マセラティ ギブリ(Maserati Ghibli)は、1966年に初代モデルが登場し、1992年に2代目、3代目である現行型は2013年より販売されている。
ギブリは、マセラティのラインアップでも一番コンパクトなセダンで、マセラティのエントリーモデルとなっている。
車体サイズは、全長4,985mm×全幅1,945mm×全高1,485mmとなっており、マセラティのフラッグシップセダンである、クアトロポルテが全長5,270mm×全幅1,950mm×全高1,470mmとなっているので、全長が5,000mm以内に収まっており、日常でも扱いやすいサイズ感が魅力である。
価格帯でも、これまでの日本市場におけるマセラティのラインアップとして、最低でも1,000万円以上のラインアップだったが、3代目ギブリは1,000万円を切る価格帯ということで、大きな話題にもなった。
最新モデルの特徴は、「グランルッソ」と「グランスポーツ」の2種類のトリムオプションを設定し、それぞれ個性を生かしたデザインで、ユーザーの好みのトリムを選べるのも大きく進化した部分である。
それでは、マセラティ ギブリについてご紹介していきます。
車名の由来は、リビアの高地から地中海地方に吹き込む埃を含んだ熱風に由来する。
※ちなみに、となりのトトロやもののけ姫などで有名な、スタジオジブリも同じ由来になっている。
ギブリの価格は
Ghibli(ギブリ) | V6ガソリン | FR | 350PS | 980万0,000円 |
Ghibli S(ギブリ エス) | V6ガソリン | FR | 430PS | 1,160万0,000円 |
Ghibli S Q4(ギブリ エス キューフォー) | V6ガソリン | AWD | 430PS | 1,235万0,000円 |
Ghibli Diesel(ギブリ ディーゼル) | V6ディーゼル | FR | 275PS | 875万0,000円 |
グランルッソ、グランスポーツの2種類のトリムの違い
2017年に発表されたクワトロポルテから採用された「トリム戦略」を、ギブリでも展開し「グランルッソ」と「グランスポーツ」というオプションラインが登場した。
グランルッソ
エクステリアの完成度を高めるだけでなく、エルメネジルド・ゼニア製のシルク&レザーコンビネーションインテリアを採用し、ラグジュリーさを追求しエレガントな印象を与える。
グランスポーツ
精悍さ極めたエクステリアデザインを施し、ピアノブラックトリムやスポーツシートなどの魅力的なインテリアが与えられ、マセラティのレーシングスピリットを表現した、スポーティな装いにしている。
それぞれのトリムは、全てのグレードにラインアップされる。
先代モデルよりもパワーアップしたガソリンエンジンに、マセラティ史上初のディーゼルエンジンの採用
ギブリに搭載されるエンジンは、マセラティが設計したエンジンを採用しているが、組み立てに関してはフェラーリ社の本拠地であるイタリア、マラネッロにあるフェラーリの工場で行われている。
ギブリ(ベースグレード)に搭載されるエンジン
ギブリに搭載されるエンジンは、3.0Lツインターボエンジンが搭載され、最高出力350PS/5,500rpm、最大トルク500N・m/1,600~4,500rpmを発揮し、0-100km/h加速は5.5秒、最高速度は267km/hとなっている。
S、S Q4に搭載されるエンジン
搭載されるエンジン自体は、ベースグレードと同じだが、S、S Q4用にチューニングが加えられ、最高出力430PS/5,750rpm、最大トルク580N・m/2,250~4,000rpmを発揮し、0-100km/h加速は4.9秒(S)、0-100km/h加速は4.7秒(S Q4)、最高速度は286km/hとなっている。
ギブリ ディーゼルに搭載されるエンジン
ギブリ ディーゼルに搭載されるエンジンは、上記のガソリンエンジンとは異なるV6エンジンが搭載され、最高出力275PS/4,000rpm、最大トルク600N・m/2,000rpmを発揮し、0-100km/h加速は6.3秒、最高速度は250km/hとなっている。
ディーゼルエンジンの特性を活かし、S及びS Q4のトルクに比べ20N・m程上回り、低回転から力強い走りを体感でき、余裕を感じさせる。
正確なシフトチェンジを行うオートマチックトランスミッション
