トヨタ プロボックス(Probox)6AE-NHP160V/DBE-NSP160V型は、2002年7月に初代モデルの販売が開始し、2014年8月から現行型にあたる2代目が販売されている。
今日では、街中を走ってる姿を見ないことはないくらい、日本中の道路を走っているプロボックスだが、度々のマイナーチェンジにより走行性能や、足回りの強化などを施し、進化してきた。
2018年6月にはマツダ株式会社にファミリアバンとしてOEM供給を開始し、2018年11月には、ハイブリッドモデルが追加設定したり、衝突回避支援パッケージのToyota Safety Senseの機能拡大など、毎日使うからこそ燃費性能や安全性能を高めて運転者の安心感を強化した。
働く車としての確固たる地位を獲得しているプロボックスの、選ばれる理由についてレポートする。
プロボックスの価格は
DX:139万9,200円~185万3,500円
DXコンフォート:143万6,600円~189万0,900円
GL:168万8,500円~196万3,500円
F:172万7,000円~200万2,000円
クリーン、エコノミーでパワフルな実用性に優れたエンジンと、追加されたハイブリッドで更なる走行性能の底上げ
ガソリンエンジン車
ガソリンエンジン車には1.3Lと1.5Lの2種類をラインアップし、1.3Lエンジンは、吸気と排気バルブタイミングを最適にコントロールするDual VVT-iを採用し、低中速トルクを向上し高速域での出力向上を両立している。
1.5Lエンジンには低中速域でのトルクを十分に確保し、停車と発進の多い街中での実用性に寄与している。
1.5Lエンジンには圧縮比をアップし少ない燃料で大きなエネルギーを得り、燃焼の改善や吸気損失を低減させるクール度EGRシステムを搭載、エンジンからより多くのエネルギーを取り出すバルブタイミングの最適化、エンジン部品間で生じる摩擦を抑えるフリクション低減などの技術を投入し、燃費向上を実現させた。
アイドリングストップ機能搭載車には、信号待ちや一時停止時に自動的にアイドリングをストップし、ブレーキペダルから足を離すだけで素早く再始動する。アイドリングストップ状態でも、オーディオやナビの使用は可能とし、空調は車内外の環境に応じて自動制御する。
ハイブリッド車
ハイブリッド車には、1.5Lエンジンにモーターを組み合わせ燃費性能と静粛性の向上に大きく貢献する。
上記にある1.5Lエンジンの特性に加え、バッテリーの直流電流と駆動用、発電用モーターの交流電流を最適に制御するユニットを搭載し、更に高効率で小型軽量にし低燃費を実現している。
トランスアクスルには、ギヤトレーンを最適設計した高効率、小型軽量ユニットの採用で動力の伝達ロスの低減を実現している。
駆動用モーターに最適な電力を供給するバッテリーは、リヤシート下に配置しコンパクトタイプのバッテリーを採用することで、ラゲージスペースのゆとりを確保する工夫がなされている。
エコドライブモードとEVドライブモードの2つのモードスイッチにより、シーンに合わせた走行モードが選べる。
エコドライブモードは、燃費優先の走りを制御しアクセル操作に対する駆動力とエアコンの消費電力などを省エネ化する。
EVドライブモードは、モーターのみで静かに走行可能であり、早朝や深夜でのエンジン音や屋内ガレージでの排出ガスを抑えたい時に役立つ機能である。
プロボックスの燃費
1.3Lエンジン | JC08モード 17.6km/L |
1.5Lエンジン(4WD) | JC08モード15.8km/L |
1.5Lエンジン(2WD) | JC08モード18.2km/L (アイドリングストップ機能非装着車) |
1.5Lエンジン(2WD) | JC08モード19.6km/L (アイドリングストップ機能装着車) |
1.5Lハイブリッド車 | JC08モード19.6km/L (アイドリングストップ機能装着車) |
機能性と乗り心地の両立をはかった、心地よいドライブフィーリングを実現した走行性能
最適にチューニングが施されたサスペンションは、スプリング、ショックアブソーバ、スタビライザーなどを最適化し、積載量に関わらず様々な場面でしっかりとした操縦性と車両安定性を確保するとともに、路面からの突き上げなどの振動を抑えて、上質な乗り心地を高次元で両立させる。
搭載されるトランスミッションには、Super CVT-iを採用し変速ショックのないスムーズで低燃費で静粛性を兼ね備えた、滑らかな走行フィーリングを実現する。
パワーステアリングには、車速感応型電動パワーステアリングを採用し、低速走行時には軽く高速時には確かな手応えのある操舵フィーリングが得られる。
尚、ステアリングには運転しやすい位置を上下調整できるチルト機能も搭載しております。
