「デジタルナンバープレート」あまり聞き慣れないものですが、従来のナンバープレートとは異なり、「電子インクディスプレイ」にクルマのナンバープレートを表示させたものになります。
分かりやすくすると、Amazon Kindleなどの電子書籍リーダーに、ナンバープレートを表示させて車に掲示するようなものがデジタルナンバープレートになります。
電子インクディスプレイを採用しているのには、消費電力が少なく、電源がなくても表示が保持される特徴があります。
アメリカの一部の州やドバイで、デジタルナンバープレートの実用試験が2018年辺りから行われていて、すでに運用されている国や地域もあります。
今回は、デジタルナンバープレートの機能や活用方法についてお話します。
定額ニコノリパックデジタルナンバープレートによる様々な活用法とは?
デジタルナンバープレートを開発したのは、アメリカのReviver(リヴァイヴァー)という会社になります。
デジタルナンバープレートには、上述したようにバッテリーが内蔵されているため、取り付けに配線が不要になります。
日本で言う、字光式ナンバーのように配線をしなくては点灯しない構造ではなく、いわゆる「ポン付け」で取り付けられます。
他にも、デジタルナンバープレートの内部にはGPSやワイヤレス通信機などが内蔵されているので、様々な活用法があります。
足を運ばなくても、オンラインによる登録更新が可能となる
アメリカには、日本のような車検制度がありませんが、車両登録以降では定期的に更新手続きを行わなくてはならない決まりになっているのです。
手続きには、DMVと呼ばれる自動車局に訪問するか、郵送によって登録ステッカーを発行してもらい、その都度ナンバープレートに添付しなくてはなりません。
しかし、デジタルナンバープレートではその手続が全てオンラインによって行え、登録ステッカーをナンバープレートに貼付する必要がなく、デジタルナンバープレートに表示できるようにします。
デジタル化することで、登録ステッカーの盗難による悪用される犯罪を防止することにも繋がります。
あらゆる情報表示や、広告表示が可能に
デジタルナンバープレートは、「表示を自由に変えられる」ことがメリットになるため、ナンバープレートを表示中の余白や、またはナンバープレート全面に何かしらのメッセージを表示させることも可能になります。
他にも、登録期限切れや駐車許可に加え、車両が盗難された場合には、ナンバーに盗難車であることを周囲に知らせたり、誘拐事件や行方不明事件が起こった際に発せられる警報を表示させ、周囲の車に注意を促すこともできます。
また、停車中では広告や通知を表示させられることも可能であり、一般車だけでなく事業用でも活用できるのが特徴だ。
ただし、アメリカでは表示できるメッセージ等は州が定めたものに限定されているようです。
今後は、表示できるメッセージの拡大が期待される。
【内蔵されているGPSによって車両追跡が行える】h3
デジタルナンバープレートには、GPS発信機が内蔵されているため、盗難車両の追跡やナンバー単体の追跡も容易になります。
クルマの位置を把握することができるため、業務車両の位置把握やアメリカでは未成年の子供の位置把握にも効果を発揮します。
業務の把握や、盗難、誘拐事件や失踪事件などの犯罪時にも早期に解決しやすくなります。
通行証や、高速料金の支払いが行える
日本のように、車両に対して後付でETC端末を取り付けるのが主流となっていますが、デジタルナンバープレートを料金徴収システムと連携させることで、高速料金などをナンバープレートの掲示のみで済ませることが出来ます。
デジタルナンバープレートのデメリットは?
ここまで、デジタルナンバープレートのメリット部についてお話してきましたが、もちろんデメリットはあります。
それは、ズバリ「コスト面の高さ」にあります。
当然ながら、従来の金属製のナンバープレートと比較してしまうと、電子デバイスを搭載するわけですから初期費用がどうしても嵩んでしまいます。
通常版では、バッテリー容量などの仕様によるものの、本体価格は約500ドル(約7万4,000円)となっており、さらに使用料金として一ヶ月あたり約5ドル(約744円)がかかる。
さらに、高性能版は本体価格が約600ドル(約9万円)で、使用料金もひと月約7ドル(約1,000円)程度になります。
大型の電子インクディスプレイとしては、適正価格とは言えるものの、従来の金属製ナンバープレートを選択した場合、1/20以下の費用にとどまるため、高価なものであるのは確かだろう。
搭載されているバッテリーは、驚異の5年間持続するようだが、定期的なメンテナンスが必要であるためランニングコストはかかってしまう。
他にも、万が一故障した場合には、その状態ではクルマに乗れなくなってしまうのも、大きなデメリットになるだろう。
デジタルナンバープレートは日本でも運用される?
もし、日本でも運用されるとしたら、ETC車載器の代わりとして使えるメリットと、白タクなどの違法営業や車検切れ車両の摘発に有効になります。
駐車違反車両には、特別な表示をして誰もが分かるようにできたり、カーショーなどのイベント時にはドレスアップとして使用することができるでしょう。
ただし、便利であることはもちろんなのですが、高額な初期費用がかかってしまったり、法整備やシステム整備には多額の手間と費用がかかることが予想されます。
現状を考えてみると、日本で導入するとしても遠い未来の話かもしれません。
さいごに
デジタルナンバープレートは、まるでSF映画のような世界観を持つ先進性を感じられるものです。
ディスプレイに様々な表示ができるため、盗難や事件などの際以外でも、街中での他のドライバーや歩行者などともデジタルナンバープレートを介して、コミュニケーションを取れるツールにもなります。
緊急時などにも、周囲の人達にアピールすることもできるため、一刻も早く解決することが出来ます。
導入するのには、初期費用高いですが総合的に見たら、従来のナンバープレートの役割のみならず、様々な機能があるために、費用対効果は高いものと言えるでしょう。
いずれ、日本にも導入されることを期待したいです。
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