今現在、梅雨の時期真っ只中ですが、梅雨が空けるとカラッとした陽気が広がる、「暑い夏」が訪れます。
夏になると、お盆休みやお子さんがいる家庭では夏休みに合わせて、クルマでお出かけする計画を立てている方もいらっしゃると思います。
暑い夏は、クルマの状態も過酷になり、様々なトラブルに見舞われやすい季節と言ってもいいでしょう。
ロードサービスを全国展開しているJAFによると、ゴールデンウイーク、お盆、年末年始などの長期休暇時には、救護要請が急増し、出動する機会が多くなります。
2022年における、シーズン別の出動件数については、ゴールデンウィークは62,969件、お盆休みでは70,834件、年末年始は51,929件と、夏に迎えるお盆休みに起きる出動件数が多いのが分かります。
このように暑い夏は、クルマのトラブルが起きやすい時期だということが分かります。
今回は、暑い夏に起きやすいクルマのトラブルと、対策についてお話します。
夏場における、起きやすいクルマのトラブル5選
1.バッテリー上がり
バッテリー上がりとは、クルマで消費されている電力が充電量を上回り続けると、バッテリーに蓄えられている電力が枯渇してしまい、また 蓄えられた電力を超えて放電する状態をバッテリーの過放電と言い、この状態のことをバッテリー上がりと言います。
特に、夏場にバッテリー上がりの原因を引き起こしているのが、電力消費の高い「エアコン」です。
「エアコン」使用時は電力消費が激しく、電力消費が蓄えられる電力を上回ってバッテリー上がりを引き起こしやすい要因の1つをつくっています。
車内の設定温度を下げれば下げるほど、風量を強くすれば強くするほど消費する電力は増えていきます。
クルマにおけるバッテリーの構造は、EV車以外は外部から電力を補充するのではなく、充電のための発電機を備えていて、これがオルタネーターやダイナモと呼ばれるもので、エンジンの回転を利用して電力を生み出す構造になっています。
お盆休みなどの長期休暇中は、一般道や高速道で「渋滞」に巻き込まれることも多くなると思いますが、渋滞時はバッテリー負担がさらに大きくなります。
上述の通り、クルマが走っているときはオルタネーターから充電されますが、オルタネーターはエンジンの回転数と連動して発電するため、渋滞などにハマると発電量は減少し、足りなくなった電力はバッテリーから供給され、バッテリーの負荷はさらに高まる状態にあります。
では、このような夏場におけるバッテリー上がりを、どのように対策すればいいのか?
エアコンの設定温度や風量を適切にする
ある程度、車内が冷えたらエアコンの設定温度を上げたり、風量を弱くするなどの調整をしましょう。
また、オートモードがある場合にはオートモードに切り替えるのも良いでしょう。
エアコンの使用法として、エンジンが掛かっていない状態でのエアコン使用は、特に消費電力が高くバッテリー上がりを引き起こしやすいので注意が必要です。
バッテリーの点検
定期的にバッテリーの点検を行い、バッテリーの状況を知ることで、バッテリー上がりを未然に防ぐことが出来ます。
日常点検によるご自身でのチェックも可能だが、自動車ディーラーや自動車整備工場などで、バッテリーの測定機を使用しバッテリーの状況を測ることも可能です。
バッテリーは消耗品で、過放電させることなく適切に使い続けていても約2~3年で寿命を迎えると言われているので、定期的の交換することでバッテリー上がりのトラブルを防ぐことが出来ます。
バッテリーの見た目、接続部に異常がないか確認
バッテリーのケースが膨張していたり、接続部分である端子が腐食していたりはずれかかっていたりしていないか、異常がないか確認する。
以上のように、最低限できることでバッテリー上がりを未然に防ぐことが出来るので、確認しましょう。
2.エアコンの故障
夏のドライブ中に、エアコンが効かなくなってしまったら、快適さを失い大変な事態になります。
冬が終わり、夏までエアコンをかける出番が少なくなるため、いざ夏になりエアコンをかけたときに故障しているということもよくある話です。
未然に防ぐためには、エアコンをたまには動かしてエアコンの効きを確認しましょう。
エアコンが聞かない原因には、エアコンガスの不足やファンの故障、装置の汚れなど様々な要因があり、整備士のようなプロでないと判別が難しいため、エアコンの故障(異常)がある場合は、自動車ディーラーや自動車整備工場などで、点検や修理をしてもらいましょう。
3.車内温度の上昇によるトラブル
炎天下に数時間放置した車内温度は50℃前後まで上昇するといわており、ダッシュボード付近は80℃近くになることもあります。
このように、夏場、駐めていたクルマのドアを開けた瞬間、乗り込むのをためらうほどの暑さに驚かれる方は多いでしょう。
こういった状況から、数分でも子供やペットなどの動物を車内に残すことが、どれだけ危険かお分かりいただけると思います。
また、車内に置いている物にも注意が必要です。
炭酸飲料やライター、スプレー缶などは爆発の危険があるほか、CDケースなどのプラスチック製品の変形、スマートフォンやパソコンなど電子機器に至っては故障も考えられます。
夏場、長時間クルマを駐車する際には、サンシェードを装着することで、直射日光を遮ることができるため、車内温度の上昇を抑えることができます。
しかし、劇的な変化は期待できないため、爆発の危険のあるものや電子機器などは置きっぱなしにすることは、おすすめできません。
4.タイヤのパンク
遠出や高速道路を走る機会が増えることでタイヤへの負荷も大きくなります。
一概にパンクといっても、少しずつ空気が抜けていくケースと、タイヤがバースト(破裂)するケースがあります。
空気圧が低下しているとタイヤのたわみによりタイヤが発熱し、タイヤがバーストする最悪の事態を招くこともあります。
さらに、メンテナンスの不備からタイヤが外れると大事故に繋がり兼ねないため、日頃からナットの緩みなどもチェックしておきたい項目です。
タイヤのパンクは、夏場という限定した時期に起きやすいという訳では無いが、JAFによると、特に高速道路では季節問わず、トラブルの30%がパンクという結果が出ているので、注意が必要です。
タイヤがパンクするのを防ぐには、クルマに乗る前にタイヤに異物が刺さっていないか、ナットが緩んでいる箇所がないか、しっかりと確認することが重要です。
また、長距離を走る前にはガソリンスタンドで給油のついでにタイヤの空気圧チェックをしてもらい、適正値の空気を入れてもらうことで、パンクのしにくい状況を作れます。
5.インロック
夏場、車外に用事があり、エアコンを効いた状態にしたいがため、エンジンを掛けたまま車内にキーを置き忘れてロックしてしまうインロックが意外と多いトラブルになっています。
インロックをしてしまうと、ロードサービスなどに頼ることになり、お出かけ中にやってしまうと台無しになってしまいます。
インロックを防ぐには、スペアキーを持参しておくのが一番の対策になります。
また、加入しているロードサービスで対応可能なサービス内容を確認しておくことも大切です。
ロードサービス以外にも修理専門サービスやカギのトラブルに対応する業者もあるので、免許証などと一緒に緊急時の連絡先を携帯しておくと安心です。
さいごに
夏場におけるクルマのトラブルは、突然起きることが多いです。
予期せぬトラブルが起きやすいため、いかに常日頃の日常点検が大事か分かりました。
トラブルを回避して、楽しいドライブにするために、日常点検と安全運転で素敵なお出かけになるようにしましょう!
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