マツダ MX-30(エムエックス サーティー)は2020年10月8日から販売開始された、マツダの新世代商品群の第3弾として位置づけられている車種で、同社初の量産電気自動車(EV)として企画されたモデルとなる。
日本向けモデルのラインアップでは、24Vマイルドハイブリッド「M HYBRID」と2.0L直列4気筒DOHCエンジン「SKYACTIV-G」を組み合わせた「e-SKYACTIV G」を搭載したモデルを販売し、EVモデルは2021年1月以降にリース販売のみでラインアップされる予定となっている。
これまで、マツダのラインアップにはスカイアクティブテクノロジーを用いたガソリンエンジンとディーゼルエンジンを中心にリリースしてきたが、MX-30にはマイルドハイブリッドメインとなっているので、今後のマツダのハイブリッドラインアップの礎となるクルマとなっていくだろう。
それでは、MX-30についてお伝えします。
グレード | 駆動方式 | 価格 |
MX-30 | 2WD | 242万0,000円 |
MX-30 | 4WD | 265万6,500円 |
Basic Set | 2WD | 249万7,000円 |
Basic Set | 4WD | 273万3,500円 |
Advanced Set | 2WD | 270万6,000円 |
Advanced Set | 4WD | 294万2,500円 |
Highest Set -Industrial Classic- | 2WD | 281万6,000円 |
Highest Set -Industrial Classic- | 4WD | 305万2,500円 |
Highest Set -Modern Confidence- | 2WD | 281万6,000円 |
Highest Set -Modern Confidence- | 4WD | 305万2,500円 |
100周年特別記念車 | 2WD | 315万7,000円 |
100周年特別記念車 | 4WD | 339万3,500円 |
魂動デザインを基に、フリースタイルドアを採用し、シンプルながらも美しいスタイリング
第一印象であるフロントフェイスは、力強い厚みのある立体とランプ周辺の彫りの深さを合わせることで、意思のある頼りがいと親しみやすさを表現している。
また、一見すると平面に思えるボディサイドでは、俯瞰すると強いバレル型を描くほど大胆なカーブで構成しており、退屈を感じさせないつくりにしている。
MX-30では、記憶に残る強く美しい塊を目指し、シンプルさの中に自分らしさを投影できる自然な余白のある存在感を演出している。
フリースタイルドア
新しいアクセス性をもたらす、センターオープン式のドア構造を採用することで、手荷物の乗せ降ろしはもちろん、お子さまの乗り降りのしやすさなど、幅広い使い勝手のよさに寄与します。
大開度の前後ドア
センターオープン式としたことで、移動することなく前後ドアの開閉操作を行うことが可能で、さらに専用設計のヒンジの採用により、ほぼ垂直に近い角度まで開く前後ドアを実現している。
アクセスのしやすさ
フロントドアの開度は、ベビーカーや車いすでのアクセス性までをも考えて設定しており、幅広い使い勝手のよさを提供し、例えばベビーカーを使用する場合、前後ドアを開いたスペースで乗せ降ろしの準備が可能となっている。
乗降性
開口部の高さや造形、サイドシルの断面やサイドシルガーニッシュの形状などは、人間特性に基づいて綿密に設計されており、センターオープン式の開閉構造と合わせて、自然な姿勢でスムーズに乗り降りできるように造り込んでいる。
個性と機能性を兼ね備えたインテリア
あらゆるパーツや素材すべてにおいて開放感に包まれる感覚を提供し、心が整う自然体でいられる空間をつくり上げ、個性と機能性を両立させた、フローティングをテーマとした空間となっている。
シート構造
前席は、フローティングテーマによるシンプルかつワイド感のある印象が、心が整うドライビングへと誘い、また後席では、サイドトリム構造を活用して、ソファのようにラウンドした後席デザインをつくり上げ、これにより空間全体に包み込まれるような心地よさを実現し自然体でいられるシート構造となっている。
フローティングコンソール
特徴的なフローティングコンソールはデザインのユニーク性もさることながら、そこには考え抜かれた機能性が凝縮されており、人間特性に基づいた造り込みによってしっかりと運転に集中できる環境を支えるとともに、開放感にあふれる居心地のよさと使い勝手のよさをも提供している。
優れた操作性と安楽な着座姿勢
シフトレバーとコマンダーコントロールを前方に配置するとともに、センターアームレストの高さも確保しています。
これにより、アームレストに肘を置きながら、自然な腕の角度で各デバイスを操作できるようにしており操作性の向上につながっている。
抜け感と機能性を両立した吹き抜け構造
コンソール前方下側の吹き抜け構造部は、前席乗員同士の強いつながり感を創出するとともに、収納スペースとしても活用できるユニークなデザインとなっている。
後席
後席乗員が着座した姿勢から、自然に外の景色が見える位置にリアドアガラスとクォーターウインドーを配置し、フリースタイルドアの特徴を生かしてソファのようにラウンドさせた後席デザインによって、包み込まれるような心地よさを実現している。