ドライビングの可能性を無限に広げる、ドイツの名門ZF社製の8速オートマチックトランスミッションを採用している。
ドライビングスタイルに合わせた、最適なシフトパターンを選択するオート・アダプティブ・ソフトウェアの採用により、一人一人に異なるドライビング・エクスペリエンスを与える。
燃料消費を抑え、ロングドライブや高速走行の快適性を向上させる。
後輪に駆動力を伝えるため、すべてのマセラティギブリに機械式リミテッドスリップ・ディファレンシャル(LSD)を標準装備し、厳しい路面状況でも力強いトラクションを維持する。
S Q4に搭載されるインテリジェントAWDシステム
ギブリのAWDモデルである、S Q4には、マセラティが誇る後輪駆動ならではのドライブフィールとAWDのトラクションを求めるドライバーに理想の一台となっている。
ドライビングスタイル、ステアリングアングル、ヨーアングル、スピード、ホイールスリップ、出力の6つのパラメータを常時分析し、最高出力430PSを発揮するV6ガソリンエンジンの駆動トルクを状況に合わせて配分します。
マセラティが独自に開発した精巧なアルゴリズムにより、ホイール速度、ステアリング、ヨーアングル、さらにはホイールグリップとドライビングスタイルの関連性などダイナミズムを常時モニタリングし、これらのデータをもとに、各車輪のグリップを個別にプログラムし、いつでもどこでも最高のダイナミクスを引き出す。
スポーツセダンに最適な50:50の重量配分
鋼材とアルミニウム合金の配列による剛性で、極めて強固なスチールセルにより、最大限の強度、最小限の重量を実現させ、スポーツセダンに最適な50:50の重量配分としている。
スカイフック・サスペンション(グランスポーツに標準装備)
スカイフック・サスペンションは、状況に合わせてダンパーの減衰力を制御し、サスペンションのセッティングを継続的に最適化します。
各ホイールや車体の動きを検知するセンサーを用いて、路面状況やドライビングスタイルを判断し、瞬時にダンパーの減衰力を調節する。
強大なパワーを受け止めるブレーキシステム
エンジンパフォーマンスとしっかりと調和するパワフルなブレンボ製ブレーキを採用する。
鋳鉄の強度とアルミニウムの軽さを持ち合わせたデュアルキャストディスクにより、ばね下重量を低減し、かつハンドリング技術を向上させる。
マセラティ ギブリに適合するLEDナンバー灯になります。
圧倒的な白さが高級感を演出します。
先進運転支援システム(ADAS)により一般道や高速道路などで安心安全を運転者に享受
ギブリには、さまざまな先進運転支援システム(Advanced driver-assistance systems)が搭載され、ロングドライブや高速道路の走行シーンで運転者はもちろん、同乗者にも大きな安心感を与える。
ストップ&ゴー機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)
アダプティブクルーズコントロールは、フロントグリルのトライデントの裏側に装着されたレーダーセンサーとルームミラー裏側のカメラによって、前方車両の存在を常にモニタリングし、レーダーセンサーが前方車両を検知すると、システムが自動的に作動して、速度と車間距離を調整する。
速度が変化するたびにクルーズコントロールを作動させなくても、あらかじめ設定した希望の速度が維持される。
ストップ&ゴー機能
停止と発進を繰り返す渋滞などの交通状況において、前方車両が停止すれば、ストップ&ゴー機能が起動し、完全に停止するまでブレーキをかけ、その後、停止が2秒未満であれば自動的に車両を再発進させる。
レーンキーピングアシスト(LKA)
レーンキーピングアシストは、ルームミラーの裏側に設置されるカメラによって、前方の進路を継続的に追跡する車線をモニタリングし、車両が意図せず車線からはみ出しそうになると、ステアリングを振動させて運転者に警告し、運転者が車両を車線の中央に戻す操作をサポートするために操舵トルクを加える。
レーンキーピングアシスト作動状態のディスプレイ表示について
•白線:車線の境界が正しく検知され、レーンキーピングアシストが介入できる状態。
•黄色の点滅する線:車両が中央から外れ、車線の左右どちらかに寄っていること示す。
•黄色の線:車両が車線から逸脱していることを警告し、タッチスクリーンで視覚と触覚ボックスが選択されている場合、この時点でレーンキーピングアシストが作動して、ステアリングの補正を行う。
