自動車メーカーの顔とも言えるエンブレム。各社のエンブレムに対する熱い思いに、思わず胸アツになりました。Part.5

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Showono Car Programの中で、人気シリーズの1つに挙げられる、エンブレムの由来について第5弾目をお伝えします。

クルマには各メーカーのエンブレムが付いているのは最早当たり前のことなのですが、各メーカーのエンブレムについて深掘りしていくと、そのメーカーの目指している部分やコンセプトが分かってくるので、非常に面白いものだと思います。

それでは、今回は自動車メーカーのエンブレムの由来シリーズを始めていきますが、第5弾ではスウェーデンと、フランスメーカーのクルマについてピックアップします。

スウェーデンメーカー

VOLVO(ボルボ)

エンブレムの由来6 ボルボ

日本市場においても人気の高い輸入車メーカーと言えるボルボですが、スウェーデン・イエーテボリに本拠を置く乗用車メーカーであり、SUVやステーションワゴンが特に人気のあるメーカーと言える。

ボルボのエンブレムを見てみると、VOLVOの文字を囲う円の右斜め上に矢印の付いているマークがデザインされていて、一見オスメスを表すマークのオスマークの様に見えるが、古くはローマ時代にさかのぼり、スウェーデンでは古くから『製鉄』を表すシンボルマークとして使われてきたのです。

現在でも、ボルボのボディは「走る金庫」と言われるほど、ボディの頑丈さには定評がありますが、1927年に量産が開始された初代ボルボのOV4にも、今のエンブレムは既に採用されていて、当時の他国で精製された鉄に比べ、スウェーデン製の鉄の「頑丈で信頼性が高い」というイメージを想起させるものとして存在感を表していました。

こういった頑丈な作りをしていることから、このエンブレムは「アイアンマーク」と呼ばれるようになりました。

ボルボ車は、エレガントな見た目が先行しててとても頑丈そうには見えないですが(筆者の偏見です)、実は屈強で頑丈なボディを持ち合わせているところが、ボルボの一番のメリットなのではないかと思います。

サーブ(SAAB)

エンブレムの由来6 サーブ

スウェーデンが誇る、忘れられてはいけないメーカーがサーブ(SAAB)だろう。

先日、映画賞の最高峰と謳われる第94回アカデミー賞にて、国際長編映画賞を受賞した、西島秀俊主演、村上春樹の短編を映画化した濱口竜介監督最新作の映画「ドライブ・マイ・カー」にも出演したクルマがサーブの「900」というクルマであり、中古市場でも問い合わせが多数きているといった状態であることから、サーブというメーカーに注目が浴びている。

話を戻しまして、サーブのエンブレムには、ギリシャ神話のグリフォンとSAABというロゴから成り立っています。

これは、1968年にトラック・バスメーカーのスカニア-VABIS社(Scania-VABIS)と合併し、サーブ・スカニア社(SAAB-SCANIA AB)となった経緯で、スカニア社で伝統的に採用されてきたグリフィンのデザインがサーブでも採用されるといった流れになっています。

フランスメーカー

プジョー(PEUGEOT)

エンブレムの由来6 プジョー

プジョーは、日本でもおなじみのフランスを代表するクルマメーカーの1つで、エンブレムに採用されている「ライオン」マークは有名であろう。

しかし、実は自動車業界へ参入する前に製鉄工場を営んでおり、このルーツが現在のライオンをモチーフにしたエンブレムが誕生するのです。

ライオンマークが初めて採用されたのは1850年になり、このマークは最高品質を表すものとして扱われ、プジョーが主要製品としていた「のこぎりの刃」に刻印されていました。

この、のこぎりの刃を宣伝するにあたって、「鋸の刃の堅牢さは、ライオンの歯のごとく」「鋸の刃のしなやかさは、ライオンの強靭な肉体のごとく」「鋸の刃の切れ味の良さは、獲物に飛びかかるライオンのごとく」であると、刃の品質とライオンが結び付けられるようになったのが由来となります。

そして、今では「ベルフォールのライオン」と呼ばれるプジョーのエンブレムは時代とともに変移しており、2021年には新しいライオンエンブレムを発表し、話題となったのは記憶に新しいだろう。

これからも、ライオンのように強くたくましいプジョーを期待し続けたい。

ルノー(RENAULT)

エンブレムの由来6 ルノー

ルノー(RENAULT)は、自動車メーカーの中でも長い歴史を持つ企業の一つとして知られており、創業は1898年、3人のルノー兄弟によって「ルノー・フレール社」という名前で設立されたのがルノー社の始まりです。

そして、ルノーが公式にロゴを持つようになったのは、創業から2年後の1900年になり、当時のマークは創業メンバーのルイ(Louis)・マルセル(Marcel)・フェルナン(Fernand)のそれぞれのイニシャルをモチーフにして作られました。

その後1925年までに、ルノーのロゴマークは4度変更されており、1925年に登場したのが現在のエンブレムの原型とも言える、ルノーと言えばの「菱形」のロゴが登場したのです。

しかし、今でも使われている菱形デザインになった経緯は、当時の資料や作者もわからないとのことです。

一説によると、ボディの前面にあった穴を塞ぐものとして菱形が採用されていたからという話もありますが、真偽の程は定かではありません(笑)

謎が深まるルノーのエンブレムですが、真相がわかるときはくるのでしょうか?

シトロエン(CITROEN)

エンブレムの由来6 シトロエン

シトロエン(CITROEN)のエンブレムと言えば、2つの山型からなるエンブレムが特徴的だが、これを「ダブルシェブロン」と名称がある。

このエンブレムには、V字型のミゾを持つやまば歯車(ダブルヘリカルギア)が噛み合う接触面に由来しているのだ。

どうしてこの様な形状になったかというと、創業者のアンドレ・ギュスターヴ・シトロエンが22歳の時の旅行でポーランドのウッチ市を訪れた1900年まで遡り、ウッチ市に住む義理の兄弟の取引先が営んでいるグウォブノの小さな機械製作会社を訪れ、木製のやまば歯車の加工技術に出会いました。

この製造技術の特許はロシア人が所有していたが、アンドレはこの技術を金属加工に応用する目的で購入し、アンドレはこのやまば歯車の生産で基礎を築き、1919年に自動車会社モースを吸収合併してシトロエンを設立しました。

しかも、初期のシトロエン車にはリアアクスルのファイナルドライブギアに、やまば歯車を使用されていたのだった。

やまば歯車に出会ったことが、シトロエンというメーカーが誕生したことと、エンブレムにも強くこだわりが詰まっていることが分かる。

さいごに

今回は、スウェーデン車とフランス車についてのメーカーエンブレムについて話してきましたが、各メーカーこだわりが詰まっていましたね。

スウェーデンメーカーにおいては、イメージ的な部分からエンブレムが作られている感じがしましたが、フランスメーカーについては、クルマに関係しない工業を営んでいるところから自動車業界に参入するケースが多く、その時に出会った工業製品からエンブレムが採用されていることが特徴的でした。

今回も、各メーカーのエンブレムに対する熱い思いが感じられましたね。

それでは、今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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