最近、テレビやSNS、動画配信サービスなどでも毎日のように自動車の盗難のニュースが映っていて、様々な手口によって車両の盗難が横行している状態です。
クルマの盗難が増加している背景には、これも最近ニュースなどで取り上げられている、「半導体」やワイヤーハーネスといった自動車の生産に欠かすことのできない部品の供給が、通常時では考えられないほど遅れていて、新車の生産と納車のスケジュールが、大幅に崩れてしまっていることが原因に挙げられます。
特に、メディアで報じられている盗難被害の動画などを見ると、高級SUVのレクサス「LX570」や高級ミニバン「アルファード」がターゲットの中心となっていて、他にもマツダ「RX-7」やホンダ「シビックタイプR」、日産の「スカイラインGT-R」などの旧車にカテゴライズされるスポーツカーも、ターゲットの中心になっています。
これらの車両に限らず、窃盗団はいつでも盗めるクルマがあるかどうか目を光らせている状況にあります。
こういった盗難被害から守るためには、ご自身で何かしら対策を立てて盗難被害に合わないようにするしかありません。
今回は、こういった盗難被害を受けないために、物理的に行える盗難防止アイテムをご紹介します。
【追加料金なし!】契約満了時に車がもらえる『MOTA定額マイカー』2022年(1月~12月)の自動車盗難の状況
まず、どれだけ自動車盗難の被害に遭っているか現状を知ることが大切ですよね。
2022年(1月~12月)に起きた自動車盗難の被害数は、5,734件になっていて前年の2021年の合計発生件数が5,182件だったので、552件も増えていて特に主要部で増加傾向にあります。
都道府県別での順位は下図のようになっており
順位 | 都道府県 | 件数 |
1 | 愛知 | 884 |
2 | 大阪 | 652 |
3 | 千葉 | 627 |
4 | 埼玉 | 606 |
5 | 茨城 | 587 |
6 | 栃木 | 330 |
7 | 神奈川 | 276 |
8 | 群馬 | 233 |
9 | 東京 | 179 |
10 | 兵庫 | 139 |
トップ10の都府県が全体の8割を占めています。
尚、上位5位の愛知・大阪・千葉・埼玉・茨城は毎年順位が入れ替わる盗難激戦区となっているので、特に気をつけなければいけない地域であります。
2021年の盗難車ベスト10
車両盗難と一概に言っても、やはり狙われやすい車種があるのは当然のことです。
2021年の盗難車ベスト10は下図のようになります。
順位 | 車種 | 件数 |
1 | ランドクルーザー(トヨタ) | 331 |
2 | プリウス(トヨタ) | 266 |
3 | LX(レクサス) | 156 |
4 | アルファード(トヨタ) | 138 |
5 | クラウン(トヨタ) | 81 |
6 | ハイエース(トヨタ) | 78 |
7 | RX(レクサス) | 58 |
8 | ヴェルファイア(トヨタ) | 41 |
9 | LS(レクサス) | 36 |
9 | ハリアー(トヨタ) | 36 |
以上のように、全てがトヨタ車系となっており、ランドクルーザーやプリウスは盗難車の常連と言っていいほど、常に上位にいます。
6位に入っているハイエースは、2013年まで7年連続で1位となっていましたが、2014年から大幅に減少しているものの、未だトップ10入りしています。
これらの車種は、海外で人気の車種になっており、盗難された車両は海外に不正輸出されているケースも多くあります。
一度盗まれてしまうと、見つけることが困難になり、無事に手元に戻ってくるのはとても難しい状況になると考えられます。
物理的に行える、防犯対策アイテムの導入を検討しよう
最新の車種には、「イモビライザー」と呼ばれるキーに内蔵された電子照合システムによって、車体側と電子照合を行うことでエンジンが掛かるシステムを搭載している車種が7割ほどあるが、本来はクルマの修理作業に使われる「イモビカッター」と呼ばれる、イモビライザーの機能を無効にする機械を使い、不正にエンジンを掛けて盗むケースが多発しています。
そして、最新の犯行手口としては、「CANインベーダー」という手法の盗難手口が主流となっていて、より効率的で素早く盗難できるのが特徴です。
こういった電子制御による盗難手口は、中々対策することが難しいのが現状です。
電子制御による盗難を防ぐためには、物理的な防犯アイテムを使うことで、少しでも盗難のリスクを減少させられる事も可能だと思います。
物理的に行う、防犯対策アイテムの紹介
防犯用センサーライト
手軽で安価に行えるのが、防犯用センサーライトになります。
センサーライトはホームセンターなどで、安価で購入ができ、ほとんどの製品が暗闇での動きにしっかり反応します。
乾電池式と、太陽電池パネル式があり、日中に日の当たりが良い所に設置する場合は太陽電池パネル式をオススメします。
暗闇の中、駐車場が明るくなったことによって、家の中や周辺道路を歩いている人にも目立ちやすくなるので、窃盗団は逃げていくでしょう。
防犯カメラ
防犯カメラを取り付けることで、盗難を未然に防ぐことができます。
最近では無線式の安価な製品が販売されていて、無線LAN経由でインターネットを介してパソコンやスマホで映像を確認することができます。
ただし、取り付ける際に設定が難しかったり、ACアダプタが防水仕様ではなかったりするため取り付け場所が限られるというデメリットもあります。
しかし、映像は現代では立派な証拠となり得るので、効果がかなり高いのは言うまでもないでしょう。
どうしても、取り付けが難しい場合には「ダミーカメラ」を設置するのも一つの手です。
ダミーカメラに加えて、「防犯カメラ作動中」などのプレートやステッカーを掲示することで、未然に防げる可能性が高まります。
タイヤロック
タイヤやホイールに取り付けて、エンジンがかかっても物理的に動かせないようにするのが、タイヤロックです。
大型の金具でホイールのスポークの間を通して固定することで、タイヤが回らないようにする事のできる装置になります。
ただし、車両を強引に動かしたり、器具によって壊され盗難されたケースもありますので、絶対的な安心はできないが、視覚的に盗むにあたり、面倒だと思わせることができ、未然に防ぐことができます。
ブレーキペダルロック
ブレーキペダルロックとは、物理的にブレーキペダルを踏み込めないようにする装置になります。
もし、仮に車内に侵入されたとしても、ブレーキペダルが踏み込めないと、エンジンも掛けられないし、他の手口でエンジンを掛けられたとしても、ブレーキが踏めなくなるため、盗むことを諦めさせることができるアイテムになります。
視覚的効果は難しいですが、車両自体を持っていかれることのリスクは低くなり、有効的な手段になるでしょう。
さいごに
冒頭でもお伝えした通り、年々車両の盗難が増加傾向にあります。
クルマは進化し続けていて、防犯対策も強化されてはいますが、それでもイモビカッターやCANインベーダーを使用して、実際に盗難にあっているケースがあるのが事実です。
なので、「まさか自分のクルマが盗難に遭ってしまった」とならないためにも、防犯の意識を高めていくことが大切です。
とめている駐車場によってできる対策が限られていますが、ご自身ができる最善の対策をすることをオススメします。
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