効率を追求した。
インジェクターを燃焼室の近くに配置し、燃料を効率よく充填することで燃焼室温度を下げてノッキングを抑制し、さらに排出ガスの一部を冷却して燃焼室内に戻し、燃焼温度を下げる水冷式のクールドEGRシステムを採用することで、これらのノッキング抑制技術が熱効率の向上に貢献した。
これらにより、躍動感のある走りに必要なパワーと低燃費を両立した。
それぞれの特性に合わせた3つのトランスミッションを設定
5AGS
HYBRID SZに採用されている、5AGS(オートギヤシフト)は、伝達効率に優れ低燃費と力強い走りを可能にした。
5MT
RS・XGの2WD車に設定される5MTは、ギヤの抵抗を減らすことで燃費性能を向上させ、軽快に決まるシフトフィーリングを実現し、低振動で静粛性も高めています。
CVT
HYBRID RS、RS、HYBRID MG、XGに採用されている副変速機構付CVTは、低中速走行時の力強い加速と高速走行時の伸びやかな加速を実現しながら燃費性能も向上させた。
MGU(駆動用モーター)とAGS(オートギヤシフト)により、低燃費と力強い走りを実現するハイブリッド[HYBRID SZ]
コンパクトながら瞬時に力を発揮するMGUを採用したことで、MGUのみでのEV走行に加え、加速時にアクセルペダルを強く踏み込むとエンジン出力にモーター出力を上乗せして力強くアシストする。
伝達効率の良いAGSとの相乗効果により、低燃費と力強い走りを両立し、また、充電や電力供給のためのパワーパックを荷室の下に収めることで、ゆとりある室内空間も確保している。
減速エネルギーを利用して発電し、加速時はモーターでエンジンをアシストするマイルドハイブリッド[HYBRID RS、HYBRID MG]
発電効率に優れたISG(モーター機能付発電機)により、減速時のエネルギーを利用して発電し、アイドリングストップ車専用鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリーに充電します。
加速時には、その電力を活かしてモーターでエンジンをアシストすることで、燃費の向上を実現するハイブリッドシステムとなっている。
走りの基本性能を高めたプラットフォームに、新設計のサスペンション
軽量高剛性の新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」を採用
構造や部品の配置を全面刷新することで、アンダーボディーを理想的な骨格構造とし、基本性能の向上と軽量化を両立している。
屈曲した骨格を最短距離で滑らかにつなぐことで、合理的かつシンプルな形状としている。
またサスペンション部品も骨格の一部として利用し、さらに、骨格同士が結合する強い部分を部品の固定に利用することで補強部品を削減しました。
これらにより、ボディー剛性を向上させながら軽量化を実現しながら、部品の配置を最適化したことにより、広い室内空間や荷室スペースも確保している。
欧州での走り込みにより鍛え上げた新設計のサスペンション
新しいプラットフォームに合わせてレイアウトを最適化することで、作動効率を向上させながら剛性アップと軽量化を実現して燃費性能も向上させている。
欧州のハイウェイやワインディングを徹底的に走り込み、路面の追従性や走行安定性、コーナリング性能を高めるとともに、しなやかで軽快な乗り心地を実現した。
さらに走りにこだわった、欧州仕様のチューニングをRSグレードに設定[HYBRID RS、RS]
走りをもっと愉しめるよう、高速道路や長距離を日常的に走り、速度レンジも高い欧州の道路環境でも快適に走れるチューニングを施したRSには、フラットでしっかりとした乗り味と直進安定性を発揮するセッティングを施している。
欧州チューニング ショックアブソーバー
減衰力を硬めに設定したショックアブソーバーが、上下動を抑えてクルマのボディーコントロール性を高める。
欧州チューニング タイヤ
タイヤの剛性を高めることで、操舵時の応答性とリニアなグリップ感を向上させた。
欧州チューニング 電動パワーステアリングコントローラー
直進安定性や操舵感を重視し、ステアリング操作をより手応えのあるチューニングに設定した。
スズキ スイフト専用設計のドリンクホルダーになります。
運転席+助手席の2個セット
スズキセーフティサポートを搭載しユーザーに安心と快適を享受し、万一の衝突にも耐える強固なボディを造り上げた
スイフトには、スズキの予防安全技術である、スズキセーフティサポートに加え衝突安全性能にも抜かりなく技術を投入した。
2017年度自動車アセスメント(JNCAP)において、衝突安全性能評価「ファイブスター」と予防安全性能評価「ASV++」を獲得し、優れた安全技術を搭載した自動車として評価された。
アダプティブクルーズコントロール[HYBRID SZ、RS・XG 5MT車]アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付)[HYBRID RS、RS CVT車、HYBRID MG、XG CVT車]
ステアリングのACCスイッチを操作すると、ミリ波レーダーで先行車との距離を測定し、設定した車間距離を適切に保ちながら加速・減速し、全車速追従機能付の場合は停止まで追従します。
高速道路での長距離運転や渋滞走行時の発進・停止を頻繁に繰り返す状況などで、運転操作の負担を軽減します。
