三菱 エクリプスクロス(MITSUBISHI ECLIPSE CROSS)は、三菱自動車のグローバル戦略車として日本国内の販売開始以前に2017年10月に欧州への出荷をはじめ、同年11月にオーストラリア・ニュージーランド・ASEAN地域、2018年1月に北米に出荷し、2018年3月1日から日本国内での販売を開始した。最終的には80か国へ展開する計画がなされている。
三菱 エクリプスクロスのデザインテーマは、「VIBRANT&DEFIANT(躍動、そして挑戦)」としており、アスリートがクラウチングスタートから走り出す瞬間を表現している。
三菱 エクリプスクロスは、このデザインテーマから「クーペSUV」と表現しており、以前三菱自動車で扱っていた、エクリプスのクーペスタイルになぞらえ、車名にエクリプスが採用されている。
現代では、SUV人気がまだまだ続いている中、三菱自動車が新たなコンパクトSUVとしてエクリプスクロスを投入し、日本国内のみならず海外でも活躍が期待される。
三菱 エクリプスクロスの価格は、ガソリン車モデル258万6,100円~317万3,500円。
ディーゼルモデル311万8,500円~347万4,900円
2種類のエンジンと、組み合わされるトランスミッションの特性
三菱 エクリプスクロスは、1.5Lガソリン直噴ターボエンジンと、2.2Lクリーンディーゼル直噴ターボエンジンの2種類のエンジンで構成される。トランスミッションにも2つの異なるエンジン特性に合わせてガソリン車用とディーゼル車用の2つを組み合わせる。
1.5Lガソリン直噴ターボエンジンは、低中速からのレスポンスの向上や、パワフルな加速フィーリングと高い燃焼効率を実現するために、燃料噴射を最適化する直噴システムに加え、傘中空ナトリウム封入排気バルブを搭載させた。
このシステムによって、2,000rpm~3,500rpmという低速域で240N・mの最大トルクを発揮し、三菱社の2.4L自然吸気エンジンをしのぐ高トルクを実現させている。
ターボチャージャーには、斜流タービンと電動ウエストゲートバルブを採用し、過給レスポンスの向上を図りながら、大型インタークーラーによって充てん効率をさらに高めた。ガソリンエンジン車に組み合わせられる、「INVECS-Ⅲ 8速スポーツモードCVT」を採用しており、8速クロスレシオ設定でエンジンのポテンシャルをフルに引き出す。
CVTながら、ステップシフト制御の採用によりダイレクトな加速フィーリングを実現させている。更に、ステアリングにはパドルシフトが装備され、運転者の意のままにシフトチェンジが行え、スポーティーな走りを存分に楽しめる。
1.5Lガソリンエンジン車の燃費は、WLTCモードで12.4km/L(4WD)~13.4km/L(2WD)
2.2Lクリーンディーゼル直噴ターボエンジンには、コモンレール式燃料噴射による急激な燃焼を抑えて高出力化を実現したり、次世代燃料インジェクターといった主要機構の改良と、フリクションの大幅低減により、わずか2,000rpmで最大トルク380N・mもの力強さを発揮する。
また、排出ガスをクリーンに浄化する「尿素SCRシステム」を採用することにより、優れた環境性能を確保しつつ圧倒的な走破性能を両立した。
ディーゼルエンジン車に組み合わせられる、8速スポーツモードATは、多段化に伴う広い変速比幅、クロスレシオ化されたギヤ比などにより、常に最適な回転域をキープし、あらゆるシーンで力強くゆとりのある加速を実感できる。
2.2Lディーゼル車の燃費は、WLTCモード14.2km/L
三菱e-Assistによる確かな安全性と、運転者の疲労軽減に寄与する便利機能
三菱 エクリプスクロスには、様々な先進テクノロジーによる万一の際のリスクを最小限に抑制する。
前方車両や歩行者に衝突する危険性があった際にはカメラとレーザーレーダー、電波式レーダーを用いて警報ブザーや、段階的にブレーキ操作を制御し衝突被害へのアシストをします。
その他、車線逸脱警報システムにより車線から外れそうになるとブザーとインフォメーションディスプレイ上で運転者に注意を促したり、後退時車両検知警報システムにより、リアの電波式レーダーにより、駐車場などで後退で出庫する際に接近車を検知するとブザーやインフォメーションディスプレイとドアミラーインジケーターの点滅により衝突を未然に防ぐ。
もちろん、ペダルの踏み間違いによる誤発進を抑制する機能や、レーダークルーズコントロールによる、先行車との車間距離をキープしながら後続してくれる機能など、あらゆる場面で先進技術が衝突防止と運転者の疲労軽減をします。
クーペフォルムに実用性のある居住性の両立を最大限にはかる
三菱 エクリプスクロスは、美しいクーペスタイリングにも関わらず実用性のあるラゲージスペースが確保されている。
リアシートを最前端にスライドした状態で448Lの最大荷室容量を実現した。さらに、ラゲージルーム下部にはアンダーボックスを装備させ、工具類や汚れ物などの収納に役立つ。
リアシートには、9段階のリクライニング機構を採用しており、シートスライドは200mm可能となっていて、好みのシートポジションに設定できる。
200mmのシートスライドの恩恵を活かして、シートバックを倒して積載量を重視した設定や、乗員の快適性の両立が可能となっている。
海外先行モデルである、エクリプスクロスの国内での評価は
冒頭でもお伝えしている通り、三菱 エクリプスクロスは国内販売よりも先に海外への輸出販売からはじまり、国内販売を始めた言わば逆輸入車的な存在である。
このような順序を辿ったせいか、エクステリアデザインは国産車にはない独特なスタイルで、街で見かけても欧州車?と間違ってしまうほどのものだ。
現状、国内ではコンパクトサイズのSUVが人気の中心であるが、その部分に焦点を当てエクリプスクロスが投入されたのではないかと、感じる。
エクリプスクロスのデザインや快適装備、予防安全技術の進化が組み合わさり、2018年度グッドデザイン賞を受賞したり、2019年次RJCカー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、これは三菱自動車では2007年次のi以来12年ぶりの快挙を果たした。
このように、数々の賞を受賞し、ふたを開けてみれば日本国内での評価は高かったということになる。
これを機に、三菱自動車としてもエクリプスクロスに対する造りこみやネームバリューを上げるための構想を練っていると思うので、今後のエクリプスクロスの進化に目が離せない。
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