クルマを見る角度は様々ありますが、その中でも「フロントデザイン」は、やはりクルマのデザインの要だと思います。
そんなフロントデザインの真正面に当たる「グリル」はフロントデザインの中でも重要なパーツとなっています。
最近のトレンドは、車メーカーが独自のグリルデザインを統一化することで、ひと目見ただけで、どのメーカーのクルマだと認識できるようになっています。
今回は、各メーカーのグリルデザイン第3弾についてお話します。
【GOM Mix】初心者でも簡単な動画編集ソフト各メーカーのグリルデザインについて
キーンルック トヨタ
トヨタが採用するグリルデザインは「キーンルック」になります。
キーンルックの特徴には、中央のエンブレムを中心とし、V字に大きく広がる立体的なデザインに、精悍なヘッドライトを組み合わせたスタイリッシュデザインとなっているのが特徴です。
まさに名前の通り、「keen(鋭利な)」「Look(見た目)」となり、このグリルが登場以降、これまで大衆的なデザインであったトヨタ車を変革する印象に変わることが出来ました。
キーンルックが初採用されたのは、2012年8月20日にフルモデルチェンジを果たしたハッチバックのオーリスから始まりました。
キーンルックの採用によって、トヨタが目指す「世界中どこでもトヨタ車と分かるデザインとして、導入していく」を実現し、ヨーロッパを中心に爆発的なヒットとなりました。
キーンルックは、SUVやミニバン、セダンなど様々なボディタイプに採用されていますが、車種によりデザインに変化が見られ、統一されたデザインでも見せ方を工夫していることで、トヨタのデザイン力の高さが分かります。
今後も、キーンルックの進化に期待します。
ダイナミックシールド 三菱自動車
三菱自動車が採用するグリルデザインは「ダイナミックシールド」になります。
ダイナミックシールドは、2014年に日産から三菱自動車に移った國本恒博氏がデザイン本部長に就任したことで、新しく打ち出されたデザインになります。
ダイナミックシールドの特徴は、中央のグリルから左右に伸びるクロームのラインや、バンパーの両サイドに配置された大型のエアインテークが、特徴的です。
このデザインは、力強さと防御感を視覚的に表現することを目指していて、車両のフロント部分がドライバーや乗員を守るシールド(盾)のように見えることを意図しています。
かつてフラッグシップSUVとして君臨していた、パジェロの頼りのあるフェイスデザインである「プロテクション」と、スポーティセダンである、ランサーエボリューションの台形グリルデザイン「パフォーマンス」を融合させたデザインが「ダイナミックシールド」となり、力強さとパフォーマンスの高さを同時に表現しています。
5ポイントグリル マツダ
マツダが採用するグリルデザインは「5ポイントグリル」になります。
5ポイントグリルは、グリルの中央部付近にエンブレムを配置し、外側を五角形のフレームが覆うデザインになります。
コンパクトカーのマツダ2から、大型SUVであるCX-60など、幅広い車種に採用されています。
さらに、新時代のデザインコンセプトである「魂動デザイン」の基、フロントグリル下から左右のヘッドランプへと翼のようにつながるデザインを採用した「シグネチャーウィング」を、5ポイントグリルに組み合わせることで、世界的評価の高い美しくて力強いフロントマスクを完成させています。
7スロットグリル ジープ(Jeep)
ジープが採用するグリルデザインは「7スロットグリル」になります。
7スロットグリルは、7つの穴が縦に空いているグリルデザインになります。
等間隔で並ぶ、同サイズの7本の細長い穴となるジープの「7スロットグリル」は、デザインに特化しないからこそワイルド感は抜群です。
こちらのデザインが採用されたのは、1945年のCJ-2A型以降となり、それ以前は7本以上穴が開いていたりと、年式によってそれぞれ異なっていました。
第2次世界大戦が終結し、民間利用を目的に開発されたモデルから法規上、それ以前の軍用モデルよりもヘッドライトを大きくする必要があった為、そのためグリルの幅が小さくされることになり、スロットの数が減らされたというのが7スロット誕生のきっかけとなったという説があります。
日本市場で人気の高い、ラングラーをはじめ、コンパクトSUVのレネゲード、大型SUVのグランドチェロキーなど、スロットのサイズは違えど、全ラインアップに7スロットグリルが採用されています。
1945年から続く伝統的なグリルデザインは、今後も伝統を守りながら進化していくでしょう。
さいごに
各メーカー様々なデザインで、どれも特徴的で印象強いデザインが多かったですね。
新たな挑戦をするメーカーもあれば、長い伝統を守っているメーカーもありますが、どちらも進化をし続け、新たなデザインを追求し続けています。
EV車の登場で、「グリルレス」も出てきていますが、これからはグリルデザインの多様化が進んでいきそうです。
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