まるでSF映画に出てきそうな近未来的な形をしたトヨタ『LQ』が今夏~秋に発表

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トヨタ自動車は、人工知能や自動運転など人に寄り添う新しいテクノロジーにより「新しい時代の愛車」を具現化したコンセプトカー「LQ」を2019年の東京モーターショーで初公開された。

LQエクステリア

同車は、2017年1月の2017International CESに出展した「TOYOTA Concept-愛i」で表現した未来の愛車体験コンセプトを忠実に実現しており、米国で人工知能や自動運転・ロボティクスなどの研究開発を行うToyota Research Instituteと共同開発したAIエージェントや自動運転機能を搭載しているクルマになっている。

あまりにもその見た目は、既存のクルマとは一線を画すデザインで、まるでSF映画に出てくるクルマのようなデザインがあしらわれている。

今後、この様なクルマが出てくる事を考えるとクルマの概念が大きく変わりそうだ。

今回は、トヨタ「LQ」についてお伝えする。

モビリティエキスパートAIの『YUI』の搭載

LQに搭載されているAIエージェントのYUIは、モビリティエキスパートとして1人1人のニーズに合わせた特別な移動体験を提供することを目的に開発された。

YUIは、常に乗員の表情や動作から感情や眠気などの状態を推定し、会話を中心としたコミュニケーションに加えて、覚醒・リラックス誘導機能付きシート・音楽・車内イルミネーション・空調・フレグランスなどの各種HMI(Human Machine Interface)を用いて働きかけ、安全・安心・快適な移動に貢献する。

また、シーンや嗜好に応じた音楽の選曲・再生や、興味のある話題や施設情報を提供することで移動自体を楽しむことをサポートする。

「YUI」の開発およびサービス向上のため、株式会社JTBには乗員の嗜好に適した施設案内情報やドライブルートの提供を行い、AWA株式会社にはクルマの状況や乗員の嗜好に適したストリーミング音楽の提供、株式会社NTTドコモには試乗拠点に5G基地局を設置し、高速かつ安定した通信環境の提供と、3社に協力をもらっている。

将来は、乗員のスマートフォンなどクルマ以外の端末や他のサービスとの連携を進めることで、サポートする領域をより拡大していくことを目指している。

YUIが乗員を見守り、乗員に合わせたサービスを行うなんて本当に近未来型だ。

自動運転のみならず、無人自動運転などの搭載により、安心安全で快適な移動体験を享受する

トヨタ LQにはSAEレベル4相当の自動運転だけでなく、パナソニック株式会社っと共同開発している駐車場において乗降場と駐車スペース間で無人自動運転ができる無人自動バレーパーキングシステム、ドライバーの視線移動を低減することで安全運転を支援するAR-HUD、覚醒やリラックスをサポートし、運転に適した状態の維持に貢献する覚醒・リラックス誘導機能付きシート等により、安全・安心かつ快適な移動体験を実現している。

SAEレベル4の自動運転とは

自動運転のレベル4は、「高度運転自動」という位置に属し、例えば空港から東京の都市部へのルートなど特定な場所において自動運転システムが周辺をセンシング・認識を行い、運転に関わる全ての操作を行う。

この自動運転レベル4の状態になると、多くの人がイメージする車内でのミーティングや仮眠をしながらの移動などができるようになります。

LQ自動運転

※レベル4の前後にある、レベル3は「条件付き運転自動」でレベル5は「完全自動運転」になる。

無人自動バレーパーキングシステムとは

駐車場において、乗降場と駐車スペース間で無人自動運転ができるシステムになり、駐車スペースを探す必要がなくなり、高齢者の方、お身体の不自由な方、妊娠中や乳幼児を連れている方などアクセシビリティに配慮が必要な方に加えて、駐車が苦手な方の負担を軽減する。

LQ無人自動バレーパーキングシステム

また、隣接する車両と20cm間隔で駐車できるため、駐車場の省スペース化に貢献する。

車両に搭載した複数のカメラ・ソナー・レーダーに加えて、2次元路面マップを用いて車両の現在位置を特定するシステム、駐車場に設置したカメラ、自動バレー駐車を指示する管制センターを連携させ、駐車場内での入庫と出庫を無人で行い、車両のセンサーと駐車場のカメラが自動運転経路への他の車両や歩行者の進入を監視しており、他の車両や歩行者を検知した場合は自動で停車するシステムになっている。