乗れば乗るほど楽しくなるMX-30のドライビングパフォーマンス
新たに独自のマイルドハイブリッドシステムを組み合わせたエンジンe-SKYACTIV Gで、乗れば乗るほど毎日の運転が楽しくなるドライビング体験を実現しています。
コクピット
誰もが自然な姿勢で運転に集中できる、運転者の体を中心とした左右対称のレイアウトや、きめ細やかなポジション調整機構など、こだわりをしっかり注ぎ込んでいる。
ペダルレイアウト
クルマを意のままに操る楽しさの基本として、まっすぐな姿勢でシートに座り、足を自然に伸ばして操作できる位置にアクセルペダル、ブレーキペダルを配する理想的なレイアウトを実現している。
オルガン式アクセルペダル
足の動きとペダルの動きが一致するオルガン式アクセルペダルは、アクセルとブレーキを自然に踏み替えることができる。
情報レイアウト
人間中心の考え方に基づき、「絶えず確認が必要な情報」「クルマの状態を確認する情報」「快適・利便性のための情報」の種類に情報を整理します。
そのうえで、それぞれを各表示デバイスに最適に配分したシンプルな情報レイアウトをつくり上げわき見などの防止にもつながります。
エンジン(e-SKYACTIV G)
24Vマイルドハイブリッドで爽快な走りを実現する「e-SKYACTIV G」を採用しているMX-30は、高効率エンジンと電動化技術の組み合わせにより、燃費性能とアイドリングストップ機能をさらに向上さた。
e-SKYACTIV G
直噴ガソリンエンジンSKYACTIV-G 2.0にマイルドハイブリッドシステム M HYBRIDを組み合わせた「e-SKYACTIV G」を搭載しています。
高効率エンジンと電動化技術の組み合わせにより、爽快な走りはもちろん、燃費性能とアイドリングストップ機能をさらに向上させ、乗るたびに心地よさを感じられる洗練のドライブフィールを発揮する。
MX-30の燃費は
駆動方式 | モード | 数値 |
2WD | WLTCモード | 15.6km/L |
4WD | WLTCモード | 15.1km/L |
M HYBRID
M HYBRIDはモーター(ベルトISG方式)と24Vリチウムイオン電池、DC-DCコンバーター、回生協調ブレーキから構成されるマイルドハイブリッドシステムです。
走行中に常にエネルギーの入力・出力を予測し、極限までスマートにエネルギーを使用するよう制御を造り込むことで、ほぼすべての走行シーンで走り・燃費・環境性能をより高いレベルで実現している。
AWDシステム
コーナリング性能とオフロード走破性を両立する高効率なAWDシステムを搭載させ、悪路を含めたさまざまな路面環境においても、運転者の意のままの走りを実現します。
コーナーリング性能
i-ACTIV AWDでは運転者のステアリング操作に応じて後輪トルクをリニアに増加させることで、ターンイン時のスムースさを実現している。
AWDとして類まれなる曲がりやすさと、AWDならではの旋回安定性を両立し、さらに、G-ベクタリング コントロールとAWDの完全な協調システムを実現することで曲がりやすさと安定性をさらに高次元で両立している。
オフロード走破性
タイヤの回転速度やGセンサーなどの情報を基に、路面のグリップ状況に合わせて前後の駆動トルク配分を最適化し、未舗装の荒れた路面でも安心感を持って運転を楽しむことが可能です。
さらに、険しい悪路でも高い走破性を実現する「オフロード・トラクション・アシスト」を搭載することで、悪路からのスムースな脱出をサポートするなど、高いオフロード走破性を実現している。
安心感を高めた数々の先進技術と、衝突被害の軽減を考えられたボディ
衝突被害軽減ブレーキ[スマート・ブレーキ・サポート(SBS)]
レーダーセンサーおよびカメラが前方車、歩行者、自転車へ衝突する可能性があると判断したとき、ディスプレイの表示と警報音で運転者に衝突の危険性を知らせる。
衝突を回避できないと判断すると、ブレーキ制御を行うことで衝突時の被害を軽減します。
スマート・ブレーキ・サポート後方検知機能/スマート・ブレーキ・サポート後進時左右接近物検知機能
後退中に後方の障害物や、自車の左右や後方に接近してきた車両を検知し、衝突を回避できないと判断したとき、ブレーキ制御を行うことで衝突時の被害を軽減します。
レーンキープ・アシスト・システム(LAS)
約60km/h以上で走行中に車線の白線(黄線)を検知して、自車が車線から逸脱する可能性があるとシステムが判断した場合に、電動パワーステアリングを作動させて運転者のハンドル操作をアシストします。
緊急時車線維持支援側方危険回避アシスト機能/ロードキープアシスト機能
約60km/h以上での走行中、車線が引かれていない道路からの逸脱回避のサポートや、自車の後側方から接近する車両を検知している状態で、衝突の可能性があるにもかかわらず車線変更の操舵を行うと、ステアリング操作をアシストします。
AT誤発進抑制制御[前進時/後退時]
徐行中や停車時、必要以上にアクセルペダルが踏み込まれたとき、表示および警報音と同時にエンジン出力を抑制します。
前進時には、衝突を回避できないと判断したとき、ブレーキ制御を行うことで衝突時の被害を軽減します。
マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)[全車速追従機能付]
0km/hから高速域まで、追従走行中に先行車が停止すると自車も減速して停止し、先行車が発進するまで停止状態を保持します。
再発進は運転者の操作で行い、再発進後は自動で先行車の速度に合わせて加速します。
クルージング&トラフィック・サポート(CTS)
先行車との車間距離を一定に保つ追従走行に加え、車線を検知している場合はステアリングアシスト機能が車線に沿った走行をアシストします。
車線を検知していない場合は、先行車の走行軌跡に沿った走行をアシストします。
高強度ボディ
全方位からの衝撃エネルギーを効率的に吸収・分散するフレーム構造を採用し、高強度な超高張力鋼板を使った骨格と多方面への環状構造を基本に、衝突時の変形の仕方を最適化するなど、高い衝突安全性能を実現している。
衝突安全性能
フリースタイルドアを採用するMX-30は、リアドア内部に配置した強固な補強部材をはじめとするさまざまな工夫によって高い衝突安全性能を実現しており、側面衝突に対しても効率的にエネルギーを吸収・分散し、キャビンの変形を最小限に抑えます。
SRSエアバッグシステム
SRSエアバッグシステムを全車に標準装備。
前方からだけでなく、側面からの衝突時にも前後席の乗員への衝撃を軽減し、さらに運転席には、膝周りの傷害や体の前方移動を抑えるSRSニーエアバッグを採用している。
自分らしさを楽しむための、MX-30の便利機能
マツダコネクト
様々なクルマの使い方を実現する、マツダ独自のコネクティビティシステムは安全で直感的に利用でき、さまざまなデバイスやメディアでも対応しています。
マツダコネクトの基本性能
ナビゲーションシステム
自車の現在位置をより高精度に地図画面に表示します。
インフォメーション
燃費情報、各種のメンテナンス情報や注意情報、i-DM情報などを表示できます。
オーディオ
Bluetooth接続やUSB Audioで携帯機器をクルマに接続可能。
また、地上デジタルTVやHDMI接続での高精度な映像とサウンドも楽しめる。
コミュニケーション
Bluetooth接続によるハンズフリー通話や、音声認識による電話発信ができます。
また、受信したショートメッセージサービスの表示や読み上げ、定型文での返信にも対応している。
Apple CarPlay、Android Autoに対応
通話、メッセージの送受信や、音楽を聴いたり、マップで目的地を調べることができ、また、音声操作が可能です。
オーディオ
人間特性に基づいてスピーカーレイアウトを突き詰めた「MAZDA HARMONIC ACOUSTICS」は、迫力があり、自然な音の到来、音の広がりや立体感、明瞭度を感じやすい音響空間を実現している。
マツダ・ハーモニック・アコースティックス+8スピーカー
室内空間で音がどのように伝わり、どのように聞こえるかを検証し、人間特性に基づいてスピーカーレイアウトを突き詰めたマツダ独自のオーディオシステムです。
全席でダイナミックかつクリアで広がりのあるサウンドを楽しめる。
ボーズサウンドシステム(AUDIOPILOT2+Centerpoint2)+12スピーカー
ボーズ社との共同開発によって、音の立体感や明瞭度をより際立たせた質感高いサウンドを実現しています。
ステレオ音源でも立体的な音像で再現するボーズ独自のサラウンドシステムCenterpoint2機能や、走行ノイズ補償システムAUDIOPILOT2も搭載しています。
ラゲッジスペース/サブトランク
フロア下に小物の収納などに便利なサブトランクボックスを備え、幅広いシーンに対応する容量400Lのラゲッジルームは、人間特性に基づいた設計により、重たい荷物でも体への負担を軽減しながら楽に積み降ろしできます。
また、ラゲッジルーム全体をカバーするトノカバーも装備している。
シートアレンジ
簡単な操作でシートバックが前に倒れ、荷室のフロアとの段差の少ないフラットな空間が広がります。
MX-30に適合する、ラゲッジスカッフプレートになります。
ブラック・シルバーの2色展開で、傷つきやすい部分を守りながらドレスアップ効果も抜群です!
さいごに
マツダ MX-30はいかがだったでしょうか?
MX-30の一番の特徴は、やはり「フリースタイルドア」を採用したボディ形状だろう。
いわゆる、観音開きをするドア形状だが、以前同社で扱っていたスポーツカーのRX-8でもこのようなドアを採用していた。
筆者の個人的には、RX-8で使われていたドア形状をMX-30のようなSUVに採用したのは、かなり斬新だと感じた。
フリースタイルドアによって、エクステリアデザインはシンプルでなおかつ洗練されたクーペSUVといえるフォルムが実現されている。
正直、従来のドア形状のほうが乗降性などの自由度は高いだろうが、少人数で乗ることの多い方にとっては、SUVは欲しいけど大きすぎるのはいらないといった方にハマる形状だろう。
もちろん、フリースタイルドアでも乗降性をしっかり考えられているので、慣れてしまえば問題ないだろう。
昔から、マツダのデザインはかっこよくて好きだが、MX-30の登場によってさらにマツダのエクステリアデザインが好きになりました(笑)
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