2023-2024年の、日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考が終わり受賞車の面々が決定しました。
日本カー・オブ・ザ・イヤーは、1980年から始まり、毎年11月に最終選考をし年間を通じて最も優秀なクルマに授賞される企画になっています。
今回は、2023-2024年、日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞車が決定されたので、紹介します。
日本カー・オブ・ザ・イヤーとは
冒頭でもお伝えしたとおり、日本カー・オブ・ザ・イヤーは1980年より始まり、選考は二段階で行われ、第一次選考で10車種(10ベスト)を選考、この中からイヤーカーが決定されます。
主催者は、雑誌を中心とした37媒体で構成される、日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会となっており、催媒体を発行、発売、制作、放送する法人に属する常勤役員または社員を実行委員とし、選考委員は60名を上限とし、実行委員の推薦・投票により決定されます。
対象車は、前年の11月1日から当年の10月31日までに日本国内で発表、発売された乗用車のうち、ノミネートされたものが対象となります。
選考基準や方法
始めにノミネート車の中から上位10車種(10ベスト)が選出され、最終投票の直前には選考委員によるそれらの試乗会が行われます。
最終投票では、各委員は持ち点25点のうち最上位の1車種に10点を投じることが義務付けられ、残り15点が2位以下の4車種に配分できる仕組みとなっており、理論上の最高得点は10点x60名=600点であり、最も高い得点を得た自動車が「イヤーカー」として受賞します。
選考の基準として、実施規約では「選考委員は対象車についてコンセプト、デザイン、性能、品質、安全性、環境負荷、コストパフォーマンス等を総合的に評価して選考する」と定めている。
輸入車の扱い
第15回(1994年)以降、輸入車は日本国産車から区別して選考されており、別枠での第一次選考(「輸入車10ベスト」)が行われた後に、「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」を決定するというものでありましたが、しかしながら、このような二重基準は諸外国にも類例がなく(ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーや北米カー・オブ・ザ・イヤーなど)、第23回(2002年)からは統一した平等な評価が為されるようになりました。
これに対して、輸入車業界から「輸入車は本国より遅れて輸入されるのが多いので不公平だ」という反発があり、事実日本車より大きく点数で劣っていることが多かったため、第25回(2004年)からは、輸入車のなかで最高得点の車種に対しては「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」が無条件に授与されることとなっています。
第44回 日本カー・オブ・ザ・イヤー「トヨタ プリウス」
2023-2024、第44回日本カー・オブ・ザ・イヤーは、トヨタ プリウスが授賞しました。
授賞理由は、ハイブリッド車のパイオニアであり、長く牽引役、推進役を務め続けたプリウスが、ハイブリッド技術が一般化した今、もはやそのシンボルである必要はなく、5代目にしてついにその殻を破り、自らブレークスルーを図り新しいフェーズへ移行しました。
これまで空力性能最優先だったボディは、スタイリッシュなモノフォルムに大変身し、Cd値では従来型に少し劣るものの、前面投影面積を減らすことでCdA値は従来型並みに抑えることに成功している。
その上で低重心化とロングホイールベース化を図り、動的性能の著しい向上を実現したことが高く評価された。
操縦性はプリウス史上最も敏捷かつ正確なものに変貌を遂げ、スポーツドライビングが楽しめる。
これまでの、プリウスとは一線を画すスタイリッシュなクーペスタイルとなり、ハイブリッドカーとは思えない運動性能を手に入れ、ハイブリッドカーのその先を行く進化を高く評価された。
第44回 インポート・カー・オブ・ザ・イヤー「BMW X1」
インポートカー・オブ・ザ・イヤーには、BMWのコンパクトSUV「X1」が授賞しました。
授賞理由は、日本市場に相応しいコンパクトサイズでありながら、BMWらしい動的質感の高さを実現し、パワー・オブ・チョイス、つまりユーザーのライフスタイルに応じてBEV、ガソリン、48Vマイルドハイブリッド・ディーゼルの3種類のパワーユニットが用意され、そのどれもがハイレベルな走行性能を獲得している点が支持されました。
補助金を含めればほぼ同一のプライスレンジに収まるインポーターの努力も評価されています。
第44回 デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー「三菱 デリカミニ」
デザイン・カー・オブ・ザ・イヤーは、三菱 「デリカミニ」が授賞しました。
授賞理由は、近年厳ついフロントマスクがブランド・ランゲージだった三菱が一転、愛らしく魅力的な表情を採用したことが評価されました。
販売台数は、ekクロススペースの3倍強を達成したことから、デザインが商品性の高さに直結する大切な要素であることを自ら証明してみせました。
同社にとってアイコン的存在でもあるデリカのモデル名を用いるだけでなく、外観面でも同じ世界観を共有した意義も評価されています。
第44回 テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー「日産 セレナ」
テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーは、日産 「セレナ」が授賞しました。
授賞理由は、「セレナはモノより思い出」の公約通り、脇役に徹するための数々のテクノロジーが高評価を呼びました。
ミニバンでありながら高速道路でハンズオフ可能なプロパイロット2.0を最上級グレードに採用しました。
空力面ではミニバンの弱点である横風に強い細部処理を施す等抜かりなく、5ナンバー枠に収めながらタイヤサイズを拡大したにも関わらず、従来型並みの室内スペースを確保しています。
e-POWER用に新開発された3気筒1.4Lエンジンに対する評価も高い。
第44回 日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会特別賞「Japan Mobility Show」
日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会特別賞として、「Japan Mobility Show」が授賞しました。
授賞理由は、4年ぶり開催の「東京モーターショー」を「ジャパンモビリティショー2023」と改称し、新しいコンセプトを打ち立て、「人と人」、「会社と会社」、「人や会社と社会」を繋げる役割としてのモビリティの重要性を確立し、スタートアップ企業を含めた日本のモビリティ産業全般に新たな道筋を示したことを高く評価されました。
さいごに
第44回 日本カー・オブ・ザ・イヤーには、トヨタ プリウスが選ばれ、トヨタの授賞は2019年のRAV4以来、4年ぶりとなり、3度目の授賞となりました。
これまでの旧型モデルとは全く別物となり、燃費の良さだけではなくスタイリングやパフォーマンスを磨き上げてきたのが、大きな理由でしょう。
確かに、街中で見かけるとロー&ワイドスタイルに、19インチの大径ホイールなど、良い意味でプリウスらしくないで、かっこよく見えるので、授賞は納得ですね!
今後も、ハイブリッドカーのパイオニアとして、あっと驚く進化を遂げていくのを期待します。
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