AR-HUDとは

AR(Augmented Reality)表示ができるHUD(Head Up Display)によってHUDの情報表示エリアを拡大し、ドライバーの視線移動を低減することで安全運転を支援する。

LQAR-HUD1

ウインドシールド越しに見える風景に、注意喚起情報(車線、標識など)や経路案内などの運転をサポートする情報を立体的にわかりやすく表示させることが可能となり、また車両前方7m~41mの奥行を持つ(230インチ相当)大画面表示によって、ドライバーの視線移動を低減する。

LQAR-HUD2

世界初の覚醒・リラックス誘導機能付きシートの搭載

運転者の状態に合わせて、シートに内蔵した複数のエアブラダーと呼ばれる空気袋や空調機能によって、覚醒やリラックスをサポートし運転に適した状態の維持に貢献する。

運転者が眠気を感じている場合は、シートバック内のエアブラダーを膨らませることで背伸びのような姿勢をサポートするとともに、シート空調の冷風刺激によって、ドライバーの覚醒を促す。

一方、自動運転モードなどドライバーがリラックスできるときは、シートバック内のエアブラダーを徐々にゆっくりと膨張・収縮させ腹式呼吸をサポートすることで、より深いリラックスを誘導する。

これまでにない、新しいHMI((Human Machine Interface)の機能

これまで車両と乗員が情報をやり取りする接点ではなかった車両のルーフやフロアマットをHMI領域として活用し、乗員に直感的でわかりやすく情報を伝えます。

ルーフやフロアマットの中にイルミネーション機能を搭載することで、自動運転モードと手動運転モードで異なるカラーを点灯させたり、「YUI」が話しかけている乗員のフロアマットを発光させたりすることが可能です。

LQHMI

また、ヘッドランプに内蔵された100万個の微小なミラーの切り替えによって、複雑な図形や文字を路面に描画することができるDMD(Digital Micromirror Device)式ヘッドライトによって、ドライバーに路面状況を知らせたり、車内外のコミュニケーションが可能となる。

LQDMD

トヨタ初となる有機ELメーターの採用

メーターにはトヨタ初となる有機EL(Emitting Diode)ディスプレイを採用することで、高い視認性を確保しながら、ディスプレイを大きく曲げることで先進的なインパネ造形を際立たせた。

LQ有機ELメーター

LQのボディ塗装には、大気浄化する塗料を採用

オゾンを酸素に分解する新開発触媒塗料をラジエーターファンに塗布することで、車両走行時に光化学スモッグの原因となる地表付近のオゾン(対流圏オゾン)を分解する。

この塗料を採用することで、走れば走るほど、空気がきれいになるクルマとして期待ができ今後は市販車両への搭載を検討している。

近未来的なエクステリアとインテリアでこれまでにない新しいデザインを表現

全体的な車両デザインは、キャビンを前に出した未来的シルエットとし、車両中央にある「YUI」を起点に車両内外をシームレスに連続させる「INSIDE OUT」をデザインテーマとして採用している。

インテリアでは、エアコンの吹き出し口を乗員から見えない場所に配置するインビジブルレジスタを採用することでインパネ周辺の凹凸が少ないシンプルな造形を実現させた。

LQインテリア

また、センターコンソールには、トポロジー最適化という設計手法と3Dプリンター工法の組み合わせにより、強度確保と意匠に分かれていた構造を一体化し、乗員から見える支持構造体を減らすことで、先進的な車内空間の実現に貢献している。

エクステリアでは、ドアの下部もガラス面とすることで、ドア部分と車内空間がシームレスにつながり、より洗練された造形となっている。

LQ横から

さいごに

トヨタのLQ、いかがでしたか?まさに、今から何百年、何千年後の未来を描写しているSF映画などに出てきそうなクルマの姿をしていますね。

これが2020年中に正式発表され、数年後には実用化すると考えるとかなりクルマの進化が一気に加速していきそうです。

自動運転のレベル4を達成させていることで、運転の楽しみは正直薄れていくと個人的に思うが、それよりもクルマという存在は第一に便利という性質があるので、どんどん利便性を図るクルマがこれから登場してくるのであろう。

筆者は、こういった最新のクルマは好きなので他メーカーからもLQのような近未来型のクルマが出てくることを期待している。

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