フロントブレーキには、大径のベンチレーテッドディスクブレーキを採用し、積載時でも安心感のあるブレーキ性能を確保し、ブレーキフィーリングの向上をはかるため専用のチューニングが施されている。
確かな積載容量の確保と、スクエアな荷室開口部による抜群の積みやすさを実現
プロボックスのラゲージルームには、荷物を置きやすくする低くフラットな床面にし、ホイールの張り出しを抑えたパッケージにし、雨天時や罪に作業やドアの開閉のしやすさに配慮したバックドアデザインなど、使い勝手を考慮したラゲージルームになっている。
A4コピー用紙箱(220×310×245mm)は89個、みかん箱(280×380×320mm)は38個、コンパネ(1,800×900mm)は平積みでの積載が可能になっているなど、圧倒的な積載容量をもち、ビジネスの効率をあげる。
ラゲージルーム開口部はスクエアにこだわり、箱モノの横積みする際に効率のいい積載性を実感できる。
リヤシートのアレンジには、シートバック一体可倒式リヤシートをGL、DXコンフォート、DXに標準装備。シートバックを前に倒すだけの簡単操作で手軽にフラットな荷室スペースを作れます。
シートバック一体可倒クッション引き起こし式リヤシートをFに標準装備し(GL、DXコンフォートはメーカーオプション)リヤシートのシートクッションを前方に引き起こし、シートバックを前に倒すことで、フラットなラゲージスペースを得ることができる。
ビジネスマンに必要な室内装備を運転席周りに集約させ、効率向上をはかる
トヨタ プロボックスの運転席周りには、収納や便利機能を使いやすいように配置させ、ビジネスシーンで利便性を図った配置になっている。
運転席の左側に設置したマルチホルダーは、メモ帳やスマートフォンなどが収められ運転席から手を伸ばせば、すぐ届きます。
マルチホルダーの下には、アクセサリーソケット(DC12V・120W)アクセサリーコンセント(AC100V・100W)、充電用USB端子が設置され、様々なシーンでの機器やスマートフォンの充電が可能
ドアポケットにはA4サイズのファイルや地図帳を収納可能で、助手席側にはボトルホルダーも備えてある。
毎日使うからこそ、予防安全や乗員の安心感を享受するToyota Safety Senseを装備する
トヨタ プロボックスのToyota Safety Senseは、単眼カメラを併用した前方センサーとレーザーレーダーによる高精度な2種類の目による衝突の回避や、衝突被害の軽減を支援する。
プリクラッシュセーフティは、前方にいる歩行者や車両を単眼カメラとレーザーレーダーにより検出し、警報ブザーとディスプレイ表示で衝突の可能性を知らせ、ブレーキを踏めた場合はプリクラッシュブレーキアシストを作動させ、ブレーキを踏めなかった場合はプリクラッシュブレーキを作動させ衝突回避または被害軽減をサポートする。
レーンディパーチャーアラートは、道路上の白線(黄線)をセンサーで認識し、運転者がウィンカー操作を行わずに車線を逸脱する可能性がある場合は、警報ブザーとディスプレイ表示による警報で注意喚起する。
オートマチックハイビームの搭載により、ロービームとハイビームを自動で切り替えし、夜間での歩行者などの早期発見をサポートする。切り替えの忘れを防ぎ、手動操作の煩わしさも軽減します。
働く車を第一と考え、快適装備はもちろん安全性にもこだわり、安心して毎日使えるクルマに
ここまで、プロボックスの走行性能や室内空間、装備について書いてきたが、このクルマがビジネスシーンにおいて絶大な人気を誇る理由が分かった。
ラゲージルームの使いやすさにレイアウトされているし、多くの荷物を積載する際のシートアレンジもすぐに簡単操作でフラットに出来てしまうなど、忙しいビジネスマンにとって時間のロスを削減できる。
走行性能においても、ハイブリッドモデルの追加で燃費性能を大幅に向上させて、毎日使うシーンでの燃料のコスト削減にもつながっている。ガソリンエンジン車にも、アイドリングストップ機能を組み合わせ、燃費の向上に貢献している。
Toyota Safety Senseによる安全機能にも抜かりなく装備させているので、運転に自信がない方でも、安心して使える仕様になっているのもうれしい。
一般的には商用車として使われることが多いが、TRD仕様のプロボックスもラインアップしており、一般向けにしているのも、大きな魅力だ。
積載能力や、それに応える足回りの強化などで趣味として使うクルマとしても十分なポテンシャルを持つプロボックス。
アフターパーツも多いことながら、自分だけのプロボックスを作り上げることも可能だ。
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