アクティブブラインドスポットアシスト(ABSA)
アクティブブラインドスポットアシストは、死角に進入する車両との衝突を防止、または緩和を試みる機能で、リヤバンパーフェイシアに配置されたレーダーセンサーを使用し車両を検知する。
車線の検出と推定のために、内部バックミラーの後ろに配置されたカメラを使用します。
左右の死角を感知して、近くの車両との間隔を絶えず確認し、運転者がドアミラーで確認できない死角に入る車両を検知すると、ドアミラーに内蔵された警告灯を点灯させることで運転者に警告する。
それに加え、警告音を鳴らし、オーディオ使用中であれば音量を下げます。
サラウンドビューモニター
サラウンドビューモニターは、車両周囲に設置された4台のカメラから提供されるすべての情報を組み合わせて車両の周囲360°の画像を作成し、非常にクリアな視界を表示することで、駐車する際の運転をサポートする。
道路標識自動認識システム(TSR)
道路標識自動認識システムは、ルームミラーの裏側に設置された前方監視デジタルカメラとナビゲーションシステムのデータを用いて交通標識をモニターする。
検知することが可能な標識は、「速度制限標識」「一時的な速度制限標識」「追い越し禁止ゾーンの標識」の3種類をカバーしている。
前方衝突警告プラス(FCW Plus)
前方衝突警告プラスは道路を常に感知し、前方監視レーダーセンサーと電子ブレーキコントローラー(EBC)から情報を取得することで、前方の車を監視する。
前方衝突警告プラス機能が車両を検知し、前方衝突が発生する可能性があると判断した場合、即座に警告ブレーキ作動とともに視覚的および聴覚的な警告を発し、運転者が危険に対応した行動を起こさない場合、自動緊急ブレーキシステム(AEB)が作動する。
システムは、緊急停止を行って追突を回避または車両の被害を軽減するために、必要に応じて自動的にブレーキを作動させ、前方車両との衝突の可能性がなくなったと安全システムが判断すれば、警告メッセージは解除される。
7つのエアバッグ
フロントには、運転者や助手席の乗員を衝突の衝撃から保護する2つのデュアルステージエアバッグと胴体と腰部を保護する2つのサイドエアバッグを備えている。
また、センターピラー横のルーフには2つのウィンドウエアバッグを装備し、さらには運転者の足を保護するエアバッグを搭載している。
シンプルで直感的に操作ができるコネクテッド機能
運転席正面のアナログ式タコメーターとスピードメーターの中央に、7インチTFTディスプレイを配置し、ダッシュボード中央には8.4インチ・マセラティ・タッチ・コントロール・プラス(MTC+)を配置している。
直感的な操作を可能にするため、ボタンの数を最小限に抑え、インターフェースのレスポンスを向上させ運転者は前方の道路状況に集中することができる。
また、フロントシートヒーター、ベンチレーション、ステアリングホイールヒーター、リアサンシェード(オプション)を操作できる他、リアパーキングカメラを使用してリアビューをガイドライン付きでスクリーンに表示できる。
MTC+はミラーリング機能を搭載し、Apple CarPlayとAndroid Autoにも対応し、iPhoneユーザーは、AppleのSiriがパーソナルアシスタントになり、音声コマンドを使用してタスクを実行する。
Siriに話しかけることで、通話、音楽再生、メッセージ、リマインダー、メールの読み上げ、ウェブサイトへのアクセスなどが可能になる。
ギブリをはじめ、様々なマセラティ車に適合する、オートライトキャンセラーになります。
さいごに
マセラティ ギブリはいかがだったでしょうか?
レーシングスピリットを感じさせながら、しっかりラグジュアリーを演出する贅沢なクルマに仕上がっていると筆者は感じました。
エクステリアデザインには、いつでも本気になれば圧倒的なパフォーマンスを発揮できる貫禄が感じられ、インテリアにはシンプルながらも高級感が溢れるディティールを持ち合わす。
4ドアセダンの優雅さと、スポーツセダンである圧倒的なパフォーマンスを兼ね備えているので、どちらも両立したい、ワガママな注文にも応える1台と言えるだろう。
この記事の参考URL:https://www.maserati.com/jp/ja/models/ghibli
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