2020年2月21日に、ホンダ アコード(Accord)CV3型にフルモデルチェンジした新型のアコードの発売を開始した。
日本仕様車が発売される以前に、2017年にアメリカ・カナダでの販売を開始し、2018年には中国仕様車が販売開始されている、海外でも人気が高く知名度も高いクルマだ。
今回のモデルの特徴として、ハイブリッドモデルのみの設定となりグレードも1つのみといった、珍しいモデルになっている。
ハイブリッドシステムには、先代ハイブリッドで使われているH4型とした2モーター方式の「e:HEV(イーエイチ イー ブイ)」が採用された。
ホンダフィットにも同じ 「e:HEV(イーエイチ イー ブイ)」 が採用されている
初代モデル誕生から40年以上経つ伝統的なモデルだが、10代目のアコードの実力は如何になっているだろうか?
ホンダ アコードの価格は、465万0,000円
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ホンダ アコードに、搭載するエンジンは先代モデルよりダウンサイジングされたエンジンを採用し、さらに2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」を採用している。
「e:HEV」は、モーターを中心に、様々な走行シーンでエンジンのみ、エンジン+モーター、モーターのみで走ったりと、切り替えを頻繁に行う。この「e:HEV」の恩恵で、優れた燃費性能とパワフルな動力性能を生み出す。
日本はもとより、北米をはじめ世界の様々な国でパフォーマンスを磨いてきたアコードは低全高と低重心フォルムにより、爽快なパフォーマンスを実現するとともに、ボディーには軽量で強度の高い高張力鋼板をボディー骨格の48.6%に使用し、優れた衝突安全性と質の高い走りの両立を図ることができた。
さらに軽量化を強化するために軽量サブフレーム、薄肉燃料タンク、エキゾーストサイレンサー等の採用により、先代モデル比で50kgの軽量化を実現させた。
足回りも、「アダプティブ・ダンパー・システム」の搭載により、4つの車輪毎の回転速度や車両挙動などをリアルタイムに検知し、1/500秒単位で最適な減衰力を算出し電子制御でダンパー内のオイル流量をコントロールする。3つのドライブモード(SPORT/NORMAL/COMFORT)に減衰力の可変領域にも変化させ、常に車体の振動を抑え込み、優れた走行性能と乗り心地の向上をはかっている。
標準装備されている18インチのアルミホイールには中空構造の消音機能により、道路の継ぎ目を超える際などに起こる不快なロードノイズを低減させ、静粛性を高める。
ホンダ アコードの燃費は、WLTCモード22.8km/L
先進のHonda SENSINGと優れた衝突安全性能で乗員の安心性を高める
ホンダ アコードには、ホンダの先進技術Honda SENSINGを標準装備させ、あらゆるシーンでの事故を未然に防いだり、高速道路走行時での運転支援により運転者の疲労軽減につながる機能などが備わっている。
単眼カメラと、ミリ波レーダーによって前方車両に追突の恐れがある場合や、アクセル操作の踏み間違いなどによる誤発進を抑制する機能や、高速道路上では前方車両に追従していくアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)、車線維持支援システム(LKAS)により快適で安全な高速走行が可能となっている。
また、走行中に斜め後ろに車両の存在を検知し、その方向のドアミラー鏡面上にマークを点灯し運転者に伝えるブラインドスポットインフォメーションや、駐車・出庫時などに障害物などの接近を知らせるパーキングセンサーシステム、夜間ではLEDアクティブコーナリングライトによって、ステアリングやウインカーを操作すると曲がろうとする方向の内側の路面を照らし、右左折時の歩行者などをより見やすくする。
先述でもあったように、ボディー骨格に軽量かつ強度に優れた素材を配置することで、衝突安全性能に大きく貢献している。相手車両や歩行者の安全まで視野に入れ、相手車両に与えるダメージを軽減する「コンパティビリティー対応ボディー」とともに「歩行者障害軽減ボディー」を採用している。
車内には、運転席&助手席用のエアバッグ、前席用サイドエアバッグシステム+サイドカーテンエアバッグシステム(前席/後席)、運転者の下肢への衝撃を低減させる運転席用ニーエアバッグを搭載し、衝突時に乗員のダメージを軽減する。
ボンネットには、ポップアップフードシステムにより歩行者との衝突を感知すると、フロントフード部が持ち上がり、歩行者の頭部への衝撃を低減させる。
さらに、万一の際には事故の衝撃でエアバッグが作動した場合は、緊急通報サービスの「ヘルプネット」に簡単な操作で通報ができ、専用のオペレーターを通して消防や警察への迅速な出動要請ができるシステムを搭載している。
視界の良さ、静粛性に優れた室内空間とラゲージスペース
ホンダ アコードには、視界の向上を高めるためにフロントシートを内側にレイアウトし視野角を広げるという発想とともに、フロントピラーの位置を後方に引きスリム化を実現した。視界の良さに加えて、美しいロングノーズデザインにも貢献している。
車内の静粛性を高めるために、「アクティブノイズコントロール(ANC)」により、車両のノイズに対して逆位相の音をスピーカーから出すことで、驚きの静粛性を得ることが出来た。また、シートには運転席と助手席はもちろん、後席の左右席にシートヒーターを標準装備し、寒冷時などでは重宝する機能を持たせている。
ラゲージルームには、ハイブリッドシステムのバッテリーを後席下に移動させるとともに、サスペンションの構造・配置を最適化しハイブリッドセダンの課題でもあるラゲージルームの拡大を実現させた。
573Lの大容量である故、9.5インチのゴルフバッグなら4個積載可能で、さらに後席には一体可倒式リアシート構造により後席を前に倒すことにより、より多くの荷物を積載することが可能となっている。
長尺物を積載する際にもリアシート中央のアームレスト部分に、ラゲージスペースとキャビンを貫通させるアームレストスルー機構になっているので、4人乗車しながら長尺物の積載が可能となっている。
これまでも、これからもアコードの存在は揺るがない
新型ホンダ アコードについて記述してきたがやはり最新技術のHonda SENSINGによる予防安全や走りにこだわった足回りの技術など、どれをとっても非常に完成度が高いクルマと言える。
歴史が40年以上に及ぶので、ホンダとしても主力にしたいクルマである事が分かる。
特に北米での人気が高く、今回のモデルも先述した通り日本で販売される前に北米での販売が先になっている。エクステリアデザインも北米市場でウケるデザインだし、そこには北米市場をメインで展開してきた経緯があるだろう。
アコードというブランドイメージも年々、高級志向に捉えられ今回のモデルでは日本のユーザー層も多く取り入られるポテンシャルを持つクルマだと思う。
ただ、筆者の個人的な意見になるが、こうしたほうが良いという事がある。
それは、グレードが1つという事と、サンルーフが必ず装備されるところだ。
グレードが1つだけによって、価格は465万円の一本であることから検討の余地があるユーザー層を狭めていると感じる。
サンルーフの標準装備だが、それぞれユーザー層の好みがあるし、現代の日本ではサンルーフを選択する人が少なくなっていると思うからだ。こういったところも北米市場がメインである背景が見える。筆者の個人的には、サンルーフは絶対あるほうが良い(笑)
しかしながら、このクラスの価格帯のセダンを検討している方には、是非アコードを選択肢の一つとして考えても良いと感じる。
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