ルノー カングー(RENAULT KANGOO)は、1997年より初代モデルが販売され、2007年に現行型である2代目が登場した。
当初は乗用モデルの「カングー」と商用モデルの「カングー・エクスプレス」の2モデル展開しており、半々の売り上げであったが、次第にその使い勝手が評価されるようになり、乗用カングーの売り上げが増え、あっという間にヨーロッパで大きなセールスとなった。
元を辿ると、1960年代に開発された「4F(キャトル・フルゴネット)」を端とする、荷室拡大型小型貨物車であるエクスプレス(Express)の後継車として開発されたこともあり、広い室内空間が魅力的なクルマとなっている。
広い室内空間と高い機能性から、ヨーロッパでは「ルドスパス(遊びの空間)」(ラテン語で「遊び」を意味する「LUDOS」と、フランス語で「空間」を意味する「ESPACE」を組み合わせた造語)と呼ばれ親しまれている。
今回は、ルノー カングーについて紹介します。
カングーの価格は
ZEN 6MT | 6MT | 254万6,000円 |
ZEN EDC | 6AT(6EDC) | 264万7,000円 |
2.0Lクラスのトルクを発揮する1.2Lターボ直噴エンジンに選べるトランスミッション
カングーに搭載されるエンジンは、1.2L 直列4気筒直噴ターボエンジンで、1.2Lの小排気量ながら2.0Lクラスのトルクを実現している。
最高出力は、115PS/4,500rpm、最大トルクは190N・m(電子制御6速AT(6EDC):1,750rpm、6MT:2,000rpm)と、扱いやすいエンジン特性を持ち合わせている。
初代モデルから引き続き設定されたMT車の比率は、当初15%程度と予想されていたが、実際には30%程度となっており、予想を上回る需要がある。
カングーの燃費は
ZEN EDC | JC08モード 14.7km/L |
ZEN 6MT | 未公表 |
優れた低燃費を実現するテクノロジー
エナジー スマート マネジメント(ESM)[6MT車に標準装備]
制動時や、減速時の運動エネルギーを再利用することにより、電気エネルギーの消費を最適化する。
ECOモード
加速時のエンジントルク・出力、空調を最適に制御することにより、滑らかな走りとスムーズな加速に加えて経済的なドライブを実現する。
ストップ&スタート機能[6MT車に標準装備]
赤信号や渋滞時などの一時的な停車中に、エンジンスイッチを操作することなく、ブレーキペダルの操作によってエンジンを停止・再始動させるシステムを搭載することで、燃費向上やアイドリングの騒音の低下に貢献する。
運転の楽しさと快適さを両立する、電子制御6速AT(6EDC)
電子制御6速AT(6EDC)トランスミッションは、変速スピードの速さや、ダイレクト感に優れ、エンジンパフォーマンスを高い効率で引き出します。
奇数段と偶数段の、2つの独立したギアとクラッチを備えるので、例えば奇数段ギアが選ばれているときは次の偶数段ギアが待機状態になるため、シフト操作を行うと俊敏に次のギアにつながり、シームレスな変速を行う。
坂道発進時に安心なヒルスタートアシスト機能も付いており、快適さとスポーティさを両立した運転の楽しさを味わえる。
安全の確保を最優先した充実の装備
エアバッグシステム
フロントエアバッグ(運転席・助手席)、フロントサイドエアバッグ、カーテンエアバッグ、フォースリミッター/プリテンショナー付シートベルト(運転席・助手席)、運転席・助手席アンチサブマリン機構を標準装備している。
※アンチサブマリン機構とは、衝突時にエアバッグが開くことで瞬時にシート座面の前方がせりあがり、乗員がシートベルトの下に潜り込むサブマリン現象を防ぐ機構。
ABS
ABS(アンチロック・ブレーキシステム)は、EBD(電子制御制動力配分システム)とEBA(緊急時ブレーキアシストシステム)との組み合わせで、ブレーキを強くかけたときの走行コントロールをサポートする。
ESC(横滑り防止装置)
タイヤが滑りかける状況を検知し、車両の進路を安定させる。
エクステンデッドグリップ
泥道や積雪路、砂利道などの悪路において適切な駆動力を確保するための走行モードで、ステアリングホイール右奥に配置したスイッチでシステムを作動させると、トルクと制動力を最適に制御することにより駆動力を確実に地面に伝え、スムーズかつ安定した走りをサポートします。
ヒルスタートアシスト
坂道発進時、ブレーキ力を自動的に約2秒間維持することで、運転者は慌てることなくスムーズな発進を行うことができる。
サイドブレーキ
航空機のスロットルレバーを思わせる、操作しやすく耐久性のある形状を採用しています。
このユニークなデザインには、1日に何百回とサイドブレーキを使用する、本国の郵便局員の要望に応えて開発されている。
電動格納式ヒーター付ドアミラー
後方の視認性を向上させる大きなドアミラーを採用し、駐車時などは電動で折り畳め、冬季など曇りやすい場合でもヒーター付きで安全性を確保する。
オートライト
周囲が暗くなる夕方や、走行中のトンネルなどで自動的にライトを点灯させて視認性、被視認性ともに確保する。
フロント雨滴感応式オートワイパー
水滴を感知する雨滴センサーにより自動的にワイパーが作動し、さらに雨量に応じてワイパーの動作速度、間欠動作を調整する。
走行中の急な天候の変化にも煩わしい操作が不要になります。
カングーの真骨頂でもある、便利な室内空間
ラゲッジルーム
広大なラゲッジルームには、様々なシーンに対応する便利機能を持っている。
ラゲッジフロアの高さを低くし、荷物の出し入れを用意に行えたり、ラゲッジルームのトノボードは、半分の高さにセットすることが可能なので、空間を上下2段に区切ったスペースとして使うこともできる、トノボードを使わない場合はリアシートの背面にスッキリ収納できる。
オーバーヘッドコンソール・3連式オーバーヘッドボックス
前席天井にはオーバーヘッドコンソールを備え、小物などの収納に役立つ。
後席には、容量24.4Lの3連式オーバーヘッドボックスを装備し、内部は区切りのない横長の空間で長尺物の収納も可能となっている。
リア床下収納
広大なラゲッジルームの他にも、リア床下収納があり、ちょっとした小物等を収納可能で便利だ。
さいごに
ルノー カングーはいかがだったでしょうか?
商用目的を念頭に置かれた作りが功を奏し、一般的な乗用モデルでもヒットするなど一風変わった経緯を持つカングーは、正に遊びに適したクルマであると感じる。
そこには、収納スペースの利便性の高さが大きなウエイトを持っているからだろう。
上述にある、オーバーヘッドコンソール・3連式オーバーヘッドボックスなど、日本車にはないユニークな装備をはじめ、ラゲッジルームの広大さ、使い方のバリエーションの多さなども、魅力的である。
こいうったところから、遊びでも日常的な買い物などでも、使い方が広がる。
後席ドアには、日本のミニバンで多く採用されているスライドドアになっているので、小さい子供がいるファミリー層にも使い勝手が良いのではないかと感じる。
実際に、日本市場での購入層は30代のヤングファミリーが9割以上を占めているので、納得の結果である。
MT車を購入するユーザーも多いことから、いわゆる普通のミニバンよりも個性的なクルマが欲しいといった要望に応えているクルマである。
クルマのサブスクはKINTO
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