車線逸脱抑制機能
機能をONの状態で走行中、単眼カメラが左右の区画線を検知し、車線逸脱の可能性が高いとシステムが判断した場合に、運転者に車線逸脱防止方向へのステアリング操作を促し、車両を車線の内側に戻すように支援をする。
車線逸脱警報機能
走行中に左右の区画線を検知して進路を予測し、前方不注意などで車線をはみ出しそうになると、ブザー音などの警報によって運転者に注意を促す。
ふらつき警報機能
走行中に左右の区画線を検知して、自車の走行パターンを計測し、車両が蛇行するなどシステムが「ふらつき」と判断した場合、ブザー音などの警報によって運転者に注意を促す。
先行車発進お知らせ機能
停車中、前のクルマが発進して約5m以上離れても停車し続けた場合、ブザー音やメーター内の表示によって、運転者に先行車の発進を知らせます。
標識認識機能
走行中に、単眼カメラが認識した「最高速度」や、「はみ出し通行禁止」の標識を標識通過後にメーター内に表示し、運転者に知らせます。
走行中に、単眼カメラが認識した「車両進入禁止」の標識を標識通過前にメーター表示で運転者に知らせます。
ハイビームアシスト
ヘッドランプをハイビームにして走行中、前方に対向車や先行車がいたり、明るい場所を走行すると自動でロービームに切り替えます。
対向車や先行車がいなくなったり、周囲が暗くなると自動でハイビームに戻ります。
ブラインドスポットモニター(車線変更サポート付)
走行中、リヤバンパーに内蔵したミリ波レーダーで隣接車線の後方から接近する車両を検知し、検知した側のドアミラーインジケーターが点灯し運転者に知らせ、その状態で点灯した側にウインカーを操作すると、インジケーターの点滅とブザー音により運転者に注意を促す。
リヤクロストラフィックアラート
駐車場などで後退しているとき、リヤバンパーに内蔵したミリ波レーダーで自車の後方左右から接近する車両を検知し、マルチインフォメーションディスプレイの表示とブザー音により運転者に注意を促す。
全方位モニター用カメラ(全方位モニター用カメラパッケージ装着車)
メーカーオプションの「全方位モニター用カメラパッケージ装着車」には、クルマの前後左右4か所にカメラを設置。
対応ナビゲーション(販売会社装着アクセサリー)を装着すれば、クルマを真上から見たような俯瞰(ふかん)の映像などをモニターに映し出す「全方位モニタ-」として機能します。
運転席から見えにくい場所を画面上で確認でき、狭い場所での駐車も安心となり、ナビゲーション本体の操作で、前後やサイドなど視点を切り替えて周囲の環境を映し出す。
デュアルセンサーブレーキサポート
前方の車両や歩行者を検知し、衝突のおそれがあると判断すると、ブザー音やメーター内の表示によって運転者に警告します。
強くブレーキペダルを踏むと、ブレーキ踏力をアシストし、衝突の可能性が高まると自動で強いブレーキをかけ、衝突の回避または衝突時の被害軽減を図る。
誤発進抑制機能(5MT車を除く)
駐車場などで、前方に壁などがあるにも関わらずシフトをD・M・L(前進)の位置でアクセルペダルを強く踏むと、最長約5秒間、エンジン出力を自動的に抑制し、急発進・急加速を抑えて、踏みまちがいなどによる衝突回避に貢献する。
後退時ブレーキサポート(5MT車を除く)
リヤバンパーに内蔵した4つの超音波センサーで後方の障害物との距離を測り、4段階のブザー音で障害物の接近をお知らせする「リヤパーキングセンサー」を搭載しています。
さらに、後方の障害物との衝突の可能性が高まると自動(衝突被害軽減)ブレーキが作動し、衝突の回避または衝突時の被害軽減を図ります。
後方誤発進抑制機能(5MT車を除く)
後方に障害物があるにも関わらずシフトをR(後退)の位置でアクセルペダルを強く踏み込むと、エンジン出力を自動的に抑制して急な後退を防止することで、うっかり誤操作による衝突回避に貢献する。
レイアウトなどの工夫で手に入れる広大なラゲッジスペース
コンパクトなボディーでありながら形状やレイアウトを工夫することで、最大265Lの荷室容量を確保している。
趣味やレジャーも存分に楽しめるように広々としたラゲッジスペースにこだわり、開口部の高さも715mmに設定し、荷物の積みおろしのしやすさにも配慮している。
6:4分割可倒式リヤシートを倒せばゴルフバッグなどの長尺物もしっかりと積むことが可能だ。
分割可倒式で、収納方法は操作が簡単なシングルフォールディング式シートバック
5名乗車時でも最大265L。の容量で小サイズのスーツケースが2つ入ります。(HYBRID SZを除く)
リヤシートの背もたれを片方だけ倒せば、人を乗せたまま長尺物の積載が可能。
リヤシートの背もたれをすべて倒せば、さらにゆとりある荷室容量最大579Lまで広がります。
さいごに
スズキ スイフトはいかがだったでしょうか?
数ある、コンパクトカーの中でこのスイフトは、年々販売台数を伸ばしてきており、街中でもよく見る部類のクルマだ。
現行型を見たとき、日本車離れした欧州風の上品感が感じられるクルマだと感じた。
今や、海外市場でも人気のあるスイフトだが代々モデルチェンジをするたびに、性能を磨き上げてていく様は、いずれベンチマーク的存在になるポテンシャルを秘めている。
この記事の参考URL:https://www.suzuki.co.jp/car/swift/
コメント